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初期の開発ではGonk、Gecko、Gaiaユーザーインターフェイスを含むHTML5レイヤーといった3つの主要なソフトウェアレイヤーを必要としている<ref name="MW B2G arch">{{cite web |title = B2G/Architecture wiki page |url = https://wiki.mozilla.org/B2G/Architecture |date = 2012-06-05 |work = Mozilla wiki |publisher = [[Mozilla]] |accessdate = 2012-06-05 }}</ref>。 | 初期の開発ではGonk、Gecko、Gaiaユーザーインターフェイスを含むHTML5レイヤーといった3つの主要なソフトウェアレイヤーを必要としている<ref name="MW B2G arch">{{cite web |title = B2G/Architecture wiki page |url = https://wiki.mozilla.org/B2G/Architecture |date = 2012-06-05 |work = Mozilla wiki |publisher = [[Mozilla]] |accessdate = 2012-06-05 }}</ref>。 | ||
2022年8月27日 (土) 14:34時点における最新版
Firefox OS[1](ファイアフォックス オーエス、プロジェクト名:Boot to Gecko、B2G)[2]とは、Mozillaによって開発されたスマートフォンとタブレット向けのオープンソースオペレーティングシステムである。
目次
概要[編集]
JavaScriptを使っている端末のハードウェアに直接統合できるHTML5アプリケーションが動作するように設計されている[2]。
Android互換スマートフォン[3][4]とRaspberry Piで動作デモが行われている[5]。OSはカーネル部分などはAndroidを母体(ベース)にしているものの、Androidのアプリケーションに関しては全く互換性がなく、一切動作しない。
歴史[編集]
2011年[編集]
- 2011年7月25日、Mozilla Corporationの研究員であるアンドレアス・ガルがmozilla.dev.platform メーリングリストにて「あらゆる点で --- iPhone、Android、Windows Phone 7のために構築されるアプリケーションに等しい、アプリケーションを構築出来るようにするためのウェブ開発者を維持するギャップを見つける」ために「オープンウェブのためのスタンドアローンオペレーティングシステムの完成を目標として努力する」ことを発表した[6]。発表ではまた作業工程としてデバイスを転送するための新しいウェブAPIやテレフォニーやカメラ、特権モデル といった安全にウェブページに転送するためのOSケーパビリティ、それらのケーパビリティを証明するアプリケーション、Android互換端末でブートするための低レベルコードが提示された。この発表は多くのブログで取り上げられ[7][8]、Ars Technicaは「B2G (Boot to Gecko) は、標準に基づいたオープンウェブには、有力なモバイルオペレーティングシステムが提供する既存の単一ベンダーのアプリケーション開発スタックの競争力のある代替となる可能性がある、ということを証明したいという欲求によって動機づけられた、とMozillaは述べた」と書いている[9]。
2012年[編集]
- 2012年7月、Boot to GeckoはMozillaの著名ウェブブラウザであるFirefoxにちなむ形でFirefox OSに改名し[10]、8月にスクリーンショットを公開した[11]。
- 2012年9月、ストラテジー・アナリティクスはFireFox OSは商業的展開の初年となる2013年のグローバルなスマートフォン市場において1%のシェアを取るだろうと分析した[12]。
2013年[編集]
- 2013年2月25日、スペインのバルセロナで開催したモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2013」で、「Firefox OS」を搭載したスマートフォンの販売パートナーとしてKDDIの名前を挙げた。
2014年[編集]
- 2014年11月28日、Mozilla Japanは、日本国内における一般ユーザー向け端末がまもなく登場することを記念し「Firefox OS Coming Soonキャンペーン」を発表[13]。マスコットキャラクターであるフォクすけのぬいぐるみが応募者の中から抽選で貸し出され、フォクすけと一緒に行楽地、観光地などで写真を撮影し、TwitterやFacebookにアップロードすることで認知度アップをおこなう。
端末[編集]
2013年6月、初の搭載スマートフォンをブラジル、ポーランド、ポルトガル、スペイン、ベネズエラで発売し、2013年中にさらに11カ国で発売した。2014年にはヨーロッパやアジアなどに投入、アメリカや日本も順次発売予定[14][15]。
2013年1月、コンシューマー・エレクトロニクス・ショーにて中興通訊 (ZTE)、およびLGエレクトロニクス、ソニーモバイルコミュニケーションズなどが搭載スマートフォンを発売すると発表し[16][17]、さらに日本ではauブランドを展開するKDDI(連結子会社の沖縄セルラー電話を含む)も2014年末までに搭載スマートフォンを投入することを検討していることが明らかとなり[18][19][20]、2014年12月23日に第1号端末となる「Fx0 LGL25」(LGエレクトロニクス製)が発表された[21]。
2013年4月、Mozilla CEOのGary Kovacsはシリコンバレーの人間はハイエンド端末に注目しがちだが、世界の大半はハイエンド端末ではないため、Firefox OSは先進国以外も注力したい旨の発言をしている[14]。
2014年2月23日、中国のファブレスメーカー「Spreadtrum」との提携によるFirefox OS向けチップセット「SC6821」を開発し、価格を25ドル(約2,500円)におさえた端末を発表した[22]。
一般向けの販売開始[編集]
2013年7月2日、テレフォニカ傘下のモビスターがスペインでZTE製「ZTE Open」の販売を開始した。
2013年7月12日、ドイツテレコムの子会社であるT-モバイルがポーランドでTCL製「ALCATEL ONE TOUCH Fire」の販売を開始した。
2013年8月1日(現地時間)、モビスターがコロンビアとベネズエラでALCATEL ONE TOUCH FireとZTE Openの販売を開始した。
2014年12月25日、日本の大手通信キャリアであるau(KDDI・沖縄セルラー電話連合)がLGエレクトロニクス製「Fx0 LGL25」をauオンラインショップ、並びにKDDI直営店にて先行販売。また、auショップ及びPiPitを含むトヨタディーラー各店、その他量販店に関しては2015年1月6日より順次販売が予定されている。
デモンストレーション[編集]
モバイルワールドコングレス2012にてMozillaとテレフォニカはスペインの通信接続企業が2012年にHTML5や対応APIをベースに「オープンウェブデバイス」を提供することを目指すと発表した[23]。
Mozillaはまたアドビシステムズとクアルコムがプロジェクトを支援することとドイツテレコムのイノベーションラボもプロジェクトに加わることを発表した[24]。
またSamsung Galaxy S II(通常のAndroidを完全に入れ替え)上でソフトウェアやアプリケーションの「sneak preview」を動作させるデモンストレーションを行った[25][26]。
同年8月、ノキアの社員がRaspberry PiでOSを動作させるデモンストレーションを行った[27]。
Firefox OSはFirefox OS開発機 (Unagi, Otoro)、PandaBoard、エミュレータ (ARM, x86)、パソコン(デスクトップ版)、Nexus S、Nexus S 4G、Samsung Galaxy S II、Galaxy Nexusで動作できる状態となっている[28]。
2013年4月23日に開発機のKeonとPeakが発売開始。
Keon
- CPU: Snapdragon S1 1.0 GHz 1コア
- 通信: HSPA (3.5G), Wi-Fi (802.11 n), Bluetooth 2.1 EDR
- ディスプレイ: 3.5インチ (320x480)
- DRAM: 512MB
- ストレージ: 4GB + microSD
- カメラ: 300万画素
- 価格: $119
Peak
- CPU: Snapdragon S4 1.2 GHz 2コア
- 通信: HSPA (3.5G), Wi-Fi (802.11 n), Bluetooth 2.1 EDR
- ディスプレイ: 4.3インチ (540x960)
- DRAM: 512MB
- ストレージ: 4GB + microSD
- カメラ: 800万画素 + 200万画素
- 価格: $194
他のモバイルOSとの比較[編集]
アンドレアス・ガルはインタビューで現在のモバイルOSは壁で囲まれた庭園 のようなものとし[29]、Firefox OSはよりアクセスしやすいOSとして完全なオープン標準を使用しており、プロプライエタリなソフトウェアや技術は一切含んでおらず、ソフトウェアスタックは完全にHTML5であり、既に多くの開発者がいることをポイントにしていると述べた[29]。
他のコメンテーターは「理想主義的思想実験」と評した上、飽和した市場においてFirefox OSが伸びるのは難しいだろうと示唆した[30]。
オープンウェブ技術スタック[編集]
初期の開発ではGonk、Gecko、Gaiaユーザーインターフェイスを含むHTML5レイヤーといった3つの主要なソフトウェアレイヤーを必要としている[31]。
Gaia[編集]
b2gのインターフェース。b2gのスタートアップ後に常に現れるのがGaiaの幾つかのパートである。Gaiaのツールはロックスクリーン、ホームスクリーン、テレフォンダイヤラー、テキストメッセージアプリケーションなど多数。HTML5やCSS、JavaScriptで書かれている。OSの根本的部分へのインターフェースのみGeckoが実行したオープンウェブAPIを介する。Gaiaはb2gのトップでよく動作するが、他のOSやウェブブラウザ(劣る機能があるとはいえ)では標準的なウェブAPIしか使用しない。サードパーティアプリケーションはGaiaと一緒にインストールできる[31]。
Gecko[編集]
b2gの「アプリケーションランタイム」。ハイレベルでGeckoはHTML、CSS、JavaScriptのオープンスタンダードを実行し、Gecko対応OS上でそれらのインターフェースを軽快に動作させる。これはGeckoがネットワーキングスタック、グラフィックススタック、レイアウトエンジン、JavaScript対応仮想マシン、ポーティングレイヤーなどで構成されることを意味する[31]。
Gonk[編集]
b2gの下層レベルの「オペレーティングシステム」。GonkはLinuxカーネル、ユーザースペースHardware Abstract Layer (HAL) で構成される。カーネルと幾つかのユーザースペースライブラリーは一般のオープンソースプロジェクトであるLinux、libusb、BlueZなどから成り立っている。HALの他の部分はAndroidプロジェクトのGPSやカメラ等と共有している。Gonkは基本的に極めてシンプルなLinuxディストリビューションであり、それゆえにGeckoのポーティングターゲットになっており、GeckoのGonkへのポートはGeckoのOS XへのポートやGeckoのAndroidへのポートと等しい。b2gプロジェクトがGonkをフルコントロールして以降、他のOSでは公開することが出来ないインターフェイスをGonkはGeckoへ公開することが出来る。例として、GeckoはGonkにおけるフルテレフォニースタックとディスプレイフレームバッファに直接アクセスできるが、他のOSでは同様のアクセスは出来ない[31]。
関連項目[編集]
- Flame - 日本で最初に発売されるFirefox OS搭載端末。
- Fx0 LGL25 - 日本の大手通信キャリア (au) 向けとして最初に発売されるLGエレクトロニクス製のFirefox OS搭載端末。
- Mozilla
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- Firefox OS (Mozilla Japan) (日本語)
- Firefox OS project page on MDN
- Firefox OS source code on GitHub
- Telefónica's "Open Web Device" site
- Unofficial website for Firefox OS
- Online demo of the user interface (requires a recent Mozilla-powered browser such as Firefox)
- Firefox OS Simulator (Firefox addon)
- The first mobile in Spain with firefos OS. Geekphone Keon y Peak, published on January 22, 2013.