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2015年9月18日 (金) 05:12時点における版
北海道旅客鉄道株式会社(ほっかいどうりょかくてつどう、英称:Hokkaido Railway Company)[注 1]は、1987年4月1日に日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業を引き継いだ旅客鉄道会社の一つ。北海道全域と青森県のごく一部をエリアとする。通称はJR北海道(ジェイアールほっかいどう)、英語略称はJR Hokkaido。本社所在地は札幌市中央区。コーポレートカラーは萌黄色。社歌はダークダックスの「北の大地」。
目次
概況
国鉄分割民営化時に、鉄道21路線3,176.6 km、航路113.0 kmおよび自動車(バス)事業を承継した、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(JR会社法)による特殊会社で、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を介して日本国政府が全ての株式を所有している。
発足後、鉄道路線は特定地方交通線等の整理により9路線806.1 kmを廃止、2路線90.4 kmを開業、線路付け替え等により3.2 km減となっており、2014年5月12日現在、鉄道14路線2,457.7 kmを保有する。うち幹線系線区が5路線1,327.9 km、地方交通線が9路線1,129.8 kmである(詳細後述)。
航路(青函連絡船)は津軽海峡線(青函トンネル)の開業により1988年に廃止され、自動車事業は2000年に100%子会社のジェイ・アール北海道バスに移管された。
営業概況
北海道全体の人口は、1987年の会社発足時と2012年現在との比較においてほぼ横ばいから微減傾向であるが人口密度は日本一低く、札幌都市圏への人口流入・一極集中の傾向が続いており、札幌以外の道内市町村では人口減少が深刻化している。他のJRグループ各社と比較しても過疎地域を走る路線が大半を占め、道路網延伸や自家用車の普及、航空や高速バスとの競争も激しく、加えて全道が豪雪地帯・寒冷地のため除雪や車両・施設の維持管理費、光熱費に膨大な経費を要し、経営基盤は非常に弱い。2013年3月期の連結決算では、営業収益約1,650億円に対し、営業利益ベースで約241億円もの大幅な赤字となっており、後述する経営安定基金の運用益収入などの政策的補填による営業外収益(約259億円)により、辛うじて経常利益ベースでは黒字(約17億円)を確保しているが、最終的な純利益ベースでは赤字(約26億円)となっている[注 2]。
全14路線のうち、2008年度の路線別営業係数が黒字なのは僅か3路線(千歳線、海峡線、石勝線)のみで、全国のJRグループ約200路線のワースト3を占める(留萌本線、日高本線、釧網本線)などワースト10の中にJR北海道が最多の5路線を占めている[注 3]。2013年度の輸送密度(1キロメートル当たりの1日平均利用者数)においても、採算ラインとされる8000人を割り込む路線が約87%を占める[1]。
会社発足以来、高速バスや航空など競合交通機関への対抗策として、新型車両(785系電車、281系気動車など)の投入によるスピードアップや、割引きっぷなどの各種商品展開により収益増を図る一方、地方ローカル線区におけるワンマン運転の拡大や、社員数を発足当時の14,000人から7,100人へ半減したり[2]、各種営業・保線管理業務等の外注化による人件費削減など徹底したコストカットを実施してきたほか、JRタワーに代表される駅ビル・不動産関連事業等からの利益創出に努めてきた。しかし、道内では高速道路(道央自動車道、道東自動車道など)の延伸開通が次々と予定されており、さらなる苦境が続くことが予想されている。
経営安定基金
前記のように会社発足当初から厳しい経営環境が予想され、営業損益ベースでは全く経営が成り立たないことから、国による政策的経営支援スキームとして、経営安定基金[注 4]が設けられており、さらに固定資産税減免などの各種支援措置を受けている。また、四国旅客鉄道(JR四国)や九州旅客鉄道(JR九州)、日本貨物鉄道(JR貨物)と同様に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が株式を100%保有しており、2013年現在では株式上場の目途は立っていない[注 5]。
バブル景気の只中であった会社発足当時と比較すると、約25年間で市中金利は大幅に下落(一例として日銀発表の長期プライムレートは1987年3月の5.2%から、2013年4月の1.2%まで下落)しており、当初スキーム策定時に見込んだ運用益が大きく減少しているほか、営業面でも当面大きな好転要素がない厳しい状況にあることを鑑み、2011年6月、改正旧国鉄債務処理法により経営安定基金の積増し(20年後に返済)が行われた。また、鉄道・運輸機構から無利子貸付される2,200億円を元手に鉄道・運輸機構の債券を購入(10年間は年率2.5%固定)することによって債券の利率を補助代わりに得るスキームが新たに設けられた(債券の金利である年間55億円が経常利益として計上される)。同時に老朽化した設備更新のため、600億円の助成金および無利子貸付(1/2を助成金、1/2を無利子貸付)が行われた。
個別営業施策等
事業は境界を接する東日本旅客鉄道(JR東日本)と提携することが多く、2社共同企画の旅行商品を発売するなど、経営上の重要なパートナーとなっているが、既に2002年に完全民営化を達成し堅固な経営基盤を有するJR東日本と比較すると、事業環境には大きな開きがある。2015年度に新函館北斗駅まで開業する北海道新幹線は東北新幹線と相互直通運転を行う予定。
JR東日本が導入している「Suica」などと同様の非接触型ICカード乗車券として、2008年10月25日に「Kitaca」が札幌圏の55駅で導入された。2009年3月14日からは「Suica」との相互利用が、2013年には「PASMO」や「ICOCA」などとの間で相互利用がそれぞれ可能となった。一方で、札幌市交通局(札幌市営地下鉄)の「SAPICA」とは2013年に片利用が始まったが、相互利用については現時点で未定である。
北海道内は1968年(昭和43年) - 1980年(昭和55年)にかけて道央地区で電化が進められたが、青函トンネルをのぞき、いずれの電化区間も非電化区間直通の関係で特急を中心に気動車列車を多く運行している。
駅のホーム内にある駅名標はJR東日本のものに類似するデザインである[注 6]。2011年時点では札幌圏を中心に一部駅で新デザインの駅名標への交換が進んでいる。これは西日本旅客鉄道(JR西日本)のものに類似したデザインで、両隣の駅の表示部の背景を自社のコーポレートカラーで塗りつぶしている。かつては新千歳空港駅の駅名標も新デザインだったが、2011年夏頃に旧デザインのものに交換され[注 7]、2010年に高架化工事が完成した後の旭川駅でも旧デザインの駅名標が設置されるなど、JRグループ内ではサインシステムが明確なマニュアルやデザインコード等で統一されていない状況にある[注 8]。
2006年3月、鉄道総合技術研究所・川崎重工業との共同開発による「ハイブリッド車体傾斜システム」を発表した。これは、従来の制御付き自然振り子(曲線ガイド)式と、空気ばね圧制御式の車体傾斜システムとを組み合わせた世界初の技術であり、従来の振り子式を上回る最大8度の傾斜度を実現させることで重心の移動を抑え、乗り心地を維持したまま曲線部のさらなる速度向上を可能とするものである。2015年度に予定される北海道新幹線の新函館北斗駅開業時に合わせ、函館駅 - 札幌駅間の特急列車への導入が目指され、実用化されればほぼ全線での時速140キロメートル運転が可能となり、函館-札幌間で約20分の所要時間短縮が見込まれていた。試作台車をキハ283系気動車1両に取り付け走行試験が行われていたが、試験終了後は元に戻され、定期運行に復帰した。2014年9月に次世代車キハ285系の試作車が落成したが、後述にあるように事故や不祥事が相次いだことから、速度向上より安全性を優先する方針に変更されたため開発中止が決定され、試作車は在来線用総合検測車への転用を含めた活用方法が検討されることになった[3]。
2006年3月18日のダイヤ改正から、道内完結(急行「はまなす」を含む)の全列車が全面禁煙となり、さらに2007年3月18日のJR東日本のダイヤ改正より、JR東日本も特急列車の全面禁煙に踏み切り、「スーパー白鳥」・「白鳥」が禁煙化された。これにより、北海道内を走る列車で喫煙車のある列車は「北斗星」・「カシオペア」・「トワイライトエクスプレス」と数えるのみとなったが、これらの列車でも2005年9月からロビー・デッキ等の灰皿は順次撤去され、徐々に禁煙化されてきている。また、電子たばこについても2009年5月1日に使用禁止している。
事故や不祥事の頻発
2010年頃より、会社としての経営管理・安全管理面等に影を落とす事象が頻発しており、2011年5月27日には石勝線で特急「スーパーおおぞら14号」の脱線火災事故(負傷者39名)を起こした[4]。その後も信号故障[5]や運転士の居眠り[6]、三六協定違反[7]といった重大インシデント・不祥事が次々と発覚し、国土交通大臣から事業改善命令を受けている[8]。また、同社が2011年度に実施した車両検査について、延べ約3,100回中28%が検査項目の一部が未実施であるなど、社内基準を遵守しない状態だったことが、会計検査院から2012年11月に指摘されている[9]。国土交通省のまとめによると、2011年度までの5年間で車両や設備の不具合などJR北海道自らに起因する輸送障害(運休や30分以上の遅れ)の発生件数は、他のJR旅客5社平均の約2倍にのぼっている[10][11]、同社社員からも「人員の削減が進み、必要な保線作業が行き届いていない」と長年続く合理化で現場の疲弊を指摘する声があがっている[12]。
2011年9月、当時の代表取締役社長であった中島尚俊が行方不明になり(後に遺体となって発見)、後任人事が難航した。結局前任者の小池明夫が再就任するが、その間約2か月間にわたり社長不在という異常事態となるなど、企業統治全般において不安を残す状況が続き、2013年の定時株主総会を機に新たに野島誠が取締役専務から代表取締役社長へ就任し、小池明夫は会長職へ戻る人事を行った。
2013年に入っても、室蘭線の特急列車が、乗客の20歳代女性の腕をドアに挟んだまま走行[13]。7月に特急列車出火事故、8、9月には2か月連続で保線ミスによる走行中の貨物列車脱線、ほかにも運転士の覚醒剤使用、運転士が車両に搭載のATSを破損させる、などの事故や不祥事が続いている[14]。同年9月には、レールの異常を放置した問題で鉄道事業法に基づき国土交通省による再度の特別保安監査が入った[15]。
2014年1月15日に同社の一連の不祥事との関連ははっきりと分かっていないが同社相談役で北海道新幹線の計画などに貢献してきた坂本眞一が北海道後志管内余市町の余市港で遺体となって発見された。同月21日には国土交通省が2013年9月19日に発生した函館線貨物列車脱線事故等による3回の特別保安監査の結果等を整理・分析し、「JR北海道の安全確保のために講ずべき措置―JR北海道の再生へ―」を取りまとめ発表した。これにより同社の再生に国が関与することが明示され、以降5年間再生の状況を監視することも明記された。この文書に基づき政府は2014年4月1日付で経営陣を刷新し、経営トップの若返りとJR東日本からの外部出向による主要ポストへの就任が実施された。
2014年10月29日には、苫小牧駅・石狩当別駅・新十津川駅など11か所の副本線で、検査や補修が実施されていなかったことが、会計検査院の指摘により判明している[16][17]。
2015年4月3日には、青函トンネル内にて「スーパー白鳥」34号の5号車の床下から煙が発生し、竜飛定点(旧竜飛海底駅)から青森側に約1kmのトンネル内で緊急停車するという事故が起きた。青函トンネル内から列車の乗客が避難する事態は1988年3月のトンネル開業以来。列車の乗客は124人・乗務員は5人で、乗務員の誘導で降車し、事故地点から旧竜飛海底駅まで歩いて移動。さらにケーブルカー(青函トンネル竜飛斜坑線)を使い乗客全員が地上に避難した[18][19]。
要因
分割民営化時に14,000人だった社員数は2013年には約半減の7,100人になり、脱線事故が起きた担当の保線管理所では、10年前に保線管理所が3箇所から1箇所に減らされるなど大幅な人員削減や効率化、鉄道事業の慢性的な大幅赤字のために置き換えが進まず老朽化した車両や線路などの設備が多いこと挙げられている[20][21]。
高速バスや航空機などの競合交通機関や自家用自動車への対抗策として、優等列車の所要時間の大幅短縮や増発がなされたが、寒暖の差が大きい厳しい気候下で相当の連続した高速運転を行うことから、本州以南と比較して車両や線路の設備に金属疲労などの負荷が大きいことも要因である。また、北海道と本州を結ぶ道路橋や道路トンネルが無いことから四国や九州と比較して貨物列車の輸送シェアは高いが、経営基盤が脆弱なJR貨物がJR北海道に支払う線路使用料には線路保守にかかわる建設勘定経費や人件費が含まれておらず、電車と比較して重量が非常に重く長編成の貨物列車は線路にさらに負荷をかけることから、経営基盤が脆弱なJR北海道の大きな負担となっている。[22]
国鉄分割民営化後のJR北海道社内の労働組合の対立も同社経営改革の障壁の一つとしてあげられている。同社の最大労働組合は北海道旅客鉄道労働組合(JR北鉄労)で8割の管理職を除く社員が加入しており、JR北海道労働組合(JR北労組)、国労道本、建交労道本部と続くが、組合が違うと飲み会や結婚式にも呼ばないなど対立関係にあることが、日常業務のコミュニケーションにも支障を及ぼしていると指摘されている[23]。JR北海道労組の執行部は、ほかの組合との「平和共存拒否」と言っているという[24]。
JR北海道は最大労組であるJR北鉄労の意向を伺わないと安全対策ができない体質になっており、実際、2008年に会社はアルコール検知器を導入し、全乗務員(運転士・車掌)に乗務前に各自で検査するよう呼びかけたが、『アルコール検査は自主的であり強制ではない』として検査を拒否した社員もいた。2009年に国土交通省の立ち入り検査で12人の車掌がアルコール検査を拒否していることが発覚したが、その後も検査の義務化へ踏み切れず、2011年にも同検査が非義務状態にあるのはJR各社で同社のみとのマスコミによる指摘にも『乗務員の自主性を重んじる。検知器の使用を強制することは検討していない』とし、同検査が同社で義務化されたのは2012年になってからとなった[25][26]。
国会で警察庁は、「JR総連の執行役員の中には、JR北海道労組幹部だった者が含まれていると認識している」と答弁している[27]。
本社・支社
- 本社
- 支社
歴代社長
代数 | 氏名 | 在任期間 | 出身校 |
---|---|---|---|
初代 | 大森義弘 | 1987年 - 1996年 | 東京大学法学部 |
第2代 | 坂本眞一 | 1996年 - 2003年 | 北海道大学工学部 |
第3代 | 小池明夫 | 2003年 - 2007年 | 東京大学経済学部 |
第4代 | 中島尚俊 | 2007年 - 2011年 | 東京大学経済学部 |
第5代 | 小池明夫 | 2011年 - 2013年 | 東京大学経済学部 |
第6代 | 野島誠 | 2013年 - 2014年 | 東京大学工学部 |
第7代 | 島田修 | 2014年 - | 東京大学経済学部 |
歴史
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)9月1日:ダイヤ改正。785系電車による特急「スーパーホワイトアロー」運転開始。
- 1991年(平成3年)7月27日:ダイヤ改正。特急「スーパーとかち」運転開始。
- 1992年(平成4年)7月1日:千歳線(南千歳駅 - 新千歳空港駅間)開業。
- 1994年(平成6年)
- 1995年(平成7年)
- 1996年(平成8年)
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)7月16日:寝台特急「カシオペア」運転開始。これに伴い、寝台特急「北斗星」の定期運転を2往復に減便。
- 2000年(平成12年)
- 3月11日:261系気動車(基本番台)が特急「スーパー宗谷」として運転開始。
- 4月1日:バス事業をジェイ・アール北海道バスに譲渡。
- 2001年(平成13年)6月22日:改正JR会社法が施行(成立は2001年6月15日)。本州3社が本法の適用から除外されたものの、指針によりJR北海道を含む三島会社とJR貨物との協力関係の維持を規定。
- 2002年(平成14年)12月1日:ダイヤ改正。特急「はつかり」と快速「海峡」を廃止し、789系電車(基本番台)による特急「スーパー白鳥」運転開始。
- 2003年(平成15年)3月6日:札幌駅南口駅ビル「JRタワー」開業。
- 2004年(平成16年):線路と道路の両方を走行できる車両「デュアル・モード・ビークル (DMV)」を公開。
- 2006年(平成18年)3月18日:道内完結の全列車が全面禁煙化。寝台特急「日本海」の函館乗り入れを廃止。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 5月27日:占冠村の石勝線 第1ニニウトンネル内で特急「スーパーおおぞら14号」が脱線・炎上し、車両6両を全焼する事故が発生(石勝線特急列車脱線火災事故)。
- 6月18日:国土交通省から事業改善命令を受ける。
- 9月:代表取締役社長の中島尚俊が死去(自殺か)。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 3月23日:交通系ICカード全国相互利用が開始され、KitacaがICOCAやPASMOなどとも相互利用可能に。
- 9月19日:函館本線大沼駅構内で貨物列車が脱線する事故が発生(函館本線貨物列車脱線事故)。原因究明の過程で、レール検査データの改ざんが発覚する。
- 11月1日:特急「スーパー北斗」、「スーパーおおぞら」等で、減速・減便を伴うダイヤ変更を実施。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
今後の予定
- 2016年(平成28年)3月
路線
ラインカラーは「日本の鉄道ラインカラー一覧」を参照。
現有路線
2007年10月1日から、一部路線には駅ナンバリング制を導入している。詳細は「北海道旅客鉄道の駅ナンバリング」を参照。
分類 | 路線名 | 区間 | 営業キロ | 愛称・通称 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
幹線 | 函館本線 | 函館駅 - 大沼公園駅 - 小樽駅 - 旭川駅 | 423.1 km | 津軽海峡線(函館駅 - 五稜郭駅) | |
大沼駅 - 渡島砂原駅 - 森駅 | 35.3 km | 砂原線 | |||
七飯駅 - 大沼駅 | なし[* 1] | 藤城線 | 下り専用 | ||
根室本線 | 滝川駅 - 帯広駅 - 根室駅 | 443.8 km | 花咲線(釧路駅 - 根室駅) | ||
千歳線 | 沼ノ端駅 - 白石駅[* 2] | 56.6 km | |||
南千歳駅 - 新千歳空港駅 | 2.6 km | 空港線 | 国鉄分割民営化以後に開業 | ||
室蘭本線 | 長万部駅 - 追分駅 - 岩見沢駅 | 211.0 km | |||
東室蘭駅 - 室蘭駅 | 7.0 km | 室蘭支線 | |||
石勝線 | 南千歳駅 - 新得駅 | 132.4 km | 上落合信号場 - 新得駅間 24.1 km は根室本線と重複。 | ||
新夕張駅 - 夕張駅 | 16.1 km | 夕張支線 | |||
地方交通線 | 富良野線 | 富良野駅 - 旭川駅 | 54.8 km | ||
留萌本線 | 深川駅 - 増毛駅 | 66.8 km | |||
宗谷本線 | 旭川駅 - 名寄駅 - 稚内駅 | 259.4 km | 日本最長の地方交通線 | ||
釧網本線 | 東釧路駅 - 網走駅 | 166.2 km | |||
石北本線 | 新旭川駅 - 北見駅 - 網走駅 | 234.0 km | |||
札沼線 | 桑園駅 - 新十津川駅 | 76.5 km | 学園都市線 | ||
江差線 | 五稜郭駅 - 木古内駅 | 37.8 km | 津軽海峡線 | ||
日高本線 | 苫小牧駅 - 様似駅 | 146.5 km | |||
海峡線 | 中小国駅 - 木古内駅 | 87.8 km | 津軽海峡線 | 国鉄分割民営化以後に開業 中小国駅 - 新中小国信号場間 2.3 km はJR東日本津軽線と重複。 |
- 津軽海峡線は函館本線の函館駅 - 五稜郭駅間、江差線の五稜郭駅 - 木古内駅間、海峡線の全線、およびJR東日本津軽線の青森駅 - 中小国駅間の総称。
廃止路線
分類 | 路線名 | 区間 | 営業キロ | 通称 | 廃止年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
幹線 | 函館本線 | 砂川駅 - 上砂川駅 | 7.3 km | 上砂川支線 | 1994年5月16日 | |
地方交通線 | 深名線 | 深川駅 - 幌加内駅 - 名寄駅 | 121.8 km | 1995年9月4日 | JR北海道バスに転換 | |
江差線 | 木古内駅 - 江差駅 | 42.1 km | 2014年5月12日 | 函館バスに転換 | ||
特定地方交通線 | 幌内線 | 岩見沢駅 - 幾春別駅 | 18.1 km | 1987年7月13日 | JR発足後廃止第1号 北海道中央バスに転換 | |
三笠駅 - 幌内駅 | 2.7 km | (貨物支線) | ||||
松前線 | 木古内駅 - 松前駅 | 50.8 km | 1988年2月1日 | 函館バスに転換 | ||
歌志内線 | 砂川駅 - 歌志内駅 | 14.5 km | 1988年4月25日 | 北海道中央バスに転換 | ||
標津線 | 標茶駅 - 根室標津駅 | 69.4 km | 1989年4月30日 | 阿寒バスに転換 | ||
中標津駅 - 厚床駅 | 47.5 km | (支線) | 根室交通(バス)に転換 | |||
名寄本線 | 名寄駅 - 紋別駅 - 遠軽駅 | 138.1 km | 1989年5月1日 | 名士バス・北紋バス ・北見バス・湧別町営バスに転換 | ||
中湧別駅 - 湧別駅 | 4.9 km | (支線) | ||||
天北線 | 音威子府駅 - 浜頓別駅 - 南稚内駅 | 148.9 km | 宗谷バスに転換 | |||
池北線 | 池田駅 - 北見駅 | 140.0 km | 1989年6月4日 | 北海道ちほく高原鉄道に転換 2006年4月21日に廃止 | ||
航路 | 青函航路 | 青森駅 - 函館駅 | 113.0 km | 1988年3月13日 | 津軽海峡線開業に伴い廃止 1988年6月3日から9月18日まで暫定(復活)運航を実施 |
改キロ
分類 | 路線名 | 区間 | 改キロ | 実施年月日 | 理由 |
---|---|---|---|---|---|
幹線 | 石勝線 | 鹿ノ谷駅 - 夕張駅 | -0.8 km | 1990年12月26日 | 夕張駅の移設 |
根室本線 | 野花南駅 - 島ノ下駅 | -3.0 km | 1991年10月22日 | 同区間の線路付替え | |
室蘭本線 | 志文駅 - 岩見沢駅 | +1.7 km | 1994年11月1日 | 同区間の線路付替え | |
母恋駅 - 室蘭駅 | -1.1 km | 1997年10月1日 | 室蘭駅の移設 |
予定路線
分類 | 路線名 | 区間 | 営業キロ | 開業予定 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
新幹線 | 北海道新幹線 | 新青森駅 - 新函館北斗駅 | 148.9 km | 2016年3月 | 営業キロは推定 |
新函館北斗駅 - 札幌駅 | 211.3 km | 2035年度 |
ダイヤ
JR北海道管内全域に及ぶダイヤ改正については他のJR各社に合わせてダイヤ改正を行うことは少なく、他のJR各社と同時期にダイヤ改正を実施したのは近年では2009年3月と2014年3月に実施したほかは独自にダイヤ改正を実施することが多く、特に10月にダイヤ改正を実施することが多い。ただし、2013年11月実施分は、列車の減速等従来ダイヤからの後退があったことから、「改正」ではなく「変更」と称した[30]。
列車
JR北海道発足以降に同社の路線で運行されている、もしくはかつて運行されていた愛称付きの列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、他社の車両による運行のものはその会社名も記載する(廃止列車は廃止時点)。詳細は各列車の記事を参照。
廃止列車
- 特急列車
- ライラック
- ホワイトアロー・スーパーホワイトアロー
- モーニングエクスプレス(臨時)
- フラノスキーエクスプレス(臨時)
- 利尻・はなたび利尻(はなたび利尻は臨時)
- おおとり
- 道南さくらエクスプレス(臨時)
- おおぞら
- まりも(臨時)
- とかち
- トマムサホロスキーエクスプレス(臨時)
- ニセコエクスプレス・ニセコスキーエクスプレス(臨時)
- はつかり(JR東日本)[注 9]
- さくらエクスプレス(臨時)
- ドラえもん海底列車(臨時)
- エルム(臨時)
- 日本海(JR西日本)[注 10]
- 北斗星(臨時・JR東日本)
- トワイライトエクスプレス(臨時・JR西日本)
- 急行列車
- 快速列車
- 蒸気機関車牽引列車
車両
JR北海道の車両形式 も参照
道内の半数以上の路線が非電化のため、所有車両の多くは気動車である。気候条件に鑑み、当該地域で使用する車両は国鉄時代から特別の寒冷対策を施している。一般的な仕様として、小型化のうえ二重窓とした客室窓、開口幅の小さい片開き式の客用扉・出入台と客室を仕切るデッキ扉などが挙げられる。車体各部には凍結を防止するヒーターが設けられ、暖房容量も本州以南の車両に比べ大きい。
JR北海道発足後に開発された車両ではデッキ扉に代わる寒冷対策として、エアカーテンの設置・客用扉の開閉を乗客のボタン操作で行う「半自動扉」の装備など、室内を物理的に分断せずに外気流入を最小限に抑える工夫がなされている。また、1991年に発生した日高本線での踏切脱線転覆事故を契機として乗務員保護対策が進められ、運転席を高い位置に設ける「高運転台仕様」としたうえで衝撃吸収構造とした車両が相次いで開発された。
高速バス・航空機などの競合交通機関や自家用自動車への対抗策として、優等列車の所要時間短縮・増発の対策もなされた。JR北海道発足後に開発された特急用気動車では、曲線区間の多い路線向けに振り子式の281系・283系気動車、車体傾斜式の261系気動車を投入して曲線通過速度を向上させ、札幌 - 室蘭・旭川間および新青森 - 函館間の特急用電車では785・789系電車の投入によって、それぞれ所要時間の短縮と増発を実現している。
しかしながら、一年を通じて寒暖の差が大きい厳しい気候下で相当の連続した高速運転を行うことから、本州以南と比較して車両や設備に金属疲労やアイドリングなどエンジンへの負荷が大きく要出典、さらに厳しい経営から保守管理費が1996年33.4億円から2010年は17.7億円(47.1%減)、輸送管理費が1996年約154億円から2010年は約92億円(40.5%減)と大幅に削減されたことから[31]テンプレート:出典無効営業運行中の出火や発煙事故がたびたび発生しており[32]、識者からは整備体制の問題が指摘されている[33]。2013年11月からは、車両や設備への負担を抑えることを目的に、本数の減便とスピードダウンに踏み切ることとなった[34]。さらに2014年8月からは、特急気動車における全てのダイヤで最高130km/h運転を廃止すると共に、曲線通過速度を向上させる機構の使用停止に踏み切ることとなる[35]。
2016年3月に新函館北斗駅まで開業する予定の北海道新幹線の車両については、2014年2月に4編成40両を発注し、同年内に納入が始まることが同年3月12日に明らかにされた[36]。同年4月16日にはその車両H5系のデザイン・仕様が発表され[37]、11月1日には最初の2編成が函館総合車両基地で公開された[38]。
車両基地
JR北海道の車両基地と略号は以下の通り。
- 本社
- 釧路支社
- 旭川支社
- 函館支社
- 函館運輸所 <函ハコ / 函>
- 函館運輸所青函派出所 <青函>
車両工場
工務所等
- 本社
- 札幌保線所
- 札幌電力所
- 札幌信号通信所
- 札幌建築所
- 札幌構造物検査センター
- 岩見沢保線所
- 岩見沢電気所
- 岩見沢レールセンター
- 室蘭保線所
- 苫小牧電気所
- 追分工務所
- 釧路支社
- 釧路工務所
- 釧路設備所
- 釧路構造物検査センター
- 帯広工務所
- 旭川支社
- 旭川保線所
- 旭川電気所
- 旭川設備所
- 旭川構造物検査センター
- 北見工務所
- 函館支社
- 函館保線所
- 函館電気所
- 函館設備所
- 函館構造物検査センター
- 青函トンネル工務所
キャンペーンガール
民営化された1987年度から、JR北海道の開催するイベントやキャンペーン活動への参加やポスター撮影などの活動を行うキャンペーンガールを採用してきた。当初は「JR北海道フレッシュガール」の名前で、途中から「ミス・ツインクル」と改称された。当初の採用人数は本社で4人、各支社で3人ずつの13人で、2008年度から各支社の採用を2人に減らして合計10人とした。しかし応募者の減少やイベントへの参加機会の減少などもあり、経費削減の観点から2009年度一杯で採用を打ち切った[39]。
関係会社
JR北海道の関連会社で「JR」が社名につく会社は、レンタカー会社と構造物設計調査会社を除き、いずれも片仮名表記が「ジェイ・アール」と間に「・」(中黒)が入るのが特徴である(他社は入らない)。
現在のグループ企業
- 北海道高速鉄道開発
- 高速化に関する車両や施設の貸出を行う。当初は釧路 - 札幌間の鉄道高速化のために主に北海道と釧路市などが出資して設立した第三セクターで、後に宗谷本線高速化事業などにも関わる。
- ジェイ・アール北海道バス
- JRバスの運行。
- 北海道ジェイアール・コンサルタンツ
- 鉄道その他の構造物の設計調査。
- ドウデン
- 電気設備施工・監理。
- 北海道ジェイ・アール・ビルト
- 鉄道その他の建築物の施工・保守。
- 北海道軌道施設工業
- 軌道の施工・保守。
- 札建工業
- 土木・建築・線路などの工事。
- 札幌交通機械
- 車両の検修・改造、建造物の空調・衛生工事実施。
- 札幌工営
- 車両工場での作業受託。
- 北海道ジェイ・アール運輸サポート
- 車両のアメニティー清掃・整備、運転所構内入換業務受託。
- 北海道ジェイ・アール・サイバネット
- 車両その他の電子設備やシステムの開発。
- 北海道ジェイ・アール・サービスネット(旧・日交観北海道。北海道ジェイ・アール・トラベルサービスと合併)
- 本社管内(一部旭川支社管内)の駅業務受託。および金券ショップや旅行代理店の運営や労働者派遣事業、教育ビジネスを行う。
- ジェイアール北海道レンタリース
- 駅レンタカーの運営、カーリース。
- 北海道ジェイ・アール・フレッシュネス・リテール
- ジェイアール生鮮市場の運営。
- 北海道キヨスク
- キヨスクの運営や札幌市営地下鉄を含む札幌圏の駅周辺のコンビニエンスストアなどの運営。流山温泉およびクロフォード・イン・大沼の運営受託、kitacaグッズのなどの開発を行う。
- 北海道ジェイ・アール商事
- JR北海道グループで使う資材の調達やリース。
- 北海道ジェイ・アール・フーズ(旧・にっしょく北海道)
- 札幌・旭川・小樽の駅構内での飲食店やJR北海道ホテルグループの『ホテルさっぽろ弥生』の運営を行う。
- 北海道ジェイ・アール都市開発
- 高架下用地の賃貸。
- 札幌駅総合開発
- 2005年10月1日に札幌駅南口開発が札幌ターミナルビル、札幌駅地下街開発、札幌ステーション開発を吸収合併し発足。『JRタワー』と『JRタワースクエア』を管理・運営する。
- JR北海道ホテルズ
- JR北海道ホテルグループの『JRタワーホテル日航札幌』(JRタワー内)、『ホテル日航ノースランド帯広』の運営。
- 北海道JRインマネジメント
- 宿泊特化型ホテル『JRイン札幌』、『JRイン帯広』『JRイン旭川』の運営。
- 北海道クリーン・システム
- JR北海道管内の駅や一般ビルの清掃・警備、竜飛海底駅の見学案内・誘導、函館駅ホーム案内放送。
- 北海道リネンサプライ
- 寝台座席などの寝具、座席の背当て等のクリーニングを行う。
- 北海道ジェイ・アール・システム開発
- パソコンのソフトウェア開発。
- 北海道ジェイ・アール・エージェンシー
- JR内の車内広告掲示やJRのCM、広報誌などの制作、札幌駅南口広場のイベント企画運営管理など。
- 札新開発
- 桑園自動車学校の運営。
- ジェイ・アール道東トラベルサービス
- 釧路支社管内での駅業務受託、添乗業務。
- 旭川ターミナルビル
- ロワジールホテル旭川、旭川駅構内および旭山動物園の店舗、旭川エスタ駐車場の運営。
かつてのグループ企業
- 北海道ジェイ・アール・ダイエー
- ダイエーとの合弁会社[40]。「JRダイエー(JR Daiei)」のブランド名でJR北海道の駅周辺に出店していた。一部は前述の「ジェイアール生鮮市場」となっている。
- ユーノスジェイアール北海道
- マツダのユーノス販売網に参加し自動車ディーラーとして営業。札幌駅付近の高架下および帯広市に店舗を構えていた。1998年3月末、メーカー資本の地元ディーラー「マツダアンフィニ北海道」に営業譲渡して撤退・清算する。札幌店は「マツダアンフィニ北海道・JR札幌駅東口店」として営業していたが、のちに閉店している。
- ジェイ・アールはこだて開発
- 函館支社管内での駅業務受託、駅構内売店・食堂の営業、流山温泉およびクロフォード・イン・大沼の運営受託を行っていたが、2014年10月1日をもって北海道キオスクに吸収合併された。
脚注
出典
- ↑ ロゴでは「北海道旅客鉃道」となっており、「鉄」の文字は使われていない。会社発足が国鉄の赤字経営が主因となっており、「鉄」の字は“金を失う”という意味になり縁起が悪いとして、ロゴ文字では「金矢」(金偏に弓矢の矢、鉃)という字を採用しているが、正式商号では常用漢字の「鉄」である(四国旅客鉄道以外のJR他社も同様)。
- ↑ JR北海道単体では経常利益ベースでも赤字(約44億円)。
- ↑ 2012年洋泉社刊「徹底解析!!最新鉄道ビジネス 国内全200社500路線の経営収支ランキング」による。JR北海道は路線別の営業収支を公表していないため、あくまで同文献による推計値であることに留意。
- ↑ 元本6,822億円。元本の取崩しはできず、運用益配当のみ営業外収益に計上される。
- ↑ ただし、かつて2002年頃を目途とした株式上場が計画されたこともある。
- ↑ 駅名と両隣の駅名との間のライン色であるコーポレートカラーが、JR東日本は“緑”に対しJR北海道は“萌黄色”という同系色彩という点もある。ただ東日本の駅名標は吊下げ式で横長タイプのほぼ同形で統一されているが、北海道の場合は旧国鉄時代からのホーム設置型方式がかなり多い。
- ↑ 新デザインのものは新千歳空港駅開業時に新千歳空港駅と南千歳駅(千歳空港駅から改称)で最初に導入されたため、新千歳空港駅では変更前に旧デザインの駅名標が導入されたことは無かった。
- ↑ JR九州も同様の状況にある。
- ↑ 同一系統の列車として「スーパーはつかり」も運転されていたが、使用車両(E751系)が青函トンネルを通過できないため、道内に乗り入れることはなかった。
- ↑ JR西日本所属車両を使用した1往復(1・4号)が函館駅まで乗り入れていたが、2006年に廃止された。
注釈
関連項目
- JR
- 北海道の鉄道
- 北海道の鉄道路線
- 日本の鉄道路線一覧
- 日本の鉄道事業者一覧
- 日本の鉄道
- JR札幌病院
- JR北海道硬式野球部
- デュアル・モード・ビークル
- 青函連絡船
- モジャくん
- JR北海道予約サービス
- 悠遊旅倶楽部
- JRヘルシーウォーキング
- 夏見円 - スキー部に所属。ソルトレイクシティオリンピック、トリノオリンピック日本代表
- キュービーネット - フランチャイズ契約により「QBハウス」6店舗を運営
- ランシステム - フランチャイズ契約により「スペースクリエイト自遊空間」1店舗(JR琴似駅店)を運営
- 札幌鉄道少年団 - 北海道内の鉄道少年団の一つで、JR北海道の支援を受けている。北海道内では他に旭川鉄道少年団が結成されている。