「京急久里浜線」の版間の差分
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2014年8月4日 (月) 23:33時点における版
久里浜線(くりはません)は、神奈川県横須賀市の堀ノ内駅と同県三浦市の三崎口駅を結ぶ、京浜急行電鉄が運営する鉄道路線。英語表記は、Keikyu Kurihama Line。
目次
路線データ
- 路線距離:13.4km
- 軌間:1435mm
- 駅数:9駅(起終点駅含む)
- 複線区間:堀ノ内駅 - 京急久里浜駅、京急長沢駅 - 三浦海岸駅
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:C-ATS
- 最高速度:110km/h
運行形態
京急本線は堀ノ内駅から浦賀駅方面へ向かうが、ほとんどの優等列車が久里浜線に直通し、実質的には久里浜線の方が本線のようになっている。現在は種別に関係なく全列車が全駅に停車するが、1996年(平成8年)4月以前は快速特急(現・快特)が野比(現・YRP野比)・京急長沢を、1999年(平成11年)7月までは堀ノ内・新大津・北久里浜も通過していた。
普通は平日朝ラッシュ時のみ運転。現在普通車が京急久里浜以南へ行くことはない(1996年4月から1999年7月まで平日のみ運転されていた)。特急は早朝 - 朝ラッシュ時・夕方(平日のみ) - 深夜の運転で、そのほかの列車はすべて快特(平日夜のウィング号含む)である。日中の快特は京急線内のみ運転の列車と都営浅草線・京成押上線方面直通の列車が各20分間隔で交互に運転される。平日朝ラッシュ時の上り快特は金沢文庫以南では特急となる(京急本線#快特も参照)。
久里浜線内のみ運転の列車はすべて停車駅が同一だが、4両ないし6両編成の列車は普通、8両編成の列車は折り返す前後の列車の種別となる。このため、各駅停車でありながら「特急」「快特」として走行する珍しい形態の列車が見られる。
走行する車両はほとんど京急車だが、ラッシュ時には東京都交通局の車両も一部使用される。かつては京成電鉄の車両も乗り入れていた。
単線区間が多く残されており、久里浜線内では本線の快特よりもスピードが出にくくなっている。近年沿線は映画の撮影のロケ地として使われることも多い。
女性専用車
平日朝上りのみ運転の金沢文庫以南が特急となる快特(B快特)のうち、横浜駅に7:30 - 8:30に到着する列車は品川方先頭車が女性専用車となる。
設定対象列車のうち、久里浜線内始発のものは以下の4列車である(時刻は2013年10月ダイヤ改正時点)。
- 605B:三崎口6:30始発→品川7:58着
- 709B:京急久里浜7:05始発→品川8:17着
- 711B:三崎口7:01始発→品川8:30着
- 715B:京急久里浜7:36始発→品川8:53着
臨時列車
お帰り臨時電車
毎年5月下旬ごろに、久里浜工場信号所で行われる『京急ファミリー鉄道フェスタ』開催時にのみ運行される臨時列車。「お帰り」という名のとおり、久里浜工場信号所→京急久里浜駅間の下り列車のみであり、京急久里浜駅→久里浜工場信号所間の上り列車の運行はない。30分間隔で運転され、終点の京急久里浜駅では中線に到着し、上下線のどちらの列車にも同一ホームで乗り換えができるようになっている。運賃は京急久里浜駅から計算され、京急久里浜駅までの場合は入場券が必要となる。
過去の愛称付き定期列車・臨時列車
招運号
成田山新勝寺参拝客の輸送を目的として、1969年(昭和44年)より1972年(昭和47年)まで三浦海岸 - 京成成田間に終夜運転で2往復運行された。車両は1000形、停車駅は京急線・都営線内は特急と同一、京成線内は臨時特急停車駅(京成津田沼 - 京成成田間無停車。押上 - 京成津田沼間でも特急と一部異なる)であった。1973年(昭和48年)も運行する予定であったが、東京都交通局の労働争議による反対から終夜運転を急遽中止し、そのまま廃止された。
マリンパーク号
1983年(昭和58年)より油壺マリンパーク集客を目的として、全日の快特・特急各一往復にヘッドマークを取付けて運転した。
快特については2000形が充当されるようになった時点でヘッドマークの取り付けが廃され、特急の一往復が京急の定期列車では唯一のヘッドマーク付きとなっていた。また、三崎口駅を発着する平日の快特は「マリンパーク号」だけであった。1998年(平成10年)11月のダイヤ改正で平日の快特がすべて三崎口駅発着となったこともあり、快特・特急ともに廃止された。
歴史
- 1942年(昭和17年)12月1日 当時の東京急行電鉄(大東急)により、横須賀堀内(現・堀ノ内) - (仮)久里浜間が開業。
- 1943年(昭和18年)9月21日 (仮)久里浜 - 久里浜(現京急久里浜)間が開業。
- 1944年(昭和19年)4月1日 久里浜駅を湘南久里浜駅に改称。
- 1948年(昭和23年)
- 1954年(昭和29年)
- 1959年(昭和34年)3月15日 湘南井田 - 湘南久里浜間が複線化。
- 1961年(昭和36年)9月1日 横須賀堀内駅を堀ノ内駅に改称。
- 1963年(昭和38年)11月1日 京浜久里浜 - 野比(現・YRP野比)間が開業。湘南井田駅を北久里浜に、湘南久里浜駅を京浜久里浜駅に改称。
- 1966年(昭和41年)
- 1975年(昭和50年)4月26日 三浦海岸 - 三崎口間が開業。
- 1980年(昭和55年)6月27日 京浜長沢(現・京急長沢) - 津久井浜間が複線化。
- 1987年(昭和62年)6月1日 京浜久里浜駅を京急久里浜駅に、京浜長沢駅を京急長沢駅に改称。
- 1991年(平成3年)3月19日 京成の車両が乗り入れを開始、その後1995年(平成7年)3月31日まで、平日の夕方に1往復設定された。
- 1998年(平成10年)4月1日 野比駅をYRP野比駅に改称。
- 2009年(平成21年)2月14日 保安装置をC-ATSに更新。
駅一覧
- 全駅神奈川県内に所在。
- 現在は全営業列車が全駅に停車する。
- 凡例
- 線路 … ∥:複線区間、◇・△:単線区間(列車交換可能)、△:単線区間の終点、∧:これより下は複線、∨:これより下は単線
駅番号 [1] | 駅名 | 駅間営業キロ | 通算 営業キロ |
接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
堀ノ内から | 品川から | ||||||
KK61 | 堀ノ内駅 | - | 0.0 | 52.3 | 京浜急行電鉄:本線(品川方面直通運転) ※待避可能駅 |
∥ | 横須賀市 |
KK65 | 新大津駅 | 0.8 | 0.8 | 53.1 | ∥ | ||
KK66 | 北久里浜駅 | 0.9 | 1.7 | 54.0 | ∥ | ||
久里浜工場信号所 | - | (2.6) | (54.9) | ∥ | |||
KK67 | 京急久里浜駅 | 2.8 | 4.5 | 56.8 | 東日本旅客鉄道:横須賀線(久里浜駅)※待避可能駅 | ∨ | |
KK68 | YRP野比駅 | 2.7 | 7.2 | 59.5 | ◇ | ||
KK69 | 京急長沢駅 | 1.3 | 8.5 | 60.8 | ∧ | ||
KK70 | 津久井浜駅 | 1.2 | 9.7 | 62.0 | ∥ | ||
KK71 | 三浦海岸駅 | 1.5 | 11.2 | 63.5 | ∨ | 三浦市 | |
KK72 | 三崎口駅 | 2.2 | 13.4 | 65.7 | △ |
沿線概況
起点駅である堀ノ内駅は京急本線からの分岐点。本線は浦賀方面に続くがほとんどの優等列車は久里浜線に直通する。堀ノ内から新大津駅を抜け久里浜線内で利用客第2位の北久里浜駅に至る。内陸部を通過するが付近は山の上まで宅地開発が進んでいる。北久里浜駅と京急久里浜駅の間には運送上の拠点となる車両基地があり京急久里浜駅を境に輸送量に大きな段差ができる。
平作川に架かる鉄橋を渡ると路線の名前の由来にもなった京急久里浜駅である。京急久里浜は横須賀市内でも本線の横須賀中央駅に次いで乗降人員が多い駅であり駅ビルウィング久里浜を利用できる。また横須賀線の終着駅である久里浜駅に隣接するため乗換客も多い。また、ここからバスを利用し久里浜港に向かえる。久里浜港からは、南房総の金谷港を結ぶ東京湾フェリー及び、期間限定で東京港・伊豆諸島を結ぶ東海汽船に乗船することができる。
京急久里浜 - 京急長沢間は単線区間である。高架部分とトンネルを通過するとYRP野比駅に到着する。YRPとは電波情報通信技術に特化した研究開発拠点横須賀リサーチパークの略であり当駅の名前の由来となっている。朝のラッシュ時には品川方面から乗車してきた客の多くがここで下車する。YRP野比駅から京急長沢駅、津久井浜駅にかけては車窓から現在でも住宅地混じりの田園風景が眺められる。京急長沢付近から山側をみると大仏や五重塔が見ることができるがこれらは付近の霊園が昭和の終りごろに建造したものである。京急長沢 - 三浦海岸間は複線区間に戻る。海岸付近を通っているが住宅や山林などがあるため車窓からはほとんどに海を見ることはできない。なおこの近くには北下浦海岸や三浦海岸といった海水浴場があるため夏を中心に賑わう。三浦海岸駅から終着駅三崎口駅へかけては再び内陸を走行する。付近には最近分譲された住宅地もあるがほとんどは農地か山林である。
本来はこの先の三崎漁港付近まで路線が建設される予定だが諸事情のため三崎口で終着する。三浦市の市役所所在地の三崎や城ヶ島、油壺(油壺マリンパーク)、横須賀市の相模湾沿い地区方面へはここから京浜急行バスでアクセスする。
将来の路線計画
久里浜線は三浦市の中心部、三崎港付近までの建設が元々の計画であり、そのための第一種鉄道事業の免許も取得していた。しかし、市街地となっている三崎港付近での用地確保が困難なことから油壺以南の免許は1970年に失効し、延伸計画は三浦海岸 - 油壺間4.3km に短縮された。さらに油壺駅までの延伸も用地買収が難航したため三崎口駅までの暫定開業となり、市街地への連絡はバスに依存する状況で現在に至る。なお、三崎口駅先の国道134号を潜るかたちでわずかな距離だが線路は続いている。
三崎口駅は三浦市街から遠く、以南が建設されるまでの暫定的なターミナルという位置付けだったが、京急社内ではあまり重要視された計画ではないため、空港線の建設などを理由に免許取得から長期間放置されてきた経緯がある。運輸政策審議会答申第18号によればこの区間は2015年までに開業することが適当であるとされるが、延伸には環境問題を理由とした反対があり、三浦市初声町三戸地内での土地の買収も難航したため、計画は頓挫していた。
そのため、京浜急行電鉄側は一度三崎口 - 油壺間の免許を廃止することを決定、2005年(平成17年)10月7日、事業廃止届出書を国土交通省に提出した(12月24日廃止実施)。ただし、免許の廃止は延伸計画を断念するものではなく、延伸区間の見直しや再整理を行い、地元地権者や三浦市と相談をすることで事業を円滑に進め、ある程度計画がまとまってから免許を再申請するとのことである。ただし、再始動するにしても京急蒲田駅付近の連続立体交差化事業が終わってから、とされている。
計画では油壺地区の東側にある丘陵地帯に駅を設け、付近にバスターミナルや住宅団地を併設、さらに駅前整備に連動する形で油壺地区や小網代地区の道路が整備される予定であった。しかし、貴重な自然林であり神奈川県が保護を打ち出している「小網代の森」を通過する形で路線が敷設される計画のため環境保護団体の反対も根強い。京急は免許再申請の際は三浦市を交えてルート変更も考えるとしている。
脚注
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タグです。 「example
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ JR東日本:連絡定期券の発売範囲を拡大しました。