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イメージスクリプトとは、健康心理学者の宗像恒次によって提唱された概念である。別名「イメージ脚本」

概要[編集]

イメージは、知覚、表象、想像、夢、幻覚などさまざまなレベルで存在する。今「きれいなバラ」という知覚のイメージを持っているとすると、それは目や鼻などの視覚、嗅覚からなる「感覚情報」と、それを見る、嗅ぐ、触れる行動で自分の欲求を充足し、心地よさをもつ「感情情報」からなる「体験」をしているだろう。イメージとは定義すると、目、耳、鼻、皮膚、舌、内臓などの感覚器から入力される感覚情報と、その情報にもとづいて自分の欲求を充足できた快感系(喜び)の感情か、あるいは不快系(不安、怒り、悲しみ、苦しみ)の感情を体験したかを示す感情情報から構成されるものである。ちなみに、その知覚したイメージ体験を記憶に保ち、再び心のうちに表れた作用を「イメージ表象」という。

具体例[編集]

私たちが海で地平線をみているとき、それをどのように知覚するだろう。人工衛星の映像記憶から地球が丸というイメージ表象を持つ現代人は、丸みを帯びた地平線を知覚するだろう。中世西洋人は平らでその端は滝になっていて水が落下する絵画を見ているので、平らでその先に行くことは危険と認知するだろう。 心理学者のバートレット(1932)は、このように知覚や解釈や未来の予知は、過去の経験や知識から期待(予測)に合致するよう再構成されるとし、過去の経験や知識という「スキーマ」に基づいていると考えた。スクリプトという用語はSchank と Abelson (1977)によって提唱され、「行為者、対象物、場所等から成り、因果、時間的に順序づけている一連の目標指向についての一般的な知識構造」と定義した。たとえば、レストランに入ったら、通常、人は「メニューを見る→注文する→料理が来る→食べる→お金を払う」といった一連の動きを予想・期待する。その期待(予想)される一連の動きの概念的枠組みをスクリプトと定義し、ひとはそれに基づき知覚し行動するとした。現在では、スキーマとスクリプトのどちらも同じよう意味で使われ、2つの概念を厳密に区別することはできない。 宗像は、従来の「メニューを見る→注文する→料理が来る→食べる→お金を払う」といった一連の動きを予想・期待する一連の動きの「概念的筋書き」をしめす従来のスクリプトに対して、そのような概念的筋書きは、見知らぬ海外の旅行案内にもとづく行動は別にして、通常は用いていないと考えた。ひとはレストランに入った過去のすべてのイメージ体験記憶(感覚情報と感情情報からなるイメージ表象)から象徴される「物語的筋書き」をもちいて行動していると考えた。それをイメージスクリプトと名づけた。

参考文献[編集]

  • 宗像恒次: SAT療法、金子書房、2006
  • 宗像恒次: 困窮体験が促す本当のライフキャリア形成 – SAT 表情再スクリプト化イメージ法による支援 .ヘルスカウンセリング学会年報,15:75-92,2009
  • 宗像恒次:生き方革命をサポートするSATの健康心理療法.ヘルスカウンセリング学会年報,14:1-10,2008.ウェルビーイング

関連項目[編集]

ウィキペディア無し small.png ウィキペディアにも「イメージスクリプト」の項目が執筆されていましたが、削除されてしまいました