「安愚楽牧場」の版間の差分
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これについて地元紙は、『川南町の安愚楽牧場・児湯牧場が、都農町の第1例発表である2010年4月21日の約2週間前である4月はじめ、口蹄疫の疑いのある牛を発見したにもかかわらず約1ヶ月間も事実を隠ぺいしており、700頭の牛のうち多くが同じような症状になったこと』『上層部が、4月10日頃に「胃腸薬でも飲ませておけ」と約200頭分の胃腸薬を注文し牛に飲ませ、その後、今度は口蹄疫に利くかもしれないとペニシリン系の薬を大量発注して牛に接種し、さらには都農町の第一種感染の一報の後、胃腸薬とペニシリン系の薬を大量発注した領収書がなくなっていたこと』『当時、都農町で発生した口蹄疫感染牛の一報が伝わっていた4月20日に、そのうちの一頭が死亡し、上層部が21日に死体をトラックに載せ西都市の自社牧場へ移動させ、牛を西南市で死んだことにして業者に引き取らせようと画策し、同時にコンピュータ内のデータを4月16日死亡と改ざんしたこと』『口蹄疫の死体は家畜防疫員の許可を受けなければ、他の場所に移し、損傷し、解体してはならないという家畜伝染病予防法の禁止事項があるにもかかわらず、4月18日頃、川南町の第7牧場から口蹄疫感染の疑いのある牛5頭を10tトラックに載せ、えびの市の預託農家に向かい、そこでさらに10頭を載せて県外へ出荷しており、その10日後にあたる4月28日、えびの市の安愚楽牧場の預託農家から感染牛が出ているが、牛の潜伏期である6日~7日から計算して、ほぼ一致することから、これも安愚楽牧場が原因だった可能性があると関係者が証言していること』『えびの市で感染牛が発見された当時、えびの市は搬出制限の区域外にあったが、えびの市で感染牛が出たのは全て安愚楽牧場の預託農家であり、これについて農林水産省が「移動規制を敷く以前に牛の移動があったのが感染原因では」と述べたこと』などを報道しており、口蹄疫が発生したとき別の安愚楽牧場の農場にいた元従業員の男性も「当時の経営はかなりずさんだった」「上司は口蹄疫が疑われる症状を見つけても隠そうとしていた。投薬もやっていいと会社から言われていたので、疑問を持たず当たり前にやっていた」と述べている。 | これについて地元紙は、『川南町の安愚楽牧場・児湯牧場が、都農町の第1例発表である2010年4月21日の約2週間前である4月はじめ、口蹄疫の疑いのある牛を発見したにもかかわらず約1ヶ月間も事実を隠ぺいしており、700頭の牛のうち多くが同じような症状になったこと』『上層部が、4月10日頃に「胃腸薬でも飲ませておけ」と約200頭分の胃腸薬を注文し牛に飲ませ、その後、今度は口蹄疫に利くかもしれないとペニシリン系の薬を大量発注して牛に接種し、さらには都農町の第一種感染の一報の後、胃腸薬とペニシリン系の薬を大量発注した領収書がなくなっていたこと』『当時、都農町で発生した口蹄疫感染牛の一報が伝わっていた4月20日に、そのうちの一頭が死亡し、上層部が21日に死体をトラックに載せ西都市の自社牧場へ移動させ、牛を西南市で死んだことにして業者に引き取らせようと画策し、同時にコンピュータ内のデータを4月16日死亡と改ざんしたこと』『口蹄疫の死体は家畜防疫員の許可を受けなければ、他の場所に移し、損傷し、解体してはならないという家畜伝染病予防法の禁止事項があるにもかかわらず、4月18日頃、川南町の第7牧場から口蹄疫感染の疑いのある牛5頭を10tトラックに載せ、えびの市の預託農家に向かい、そこでさらに10頭を載せて県外へ出荷しており、その10日後にあたる4月28日、えびの市の安愚楽牧場の預託農家から感染牛が出ているが、牛の潜伏期である6日~7日から計算して、ほぼ一致することから、これも安愚楽牧場が原因だった可能性があると関係者が証言していること』『えびの市で感染牛が発見された当時、えびの市は搬出制限の区域外にあったが、えびの市で感染牛が出たのは全て安愚楽牧場の預託農家であり、これについて農林水産省が「移動規制を敷く以前に牛の移動があったのが感染原因では」と述べたこと』などを報道しており、口蹄疫が発生したとき別の安愚楽牧場の農場にいた元従業員の男性も「当時の経営はかなりずさんだった」「上司は口蹄疫が疑われる症状を見つけても隠そうとしていた。投薬もやっていいと会社から言われていたので、疑問を持たず当たり前にやっていた」と述べている。 | ||
− | == | + | == 経営破綻と詐欺発覚 == |
2011年8月9日、[[東京地方裁判所|東京地裁]]に[[民事再生法]]の適用を申請し、事実上経営破綻した。経営悪化の要因として、[[東京電力]][[福島第一原子力発電所事故|福島第一原発事故]]による契約解除の増加や和牛の価格下落を挙げている。東電の過失割合は大きいとして、東電に損害賠償を請求する考えを示した。 | 2011年8月9日、[[東京地方裁判所|東京地裁]]に[[民事再生法]]の適用を申請し、事実上経営破綻した。経営悪化の要因として、[[東京電力]][[福島第一原子力発電所事故|福島第一原発事故]]による契約解除の増加や和牛の価格下落を挙げている。東電の過失割合は大きいとして、東電に損害賠償を請求する考えを示した。 | ||
− | + | 同社の地裁への申立内容では負債は4300億円。1991年以降牛肉自由化の影響で一頭当たりの利益は赤字へと転落しており、出資者の弁済率も1%以下に留まるとしている。 | |
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+ | 2011年11月8日、東京地方裁判所の[[鹿子木康]]裁判長は、「再生計画案作成の見込みはない」と判断し、安愚楽牧場に対して、[[破産法]]上の保全管理命令を出した。保全管理人は、[[第1東京弁護士会]]の[[渡邊顕]]。再生計画案作成の見込みがないとしたのは、すでに多くの資金が流出してしまった上に、牛の餌代だけで毎月20億円がかかってしまうため。 | ||
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+ | 2011年11月30日、[[消費者庁]]は、2010年度時点で、オーナーの繁殖牛が3万3000頭足りていないことを公表した。安愚楽牧場は不足する繁殖牛に、子牛や食用牛、さらには雄牛を充てて、粉飾していた。消費者庁は、景品表示法に基づき、安愚楽牧場に対して、実態の周知を命じる行政処分を下した(今更命じたところで、どうせすぐに破産するんだけど^^; 消費者庁って、はっきり言って「'''馬鹿'''」なの?) | ||
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2011年12月1日 (木) 11:29時点における版
株式会社安愚楽牧場(あぐらぼくじょう)は、栃木県那須塩原市に本社をおく日本史上最大・最悪の詐欺会社。表向きは畜産会社を装っていた。被害者数は7万人以上。被害総額は4300億円を超える。海江田万里が絶賛していたことで知られている。
概要
栃木県、北海道、宮崎県などで40ヶ所の牧場を運営し、黒毛和牛をはじめとする肉牛15万頭を飼育している。同社の特徴としてオーナー制度を実施している点があげられる。
商号は明治初期に「胡坐鍋」とよばれた牛鍋をたのしむ庶民のすがたをえがいた仮名垣魯文による小説『安愚楽鍋』からとられている。
沿革
- 1981年 - 有限会社安愚楽共済牧場設立。
- 1982年 - 農業生産法人資格取得。
- 1987年 - 那須地区以外では初の直営牧場となる遠野牧場開設。
- 2001年 - 食肉部設立、食肉および食肉加工品の製造を始める。
- 2009年4月 - 株式会社安愚楽牧場に商号変更。
- 2011年
オーナー制度
特定商品預託法に基づいたシステムで、オーナーは同社に売買・飼養委託契約金を払い込み、繁殖母牛の飼養委託契約を締結する。契約期間中に子牛が生まれた場合には、飼養管理費を差し引いた買い取り代金が支払われる。
おもな牧場
- 那須 - 栃木県那須郡那須町に、同社発祥の地である那須第一牧場、本社やホテル・食堂を併設した那須第二牧場、那須第三から第五牧場がある。
- 遠野牧場 - 岩手県遠野市にあり、1987年に市からの誘致により、直営牧場としては初めて県外に進出した。種雄牛センターを併設する。
- 胆振牧場 - 北海道勇払郡厚真町にあり、同社最大の2,800,000m2を有する。
- 児湯 - 宮崎県児湯郡川南町・高鍋町・新富町・木城町と西都市にまたがり、13箇所の牧場を有する。
口蹄疫の不適切対応
2010年におこった口蹄疫の問題に関して宮崎県の検証委員会は2011年1月18日に、複数の牛に発熱やよだれや潰瘍などの症状を確認したが県が聞き取り調査を実施するまで通報しなかった、獣医師がすべきところを一般従業員による家畜への投薬が日常的におこなわれていたという家畜伝染病予防法に違反している不適切な対応があったとして指導を行う方針を固め、2011年3月3日に、症状の通報が遅れたなどとして文書で厳重注意し、3月17日までに改善計画を提出するよう指導している。これに対して安愚楽牧場は「真摯に受け止め、改善策をさらに進めたい」とコメントした。
2010年4月24日に異常を家畜保健衛生所へ通報し、宮崎県で7例目扱いになって牛725頭が殺処分された川南町の安愚楽牧場・児湯牧場に対し、宮崎県の検証委は、通報前の4月8日には食欲不振の牛が確認されていたことや、通報した際、既に半数程度の牛が発症していたことを指摘し、「農場は4月9日以降に感染がまん延状態になった」と述べ、安愚楽牧場が口蹄疫感染の初発になった可能性にも言及している。
これについて地元紙は、『川南町の安愚楽牧場・児湯牧場が、都農町の第1例発表である2010年4月21日の約2週間前である4月はじめ、口蹄疫の疑いのある牛を発見したにもかかわらず約1ヶ月間も事実を隠ぺいしており、700頭の牛のうち多くが同じような症状になったこと』『上層部が、4月10日頃に「胃腸薬でも飲ませておけ」と約200頭分の胃腸薬を注文し牛に飲ませ、その後、今度は口蹄疫に利くかもしれないとペニシリン系の薬を大量発注して牛に接種し、さらには都農町の第一種感染の一報の後、胃腸薬とペニシリン系の薬を大量発注した領収書がなくなっていたこと』『当時、都農町で発生した口蹄疫感染牛の一報が伝わっていた4月20日に、そのうちの一頭が死亡し、上層部が21日に死体をトラックに載せ西都市の自社牧場へ移動させ、牛を西南市で死んだことにして業者に引き取らせようと画策し、同時にコンピュータ内のデータを4月16日死亡と改ざんしたこと』『口蹄疫の死体は家畜防疫員の許可を受けなければ、他の場所に移し、損傷し、解体してはならないという家畜伝染病予防法の禁止事項があるにもかかわらず、4月18日頃、川南町の第7牧場から口蹄疫感染の疑いのある牛5頭を10tトラックに載せ、えびの市の預託農家に向かい、そこでさらに10頭を載せて県外へ出荷しており、その10日後にあたる4月28日、えびの市の安愚楽牧場の預託農家から感染牛が出ているが、牛の潜伏期である6日~7日から計算して、ほぼ一致することから、これも安愚楽牧場が原因だった可能性があると関係者が証言していること』『えびの市で感染牛が発見された当時、えびの市は搬出制限の区域外にあったが、えびの市で感染牛が出たのは全て安愚楽牧場の預託農家であり、これについて農林水産省が「移動規制を敷く以前に牛の移動があったのが感染原因では」と述べたこと』などを報道しており、口蹄疫が発生したとき別の安愚楽牧場の農場にいた元従業員の男性も「当時の経営はかなりずさんだった」「上司は口蹄疫が疑われる症状を見つけても隠そうとしていた。投薬もやっていいと会社から言われていたので、疑問を持たず当たり前にやっていた」と述べている。
経営破綻と詐欺発覚
2011年8月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、事実上経営破綻した。経営悪化の要因として、東京電力福島第一原発事故による契約解除の増加や和牛の価格下落を挙げている。東電の過失割合は大きいとして、東電に損害賠償を請求する考えを示した。 同社の地裁への申立内容では負債は4300億円。1991年以降牛肉自由化の影響で一頭当たりの利益は赤字へと転落しており、出資者の弁済率も1%以下に留まるとしている。
2011年11月8日、東京地方裁判所の鹿子木康裁判長は、「再生計画案作成の見込みはない」と判断し、安愚楽牧場に対して、破産法上の保全管理命令を出した。保全管理人は、第1東京弁護士会の渡邊顕。再生計画案作成の見込みがないとしたのは、すでに多くの資金が流出してしまった上に、牛の餌代だけで毎月20億円がかかってしまうため。
2011年11月30日、消費者庁は、2010年度時点で、オーナーの繁殖牛が3万3000頭足りていないことを公表した。安愚楽牧場は不足する繁殖牛に、子牛や食用牛、さらには雄牛を充てて、粉飾していた。消費者庁は、景品表示法に基づき、安愚楽牧場に対して、実態の周知を命じる行政処分を下した(今更命じたところで、どうせすぐに破産するんだけど^^; 消費者庁って、はっきり言って「馬鹿」なの?)