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+ | == 新宿歌舞伎町のぼったくり店の進化(2015年7月) == | ||
+ | 今春、[[警視庁]]による[[東京]]・歌舞伎町の[[ぼったくり]][[キャバクラ]]の摘発が相次いだ。街は浄化されたという声も聞こえるが、本当に今は安全に飲めるのか?ボーナス支給直後の記者が体当たり取材を敢行したところ、ぼったくり店は我々の想像を超える進化を遂げていた。 | ||
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+ | 元々、手口はどの店もほぼ同じだった。客引きが「60分のセット料金が4000円ポッキリ」などと言葉巧みに客を誘うが、[[ホステス]]のドリンク代が1杯8,000円、[[チャージ]]が1人9万円などというセット料金以外の名目で料金を吊り上げる。[[警察]]を呼んでも「[[民事不介入]]」といって取り合ってくれないため、店側の法外な請求がまかり通っていた。その手口の巧みさによって、最終的には「あまりに高い授業料」となってしまったのだった。 | ||
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+ | 記者が入店したのは、「60分4,000円」というお決まりのフレーズで誘う客引きに案内された雑居ビルの6階にある『G』という店。席に着くと、女性を品定めしたい衝動を抑えて以下の項目をチェックした。 | ||
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+ | * 女性のドリンクの値段 - 1杯5,000円以上ならセット料金に含まれるハウスボトルを飲んでもらう | ||
+ | * テーブルチャージ - 別途かかるなら店を出る | ||
+ | * メニュー表 - 都が定めたぼったくり防止条例によれば、料金は客が見える場所に提示しなければならない。メニュー表の値段設定をくまなくチェックしたが、とくに不審な点はなかった。あとはホステスたちの「ドリンクおねだり」をどう拒むかだ。 | ||
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+ | 記者の隣に座った24歳の女性に白ワインを飲みたいといわれたが断わり、ハウスボトルの焼酎を飲むよう促すと、明らかに怪訝そうな表情を見せた。次に着いた女性にも同様に振る舞うと、「酔うとエッチしたくなる」「飲ませてくれたら、アフター(営業終了後に客と飲食などに付き合うこと)に行くよ」と男心をくすぐってきた。それでも断わり続けると、女性はほとんど口を開かなくなり、居心地が悪くなってきた。全く楽しめなかったので、30分が過ぎた頃、会計をお願いした。すると──。 | ||
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+ | 店長を名乗る男性が持ってきたのは、何と15万円超の会計伝票だった。明細には(入会金10万円)とある。もちろん「聞いてないぞ!」と抵抗したが、店長は「入店時に伝えている。録音もある」という。 | ||
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+ | 彼がポケットから取り出した[[ICレコーダー]]には、記者が入店し店員に案内される音声の中に、「入会金はお一人10万円になります」という店員の声が確かに入っていた。まったく聞き覚えがないので、記者に聞こえないようにICレコーダーに吹き込んだのだろう。 | ||
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+ | 「条例では事前に料金を提示しなければならない」と指摘すると、「お客様の目の前にあるじゃないですか」とメニュー表を指さした。黒革の厚いそのメニュー表は強力な磁石で貼りつけられた二枚式で、開くと入会金と、消費税を含めると48%(!)にもなる各種チャージ料が書かれていた。だが、払うわけにはいかない。「これは[[詐欺]]だ」と記者が主張すると、奥のバックヤードに来るよう促された。店長は態度を変え、記者の[[携帯電話]]を奪い、[[免許証]]の住所をメモすると、こうまくし立てたのである。 | ||
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+ | 「お前が払わなければ親族に払ってもらう。実家まで取り立てるぞ、ゴルァ!」 | ||
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+ | もう限界だった。入店から2時間が経過した頃、「本当にカネがない」と懇願すると、チャージ料だけ値引きしてくれた。結局11万円ほどを支払って解放された。店を出る頃、店内に客は一人もいなかった。 | ||
== 歴史 == | == 歴史 == |
2020年1月17日 (金) 22:19時点における最新版
歌舞伎町(かぶきちょう)は、東京都新宿区の町名。現行の行政地名は歌舞伎町一丁目および歌舞伎町二丁目。全域で住居表示を実施している。人口は2,114人(2010年3月1日現在、住民基本台帳による)。郵便番号は160-0021。
目次
地理[編集]
歌舞伎町は東京都新宿区に位置する。飲食店・遊技施設・映画館が集中する歓楽街である。明治通り(東)、靖国通り(南)、JR中央線(西)、職安通り(北)に囲まれた範囲(ただし花園神社の敷地とその南北の一画は除く)に位置する町である。鉄道の場合、新宿駅(JR他各線)東口、あるいは西武新宿駅が最寄り。都営地下鉄大江戸線なら新宿西口駅か東新宿駅が近い。新宿駅東口から北に向かって行くと、ドン・キホーテ本店前の大きな通り(靖国通り)にぶつかる。これを越えると、歌舞伎町である。歌舞伎町一番街(劇場通り)、中央通り(セントラルロード)、さくら通り、西武新宿通り、東通り、区役所通りなどがある。西武新宿駅で降りれば目の前が歌舞伎町になる。
町の中には漫画喫茶、居酒屋、キャバクラ、ホストクラブや風俗店、ラブホテル、パチンコ店も立ち並んでおり、「眠らない街」とも言われ、深夜になってもネオンで明るく人通りも多い。ドン・キホーテ前、セントラルロードに多いスカウトやホストによるキャッチ、怪しげな客引きやポン引きなど、合法、非合法取り混ぜて歌舞伎町独特の雰囲気がある。よく東洋一の歓楽街と言われている。
歌舞伎町には一丁目と二丁目があり、概ね花道通りを境にした南と西武新宿駅周辺の一画が歌舞伎町一丁目、北が歌舞伎町二丁目である。
歌舞伎町一丁目[編集]
西寄りに近年まで興行街であった一角がある。東の方へ向かうと新宿区役所があり、区役所通りを渡ると新宿ゴールデン街がある。裏通りには飲食店や性風俗店、アダルトショップなどが密集している。西武新宿駅ビルの複合ショッピング店舗のほか、近年、大手ディスカウントチェーンが進出したが、靖国通りを隔てた新宿三丁目に比べ物販店は少ない。
歌舞伎町二丁目[編集]
西寄りに東京都保健医療公社大久保病院・ハイジア、東側にはラブホテル街が広がり、区役所通り付近はクラブ、ホストクラブなどが多数あるが、一丁目と違い表立って性風俗店は見当たらず、職安通りと明治通り沿いはオフィスビルやマンションが建ち並び、繁華街・歓楽地の様相は全く感じさせない。同じく職安通り沿いには通りの名前になったハローワーク新宿の歌舞伎町庁舎(主に雇用者側の求人などの受付窓口で、雇用保険の失業等給付や求職相談は西新宿庁舎で行う)があるほか、都内有数のコリアタウンである大久保に接していることもあり、韓国料理店や食品スーパーなどがある。
歌舞伎町のぼったくり被害が激化(2015年5月)[編集]
2008年に閉館した新宿コマ劇場の跡地にシネコンや高層ホテルなどが入った「新宿東宝ビル」がオープンし、街の雰囲気が一変した歌舞伎町。同ビルの8階テラスには東宝の象徴「ゴジラ」の巨大な頭部が設置され、それを国内外の観光客たちが撮影する姿が日常的になっている。
同ビルにつながるセントラルロードも改修され、バイオレンスなイメージだった周囲は激変。歌舞伎町商店街振興組合は「安心・安全な街に」と意欲を見せており、石原慎太郎元都知事が進めた「歌舞伎町浄化作戦」の流れを汲んだ再開発が街を変えている。実際、昼間の歌舞伎町はキャッチ(客引き)の数がめっきり減った。
だがそれは表向きであり、最近の歌舞伎町では「ぼったくり被害」が激化している。
「キャッチ(客引き)に『1時間5000円で飲み放題』といわれ、連れと二人でお店に入ったんです。女の子が4人ついて彼女たちは次々とドリンクを注文していました。女の子用のドリンクは量が少なく、何杯も飲めるようになっていたようです。会計時に請求されたのは25万円。女の子のドリンク料金が一杯4000円だとか……。事前に説明されていないから納得できないと店員と押し問答したのですが、驚いたのは向こうから『警察に行こう』と言ってきたことです。後に警察が全く助けてくれないことを知りました」
ぼったくりキャバクラの被害に遭った男性(30代)は被害の実態を上述のように語ってくれた。
警察に駆け込めば何とかなると思いがちだが、ぼったくり店は警察を全く怖がっていない。なぜなら警察は「民事不介入」の原則があり、料金をめぐる揉め事には手が出せないのだ。実際、交番に行っても「よく話し合ってください」と言われるだけで何も事態は変わらない。歌舞伎町の交番前は週末の深夜ともなると、何組もの被害客とぼったくり店員が揉めている「行列のできる交番」状態になっている。
前述の被害男性は警察官にすがるも何の解決にもならず、朝7時まで6時間近く店員たちによって拘束された。根負けした男性は連れと折半でカード支払いすることになった。
歌舞伎町でのぼったくり被害は昨年一年間で110番通報が約670件だったが、今年は1~3月だけで約700件と急増。「安心・安全」どころか、今が最もアブナイ状態になっている。
「オリンピックに向けて規制が強化されるため、ぼったくり店側はその前に荒稼ぎしようとしている。乱暴な手口が増えて被害額が大きくなり、実行部隊は逮捕を恐れない半グレのような連中ばかりですから歯止めが利かない。また、日本人だけでなく外国人観光客を狙ったぼったくりも増加しています」(裏モノ系ライター)
東京や大阪をはじめとした自治体には「ぼったくり防止条例」が存在する。同条例は「料金等の表示義務」「不当な勧誘等の禁止」「不当な取立ての禁止」が規定されているが、なぜ警察が条例を使って取り締まることができないのか。
これは同条例が「ザル法」化していることが原因。「料金等の表示義務」は後からコッソリと料金表を出したりといった手段でいくらでもすり抜けが可能だ。最初に説明された料金と違うという問題も、キャッチは店に入る前に姿を消してしまうため、店側がキャッチと無関係と主張してしまえば覆すのが難しい。これは同時に「不当な勧誘等の禁止」も形骸化させてしまう。
「不当な取り立ての禁止」は脅迫的な取り立てを禁じるものだが、これは店側が一見丁寧な言葉遣いで請求すれば該当しなくなってしまう。また、もし乱暴な言動があっても「言った、言わない」の水掛け論になり、不当な取り立てを証明するのは難しい。
法外な請求をしている時点で犯罪のようにも思えるが、店は値段を自由に決めていいのだから何をもって「法外」とするかの判断は警察にはできないのだ。
となると、ぼったくり被害は泣き寝入りするしかないように思えるが撃退は不可能ではない。
「身分を明かした上で自分が適正だと思う金額を支払い、『不服があるなら訴訟を起こしてほしい』と言い残して帰ってしまう手がある。ぼったくり店は当然ながら後ろ暗いことがある商売。訴訟はリスクが高いため、裁判に持ち込まれることはほとんどない。裁判になったとしても、司法は警察と違って相場を鑑みてくれますから不当請求が認められるだけ。ただ、身分を明かすリスクがあるので最善策とは言い切れませんが……」(前同)
帰ると言いだせば店員側の暴力が心配だが、交番まで来ていれば警察官の目前で暴行されることはない。交番の前からタクシーに乗り込めば成功だ。それを店員側が強引に止めるようなら「強要罪」などに当たり、警察を動かすことも可能になるかもしれない。
だが、ぼったくりする側にも立場がある。せっかくのカモを逃せば上役に怒られるのだから彼らも必死だ。客側にしてみれば、逆恨みで何をされるか分からないという恐怖もある。
「請求額のすべては払わなくとも、相手の顔が立つ金額を渡すのが上策。ぼったくりの連中も手ぶらでは帰れませんが、3分の1から4分の1程度の金額で交渉すれば妥協してくることがある。夜の街の勉強代と考えれば諦めのつく金額でしょう。その交渉が上手くできる自信がないなら弁護士を呼ぶのもいい」(前同)
新宿だけでなく、ほかの繁華街でも被害は拡大している。
そもそも被害に遭わないためには「キャッチについていかない」が鉄則。優良店は客引きを使う必要がないため、キャッチは100%ぼったくりといっても過言ではない。客引き行為自体も条例で禁止されているものだ。これから歌舞伎町はより注目度が高まっていく場所だが、高い勉強代を払わないように自衛しよう。
新宿歌舞伎町のぼったくり店の進化(2015年7月)[編集]
今春、警視庁による東京・歌舞伎町のぼったくりキャバクラの摘発が相次いだ。街は浄化されたという声も聞こえるが、本当に今は安全に飲めるのか?ボーナス支給直後の記者が体当たり取材を敢行したところ、ぼったくり店は我々の想像を超える進化を遂げていた。
元々、手口はどの店もほぼ同じだった。客引きが「60分のセット料金が4000円ポッキリ」などと言葉巧みに客を誘うが、ホステスのドリンク代が1杯8,000円、チャージが1人9万円などというセット料金以外の名目で料金を吊り上げる。警察を呼んでも「民事不介入」といって取り合ってくれないため、店側の法外な請求がまかり通っていた。その手口の巧みさによって、最終的には「あまりに高い授業料」となってしまったのだった。
記者が入店したのは、「60分4,000円」というお決まりのフレーズで誘う客引きに案内された雑居ビルの6階にある『G』という店。席に着くと、女性を品定めしたい衝動を抑えて以下の項目をチェックした。
- 女性のドリンクの値段 - 1杯5,000円以上ならセット料金に含まれるハウスボトルを飲んでもらう
- テーブルチャージ - 別途かかるなら店を出る
- メニュー表 - 都が定めたぼったくり防止条例によれば、料金は客が見える場所に提示しなければならない。メニュー表の値段設定をくまなくチェックしたが、とくに不審な点はなかった。あとはホステスたちの「ドリンクおねだり」をどう拒むかだ。
記者の隣に座った24歳の女性に白ワインを飲みたいといわれたが断わり、ハウスボトルの焼酎を飲むよう促すと、明らかに怪訝そうな表情を見せた。次に着いた女性にも同様に振る舞うと、「酔うとエッチしたくなる」「飲ませてくれたら、アフター(営業終了後に客と飲食などに付き合うこと)に行くよ」と男心をくすぐってきた。それでも断わり続けると、女性はほとんど口を開かなくなり、居心地が悪くなってきた。全く楽しめなかったので、30分が過ぎた頃、会計をお願いした。すると──。
店長を名乗る男性が持ってきたのは、何と15万円超の会計伝票だった。明細には(入会金10万円)とある。もちろん「聞いてないぞ!」と抵抗したが、店長は「入店時に伝えている。録音もある」という。
彼がポケットから取り出したICレコーダーには、記者が入店し店員に案内される音声の中に、「入会金はお一人10万円になります」という店員の声が確かに入っていた。まったく聞き覚えがないので、記者に聞こえないようにICレコーダーに吹き込んだのだろう。
「条例では事前に料金を提示しなければならない」と指摘すると、「お客様の目の前にあるじゃないですか」とメニュー表を指さした。黒革の厚いそのメニュー表は強力な磁石で貼りつけられた二枚式で、開くと入会金と、消費税を含めると48%(!)にもなる各種チャージ料が書かれていた。だが、払うわけにはいかない。「これは詐欺だ」と記者が主張すると、奥のバックヤードに来るよう促された。店長は態度を変え、記者の携帯電話を奪い、免許証の住所をメモすると、こうまくし立てたのである。
「お前が払わなければ親族に払ってもらう。実家まで取り立てるぞ、ゴルァ!」
もう限界だった。入店から2時間が経過した頃、「本当にカネがない」と懇願すると、チャージ料だけ値引きしてくれた。結局11万円ほどを支払って解放された。店を出る頃、店内に客は一人もいなかった。
歴史[編集]
大部分は新宿区発足前には旧淀橋区に属した地域(三光町は旧四谷区)である。元々は「大久保」の名の由来となる窪地の湿地帯と長崎藩邸があったところで、明治以降は鴨場となっていた。当初は角筈村、1889年からは淀橋町に属した。当時の地名は字十人町、字矢場。
1893年、淀橋浄水場建設に伴い、残土で鴨場の池が埋め立てられ、造成される。1920年には東京府立第五女学校(現在の東京都立富士高等学校)がこの地に開校。学校を取り巻く周囲は閑静な山の手の住宅街として大臣や軍人の邸宅もあり発展していった。1932年、東京市淀橋区に編入され、市街化が進んだ。
1945年の東京大空襲で一面焼け野原となったが、第二次大戦後、石川栄耀らによって「(現在の歌舞伎町一番街付近に)歌舞伎の演舞場を建設し、これを中核として芸能施設を集め、新東京の最も健全な家庭センターを建設する」という復興事業案がまとめられ、この都市計画から、計画担当者の石川栄耀の提案により、新しい町は歌舞伎町と名付けられた。結局、財政の面などからこの構想は実現せず、新宿コマ劇場が建設されるにとどまった。
1952年には西武新宿駅が開業。西武新宿線は新宿駅東口に乗り入れる計画だったため床が板張りの仮駅であった。1960年代も半ばになると各種飲食店、映画館、ボウリング場、サウナ、バッティングセンターに加えラブホテルやトルコ風呂といった施設が目立ち始めるようになっていった。1977年には現在の西武新宿駅ビルが完成し、新宿プリンスホテルと西武新宿ペペが営業を開始した。西武新宿線はバブル期に新宿駅東口乗り入れ計画が再び浮上したものの、歌舞伎町商店街振興組合や新宿サブナード(新宿地下駐車場株式会社)等が反対やバブル崩壊などの影響もあり結局実現しなかった。現在西武新宿駅は一日約18万5,000人の乗降客があるターミナル駅として機能している。
旧新宿コマ劇場付近は中心の広場を複数の映画館が囲む形になっていたが、2008年以降閉鎖する映画館が相次ぎ、2014年12月31日に新宿東急文化会館内の映画館・新宿ミラノ座が閉館したため、町内の映画館が一旦全て無くなったが、2015年4月17日、新宿コマ劇場跡地にシネマコンプレックスのTOHOシネマズ新宿が開業した。
「東洋一の歓楽街」と言われてきたが、現在では様相はさらに変容し、3,000軒を数えるバー、キャバレー、ラブホテルなどが密集し、「欲望の迷宮都市」「外国人労働者の新租界」等とも評されている。歌舞伎町は世界でも有数の夜の盛り場に数えられていて、近年では、中国や韓国からの観光ツアー客も多く、昼間はよくツアーコンダクターが導く姿が見かけられる。
沿革[編集]
歌舞伎町は、第二次大戦の戦災復興の時期に誕生した。
- 角筈一丁目の北東部とその周辺、百人町一丁目・西大久保一丁目(東大久保三丁目)・三光町の境界付近を区画整備し、当時の歌舞伎町の範囲は、おおむね現在の歌舞伎町一丁目(西側の鉄道敷設部分とその沿線および区役所通りより東をそれぞれ除く)に相当する。
- 1950年2月1日 - 淀橋区役所内郵便局が歌舞伎町へ移転し、新宿区役所内郵便局へ改称する。
- 1951年12月6日 - 戦災復興土地区割整理地区の新宿地区として指定される。
- 1952年3月25日 - 西武新宿駅が開業。
- 1966年10月14日 - 個室付浴場業設置の規制地域外となる。
- 1978年7月1日 - 住居表示実施に伴い町名町域が変更され、歌舞伎町一丁目および歌舞伎町二丁目を新設する。
- 1989年4月17日 - 新宿大久保一郵便局が、歌舞伎町二丁目へ移転する。
- 1990年1月1日 - 新宿大久保一郵便局が、新宿歌舞伎町郵便局へ改称する。
町名の変遷[編集]
実施後 | 実施年月日 | 実施前(特記なければ、各町名の一部) |
---|---|---|
歌舞伎町一丁目 | 1978年7月1日 | 歌舞伎町(全域)、三光町、百人町一丁目、東大久保三丁目(全域)、角筈一丁目(全域)、角筈二丁目(全域)、柏木一丁目(全域)、新宿三丁目 |
歌舞伎町二丁目 | 西大久保一丁目 |
交通[編集]
鉄道[編集]
バス[編集]
靖国通りの「歌舞伎町」「新宿五丁目」停留所を利用できる。靖国通りに並行する新宿通りを経由する路線では「新宿駅東口」停留所が最寄りになる。下記のすべての路線が新宿駅西口を発着する。
道路[編集]
- 東京都道4号東京所沢線 - 靖国通り
- 東京都道305号芝新宿王子線 - 明治通り
- 東京都道302号新宿両国線 - 靖国通り(本線:都道4号東京所沢線と重複)・職安通り(支線)
- 区役所通り
- 歌舞伎町内を南北に走る新宿区の区道。全長約500メートルの片側1車線の通りである。北で職安通り、南で靖国通りと面する。その名の通り、区役所通り沿いには新宿区役所があるほか、風俗店・飲食店が多く並んでいることで知られている。他に道路沿いには新宿バッティングセンター、稲荷鬼王神社がある。この通りは夜になると暗くなり治安が悪くなるイメージをもたれていたが、これを改善すべく2006年より新宿区や地元の商店会などによって冬季の期間限定で街路樹のイルミネーションが実施されるようになった。また1996年までは日中の時間帯は都営バス宿74系統(往路のみ)もこの通りを走っていた。(現在は廃止)当通りには新宿区役所前、同愛病院前(1982年までに廃止)、鬼王神社前のバス停があった。
治安[編集]
2000年代に入ってからは生活安全条例の制定や、パトロールの強化など、取締まりも厳しくされ、2002年2月には50台の防犯カメラが設置されて話題を呼んだ。実際犯罪がかなり減少し、効果が見られたとされている。
2001年9月1日に起こった歌舞伎町ビル火災は、死者44人を出し、防災や人権などの問題とともに、マスコミや世論を大変にぎわせた。
裏社会では指定暴力団・住吉会住吉一家向後睦会の縄張りとなっており、稲川会や極東会、松葉会等の在京組織の傘下団体も拠点を置いている。約120箇所の暴力団事務所があり、1000人(推定)の構成員が居るといわれている。
歌舞伎町における不法滞在外国人の組織犯罪も多かったが、これは2003年に入国管理局の出張所を歌舞伎町に置くことにより不法滞在者の摘発が進み、大幅に減少した(それ以前、不法滞在摘発者は主に韓国・中国・タイ・ロシアが75.6%を占め、13か国に上った)。さらに、西アフリカ出身のナイジェリア人グループらが大掛かりで、泥酔客から暴利を貪る問題も見られる。
2004年暮れに東京都知事・石原慎太郎の招聘で就任した警察庁出身の副知事・竹花豊の主導により「歌舞伎町浄化作戦」と称される大規模な店舗の摘発が行われた。この際に非合法な性風俗産業を行う風俗店・アダルトショップなどで閉店を余儀なくされた店が多く、2005年に竹花が出向解除により警察庁へ復帰して以降も、警察の威信をかけた重点摘発が続けられている。また水面下では以前から討議されていたものの、2004年後半には大規模再開発と暴力団追放等を目的とした「歌舞伎町ルネッサンス」計画の第1回会議が公開の場で開かれる。2005年4月には都条例の改正(通称・客引き禁止条例)が施行された。まだ「歌舞伎町ルネッサンス」計画は序章ではあるが、開始を宣言するイベントも行われた。
それでもなお歌舞伎町には違法な客引きが横行している。性風俗店の客引き自体が都条例で2005年4月以降禁止されており、それを無視して行うのはボッタクリ・恫喝で金品を要求する悪質な店舗であり、絶対に付いていってはいけないという啓発も歌舞伎町商店街振興組合によって行われている。
歌舞伎町を舞台にした作品[編集]
ノンフィクション[編集]
- 李小牧『歌舞伎町案内人』角川書店、2004年、ISBN 978-4043733019
- 李小牧『歌舞伎町の住人たち』河出書房新社、2005年、ISBN 978-4309017280
- 影野臣直『歌舞伎町ネゴシエーター』河出書房新社、2005年、ISBN 978-4309017082
- 久保博司『新宿歌舞伎町交番』講談社、2006年、ISBN 978-4062753425
- 武内晃一『歌舞伎町午前零時/女衒の夜』河出書房新社、2006年、ISBN 978-4309017426
- 久保博司『歌舞伎町と死闘した男 続・新宿歌舞伎町交番』講談社、2007年、ISBN 978-4062758871
- miho『ネバー・ギブ・アップ』日本文芸社、2007年、ISBN 978-4537254877
- 武内晃一『わたしはいくら?』早稲田出版、2008年、ISBN 978-4898273500
小説[編集]
- 大沢在昌『新宿鮫』
- 馳星周『不夜城』
- 佐々木譲『真夜中の遠い彼方』集英社、1987年、ISBN 978-4087491982
- 室積光『都立水商!』
- 陳放『海怒』バジリコ、2004年、ISBN 978-4901784399、ISBN 978-4901784405
- 『女王蘭』祥伝社、2008年
- 誉田哲也『歌舞伎町セブン』2010年
- 白川蓮『アメイジング グレイス 〜儚き男たちへの詩〜』、2011年
漫画[編集]
- 『シティーハンター』集英社、1985年
- 『Dr.クマひげ』講談社、1986年
- 『HEAT -灼熱-』小学館、1998年
- 『20世紀少年』小学館、1999年
- 倉科遼、岩田和久『女衒〜ぜげん〜』芳文社、1999年
- 『夜王』集英社、2003年
- 『銀魂』集英社、2004年
- 『新 Petshop of Horrors』朝日新聞出版、2004年
- 『新宿スワン』講談社、2005年
- 『殺し屋1』小学館、1998年
その他書籍[編集]
- 『実録不夜城』ワニマガジン社、1998年、ISBN 978-4898295960
- 『実録歌舞伎町の黒幕』大洋図書、2007年、ISBN 978-4813050681
映画[編集]
- 『女を忘れろ』(1959年、日活)
- 『男の怒りをぶちまけろ』(1960年、日活)
- 『すべてが狂っている』(1960年、日活)
- 『恋の片道切符』(1960年、松竹)
- 『若い狼』(1961年、東宝)
- 『広域暴力 流血の縄張』(1970年、日活)
- 『犬、走る DOG RACE』(監督:崔洋一)
- 『歌舞伎町案内人』(監督:張加貝)
- 『不夜城』(監督:リー・チーガイ)
- 『武勇伝』(主演:澤田謙也、魔裟斗)
- 『新宿インシデント』(主演:ジャッキー・チェン)
- 『本格科学冒険映画 20世紀少年』(出演:唐沢寿明、平愛梨、常盤貴子ほか)
- 『龍が如く 劇場版』『龍が如く 〜序章〜』
- 『アメイジング グレイス 〜儚き男たちへの詩〜』(2011年]、出演:窪塚俊介、宮田大三、神田沙也加ほか)
- 『組織犯罪対策部捜査四課』
音楽[編集]
ドラマ[編集]
ゲーム[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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西新宿 | 新宿 | |||
歌舞伎町 | ||||
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