「日本のオリンピックボクシング競技」の版間の差分

提供: Yourpedia
移動: 案内検索
(概要)
(反故になったルールを除去)
 
45行目: 45行目:
  
 
===AIBAとAPB===
 
===AIBAとAPB===
2016年のリオデジャネイロオリンピックに向けては、AIBAプロフェッショナルボクシング (APB) への登録・参加が選手たちに強く推奨される見込み。これは19歳から40歳までの選手が対象となり、プロボクサーであっても15戦未満であれば参加できる。ただし、プロボクサーが五輪出場権獲得を目指す場合には、最初の五輪予選の2年以上前にAPBに登録し、五輪終了後少なくとも2年間は、APBに留まらなくてはならない。AIBAはボクシング競技の公式運営団体として、各国連盟のネットワークを通じて、練習、指導の他、保険面でも、APB登録選手を全キャリアを通じて支援するとしている<ref name="join">[http://www.aiba.org/documents/site1/AIBA_Brochure_Final_Full_2_BR.pdf Join APB – AIBA] AIBA 2012年 pp. 7, 9, 10, 12, 19 2013年2月4日閲覧{{En icon}}</ref>。
+
2016年のリオデジャネイロオリンピックに向けては、AIBAプロボクシング (APB) からの五輪出場枠の比重が高く、オフォーを受けた選手たちはこれへの参加を半ば強いられている。
  
五輪を含むアマチュアの試合と同様に後述の10階級で実施され、各階級に世界王者は1名のみ。APB登録選手に与えられる合計56の五輪出場枠は、ライトフライ級からライトヘビー級までの8階級では各階級6名、ヘビー級およびスーパーヘビー級の2階級ではそれぞれ4名に割り当てられる<ref name="join" />。2011年の世界選手権では銀メダリストとなった村田諒太も五輪出場権を得られたが、2015年大会では優勝者にしか出場権が与えられない可能性がある。このため、日本ボクシング連盟も参加国への追随を決め、2013年2月にAPB対策委員会を設置している<ref>{{Cite news|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20130203-OHT1T00240.htm|title=AIBA、独自プロ大会への対策委員会設立|date=2013年2月4日|publisher=スポーツ報知|accessdate=2013年2月4日}}</ref>。
+
五輪を含むアマチュアの試合と同様に後述の10階級で実施され、各階級に世界王者は1名のみ。五輪前年度の各階級ランキングで上位2位までにつけた選手に五輪出場権が与えられる。2011年の世界選手権では銀メダリストとなった村田諒太も五輪出場権を得られたが、2015年大会では優勝者にしか出場権が与えられない可能性がある。このため、日本ボクシング連盟も参加国への追随を決め、2013年2月にAPB対策委員会を設置した<ref>{{Cite news|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20130203-OHT1T00240.htm|title=AIBA、独自プロ大会への対策委員会設立|date=2013年2月4日|publisher=スポーツ報知|accessdate=2013年2月4日}}</ref>。
  
ロンドン五輪スーパーヘビー級銅メダリストのマゴメドラサル・メジドフは、「多くの優秀なアマチュア選手がプロへの転向に消極的なのは、従来のプロボクシングでは後戻りができなくなることがわかっているからだ」と話し、同大会ヘビー級銀メダリストのクレメンテ・ルッソは、「AIBAのアマチュアでの試合のように、選手たちが各国を代表して戦うことができる」(後述の通り、各国・地域のトーナメント形式で争われるため)と、それぞれAPBの利点を挙げている<ref group="映像">[http://www.youtube.com/watch?v=5TaHPu_Nd6o AIBA Professional Boxing (APB)] AIBA Proの公式YouTubeチャンネル 2012年12月23日 該当時間: 2:03, 2:37 2013年2月4日閲覧</ref>。
+
ロンドン五輪スーパーヘビー級銅メダリストのマゴメドラサル・メジドフは、「多くの優秀なアマチュア選手がプロへの転向に消極的なのは、従来のプロボクシングでは後戻りができなくなることがわかっているからだ」と話し、同大会ヘビー級銀メダリストのクレメンテ・ルッソは、「AIBAのアマチュアでの試合のように、選手たちが各国を代表して戦うことができる」と、それぞれAPBの利点を挙げている<ref group="映像">[http://www.youtube.com/watch?v=5TaHPu_Nd6o AIBA Professional Boxing (APB)] AIBA Proの公式YouTubeチャンネル 2012年12月23日 該当時間: 2:03, 2:37 2013年2月4日閲覧</ref>。
  
約440万円の契約金、約30万円の月給の他にファイトマネーが支払われるが、選手によっては参加が極めて困難、不可能な場合もある。例えば、これまでの五輪代表選手で自衛隊体育学校の川内 将嗣・清水聡・鈴木康弘ら有力選手には、自衛官との両立は不可能である。また、ヘッドギア非着用など、五輪とは異なるルールで好成績を収めなければならない<ref>[http://web.archive.org/web/20121106234150/http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20121107-OHT1T00028.htm 村田の全日本社会人選手権出場に“待った”…世界協会が出場資格に異議] スポーツ報知 2012年11月7日(2012年11月6日時点のアーカイブ)</ref>。
+
約440万円の契約金、約30万円の月給の他にファイトマネーが支払われるが、選手によっては参加が極めて困難、不可能な場合もある。例えば、これまでの五輪代表選手で自衛隊体育学校の川内 将嗣・清水聡・鈴木康弘ら有力選手には、自衛官との両立は不可能であり、清水は自体校を離れてミキハウスへに入社することになった。また、ヘッドギア非着用など、五輪とは異なるルールで好成績を収めなければならない<ref>[http://web.archive.org/web/20121106234150/http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20121107-OHT1T00028.htm 村田の全日本社会人選手権出場に“待った”…世界協会が出場資格に異議] スポーツ報知 2012年11月7日(2012年11月6日時点のアーカイブ)</ref>。
 
+
====概要====
+
[[ファイル:APB.png|thumb|220px|選手は4つのブロックに分かれ、6か月ごとに最低2試合に出場して世界王者を目指す。国際ボクシング協会 (AIBA) によると、選手たちはおおむね2年半以内には世界王者に挑戦できるしくみとされる]]
+
選手は右のようにアメリカ大陸、ヨーロッパ大陸、アフリカ大陸、アジア・オセアニアの4ブロックに分けられる。それぞれのブロックで、まずは国ごとに対戦して優勝者を各国王者とする。ブロック内の各国王者同士が対戦し、勝者は各ブロックを制したコンチネンタル(大陸)王者となる。さらにこの4コンチネンタル王者が対戦して勝者がインターコンチネンタル王者となり、世界王者に挑戦する。各選手は6か月ごとに最低2試合に出場する<ref name="join" />。
+
  
 
==== 現在の階級 ====
 
==== 現在の階級 ====

2014年4月13日 (日) 19:19時点における最新版

オリンピックのボクシング競技における
日本のメダリスト一覧
ローマオリンピック(1960年) 田辺清(フライ級
東京オリンピック(1964年) 桜井孝雄(バンタム級
メキシコシティオリンピック(1968年) 森岡栄治(バンタム級)
ロンドンオリンピック(2012年) 清水聡(バンタム級)
ロンドンオリンピック(2012年) 村田諒太(ミドル級
北京オリンピック(2008年)の日本代表選手

ライトウェルター級・川内将嗣(シード)
フェザー級・清水聡(シード)

ロンドンオリンピック(2012年)の日本代表選手

ミドル級・村田諒太(シード)
ウェルター級・鈴木康弘
バンタム級・清水聡
フライ級・須佐勝明
エクセル・ロンドンの日本国旗.jpg
ロンドンオリンピック(2012年)でウェルター級1回戦が行われた日、
エクセル・ロンドンに掲げられた日本国旗。ウェルター級は1928年に
日本人が初めて五輪のボクシング競技に出場した時の階級の一つだ。

日本のオリンピックボクシング競技(にほんのオリンピックボクシングきょうぎ)は、1928年のアムステルダムオリンピックに始まり、この大会にはウェルター級の臼田金太郎とバンタム級岡本不二が出場した[1]。監督は「日本ボクシングの父」と言われる渡辺勇次郎で、臼田はベスト8に進出した[2]


メダリスト誕生以降[編集]

1960年、ローマオリンピックのフライ級で田辺清が銅メダルを獲得し、日本ボクシング初のオリンピックメダリストとなったが、不運な判定により決勝進出を阻まれた[3][4]

1964年、桜井孝雄が東京オリンピックのボクシング競技で日本初となる金メダルを獲得[5]

1968年のメキシコシティオリンピック森岡栄治が銅メダルを獲得している[6]

2012年のロンドンオリンピックではバンタム級代表の清水聡が銅メダルを獲得[映像 1][映像 2]。これは日本にとって44年ぶりのメダルとなり[7]、さらに村田諒太は48年ぶりの金メダルをミドル級で獲得した[7][映像 3][映像 4]。フライ級の須佐勝明、ウェルター級の鈴木康弘は途中で敗退したものの、清水・須佐・鈴木が敗れた相手はいずれもこの大会で金メダリストとなった選手だった[8][9]。日本ボクシング連盟の山根明は2011年の会長就任以来、日本アマチュアボクシングの国際化、プロ・アマチュア交流などの改革に着手していたが、この大会で日本が躍進した背景には、この改革やコーチ陣の貢献があった[10]。産業能率大学スポーツマネジメント研究所が行った意識調査で男子ボクシングは、大会後に脚光を浴びた「ブレーク度」の競技部門で1位を獲得し、「びっくり度」の同部門では3位に選ばれた[11]

AIBAとAPB[編集]

2016年のリオデジャネイロオリンピックに向けては、AIBAプロボクシング (APB) からの五輪出場枠の比重が高く、オフォーを受けた選手たちはこれへの参加を半ば強いられている。

五輪を含むアマチュアの試合と同様に後述の10階級で実施され、各階級に世界王者は1名のみ。五輪前年度の各階級ランキングで上位2位までにつけた選手に五輪出場権が与えられる。2011年の世界選手権では銀メダリストとなった村田諒太も五輪出場権を得られたが、2015年大会では優勝者にしか出場権が与えられない可能性がある。このため、日本ボクシング連盟も参加国への追随を決め、2013年2月にAPB対策委員会を設置した[12]

ロンドン五輪スーパーヘビー級銅メダリストのマゴメドラサル・メジドフは、「多くの優秀なアマチュア選手がプロへの転向に消極的なのは、従来のプロボクシングでは後戻りができなくなることがわかっているからだ」と話し、同大会ヘビー級銀メダリストのクレメンテ・ルッソは、「AIBAのアマチュアでの試合のように、選手たちが各国を代表して戦うことができる」と、それぞれAPBの利点を挙げている[映像 5]

約440万円の契約金、約30万円の月給の他にファイトマネーが支払われるが、選手によっては参加が極めて困難、不可能な場合もある。例えば、これまでの五輪代表選手で自衛隊体育学校の川内 将嗣・清水聡・鈴木康弘ら有力選手には、自衛官との両立は不可能であり、清水は自体校を離れてミキハウスへに入社することになった。また、ヘッドギア非着用など、五輪とは異なるルールで好成績を収めなければならない[13]

現在の階級[編集]

  • ライトフライ級(49kg級)
  • フライ級(52kg級)
  • バンタム級(56kg級)
  • ライト級(60kg級)
  • ライトウェルター級(64kg級)
  • ウェルター級(69kg級)
  • ミドル級(75kg級)
  • ライトヘビー級(81kg級)
  • ヘビー級(91kg級)
  • スーパーヘビー級(91kg超級)

映像資料[編集]

  1. Boxing Men's Bantam (56kg) Semifinals - Great Britain v Japan Replay - London 2012 Olympic Games IOC(国際オリンピック委員会)の公式YouTubeチャンネル 2012年8月10日 (英語)
  2. Boxing Men's Bantam (56kg) Finals Bout - Great Britain GOLD - London 2012 Olympic Games Highlights (1:29) IOCの公式YouTubeチャンネル 2012年8月12日 (英語)
  3. Boxing Men's Middle (75kg) - Gold Medal Final - Brazil v Japan Full Replay - London 2012 Olympics IOCの公式YouTubeチャンネル 2012年8月11日 (英語)
  4. Boxing Men's Middle (75kg) Finals Bout - Japan GOLD - London 2012 Olympic Games Highlights IOCの公式YouTubeチャンネル 2012年8月12日 (英語)
  5. AIBA Professional Boxing (APB) AIBA Proの公式YouTubeチャンネル 2012年12月23日 該当時間: 2:03, 2:37 2013年2月4日閲覧

外部リンク[編集]

  • 『日本プロボクシング史 世界タイトルマッチで見る50年』 ボクシング・マガジン編集部、ベースボール・マガジン社、2002年5月31日、p. 40
  • 『日本プロボクシングチャンピオン大鑑』 ボクシング・マガジン編集部、ベースボール・マガジン社、2004年3月1日、p.67
  • 『日本プロボクシング史 世界タイトルマッチで見る50年』 ボクシング・マガジン編集部、ベースボール・マガジン社、2002年5月31日、p. 75
  • 『日本プロボクシングチャンピオン大鑑』 ボクシング・マガジン編集部、ベースボール・マガジン社、2004年3月1日、p. 230
  • 『日本プロボクシング史 世界タイトルマッチで見る50年』 ボクシング・マガジン編集部、ベースボール・マガジン社、2002年5月31日、p. 118
  • 【ボクシング】注目はミドル級・村田諒太。44年ぶりの五輪メダルなるか? web Sportiva 2012年07月24日 p. 2
  • 7.0 7.1 誇り、かみしめ メダリスト快挙報告 東京新聞 2012年8月15日
  • 村田、48年ぶり金=1点差の接戦制す-ボクシング〔五輪・ボクシング〕 時事通信社 2012年8月12日
  • 金村田と銅清水が帰国会見 ボクシングニュース「Box-on!」 2012年8月16日
  • 初の1大会複数メダル呼んだプロとの再交流と“開国” スポーツニッポン 2012年8月13日
  • ロンドン五輪の選手と競技に関する調査、感動度1位は福原愛選手に マイナビニュース 2012年8月22日
  • (2013年2月4日) AIBA、独自プロ大会への対策委員会設立 スポーツ報知 [ arch. ] 2013年2月4日
  • 村田の全日本社会人選手権出場に“待った”…世界協会が出場資格に異議 スポーツ報知 2012年11月7日(2012年11月6日時点のアーカイブ)