「お姫様だっこ」の版間の差分
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− | + | 持ち上げる際には、被運搬者が運搬者の肩越しに腕を首の後ろに回して反対側の肩につかまり、運搬者側は被運搬者の背面から腕を回して胴体を支えると共に、ヒザの下に差し入れた腕で足を支える。なおこの際、運搬者の腕は水平からやや前方の方が持ち上がった状態となり、加えて立った時の重心はやや後方にずらす。当然のことながら運搬者の腕力が被運搬者の重量より強くなければならない、負担の大きい持ち上げ方である。ちなみに運搬者と被運搬者の体の密着度が高いほど安定性が増し、運搬者の負担は低くなる。 | |
− | + | この「負担が大きい」という面は、花嫁の側からすれば「新郎が強くたくましくなければできないだっこのされ方」でもあるため、体力差で女性が優位にある場合は「新郎をお姫様だっこ」した方が安全である。 | |
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+ | この運搬方法はロマンチックな側面だけではなく、[[介護]]の現場でも被介護者が[[風呂|入浴]]や[[排泄|用便]]の際や、移動に際して[[車椅子]]に乗せ替える場などでも見受けられる。しかしこの運搬方法は持ち上げる際に、運搬される側の相手が健康であれば腕の力のほかにも腹筋や背筋・脚力を使って運搬者に飛び付いて「運びやすい」よう協力できるものの、[[高齢者]]や[[病人]]の場合にはこういった協力が難しいこともあり、寝床から持ち上げる際には、運搬者側の腰に負担が掛かる。 | ||
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+ | ある程度慣れた者であれば重心移動もスムーズにでき、腕力もつくが、慣れない内は腰を傷めたり要介護者が投げ出されたりといった事故も懸念される。こと家庭内で高齢者が高齢者を介護する[[老老介護]]ではこういった問題から十分な看護ができず[[褥瘡|床ずれ]]を起こしたり、介護者が腰を傷めて要介護者になってしまったりという問題も見られる。 | ||
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− | [[ギャルゲー]]など[[おたく]]文化の範疇では2000年代辺りより、[[フラグ (ストーリー)# | + | [[ギャルゲー]]など[[おたく]]文化の範疇では2000年代辺りより、[[フラグ (ストーリー)#分類|恋愛フラグ]]の一種としても扱われるようになってきたため、お姫様に限らず女性全般を抱きかかえて持ち上げることを「お姫様だっこ」として扱う傾向も見られる。 |
− | + | 実際にお姫様抱っこは持ち上げる側が貧弱だと心もとなく、こと身体的な接触に拒否感がない相手どうしではないと安定性が悪く危険であるといった事情もあって、上に挙げた「恋愛フラグ」上では「持ち上げる側のたくましさのアピール」であると同時に、抱きかかえられる側もまんざらではないという意味付けが見られる。これらではストーリー上、ケガをした場合や気絶した場合の運搬方法などで登場するが、上に挙げたとおり長距離の運搬には向かず、一時的に持ち上げるための抱きかかえ方であるため、あくまでもフィクションの延長的なものであるといえよう。 | |
− | なお[[応急処置]] | + | なお[[応急処置]]などの範疇では、負傷者や失神者を一人で運搬する方法はいくつかの様式があるが、安定性の良くないお姫様だっこで運搬することはむしろまれで、いわゆる「[[ファイヤーマンズキャリー]]」と呼ばれる方法がよく知られているが、応急的なものでは危険からいち早く移動させるため「足は引きずる」ような運搬法も見られる。 |
− | + | 抱きかかえられる側(女性)がこの言葉を使う場合、自分のことをお姫様と呼んで恥じないととられかねないため、この言葉を「分不相応ではないか」として、女性を嘲笑する理由とする人も存在する。 | |
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− | + | かつての[[パルプ・マガジン]]や[[B級映画]]では、[[怪物]]や[[ロボット]]にさらわれる[[ヒロイン]]の抱きかかえられかたとして定番だった。代表例としては『[[大アマゾンの半魚人]]』があげられる。 | |
+ | [[映画秘宝]]のアートディレクターである高橋ヨシキはこの点に着目し、お姫様だっこを「半魚人持ち」と言い換えることを提唱した | ||
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+ | この言葉自体は広く知られている言葉ではないが、上記のようにお姫様だっこという言葉に良い印象を持たない人々によってまれに使われることがある。 | ||
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+ | == 関連項目 == | ||
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2012年12月22日 (土) 11:46時点における最新版
お姫様だっこ(おひめさまだっこ)とは、ヒトを抱き上げる方法の一種。人を横にして抱き上げる。
なお、このような人の持ち上げ方の日本語における正式名称は「横抱き」であり、この呼称は主に俗語として使用される。ちなみに横抱きでは、意味として「小脇にかかえる」所作を含んでおり、こちらはいわゆる「お姫様だっこ」の範疇から外れる。
概要[編集]
横たわる被運搬者を運搬者が両腕で抱きかかえて持ち上げる抱え方で、被運搬者は運搬者の肩から首にかけて片腕を回して上半身をやや起こすと共に、運搬者に協力する。日本において少女漫画などで「お姫様をだっこする方法」として扱われたため、このように呼ばれる。
一般では結婚式を終えハネムーンに旅立つ新郎が花嫁を抱きかかえて幸せをアピールするポーズとしても広く知られているが、元々は古代ローマの風習で、新郎新婦が新居に入る際に花嫁が入り口から屋内まで抱きかかえられたまま運ばれたことに由来する。これは花嫁が入り口でけつまづくことが凶兆であるとみなされたことにちなみ、こういった風習は現代の洋風結婚式に継承され、これが日本にも伝わったものだと解される。
持ち上げる際には、被運搬者が運搬者の肩越しに腕を首の後ろに回して反対側の肩につかまり、運搬者側は被運搬者の背面から腕を回して胴体を支えると共に、ヒザの下に差し入れた腕で足を支える。なおこの際、運搬者の腕は水平からやや前方の方が持ち上がった状態となり、加えて立った時の重心はやや後方にずらす。当然のことながら運搬者の腕力が被運搬者の重量より強くなければならない、負担の大きい持ち上げ方である。ちなみに運搬者と被運搬者の体の密着度が高いほど安定性が増し、運搬者の負担は低くなる。
この「負担が大きい」という面は、花嫁の側からすれば「新郎が強くたくましくなければできないだっこのされ方」でもあるため、体力差で女性が優位にある場合は「新郎をお姫様だっこ」した方が安全である。
介護とだっこ[編集]
この運搬方法はロマンチックな側面だけではなく、介護の現場でも被介護者が入浴や用便の際や、移動に際して車椅子に乗せ替える場などでも見受けられる。しかしこの運搬方法は持ち上げる際に、運搬される側の相手が健康であれば腕の力のほかにも腹筋や背筋・脚力を使って運搬者に飛び付いて「運びやすい」よう協力できるものの、高齢者や病人の場合にはこういった協力が難しいこともあり、寝床から持ち上げる際には、運搬者側の腰に負担が掛かる。
ある程度慣れた者であれば重心移動もスムーズにでき、腕力もつくが、慣れない内は腰を傷めたり要介護者が投げ出されたりといった事故も懸念される。こと家庭内で高齢者が高齢者を介護する老老介護ではこういった問題から十分な看護ができず床ずれを起こしたり、介護者が腰を傷めて要介護者になってしまったりという問題も見られる。
この点で、介護者の力仕事を機械的にサポートしようというアプローチもあり、家庭内で簡易ホイスト(天吊クレーン)を利用したり、あるいはパワーアシストスーツを利用したりといった模索も見られる。
サブカルにおけるお姫様だっこ[編集]
ギャルゲーなどおたく文化の範疇では2000年代辺りより、恋愛フラグの一種としても扱われるようになってきたため、お姫様に限らず女性全般を抱きかかえて持ち上げることを「お姫様だっこ」として扱う傾向も見られる。
実際にお姫様抱っこは持ち上げる側が貧弱だと心もとなく、こと身体的な接触に拒否感がない相手どうしではないと安定性が悪く危険であるといった事情もあって、上に挙げた「恋愛フラグ」上では「持ち上げる側のたくましさのアピール」であると同時に、抱きかかえられる側もまんざらではないという意味付けが見られる。これらではストーリー上、ケガをした場合や気絶した場合の運搬方法などで登場するが、上に挙げたとおり長距離の運搬には向かず、一時的に持ち上げるための抱きかかえ方であるため、あくまでもフィクションの延長的なものであるといえよう。
なお応急処置などの範疇では、負傷者や失神者を一人で運搬する方法はいくつかの様式があるが、安定性の良くないお姫様だっこで運搬することはむしろまれで、いわゆる「ファイヤーマンズキャリー」と呼ばれる方法がよく知られているが、応急的なものでは危険からいち早く移動させるため「足は引きずる」ような運搬法も見られる。
抱きかかえられる側(女性)がこの言葉を使う場合、自分のことをお姫様と呼んで恥じないととられかねないため、この言葉を「分不相応ではないか」として、女性を嘲笑する理由とする人も存在する。
かつてのパルプ・マガジンやB級映画では、怪物やロボットにさらわれるヒロインの抱きかかえられかたとして定番だった。代表例としては『大アマゾンの半魚人』があげられる。 映画秘宝のアートディレクターである高橋ヨシキはこの点に着目し、お姫様だっこを「半魚人持ち」と言い換えることを提唱した 。 この言葉自体は広く知られている言葉ではないが、上記のようにお姫様だっこという言葉に良い印象を持たない人々によってまれに使われることがある。