「ハーマイオニー・グレンジャー」の版間の差分

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ハーマイオニー・ジーン・グレンジャー(Hermione Jean Granger)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の魔女である。

概要[編集]

主人公ハリー・ポッターの親友であり、本作のヒロイン的存在。ホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮に所属する女子生徒で、ハリーとは同学年である。

理知的で生真面目な、学年1位の秀才。膨大な知識量と論理的思考力でハリーをサポートする。

登場巻[編集]

全巻

人物[編集]

名前[編集]

ファーストネームの「ハーマイオニー」は、ギリシャ神話の登場人物・ヘルミオネーの英語読みである(一例として、ウィリアム・シェイクスピア冬物語にも同名の女性が登場する)。

この名前は発音がやや難しく、作中ではビクトール・クラムが「ハーム・オウン・ニニー」とごまかして呼んでいる。日本語訳では作者の承認のもとに「ハーマイオニー」という表現を採用している。ハーマイオニー自身は、英語の発音が苦手な人に対しては自分のことを「ハーミー(Hermie)」と呼ばせている。

ちなみにファミリーネームの「グレンジャー」は、アメリカ合衆国で起きた労働運動「グレンジャー運動」に由来する。これは作中にも反映されており、実際にハーマイオニーは屋敷しもべ妖精の為に運動を展開した。

家族[編集]

両親は二人ともマグルの歯科医師(名前の記述は特になし)で、いわゆる「マグル生まれ」の魔女。その為、ドラコ・マルフォイら純血主義者から「穢れた血」という蔑称を使われることもある。

兄弟姉妹についての記述は特にないが、家族について話す場面では常に両親しか登場しないため、一人娘と考えられる(ちなみに作者は「ハーマイオニーには妹がいる予定だった」と発言している[1])。

外見[編集]

髪の毛は栗色、瞳の色は茶色。前歯が少し大きいことにコンプレックスを抱いていたが、ドラコ・マルフォイにかけられた前歯肥大の呪いを治療してもらう際に前歯を本来より少し小さくして(第4巻)、コンプレックスを克服した。余談ではあるが、この前歯を自分の手で(魔法なしで)治すことが彼女の両親の目標だったらしい。

第1巻では「ふさふさした髪」、第6巻では「豊かな栗色の髪」と表現されるほど、髪の量が多い。普段は容姿に無頓着で、髪は手入れをしないためボサボサ、魔法薬学の授業では大鍋の蒸気を吸って髪が膨らんでいる。しかし、ダンスパーティーや結婚式などでは、直毛剤を使い髪の毛を結い上げ、特にダンスパーティーでは、ライバルであるパーバティ・パチルやドラコ・マルフォイですら認めざるを得ないほどの美しさを見せた。

J・K・ローリングは、ハーマイオニーについて容姿に自信がない女の子であるという趣旨のことを語っている。

映画では年ごとにパーマや髪の色が多少違ったりする。またアズカバン以降は三つ編み、ポニーテールなど様々な髪形をしている。

本の虫で常に20冊近い本を背負っている。


注意以降に核心部分が記述されています。

性格・才能[編集]

学年随一の秀才であり、完璧主義者。勇敢さを重視するグリフィンドール寮生だが、英知を重視するレイブンクロー寮生としての資質も持ち合わせる(組み分け帽子は彼女の組み分けの際にグリフィンドールに入れるかレイブンクローに入れるか迷ったとのこと)。

基本的にお節介で融通の利かない頑固な性格だが、それ以上に友情を重んじている。友人を貶す者に対して強い憤りを見せたり、喧嘩中でもハリーやロンの身を案じたり、第1巻で「規則を破ってはいけない」と言いながら数年後には自ら規則を破ったりしている。よく規則を破るハリーやロンと親友になったことで、それ以前と比べれば多少は柔軟になった様子。また感情が昂ぶると誰かれ構わず抱きつくがある。

いわゆる“本の虫”で、読んだことのある本に書かれた内容ならば、どんな質問にも即答できるほど抜群の記憶力を持つ。自分が持っていない知識や自分の推測を確認するときには、ホグワーツの図書室で本を漁るのが恒例。ロンと喧嘩した際に図書館に入り浸っていた様子から、暇さえあれば図書館で本を読み耽っていると思われる。また論理的思考力に優れており、賢者の石を保護する論理パズルを解いたり、わずかな手がかりから秘密の部屋に封じられた怪物の正体やリータ・スキーターが盗聴に使った魔術を暴いたりしている。

何事にも根拠を重んじる用心深い性格で、確信の無い推測を口にすることは滅多にない。そのため、夢想的なルーナ・ラブグッドに反発する場面も少なからず見られる。作者は公式サイトにて「失敗への大きな不安と恐怖」を持っていると語っている。

入学前から全ての教科書を暗記する、3年次に授業時間が重複する科目の両方を履修する(ただし心身の負担などから、4年次以降は一部の科目の履修を取り止め授業時間の重複はなくなった)、同学年では履修しない上級学年の魔法を習得するなど、勉学に対する努力は惜しまず、また日々の予習復習を欠かさない。その超人的な努力は、授業時間以外では教科書を読まない「普通の生徒」から驚嘆されると同時に、彼らの反感を買う原因のひとつとなっている。唯一占い学だけは、理論や努力が通じないため「いい加減でくだらない」と嫌っており、担当のシビル・トレローニー教授の事も悪く言っていた。

こうした努力の結果、頭の良い生徒が多いレイブンクロー寮生を上回る学年一位の学力を維持し、ホグワーツの教授のほとんどから魔法の才能を賞賛されている。5年次末のO・W・L試験では、受験した10科目のうち9科目で成績トップを収めた(トップを取れなかった1科目は、ハリーがトップを取った「闇の魔術に対する防衛術」)。

一方で彼女自身を上回る才能や努力に対する嫉妬心は全く見られず、ハリーの才能を認めて励ましたり(第1巻16章、第5巻16章など)フレッドとジョージ・ウィーズリーが作った悪戯グッズを賞賛したりしている。ただし生真面目で不正を嫌うため、ハリーが教科書の古い書き込みを元に好成績を取った際には不快感を露にした(第6巻)。

ダンブルドア軍団をハリーに受け入れてもらうように粘り強く説得したのも彼女である。5巻終盤ではハリーやロン達と共に神秘部で死喰い人と戦った。

心底、成績を気にしているようであり、彼女に言わせると「死ぬことより学校を退学になること」のほうが悪いらしい。また、ボガート(相手が最も恐れる姿に変身する妖怪)が彼女の前に出たとき、妖怪はミネルバ・マクゴナガルに変身し、「あなたは落第です」と言った。

また、箒による飛行訓練など、体を動かすことはあまり得意でない。バックビークの背中に乗って飛ぶときも泣き言を言っていた。

咄嗟の判断力にも優れており、マクゴナガルに嘘をついてハリーとロンを庇ったり(第1巻)、アンブリッジを懲らしめるため巧みな嘘で禁じられた森まで連れて行ったり(第5巻)、死喰い人の襲撃を受けたとき巧みに荷物を隠し持ったり(第7巻)している。

登場初期は完璧主義のために他人につっけんどんな態度をとっていた。

ボガートは上記にもある通り、“落第を言い渡す”ミネルバ・マクゴナガル(より正確には「試験に落第すること」)、パトローナス・チャームによる守護霊はカワウソ

趣味[編集]

勉強。読書。(ハリーの出場する)クィディッチ試合観戦。屋敷しもべ妖精福祉振興協会。

周囲との関係[編集]

入学当初は周囲から孤立していたが、ある事件(一年生のハロウィーンで、トロールと戦う)を契機にハリー・ポッターロン・ウィーズリーの友人となり、その後は3人一緒に行動することが多くなる。ロンとは互いに意識し合う節が度々見られる。

ハリーやロンと行動を共にすることが多いせいか、同学年の女子の友人の名前はあまり聞かれない(ルームメイトのパーバティ・パチルラベンダー・ブラウンくらいである)が、女姉妹のいない一つ年下のジニー・ウィーズリーとしてはお姉さんのような存在である。また、ドラコ・マルフォイパンジー・パーキンソン、ミリセント・ブルストロード等、スリザリン寮生との仲は悪い。

恋愛に関しては、ダームストラング生のビクトール・クラムと文通していた。近頃はロンも意識するようになっていて、ハリーが2人の仲を気にする場面も見られる。また以前ロンと喧嘩している最中に1学年上のグリフィンドール生のコーマック・マクラーゲンと付き合っていると発言している。(これはもちろんロンへの当て付けである)。ちなみに、彼女とロンが対立している場合ハリーは中立(彼女とロンの場合はただの喧嘩で互いの主張に正しい・正しくないの概念がなく、ハリーは両方とも友人でいたいから)がロンとハリーが対立している場合彼女はどちらかというとハリー側(ロンとハリーの場合は互いの主張に正しい・正しくないの概念があり、ハリーが正しいから)である。

友人[編集]

好意・恋愛[編集]

恩師・尊敬[編集]

宿敵・ライバル・嫌悪[編集]

結婚後の家族[編集]

財産・ペット[編集]

本体はブドウ、芯はドラゴンの琴線。死喰い人に奪われてしまう(第7巻)。
本体は鬼胡桃、芯はドラゴンの琴線、長さは32センチ、頑固。ハリーがドラコから奪った杖のひとつ。ベラトリックス・レストレンジのもの。ハーマイオニーはこの杖に対して「ベラトリックスそのものみたいだし、シリウスを殺したり、ネビルの両親を拷問したりしたし、他に何をしたか分からない」と怖がっていた。
ペット
3巻以降、クルックシャンクスというオレンジ色の雄猫を飼っている。
ダンブルドアから相続した品物
ハリー、ロンもそれぞれの品を相続した。
吟遊詩人ビードルの物語
ダンブルドアの蔵書。原版。「読んで役に立ち、面白い本であることを望む」と遺言には記されていたが、その真意は、収録されている『三人兄弟の物語』から、死の秘宝の存在を知ってもらうこと。ハリーに直接話さず、あえて彼女にこの本を授けたのは、彼女の疑り深さがハリーを足止めし、昔のダンブルドアと同じ過ちを犯させんとしたためであった。

物語終了後[編集]

7巻発売後の作者インタビューによると、両親の記憶を戻し、ホグワーツに復学してN・E・W・T試験を受験後に魔法省の魔法生物規制管理部で屋敷しもべ妖精等の地位向上に尽力した。その後、魔法法執行部に異動し、純血支持法の撲滅を推進した。

また、親友のロン・ウィーズリーと結婚し、ローズヒューゴの二人の子供を授かった。

主な来歴[編集]

1979年9月19日マグルの歯科医師夫婦の間に生まれる。

1991年9月1日ホグワーツ魔法魔術学校に入学、グリフィンドール寮生となる。学校へ向かうホグワーツ特急内でハリー・ポッターロン・ウィーズリーと初対面。

入学前から全ての教科書を暗記するなど、他の生徒にない勉強熱心さや生真面目さなどから、周囲の生徒に敬遠され孤立していた。同年10月31日、ロンが言った陰口を偶然聞いてしまい、ショックでハロウィーン・パーティーを欠席。そこをトロールに襲撃されるが、ハリーとロンに救出される。以降、二人と親友になる。

その後賢者の石を守るため、魔法薬を使った論理パズルを解く。

2年次、秘密の部屋から解き放たれた「スリザリンの怪物」の正体にいち早く気づくが、直後に「スリザリンの怪物」によって石化する。

3年次、履修可能な全科目の授業に出席するため、魔法省から逆転時計の使用許可を得る。この逆転時計を利用し、無実の罪で指名手配されているシリウス・ブラックの逃亡を助ける。

4年次、屋敷しもべ妖精福祉振興協会を設立。コンプレックスの一因であった大きな前歯を魔法で矯正。ダームストラング校から来たビクトール・クラムからダンスのパートナー(実質的には男女交際)を申し込まれ、彼がホグワーツを去るまで交際する。

5年次、ロンと一緒にグリフィンドール寮の監督生に就任。ダンブルドア軍団の設立を提案。

6年次、ホラス・スラグホーン主催の「スラグ・クラブ」に招かれる。「半純血のプリンス」の存在を知り、その正体を追求。また「ホークラックス」の存在を知るが、その正体を知ることはできなかった。

7年次、両親の身の安全を確保した上で、ハリー、ロンと共に分霊箱探しの旅に出かけた。


以上で作品の核心的な内容についての記述は終わりです。

映画[編集]

エマ・ワトソンが演じている。吹き替えは須藤祐実が担当。

ゲーム[編集]

日本語版では深見梨加が担当。

その他[編集]

脚注[編集]

  1. J.K.ローリング ワールド・ブックデイ・オンライン・チャット - ポッターマニア 5巻以降のネタバレあり