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2018年6月27日 (水) 16:10時点における版
熱海市(あたみし)は、静岡県の市。静岡県の最東部に位置し、神奈川県と接する。観光地として有名。
目次
地理
伊豆半島の東側付け根に位置し、相模灘に面する。市域内はほとんどが丘陵であり、別荘地や住宅なども高台の上に立つ所が多く、道路も勾配の急な坂が多い。海岸線もすぐに丘となる所がほとんどだが、中心部は埋め立てで砂浜海岸などが形成されている。
同じ相模灘に面する伊東市・湯河原町方面とは海岸に沿って地理的連続性を有するが、沼津市・函南町方面とは駿河湾水系との分水嶺となる急峻な丹那山地によって隔てられている。
なお、相模灘にある初島も市域内となっている。
歴史
古くからの湯治の地であり、地名は「阿多美」であったが、海から熱い湯が湧き出ていたことから「熱海」とされた。1604年には徳川家康も来湯している。
鉄道省熱海線(現在のJR東海道本線)開通以降、首都圏からの保養客が押し寄せ一大保養地になった。かつては新婚旅行や職場旅行の定番(行き先)であり市の中心地東海岸町などには大型ホテル・旅館が数多ひしめいていた。
1990年代以降社員旅行の衰退と大型宿泊施設を敬遠するムードから斜陽化し転業も多い。一方で、2000年代に入り温泉を引いたリゾートマンションが増加している。
2006年、熱海市長は財政危機宣言を発している。ただ、財政力指数が1を上回る地方交付税自体不交付でもあるため富裕団体ともいえ、一連の発表は各方面に影響を与えた。理由として基金の取り崩しによる黒字であり、基金が底をつく可能性が高いためである。プライマリーバランスでは事実上赤字財政である。
しかし近年の原油高騰に伴って自動車の利用が控えられる傾向にある中で、都心の近くにあり、鉄道交通の便のよさから離れた客足が戻ってくる傾向にある(逆に自動車利用者を意識した観光地では観光客が減少しているという)。
奥座敷としての熱海
熱海が一大保養地として発展を遂げたのは熱海線の開通後であるが、保養地としての歴史は豆相人車鉄道開通前にまで遡り、明治初期ごろには既に政財界の要人が保養や会談のため多く訪れていた[2][3]。さらに、温泉と風光に恵まれ、冬暖かく、夏涼しい熱海は、明治の頃、前述のように、多くの政治家や政府高官が保養や会談のため来遊したので、東京との連絡が非常に多く、そのため東京~熱海間に電話回線が敷かれ明治時代に開通し、「市外通話発祥の地」[4]としても有名である。
現在はかつてほどの盛況は見受けられないものの、東京方面からの保養地・日帰り温泉地として相応の賑わいを保っており、いわゆる奥座敷とされている。 また、主要駅の熱海駅は静岡県内の東海道本線の駅では唯一、JR東日本の管轄となっており、熱海駅発の東海道本線のほとんどの列車が東京駅まで乗り入れている。 このような事情から、静岡県内であっても中部地方ではなく関東地方の一部として扱われることがある。 また、神奈川県西部地域及び熱海市、計11市町の行政と観光関連事業者・団体が連携して滞在型の観光地づくりを目指す「箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏」[5]が、2010年4月28日、観光圏整備法により国に認定された。
産業
観光を中心とした産業が主軸で、平成17年度の国勢調査では次のような結果が出ている。
人口
熱海市は全国平均と比べて少子高齢化が進んでいる。人口は減少傾向である。
600px | |
熱海市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 熱海市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 熱海市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
熱海市(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/22 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
市長
- 市長:齊藤栄(2006年9月就任。3期目)
歴代市長
- 樋口修次(1937年7月25日 - 1943年3月31日)
- 水谷良雄(1943年5月6日 - 1945年9月25日)
- 鶴見憲(1945年10月4日 -1947年4月1日)
- 岸衛(1947年4月6日 - 1948年7月12日)
- 宗秋月(1948年9月8日 - 1952年2月28日)
- 山形文雄(1952年4月6日 - 1956年4月16日)
- 小松勇次(1956年4月17日 - 1962年7月29日)
- 市川止(1962年9月14日 - 1970年9月13日)
- 川口美雄(1970年9月14日 - 1982年9月13日)
- 内田滋(1982年9月14日 -1994年9月13日)
- 川口市雄(1994年9月14日 - 2006年)
- 齊藤栄(2006年9月 - 3期目)
別荘等所有税
- 古くからの観光地であり、全国でも珍しく別荘税を徴収している。
姉妹都市(親善都市)
- 大分県別府市 - 1966年8月姉妹都市提携
- サンレモ市(イタリア共和国) - 1976年11月姉妹都市提携
- カスカイス市(ポルトガル共和国) - 1990年7月姉妹都市提携
- 珠海市(中華人民共和国) - 2004年7月友好都市提携
教育
専門学校
高等学校
中学校
- 熱海市立熱海中学校
- 熱海市立小嵐中学校(2013年熱海中学校と統合)
- 熱海市立多賀中学校
- 熱海市立泉中学校
- 熱海市立初島中学校
小学校
- 熱海市立伊豆山小学校
- 熱海市立桃山小学校
- 熱海市立第一小学校
- 熱海市立第二小学校
- 熱海市立多賀小学校
- 熱海市立網代小学校
- 熱海市立泉小学校
- 熱海市立初島小学校
幼稚園
- 熱海市立網代幼稚園
- 熱海市立伊豆山幼稚園
- 熱海市立泉幼稚園
- 熱海市立上多賀幼稚園
- 熱海市立多賀幼稚園
- 熱海市立緑ガ丘幼稚園
交通
鉄道
東海旅客鉄道(JR東海)
- 東海道新幹線
- - 熱海駅 -
東日本旅客鉄道(JR東日本)
現在、JR東日本の東海道本線は熱海の先の来宮信号場までで、この先の丹那トンネルよりJR東海の管内となる。信号場では客扱い、乗務員の交代が出来ないため、どちらも熱海駅で行われる。これにより熱海駅を境に横浜・東京方面と沼津・静岡方面の在来線運行の起点となっており、熱海駅発着の列車は多い。また伊豆急行線の普通列車も熱海駅まで乗り入れており、同様に下田方面への起点ともなっている。
過去には東海道本線(当時の熱海線:国府津 - 熱海)が開業する前に、人車軌道・軽便鉄道として豆相人車鉄道→熱海鉄道が1895年 - 1923年の間存在した。また日本遊覧飛行鉄道という伊東市までを結ぶモノレールの敷設計画も戦前に存在し、戦後も熱海モノレールが計画され、当時の運輸省から免許が出されたが諸般の事情で工事ができず、結局幻のモノレールとなった。
バス
道路
- 有料道路
- 一般国道
- 主要地方道
航路
経済・交流
神奈川や東京の影響が大きく、いつの国勢調査においても、静岡県で唯一、関東大都市圏に含まれている[6]。 また、就業地別では、湯河原町・小田原市といった神奈川県西部方面への流動が、丹那トンネル以西の県東地区への流動を上回っているとともに、東京都区部・横浜市への流動が静岡市への流動を圧倒的に上回っている[7]。
市町村合併
現在のところ、どの隣接市町村とも合併は実施されていないが、平成の大合併の際には、市民アンケートの結果[8]を受けて、交流の深い湯河原町との県を越えた合併を検討した経緯があり、新聞などで報道され注目を浴びた。
未来都市計画フラックスタウン・熱海
東芝エレベータは、2020年をめどに新しい交通システム〝シェアリングビークル〟を生かした「フラックスタウン・熱海」という未来都市計画を立案している。 [1][2]
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
神社
博物館
その他の建築物
公園・海水浴場
温泉
- 熱海温泉
- 熱海七湯 - 大湯・野中の湯・佐治郎の湯・風呂の湯・清左右衛門の湯・河原湯・小沢の湯
- 伊豆山温泉 - 走り湯
- 伊豆湯河原温泉 - 北東端の泉地区と湯河原温泉が一体になって形成されている。
- 網代温泉
祭事
- こがし祭り - 来宮神社の例大祭。例年7月(14)・15・16日に行われる。
イベント
- 熱海湯らっくすマラソン大会[9]
- 熱海海上花火大会 - 年に十数回行われる花火大会
- 熱海芸妓見番(土・日 11:00~華の舞開催)
- 熱海ラブプラス現象(まつり)キャンペーン - 2010年7月10日から同年8月31日まで[10][11]
その他
マスメディア
- 伊豆急ケーブルネットワーク(IKC)
- FM熱海湯河原(FM79.6MHz)
熱海市を舞台とする作品
文学
- 『金色夜叉』:尾崎紅葉(1897年 - 1902年、未完)
- 『光を感ずる子』:若林つや、(1927年『女人芸術』12月号)
- 『黄色い風土』:松本清張(1959年 - 60年)
- 『熱海殺人事件』 : つかこうへい (1986)
- 『熱海・湯河原殺人事件』:西村京太郎(2003)
映画
- 『女』 木下恵介監督(1948年)
- 『婚約指輪』 木下恵介監督(1950年)
- 『雪夫人絵図』 溝口健二監督(1950年)
- 『伊豆物語』(1951年)
- 『東京物語』 小津安二郎監督(1953年)
- 『日本の悲劇』 木下恵介監督(1953年)
- 『四十八歳の抵抗』(1956年)
- 『熱海ブルース』(1962年)
- 『キングコング対ゴジラ』(1962年)
- 『大巨獣ガッパ』(1967年)
- 『熱海殺人事件』(1986年)
- 『おもひでぽろぽろ』(1991年)
- 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』(2003年)
- 『任侠ヘルパー』(2012年)
- 『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』(2014年)
漫画
テレビアニメーション
- 『真マジンガー 衝撃! Z編』(2009年)
テレビドラマ
近年ではテレビドラマに限らず、バラエティ番組等でも熱海を紹介する番組が増加傾向にある。
楽曲
DVD
- 『星間特捜アサルトマン』(2004年)
ゲームソフト
- 『ラブプラス+』(2010年)[10][11]
- 『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』(2011年)[12]
熱海に関連する有名人
熱海出身者
- 内田光子(ピアニスト)
- 澤田政廣(彫刻家)
- 砂塚秀夫(俳優)
- 大野雄二(アレンジャー、作曲家、ジャズピアニスト)実家がホテル大野屋
- 二宮さよ子(女優)
- 早見優(タレント、歌手)
- 今井由香(声優)
- 本多小百合(元中京テレビアナウンサー)
- 水谷智佳(プロボクサー)
- 島田晴香(AKB48)
熱海にゆかりのある人物
- 押井守(映画監督、家があり、生活の拠点としている)
- 杉本苑子(小説家、家があり、生活の拠点としている)
- 橋田壽賀子(脚本家、家があり、生活の拠点としている)
- 伊藤和典(脚本家、家があり、生活の拠点としている)
- 泉アキ(歌手・タレント、家があり、生活の拠点としている)
- 泉ピン子(女優・漫談家、家があり、生活の拠点としている)
- NOKKO(歌手、家があり、生活の拠点としている)
- 新田たつお(漫画家、家があり、生活の拠点としている)
- 池畑慎之介☆(ピーター、歌手・俳優、別荘がある)
- 石立鉄男(俳優、1999年から死去まで居住した)
- 鈴木真仁(声優、神奈川県茅ヶ崎市出身だが幼少期から高校卒業まで熱海で過ごしたため、「熱海出身」と紹介される事もある)
- 福永令三(小説家、家があり、生活の拠点としている)
- 尾崎紅葉(小説家、起雲閣にて金色夜叉を執筆)
- 谷崎潤一郎(小説家、関西在住時代より別荘を所有しており、昭和30年代には居住)
- 志賀直哉(小説家、昭和20年代に居住)
- 太宰治(小説家、村上旅館に滞在中に起きた通称「熱海事件」をきっかけとして走れメロスを執筆)
- 徳富蘇峰 (ジャーナリスト、歴史家、占領期以降の晩年を伊豆山に居住)
- 真鍋八千代 (実業家、熱海後楽園を設立。別荘を所有しており、毎週末、熱海で過ごしていた)
郵便番号
- 熱海郵便局:413-00xx、413-85xx、413-86xx、413-87xx、413-01xx
電話について
市外局番は大部分が0557(伊東MA)だが、奥湯河原に接する泉は0465(小田原MA)で、NTT東日本の管内になる。
脚注
- ↑ 山口恵一郎 『日本地名辞典 市町村編』 東京堂出版、1980年10月。ISBN 978-4490101355
- ↑ 移住・交流推進機構 静岡県熱海市からのお知らせ
- ↑ 熱海ヒストリー ルオ伊豆山マスターズプレイス
- ↑ 発祥の地コレクション/市外通話発祥の地
- ↑ 箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏
- ↑ 平成22年国勢調査 地域一覧,大都市圏・都市圏を参照。
- ↑ 2010年国勢調査結果による。
- ↑ わたしもひとこと・合併通信:市民アンケートは県境を越えた合併を希望を参照。
- ↑ 津波心配だから…熱海市、沿岸のマラソン大会中止朝日新聞2012年9月13日
- ↑ 10.0 10.1 「ラブプラス+ :熱海で“彼女”と旅行気分 「まつり」式典に市長も、温泉まんじゅうは完売」 毎日新聞、2010年7月10日。
- ↑ 11.0 11.1 「もっと知りたい!――仮想彼女と熱海でお泊まり」『朝日新聞』2010年8月14日付朝刊、第13版、第29面。
- ↑ 『真マジンガー 衝撃! Z編』の原作再現。
外部リンク
- http://www.city.atami.shizuoka.jp/
- 熱海市(@atamicity)- Twitter
- あたみニュース(熱海市観光協会)
- 熱海梅園ナビ
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