「低俗番組」の版間の差分

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2010年8月19日 (木) 08:48時点における最新版

低俗番組ていぞくばんぐみ)とは、教育的観点や倫理的観点等から、特定の個人・団体から問題を指摘される番組のこと。公式な定義があるわけではなく、個人的な主観と偏見で判断される定性的な評価である。

概要[編集]

何らかの文化的権威をもつ個人もしくは団体から、ある観点において内容が低俗であるとされる番組に対して使用されることが多い。日本PTA全国協議会放送と青少年に関する委員会が、青少年に悪影響を及ぼすものとみなし「委員会見解」として特定の番組名を公表することも有る。

先述の通り、その番組が低俗であるかどうかは個人の主観に負うところが大きい。ある視聴者にとっては低俗であったとしても、別の視聴者にしてみれば低俗ではないと評価が対立することも少なくない。偏見や個人的嗜好で判断し、内容をよく確認しないまま低俗であると決め付ける場合もあり、その場合には逆に非難を受けることも多い。

低俗番組とみなされる要因[編集]

ある番組が低俗番組とみなされる理由としては、様々な観点がある。ここでは主だった観点を掲載する。

倫理・教育的観点[編集]

日本PTA全国協議会等の教育団体は

  • 「青少年の教育に悪影響を及ぼす番組である」
  • 保護者(番組を視聴している当事者である必要はない)からみて子供に見せたくない

という基準を重要視して青少年にとって有害である番組の存在を調査し、問題があると判断した番組について放送倫理・番組向上機構等に抗議を行っている。

視聴率主義に対する批判[編集]

内容を伴うことの無い過度の性表現や過激な暴力表現等が多く用いられている番組においても、視聴率を得ることのみを目的とした低俗な物とされることが多い為、やらせ疑惑が浮上する番組の多くは低俗番組と評される場合も有る。

生理的嫌悪感をもよおす表現[編集]

バラエティ番組においての暴力(的と見られる行為)、いじめを肯定すると受け取れるおそれがある表現、下ネタを取り扱う番組は低俗であるとみなされやすい。

観点に対する批判[編集]

ある観点から批判がなされた場合、他方からその観点そのものを批判するケースが有る。又、一方的な見方からの批判に対して、他の見方を無視してると批判されるケースも有る。例えば製作者が命の尊厳を伝えようとして、残虐な表現をした場合、一部の教育団体は「残虐な場面は子供に悪影響を及ぼす」という一面のみを取り上げ、問題視するケースも有る。この批判に対して「作者の意図」や「作品が伝えようとする主題」を無視する発言であると、他の視聴者からは批判されるケースも有る。

このように低俗番組を指定することは別の立場からの批判を招きやすく困難である。

概説[編集]

  • 「低俗番組」として槍玉にあがった番組が初めて登場したのは日本初の民間テレビ放送局日本テレビが本放送を開始してから1年後の1954年。同局で放送されていた『ほろにがショー 何でもやりまショー』が知識人と教育団体から批判が集まったためである。
  • アニメ番組の場合、アニメ業界にはきちんとした業界団体が無い為に発言力が弱く、基本的には視聴者からの批判、テレビ局からの内容のチェックに従わざるを得ない。然し、低俗であるとされるアニメ番組は多数存在し、テレビ局側の姿勢も問われる。
  • お笑い番組やバラエティ番組の場合、視聴率が高いものほど低俗番組との指摘を受けることが多い。その中には個人的嗜好に伴うクレームまがいのものも多く、スタッフやパーソナリティは無益で無理無体・自分勝手なクレームに頭を悩ませながらも、一つのステイタスとして感じることが多い。
  • ドラマや映画等の場合、暴力や性表現が多くてもシリアスな内容の場合「低俗番組」になりにくく、コメディ作品の方がより「低俗番組」とされやすいという傾向がある。
  • 低俗番組だとみなされている番組の多くは識者等から多くの批判を受けているが、その一方で高い視聴率を得ている番組も少なくない。民間放送は視聴率によってスポンサーからの資金調達状況が大きく変わるため、テレビ局は「理想」と「現実」のギャップに苦しんでいるのが現状である。
  • テレビという大多数の家庭に普及しているメディアの特徴上、見たくない番組であってもチャンネルを変えることで目に入ってしまう現状は避けられないため、テレビ番組関係者はどのような番組に携わるにしても、真摯な姿勢で臨むことが望まれ、一般家庭でテレビを扱う視聴者もまた、視聴する番組を積極的に取捨選択する態度をとることが望まれている。

低俗番組と称された主な番組[編集]

関連記事[編集]

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