「日野基本射撃場発砲事件」の版間の差分
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+ | * [[日本放送協会]](NHK)や[[民間放送|民放]]の[[テレビジョン放送局|テレビ各局]]は特番編成こそ組まなかったものの、午前から昼のニュースの第一報で報じられるほどの体制となっていた。 | ||
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2023年7月9日 (日) 11:50時点における最新版
日野基本射撃場発砲事件(ひのきほんしゃげきじょうはっぽうじけん)は、2023年(令和5年)6月14日の午前9時8分頃に岐阜県岐阜市にある陸上自衛隊の日野基本射撃場で自衛官候補生が自衛官3人に向けて自動小銃を発砲し、2人が死亡した事件[1]。
概要[編集]
事件が起きたのは岐阜駅から東に約7キロの位置に所在する日野基本射撃場。1907年に日本陸軍歩兵第68連隊の射撃場として開設され、1960年より陸上自衛隊が使用している。元は露天の射撃場だったが周辺の宅地化が進んだため、2015年には屋内射撃場化工事が行われた[2][3]。
事件当日は午前9時頃から新隊員の教育のための実弾射撃訓練が行われており、この日が射撃訓練の最終日だった[4]。自衛官候補生の1人であるX(当時18歳)は、射撃位置の前に位置する「準備線」と呼ばれる場所で、他の候補生とともに教官の指示の元で実弾を受け取り弾倉に入れ込む作業をしていたが、突然無断で銃の装填を行いった。待機場所の管理をしていた「交代係」であるA3曹(当時25歳)がそれに気づき、Xに対して動きを止めるように指示するとXは9時8分頃、A3曹に89式5.56mm小銃で発砲、その後、後ろで実弾の管理や受け渡しを行う「弾薬係」を担当していたB1曹(当時52歳)の方に振り向き、歩いて近づきながらB1曹にも発砲、続けざまに同じ弾薬係であるC3曹(当時25歳)に発砲し、さらにB1曹にもう1発を発砲した。その後Xは周囲の自衛官らに取り押さえられたが、その際にも数発を壁に向けて発砲した[5][6][7]。A3曹は脇腹に命中、B1曹は胸部に2発命中、C3曹は左太ももに命中し、A3曹とB1曹は心肺停止の状態で搬送されたが、搬送先の病院で死亡が確認され、C3曹も全治3ヶ月の重傷を負った[8][9][10]。死亡したA3曹、B1曹と重傷を負ったC3曹は3人とも守山駐屯地に所属していた[11][1]。
銃を発射した候補生Xは、その場で身柄を拘束され、殺人未遂の疑いで逮捕され、岐阜県警察に引き渡された[1]。15日、県警は候補生を殺人容疑に切り替えて岐阜地方検察庁に送検した[12]。本事件は自衛隊施設内で発生した事件のため、県警と警務隊による合同捜査になっている[13]。
容疑者[編集]
容疑者である自衛官候補生Xは、同年4月に守山駐屯地に駐屯する第35普通科連隊に入隊していた[1]。容疑者は「52歳の教官が狙いだった」と供述した[7]。
反応[編集]
国内[編集]
政界等[編集]
- 浜田靖一防衛大臣は、国民に心配をかけたことを陳謝した上で、被害者への哀悼の意を表した[1]。
- 森下泰臣陸上幕僚長は会見を開き謝罪し、原因究明と再発防止を図るため、調査委員会を立ち上げたことを明らかにした[1]。
- 公明党の佐藤茂樹国会対策委員長は、与党の会合で原因解明と再発防止策、信頼回復に努めてほしいと述べた[1]。
- 鈴来洋志元陸将補は、事件が残念であると述べた一方、1984年(昭和59年)の訓練自衛官小銃乱射事件を思い出したと話した[14]。
メディア・イベント[編集]
日本国外[編集]
影響[編集]
脚注[編集]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 日本放送協会 (2023-06-14) 日本放送協会 【速報中】陸自射撃場発砲事件 2人死亡 18歳自衛官候補生逮捕 | NHK 2023-06-14 [ arch. ]
- ↑ (2023-06-14) 陸自射撃場で発砲か、2人死亡1人負傷 18歳の自衛官候補生を逮捕 2023-06-14 [ arch. ]
- ↑ (2015-05) 陸自日野射撃訓練場(岐阜市)覆道射撃場新設工事が完成 2015-05 [ arch. ]
- ↑ () 逮捕の自衛官候補生、実弾射撃訓練の最終日に発砲か 隊員3人死傷 朝日新聞デジタル [ arch. ]
- ↑ () 自衛官候補生、取り押さえられた際も発砲…無断で弾倉を装填 読売新聞 [ arch. ]
- ↑ () 自衛隊銃撃 陸自元幹部”管理規則や弾薬使用あり方見直しを” NHK [ arch. ]
- ↑ 7.0 7.1 (2023-06-14) 陸自射撃場発砲事件 逮捕の候補生 連射ではなく1発ずつ4発発射 NHK NEWS WEB [ arch. ] 2023-06-14
- ↑ () 死亡の52歳、胸に2発被弾 逮捕の候補生、狙ったか 他の2人は1発ずつ・陸自小銃発砲 時事通信 [ arch. ]
- ↑ () 【速報】陸自射撃場で銃発射、死者2人に 新たに男性隊員の死亡確認 18歳隊員は殺人未遂で現行犯逮捕 岐阜市 FNN [ arch. ]
- ↑ () 陸自3人死傷事件 自衛隊・警察が動機の解明進める NHK [ arch. ]
- ↑ 1等陸曹、宮崎県出身 (2023-06) 射殺された52歳自衛官は宮崎県出身 2023-06 [ arch. ]
- ↑ (2023-06-15) 陸自射撃場で3人銃撃した18歳候補生、殺人容疑で送検 読売新聞 [ arch. ] 2023-06-16
- ↑ 「取り押さえられそうになったから」自衛官候補生、発砲の理由を供述朝日新聞2023年6月16日
- ↑ (2023-06-14) 陸自施設の射撃事故「偶然はありえない」OBが思い出した山口事件 2023-06-14 [ arch. ]
- ↑ (2023-06-14) Japan: Cadet shoots dead two instructors at military firing range BBC [ arch. ] 2023-06-14
- ↑ (2023-06-14) Aerial footage shows aftermath of shooting at military training center in Japan CNN [ arch. ] 2023-06-14
- ↑ (2023-06-14) Two killed, one wounded in shooting at Japan military range aljazeera [ arch. ] 2023-06-14
- ↑ (2023-06-14) Japanese army trainee shoots 3 fellow soldiers, killing 2 Fox61 [ arch. ] 2023-06-14
- ↑ (2023-06-28) 隊員3人死傷の守山駐屯地 自衛官候補生の修了式行われる 日テレNEWS Yahoo! News [ arch. ] 2023-06-28
- ↑ (2023-06-27) 小銃発射事件の死亡自衛隊員2人が特別昇任 公務災害も認定 サンケイスポーツ [ arch. ] 2023-06-29
関連項目[編集]
- 訓練自衛官小銃乱射事件 - 同様の自衛官による自衛官殺傷事件。
- 河瀬駅前交番警察官射殺事件 - 警察官による警察官殺害事件。
- 東富士演習場違法射撃事件 - 自衛官が実弾入りの銃を民間人に試射させた防衛不祥事。
- 安全配慮義務 -「陸上自衛隊事件」により定立された概念。
- 潜水艇タイタン沈没事故 - 本事件発生の4日後の6月18日(3日後の17日説もある)に発生したアメリカ合衆国の海難事故。歴史的事故ということもあり結果的には本事件よりも潜水艇タイタンの方が大きく報じられ、話題の中心は短時間で本事件から潜水艇タイタンへと移った。
- 日本における銃犯罪一覧
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