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| − | '''北条 時氏'''（ほうじょう ときうじ、[[建仁]]3年（[[1203年]] | + | '''北条 時氏'''（ほうじょう ときうじ、[[建仁]]3年（[[1203年]]） - [[寛喜]]2年[[6月18日 (旧暦)|6月18日]]（[[1230年]][[7月29日]]））は、[[鎌倉時代]]前期の[[武将]]・[[政治家]]。[[北条氏|北条]][[得宗]]家の[[世子]]で第4代[[執権]]になるべく期待されていたが早世したため、執権にはなっていない。[[六波羅探題]]北方や[[若狭国|若狭]][[守護]]など幕府の重職を歴任した。 |
父は第3代執権の北条泰時で長男。母は[[三浦義村]]の娘・[[矢部禅尼]]。異母弟に[[北条時実|時実]]、[[公義 (泰時の子)|公義]]。姉妹に[[三浦泰村]]、[[足利義氏 (足利家3代目当主)|足利義氏]]、[[北条朝直]]のち[[北条光時]]、[[藤原実春]]に嫁いだ女子らがいる。子に[[北条経時|経時]]、[[北条時頼|時頼]]、[[北条時定 (時氏の子)|時定]]、[[檜皮姫]]（[[九条頼嗣]]室）、娘（[[足利泰氏]]室）、娘（[[北条時定 (時房流)|北条時定]]室）、娘（[[北条時隆]]室）。正室は[[安達景盛]]の娘・[[松下禅尼]]。 | 父は第3代執権の北条泰時で長男。母は[[三浦義村]]の娘・[[矢部禅尼]]。異母弟に[[北条時実|時実]]、[[公義 (泰時の子)|公義]]。姉妹に[[三浦泰村]]、[[足利義氏 (足利家3代目当主)|足利義氏]]、[[北条朝直]]のち[[北条光時]]、[[藤原実春]]に嫁いだ女子らがいる。子に[[北条経時|経時]]、[[北条時頼|時頼]]、[[北条時定 (時氏の子)|時定]]、[[檜皮姫]]（[[九条頼嗣]]室）、娘（[[足利泰氏]]室）、娘（[[北条時定 (時房流)|北条時定]]室）、娘（[[北条時隆]]室）。正室は[[安達景盛]]の娘・[[松下禅尼]]。 | ||
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| − | 通称は[[武蔵国|武蔵]]太郎。[[承久]]3年（[[1221年]]）の[[承久の乱]]では父・泰時とともに[[東海道]]を攻め上り<ref>『北条時頼』〈人物叢書〉2頁</ref>、5月21日に18騎で最初から従軍する<ref>『北条泰時』〈人物叢書〉26頁。</ref>。この乱の最中である6月14日の[[淀川|宇治川]]合戦では朝廷方の激しい抵抗と宇治川の急流で幕府軍が苦戦している中で自ら宇治川を敵前渡河する功績を立てた<ref>『北条泰時』〈人物叢書〉38頁・75頁。</ref | + | 通称は[[武蔵国|武蔵]]太郎。[[承久]]3年（[[1221年]]）の[[承久の乱]]では父・泰時とともに[[東海道]]を攻め上り<ref>『北条時頼』〈人物叢書〉2頁</ref>、5月21日に18騎で最初から従軍する<ref>『北条泰時』〈人物叢書〉26頁。</ref>。この乱の最中である6月14日の[[淀川|宇治川]]合戦では朝廷方の激しい抵抗と宇治川の急流で幕府軍が苦戦している中で自ら宇治川を敵前渡河する功績を立てた<ref>『北条泰時』〈人物叢書〉38頁・75頁。</ref>。 |
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時氏の六波羅探題在任中は承久の乱の余波で治安が乱れており、京都の警備担当者として取り締まりに当たる一方、得宗家の嫡子である事から南北両探題の主導的立場にある執権探題として在職した<ref name="北条時頼p6"> 高橋慎一朗 著『人物叢書‐北条時頼』吉川弘文館、2013年、p.6</ref>。 | 時氏の六波羅探題在任中は承久の乱の余波で治安が乱れており、京都の警備担当者として取り締まりに当たる一方、得宗家の嫡子である事から南北両探題の主導的立場にある執権探題として在職した<ref name="北条時頼p6"> 高橋慎一朗 著『人物叢書‐北条時頼』吉川弘文館、2013年、p.6</ref>。 | ||
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北条 時氏（ほうじょう ときうじ、建仁3年（1203年） - 寛喜2年6月18日（1230年7月29日））は、鎌倉時代前期の武将・政治家。北条得宗家の世子で第4代執権になるべく期待されていたが早世したため、執権にはなっていない。六波羅探題北方や若狭守護など幕府の重職を歴任した。
父は第3代執権の北条泰時で長男。母は三浦義村の娘・矢部禅尼。異母弟に時実、公義。姉妹に三浦泰村、足利義氏、北条朝直のち北条光時、藤原実春に嫁いだ女子らがいる。子に経時、時頼、時定、檜皮姫（九条頼嗣室）、娘（足利泰氏室）、娘（北条時定室）、娘（北条時隆室）。正室は安達景盛の娘・松下禅尼。
生涯[編集]
通称は武蔵太郎。承久3年（1221年）の承久の乱では父・泰時とともに東海道を攻め上り[1]、5月21日に18騎で最初から従軍する[2]。この乱の最中である6月14日の宇治川合戦では朝廷方の激しい抵抗と宇治川の急流で幕府軍が苦戦している中で自ら宇治川を敵前渡河する功績を立てた[3]。
貞応3年（1224年）6月、父が第3代執権として鎌倉に戻ったため、入れ替わりで六波羅探題北方に任じられて京都に赴任する。
嘉禄3年（1227年）4月20日に修理亮に任官し（『六波羅守護次第』）、安貞元年（1228年）には若狭国の守護となり、第4代執権となることを期待されていた。
時氏の六波羅探題在任中は承久の乱の余波で治安が乱れており、京都の警備担当者として取り締まりに当たる一方、得宗家の嫡子である事から南北両探題の主導的立場にある執権探題として在職した[4]。
寛喜2年（1230年）3月28日に六波羅探題在職中に病に倒れて鎌倉へ戻った[5]。『六波羅守護次第』では鎌倉へ下向中の宮路山（現在の愛知県豊川市）で発病したとされる。
泰時は様々な治療や祈祷を行なったが、回復せずに6月18日戌刻（午後8時頃）に父に先立って死去した[5][6]。享年28[7][5]。奇しくも3年前に暗殺された弟の時実と同日の死であった[8][5]。
時氏の遺骸は6月19日の寅刻（午前4時頃）に大慈寺の傍にある山麓に葬られた[5]。
泰時は後継者として期待していた愛児に先立たれて悲しんだという[9][10]。また関東では時氏の死を悼んで出家する者が数十人にのぼったという（『明月記』6月29日条）。
第4代執権には時氏の長男・経時が就任した。
経歴[編集]
※ 日付＝旧暦
脚注[編集]
註釈[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
- 上横手雅敬『北条泰時』吉川弘文館〈人物叢書〉、1988年新装版（1958年発刊）ISBN 4-642-05135-X
- 高橋慎一朗『北条時頼』吉川弘文館〈人物叢書〉、2013年
- 安田元久『鎌倉・室町人名事典コンパクト版』新人物往来社、1990年
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