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高等裁判所(こうとうさいばんしょ)とは裁判所法により設置されている下級裁判所の中で最上位の裁判所である。略称「高裁」。高等裁判所の長たる裁判官は高等裁判所長官と呼ばれる。
本庁は東京都、大阪市、名古屋市、広島市、福岡市、仙台市、札幌市、高松市の8箇所に設置されており、必要に応じて各本庁管内に支部(名古屋高等裁判所管内の金沢市(名古屋高等裁判所金沢支部。以下呼称はこの例による。)、広島高等裁判所管内の岡山市、松江市、福岡高等裁判所管内の宮崎市、那覇市、仙台高等裁判所管内の秋田市)が設置されている。
また、2005年4月より、知的財産に関する係争について専門的に取り扱うための知的財産高等裁判所が東京高等裁判所の「特別の支部」として設置された。
高等裁判所の長たる裁判官は高等裁判所長官といい(裁判所法5条2項)、管内の裁判官の人事その他司法行政上の事務を統括している。
裁判権[編集]
高等裁判所は、以下の事項について裁判権を有する。
- 裁判所法第16条各号で規定されるもの
- 裁判所法第17条による、他の法律において特に定める権限
また、知的財産高等裁判所の取り扱う事項は次の通りである。(知的財産高等裁判所設置法第二条)
第二条 東京高等裁判所の管轄に属する事件のうち、次に掲げる知的財産に関する事件を取り扱わせるため、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第二十二条第一項の規定にかかわらず、特別の支部として、東京高等裁判所に知的財産高等裁判所を設ける。
- 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、著作者の権利、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて地方裁判所が第一審としてした終局判決に対する控訴に係る訴訟事件であってその審理に専門的な知見を要するもの
- 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百七十八条第一項の訴え、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第四十七条第一項の訴え、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第五十九条第一項の訴え又は商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第六十三条第一項(同法第六十八条第五項において準用する場合を含む。)の訴えに係る訴訟事件
- 前二号に掲げるもののほか、主要な争点の審理に知的財産に関する専門的な知見を要する事件
- 第一号若しくは第二号に掲げる訴訟事件又は前号に掲げる事件で訴訟事件であるものと口頭弁論を併合して審理されるべき訴訟事件
高等裁判所の一覧と管轄地域[編集]
- 札幌高等裁判所 - 北海道
- 仙台高等裁判所 - 福島県、山形県(地裁・家裁鶴岡、酒田支部地域を除く)、宮城県、岩手県、青森県(地裁・家裁弘前、五所川原支部地域を除く)
- 東京高等裁判所 - 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県、長野県、新潟県
- 知的財産高等裁判所 - 全国(ただし,意匠権,商標権,著作権,育成者権,不正競争による営業上の侵害に関するものについては第1審が東京高裁管内の地裁の事件に限る。)
- 名古屋高等裁判所 - 愛知県、岐阜県、三重県
- 大阪高等裁判所 - 大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県
- 広島高等裁判所 - 広島県、山口県、島根県(地裁・家裁浜田、益田支部、家裁川本出張所地域)
- 高松高等裁判所 - 香川県、徳島県、愛媛県、高知県
- 福岡高等裁判所 - 福岡県、佐賀県、熊本県、長崎県、大分県