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*『栄光へのシュプール [[猪谷千春]]物語』(スペース映像、[[日本ビクター]]、虫プロダクション) | *『栄光へのシュプール [[猪谷千春]]物語』(スペース映像、[[日本ビクター]]、虫プロダクション) |
2011年3月18日 (金) 08:17時点における版
親子映画(おやこえいが)は、日本における映画のジャンルである。配給会社によるロードショーやミニシアターでの公開ではなく、各地域の主催者が上映会形式で映写する、主に未就学児から義務教育までの年齢層の子どもとその親を観客の対象としている。
目次
概要
基本的に主催者が映画配給会社へライセンス料を支払い、貸与されたフィルムを会場で上映する「自主上映会」形式である。特にオリジナルのアニメーション映画では、各地で上映会を主催する団体(「親と子のよい映画をみる(観る)会」名称が多い)が市民や学校教員によって結成され、幼稚園・小中学校でのチラシ配布や、自治会・市町村役場(後援している場合)などでのポスター掲示によって上映会を周知し、料金徴収のうえ、体育館・公民館・市民会館・文化センターといった公共施設のホールにスクリーン・映写設備を設置して上映する形式が殆どである。
教育・福祉的な意図から、小学生などに対しては廉価な料金設定あるいは無料招待をしている場合も見受けられる。
略歴
実写作品
共同映画、日活児童映画、大映などが1980年代まで製作していた。1990年代以降、ビデオソフトやミニシアターの拡大により、上映会用途での作品は戦争(反戦)や思想・宗教ものを除いて殆ど作られなくなった。
- はだしのゲン
- 親子映画シリーズ(共同映画)
アニメーション作品
編集・配給作品
テレビで放映されたテレビアニメーション作品の1話を選り抜いたり、総集編になるよう複数話をキネコ編集した作品(『一休さん』、『フランダースの犬』、『ちびまる子ちゃん』、『モジャ公』など)や、親子映画向けに新たに作られた短編作品(『それいけ!アンパンマン』など)を複数作合わせて映写する上映会(「こども映画上映会」、「親子映画上映会」など)や、既存のロードショー作品(『MARCO 母をたずねて三千里』、『河童のクゥと夏休み』など)のフィルムを自主上映配給会社から借り入れて映写する上映会がある。
オリジナル作品
戦争体験(反戦)、災害、いじめ、偏見(身体障害者など)、環境汚染の問題を含めた児童書や、伝記や文学ものを原作に、30分から90分程度のアニメーション映画としたものである。1980年代よりテレビアニメーションや教育映画とは異なる切り口で、良作が製作されている。特に虫プロダクション、タマ・プロダクション、マジックバスが実製作を行う作品が多く、共同映画系列(シネマとうほくなど)、ティアンドケイテレフィルム、インディーズなどが専門的に製作・配給している。
製作費用の出資者・協賛(スポンサー)が少数であった場合、ロードショー作品と比べて切り詰められた予算で製作することを余儀なくされる。後掲の『えっちゃんのせんそう』、『ハードル』は、製作費用の大半を市民活動によるカンパで賄い、完成に漕ぎ着けた。なお、映画館がない地域でも上映会が実施されることが多い。
主な作品
★ - 一般家庭視聴用向けにDVDソフトが発売されている作品
人権擁護・福祉
- 岸川悦子原作『五等になりたい。』(GOGOビジュアル企画、タマ・プロダクション)
- 『PiPi とべないホタル』(日本コロムビア、オフィスCHK、虫プロダクション)
- 『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』★(GOGOビジュアル企画、マジックバス)
- 『ハードル 真実と勇気の間で』★(シネマとうほく、有限会社インディーズ、マジックバス)
- 星あかり原作『もも子、かえるの歌がきこえるよ。』(GOGOビジュアル企画、共同映画、マジックバス)
- 星あかり原作『大ちゃん、だいすき。』(酒井法子主演。GOGOビジュアル企画、タマ・プロダクション)
災害・環境汚染
- 『SOSこちら地球』(共同映画)
- 神山征二郎作『伊勢湾台風物語』(ミニシアター公開。ヘラルドグループ、虫プロダクション)
- 岸川悦子原作『地球が動いた日』(GOGOビジュアル企画、オリックス、タマ・プロダクション)
- 蓮見けい原作『ダイオキシンの夏 いのちの地球』(GOGOビジュアル企画、マジックバス)
戦争体験(反戦)
※キッズステーションにおいて1990年代より夏休み期間中の『平和ってなんだろう』企画で放送される作品がある[1]。
- 『火の雨がふる』(スペース映像、にっかつ児童映画、虫プロダクション)
- 比嘉富子原作『白旗の少女 琉子』(共同映画、マジックバス)
- ミホ・ジボ原作『つるにのって』(虫プロダクション)
- 比嘉富子原作『まっ黒なおべんとう』(共同映画、マジックバス)
- 小原文子原作『ぞう列車がやってきた』 (虫プロダクション)
- 漫画シリーズ戦争原案『蒼い記憶 -満蒙開拓と少年たち-』(共同映画、マジックバス)
- 小林千登勢原作『お星さまのレール』(テレビ東京、共同組合全国映画センター)
- 黒柳朝原作『チョッちゃん物語』(ティアンドケイテレフィルム、トライアングルスタッフ)
- 岸川悦子原作『えっちゃんのせんそう』(有限会社インディーズ、虫プロダクション)
- 『ガラスのうさぎ』(GOGOビジュアル企画、マジックバス)
- 秋月辰一郎原案『NAGASAKI・1945 アンゼラスの鐘』(虫プロダクション。2006年に国連本部においても字幕版が上映された。)
- 海老名香葉子原作『うしろの正面だあれ』(スペース映像、虫プロダクション)
- 海老名香葉子原作『あした天気にな~れ! 半分のさつまいも』(サクセスロード、ルートピクチャーズ、AYCO、スタジオケルマディック)
歴史・伝記
※作品の特性上、取り上げられた人物ゆかりの特定地域のみ上映会が行われる傾向がある。
- 『せんぼんまつばら 川と生きる少年たち』(スペース映像、虫プロダクション)
- 『栄光へのシュプール 猪谷千春物語』(スペース映像、日本ビクター、虫プロダクション)
- 田村喜子原作『明日をつくった男 田辺朔郎と琵琶湖疏水』(虫プロダクション)
- パッテンライ!! 〜南の島の水ものがたり〜★(北國新聞社、虫プロダクション)
文学
ロードショーでは無い、自主上映会向け作品
- 『賢治のトランク』(東京テアトル、共同映画、ティアンドケイテレフィルム、マジックバス)
- 『グスコーブドリの伝記』(東京テアトル、共同映画、ティアンドケイテレフィルム、あにまる屋)
- 椋鳩十原作『マヤの一生』(虫プロダクション)
- 『長くつ下のピッピ』(1997~1998年の海外製作映画版)
註
- ↑ キッズステーション番組表「蒼い記憶」「お星さまのレール」