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− | '''阪本 釤之助'''(さかもと さんのすけ、 | + | '''阪本 釤之助'''(さかもと さんのすけ、[[1857年]][[8月13日]] - [[1936年]][[12月16日]])は、[[日本]]の[[官僚]]、[[政治家]]、[[詩人]]。[[尾張国]][[愛知郡 (愛知県)|愛知郡]][[鳴尾村 (愛知県)|鳴尾村]]の[[永井氏]]の家に生まれ、[[元老院]]議員・[[坂本政均|阪本政均]]の婿養子となる。[[内務省|内務]]官僚や[[滋賀県]]職員などを経て、[[福井県知事]]、[[鹿児島県知事]]を歴任。1911年から[[名古屋市長]]、[[貴族院 (日本)#勅選議員|貴族院勅選議員]]を務めた。詩書を得意として、[[俳号]]:'''三橋'''(さんきょう?)、[[雅号]]:'''蘋園'''(ひんえん)を用い、名古屋市長時代は「蘋園市長」と呼ばれた。1917年に名古屋市長を退職した後、[[日本赤十字社]]副社長、[[維新史編纂会]]副総裁を歴任。1920年から[[尾張徳川家]]の御相談人となり、1934年に[[枢密院 (日本)|枢密顧問官]]となった。 |
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+ | *[[安政]]4年[[6月24日 (旧暦)|6月24日]](1857年8月13日)、尾張国愛知郡鳴尾村で、永井匡威の3男として生まれる{{Sfn|香山|2016|p=122}}。[[永井氏|永井家]]は、[[苗字帯刀|帯刀]]を許された[[豪農]]であった{{Sfn|永井|2000|p=219}}。 | ||
+ | *{{いつ|date=2016年10月}}元老院議官・阪本政均の婿養子となる{{Sfn|香山|2016|p=122}}。 | ||
+ | *1877年(明治10)、[[愛知県]]4等学区取締 | ||
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+ | *1885年、滋賀県2等属・衛生課長兼学務課長 | ||
+ | *1886年、滋賀県属・第1部庶務課長 | ||
+ | **滋賀県庶務課長に転じ、県令・[[中井弘]]に愛された{{Sfn|長江|1916|p=7}}。 | ||
− | + | *1887年、[[函館控訴院]]書記官{{Sfn|長江|1916|pp=7-8}} | |
+ | *1888年、[[名古屋控訴院]]{{Sfn|長江|1916|p=8}} | ||
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+ | *[[岡山県]]書記官{{Sfn|長江|1916|p=8}}。水害工事で功績があったが、病気で退官{{Sfn|長江|1916|p=8}}。 | ||
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+ | *1902年(明治35)、福井県知事{{Sfn|香山|2016|p=122}}。 | ||
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+ | **{{Harvtxt|香山|2016|p=122}}は、1909年(明治42)に鹿児島県知事、1910年(明治43)に[[熊本県知事]]、としている。 | ||
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+ | *1911年(明治44)7月4日から名古屋市長(1917年まで)。名古屋市長時代は「蘋園市長」と呼ばれて親しまれた。{{Sfn|香山|2016|p=122}} | ||
+ | *1911年8月24日から[[貴族院 (日本)#勅選議員|貴族院勅選議員]]({{要出典範囲|date=2016年10月|1934年まで}}){{Sfn|香山|2016|p=122}}<ref>『官報』第8454号、明治44年8月25日</ref>。 | ||
+ | *名古屋市長退職後、[[日本赤十字社]]副社長、[[維新史編纂会]]副総裁を歴任{{Sfn|香山|2016|p=122}}。 | ||
+ | *1920年から[[尾張徳川家]]の御相談人となる{{Sfn|香山|2016|p=122}}。 | ||
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== 栄典 == | == 栄典 == | ||
− | * | + | *1903年(明治36)12月26日、[[勲四等]][[瑞宝章]]<ref>『官報』第6148号「叙任及辞令」1903年12月28日</ref>。 |
− | * | + | *1906年(明治39)4月1日、[[旭日章|勲三等旭日中綬章]]<ref>『官報』号外「叙任及辞令」1907年3月31日</ref>・[[従軍記章#発行された従軍記章|明治三十七八年従軍記章]]<ref>『官報』第7606号・付録「辞令」1908年10月31日</ref>。 |
== 家族・親族 == | == 家族・親族 == | ||
*外交官の[[阪本瑞男]]及び詩人・ドイツ文学者の[[阪本越郎]]は正妻との間の子{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-87}}。 | *外交官の[[阪本瑞男]]及び詩人・ドイツ文学者の[[阪本越郎]]は正妻との間の子{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-87}}。 | ||
*作家、詩人の[[高見順]]は[[庶子]]{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-87}}。 | *作家、詩人の[[高見順]]は[[庶子]]{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-87}}。 | ||
− | **タレントの[[高見恭子]] | + | **タレントの[[高見恭子]]は孫{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-88}}。 |
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*政治家の[[古井喜実]]は女婿{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-87}}。 | *政治家の[[古井喜実]]は女婿{{Sfn|小谷野|2007|pp=86-87}}。 | ||
**[[童謡歌手]]の[[鷲津名都江|小鳩くるみ]]も阪本の親族である{{Sfn|小谷野|2007|pp=85-88}}。 | **[[童謡歌手]]の[[鷲津名都江|小鳩くるみ]]も阪本の親族である{{Sfn|小谷野|2007|pp=85-88}}。 | ||
** 漢詩人・官僚の[[永井久一郎]]は実兄{{Sfn|小谷野|2007|pp=85,87}}。 | ** 漢詩人・官僚の[[永井久一郎]]は実兄{{Sfn|小谷野|2007|pp=85,87}}。 | ||
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2019年6月23日 (日) 17:28時点における最新版
本来の表記は「阪本釤之助」です。この記事に付けられた題名は記事名の制約から不正確なものとなっています。 |
阪本 釤之助(さかもと さんのすけ、1857年8月13日 - 1936年12月16日)は、日本の官僚、政治家、詩人。尾張国愛知郡鳴尾村の永井氏の家に生まれ、元老院議員・阪本政均の婿養子となる。内務官僚や滋賀県職員などを経て、福井県知事、鹿児島県知事を歴任。1911年から名古屋市長、貴族院勅選議員を務めた。詩書を得意として、俳号:三橋(さんきょう?)、雅号:蘋園(ひんえん)を用い、名古屋市長時代は「蘋園市長」と呼ばれた。1917年に名古屋市長を退職した後、日本赤十字社副社長、維新史編纂会副総裁を歴任。1920年から尾張徳川家の御相談人となり、1934年に枢密顧問官となった。
経歴[編集]
- 安政4年6月24日(1857年8月13日)、尾張国愛知郡鳴尾村で、永井匡威の3男として生まれる[1]。永井家は、帯刀を許された豪農であった[2]。
- いつ?元老院議官・阪本政均の婿養子となる[1]。
- 1877年(明治10)、愛知県4等学区取締
- 1879年、内務9等属・衛生局
- 1880年、内務8等属
- 1881年、内務7等属
- 1882年、内務6等属、内務5等属
- 1884年、内務4等属
- 1885年、滋賀県2等属・衛生課長兼学務課長
- 1886年、滋賀県属・第1部庶務課長
- 1887年、函館控訴院書記官[4]
- 1888年、名古屋控訴院[5]
- 1889年、滋賀県書記官[5]・第2部長要出典
- 1890年、滋賀県第1部長要出典・奈良県参事官[5]
- 岡山県書記官[5]。水害工事で功績があったが、病気で退官[5]。
- 大阪某銀行頭取[5]
- 1897年、貴族院書記官[5]
- 1898年、兼内務書記官・東京府書記官[5]
- 1902年(明治35)、福井県知事[1]。
- 1907年(明治40)要出典、鹿児島県知事[1]。
- 1911年(明治44)7月4日から名古屋市長(1917年まで)。名古屋市長時代は「蘋園市長」と呼ばれて親しまれた。[1]
- 1911年8月24日から貴族院勅選議員(1934年まで要出典)[1][6]。
- 名古屋市長退職後、日本赤十字社副社長、維新史編纂会副総裁を歴任[1]。
- 1920年から尾張徳川家の御相談人となる[1]。
- 1934年要出典、枢密顧問官(1936年まで在任要出典)[1]。
- 1936年12月16日没要出典。
栄典[編集]
家族・親族[編集]
系譜[編集]
付録[編集]
関連文献[編集]
- 名古屋市 (1969) 名古屋市教育委員会 [ 明治の名古屋人 ] 名古屋市教育委員会 1969 JPNO 73003832
脚注[編集]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 香山 2016 122
- ↑ 永井 2000 219
- ↑ 長江 1916 7
- ↑ 長江 1916 7-8
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 長江 1916 8
- ↑ 『官報』第8454号、明治44年8月25日
- ↑ 『官報』第6148号「叙任及辞令」1903年12月28日
- ↑ 『官報』号外「叙任及辞令」1907年3月31日
- ↑ 『官報』第7606号・付録「辞令」1908年10月31日
- ↑ 10.0 10.1 10.2 小谷野 2007 86-87
- ↑ 小谷野 2007 86-88
- ↑ 12.0 12.1 小谷野 2007 85-88
- ↑ 小谷野 2007 85,87
- ↑ 小谷野 2007 87
参考文献[編集]
- 香山 (2016) 香山里絵 「尾張徳川美術館」設計懸賞 pdf 金鯱叢書 43 徳川美術館 2016-03 2188-7594 103-131
- 小谷野 (2007) 小谷野敦 [ 日本の有名一族‐近代エスタブリッシュメントの系図集 ] 幻冬舎新書 幻冬舎 2007-09-30 ISBN 978-4-3449-8055-6
- 秦 (2002) 秦郁彦 [ 日本近現代人物履歴事典 ] 東京大学出版会 2002 ISBN 9784130301534
- 永井 (2000) 永井荷風 [ 下谷叢話 ] 岩波文庫 岩波書店 2000 1926 ISBN 9784003104286 219-220
- 福田 網野 (1984) 福田清人 網野義紘 [ 永井荷風 ] 人と作品 43 清水書院 JPNO 85023720
- 馬場 (1934) 馬場守次 「阪本釤之助氏」 [ 楊城縉紳集 ] 珊珊社 1934 NDLJP 1031714/189 354-357
- 永井 (1926) 永井荷風 [ 下谷叢話 ] 春陽堂 1926 NDLJP 1020399 要ページ番号
- 長江 (1916) 長江銈太郎 「阪本釤之助君」 [ 東京名古屋現代人物誌 ] 柳城書院 1916 1912 NDLJP 955846/12 7-12
- 手島 (1915) 手島益雄 「阪本釤之助」 [ 名古屋百人物評論 ] 日本電報通信社名古屋支局 1915 NDLJP 954765/15 1-7