谷垣禎一のソースを表示

'''谷垣 禎一'''（たにがき さだかず、[[1945年]]（[[昭和]]20年）[[3月7日]] - ）は、[[日本]]の[[政治家]]。[[自由民主党_(日本)|自由民主党]]所属の[[衆議院議員]]（11期）、[[自由民主党幹事長]]（第47代）、[[日本遺族会|京都府遺族会]]会長、[[有隣会]]顧問。

[[法務大臣]]（[[第2次安倍内閣|第93代]]）、[[財務大臣]]（第[[第1次小泉内閣第2次改造内閣|3]]・[[第2次小泉内閣|4]]・[[第3次小泉内閣|5]]代）、[[国土交通大臣]]（[[福田康夫内閣改造内閣|第9代]]）、[[国家公安委員会委員長]]（[[第1次小泉内閣第1次改造内閣|第69代]]）、[[金融再生委員会委員長]]（第[[小渕内閣第2次改造内閣|3]]・[[第1次森内閣|4]]代）、[[科学技術庁長官]]（[[第2次橋本内閣改造内閣|第56代]]）、[[産業再生機構担当大臣]]、[[自由民主党総裁]]（第24代）、[[自由民主党政務調査会|自由民主党政調会長]]（第50代）等を歴任。

[[文部大臣]]（[[第2次大平内閣|第100代]]）を務めた元[[衆議院議員]]の[[谷垣専一]]は父。元[[大日本帝国陸軍|陸軍]][[中将]]の[[影佐禎昭]]は祖父。

== 来歴 ==
=== 生い立ち ===
[[京都府]][[福知山市]]生まれ。谷垣専一の長男。[[麻布中学校・高等学校]]、[[東京大学]][[法学部]]卒業。大学卒業後、父・[[谷垣専一]]の秘書を断続的に務めながら[[旧司法試験|司法試験]]を数回受験し、[[1979年]]に合格。[[司法修習]]第34期を修了し、[[弁護士]]登録。

=== 衆議院議員 ===
[[1983年]]、父・専一の死去に伴い、父の[[地盤]]を継承。[[1983年]]の[[京都府第2区_(中選挙区)|旧京都2区]][[補欠選挙]]に[[自由民主党_(日本)|自由民主党]]公認で出馬し、初当選した。当選後、選挙戦中に旧京都2区に20日間泊まり込みで支援をした[[白川勝彦]]が所属し、なおかつ亡父も籍を置いていた[[宏池会]]に入会。この補欠選挙では、[[前尾繁三郎]]の死去に伴って同じ旧京都2区から[[野中広務]]も当選しており、選挙の実務を担当したのが当時[[自由民主党選挙対策委員長|党総務局長]]だった[[小沢一郎]]である。

[[1995年]]、[[衆議院]][[議院運営委員会|議院運営委員長]]に就任。[[1997年]]、[[第2次橋本内閣_(改造)|第2次橋本改造内閣]]において[[科学技術庁長官]]兼[[総理府]][[原子力委員会|原子力委員会委員長]]に任命され、初入閣した。[[1998年]]の[[第18回参議院議員通常選挙]]で大敗した[[橋本龍太郎]]が退陣、その後成立した[[小渕内閣]]では[[大蔵省|大蔵]][[政務次官]]に起用された。首相の[[小渕恵三]]が元首相の[[宮澤喜一]]に蔵相就任を要請した際、就任の条件の一つに挙げたのが谷垣の大蔵政務次官への就任であったため、閣僚経験者ながら政務次官に就任した。[[金融国会]]においては金融二法の成立に尽力し、[[小渕内閣_(第2次改造)|小渕第2次改造内閣]]で[[金融再生委員会|金融再生委員長]]の[[越智通雄]]が失言により辞任した際、後任に起用された。[[第1次森内閣]]において、金融再生委員長に再任。[[2000年]]の[[加藤の乱]]では、宏池会会長の[[加藤紘一]]に同調するも、[[内閣不信任決議]]案可決の試みは不発に終わった。その際の [[加藤の乱#「大将なんだから」|谷垣の言動]]は非常に印象深く、たびたび回顧される。乱以後の宏池会分裂に際しては[[加藤派]]に参加した。

=== 小泉政権 ===
[[加藤の乱]]以後、加藤や[[山崎拓]]に連座した議員らは一様に森政権下では不遇であったが、[[2001年]]に[[内閣総理大臣]]に就任した[[小泉純一郎]]の下で谷垣は重用された。[[第1次小泉内閣_(第1次改造)|第1次小泉第1次改造内閣]]で[[国家公安委員会委員長]]に任命され、[[産業再生機構|産業再生機構担当大臣]]<ref>[[2003年]][[4月10日]]までは産業再生機構（仮称）担当大臣。補職辞令は[[2002年]][[11月8日]]に発令。</ref>・[[内閣府特命担当大臣（食品安全担当）|内閣府特命担当大臣（食品安全）]]<ref>補職辞令は[[2003年]][[4月1日]]に発令。それ以前は国務大臣【食品安全委員会（仮称）担当】に任命されていた。</ref>の補職辞令を受けたことを皮切りに、[[第1次小泉内閣_(第2次改造)|第1次小泉第2次改造内閣]]では[[塩川正十郎]]の後任として[[財務大臣]]に横滑り。重要閣僚である財務大臣を3年にわたり無難に務め上げて表舞台に登場する機会が増し、広く認知されるきっかけになった。[[2005年]]、[[加藤派]]を引き継いでいた[[小里貞利]]が政界を引退し、また同派最高顧問の[[加藤紘一]]が離脱したのに伴って[[谷垣派|小里派]]を継承、谷垣派会長に就任した。{{main|宏池会 (谷垣派)#沿革}}

=== 2006年自由民主党総裁選挙 ===
[[2006年]]9月、[[2006年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]に立候補。{{main|2006年自由民主党総裁選挙#立候補者|麻垣康三#結果}}総裁選では、[[政権]]構想に
# '''[[財政再建]]'''（[[2010年代]]半ばまでには[[消費税]]を10%に引き上げ）
<ref name="47news20060727">[http://www.47news.jp/CN/200607/CN2006072701002943.html 谷垣氏の政権構想要旨] [[共同通信社]]  [[47NEWS]] (2006年7月27日) 2013年4月24日閲覧。</ref>
# '''[[東アジア]][[外交]]の立て直し'''（在任中は[[靖国神社]]参拝を控え、日中韓首脳同士が常時対話が可能な「[[アジア]][[ホットライン]]」の構築）<ref name="47news20060727"/>
# '''[[地域社会]]の活性化'''（[[法人税]]、[[地方交付税]]等の税体系の見直しを通じた税収の[[地域]]間[[格差]]の是正に取り組む）<ref name="47news20060727"/>
等を掲げた。投票の結果、谷垣は703票中102票（国会議員66票・地方36票）を獲得し、[[安倍晋三]]（当選）、[[麻生太郎]]に次ぐ最下位に終わったが、比較的[[タカ派]]色の強い安倍、麻生に対し[[ハト派]]の谷垣が対立軸を明確に打ち出し、3桁の票を獲得する健闘を見せた。

=== 安倍・福田・麻生政権 ===
[[第1次安倍内閣]]において谷垣派は閣僚および党三役ポストを一つも獲得できず、党内非主流派に回った。[[与党]]が過半数割れの大敗を喫した[[第21回参議院議員通常選挙]]後は、[[安倍内閣]]の[[政治]]姿勢や続投に公の場で疑問を呈する等、批判の度合いを強めていたが、参院選後の[[内閣改造]]・党役員人事においても谷垣派からの閣僚・党三役への起用は見送られた。同年9月、安倍首相の辞任を受けて行われた[[2007年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]に一時、出馬を検討したが、出馬表明を行った元[[内閣官房長官]]の[[福田康夫]]を派を挙げて支持し、自身の出馬は見送った。[[自由民主党幹事長|幹事長]]（当時）の[[麻生太郎]]を破り総裁に選出された福田の下で[[自由民主党政務調査会|政務調査会長]]に起用され、初めて党三役入りした。福田政権の発足を契機に、[[加藤の乱]]以来の懸案であった宏池会再結集の動きが一気に具体化し、[[2008年]]1月には古賀・谷垣両派の合併が決定（中宏池会構想）。{{main|宏池会#古賀派・谷垣派の再合流}}同年5月に発足した古賀派では代表世話人に就いたが、新派閥の総裁候補は棚上げされたままで、また派内には[[菅義偉]]ら麻生を支持する議員も少なくなく、派を挙げて谷垣を一枚岩で支援する体制は整わなかった。[[2008年]]、[[福田康夫内閣_(改造)|福田康夫改造内閣]]で[[国土交通大臣]]に任命されるも、福田は間もなく辞任。それに伴う[[2008年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]でも出馬に意欲を見せたが、[[福田康夫内閣]]の一員であった立場を考慮し、断念。宏池会は自主投票を決定した。この総裁選では、宏池会から麻生派会長の麻生太郎、無派閥の[[与謝野馨]]を率先して支持する議員が現れ、2度続けて出馬を見送った谷垣の影響力低下を感じさせた。[[2009年]]の[[第45回衆議院議員総選挙]]では、[[京都府第5区|京都5区]]で[[民主党_(日本 1998-)|民主党]]新人の元[[自衛官]]、[[小原舞]]の猛追を受けるも'''7,032'''票差で逃げ切り、10選。

=== 自由民主党総裁 ===
==== 2009年 ====
[[2009年]][[9月28日]]、499票中300票を獲得し、第24代[[自由民主党総裁]]に選出された。自民党総裁就任時に[[内閣総理大臣]]に指名されなかったのは[[河野洋平]]、[[橋本龍太郎]]に次いで3人目（橋本は[[村山富市]]首相の退陣を受け、内閣総理大臣に就任）。河野は総裁退任後に[[衆議院議長]]を務めており、[[三権の長]]を経験していない総裁経験者は谷垣のみである。

同年10月、政権奪還を意識する観点から「[[影の内閣]]」の設置に意欲を見せていたが、党内から「『影の大臣』と『大臣』の名がつけばポスト争いが始まる」との異論が出たため、構想は頓挫した>。[[10月19日]]には、秋季例大祭が行われている[[靖国神社]]に参拝。自民党総裁の[[靖国神社参拝]]は、[[2006年]][[8月15日]]（[[終戦記念日]]）に[[内閣総理大臣]]（当時）の[[小泉純一郎]]が参拝して以来、3年2ヶ月ぶりであった。その後[[産経新聞]]の取材に対し、[[2006年自由民主党総裁選挙]]において「首相に就任した場合は参拝を自粛する」と表明していたことについて、「当時の[[国際関係]]を考慮し、総理はあの時点では差し控えるべきだという意味です」 と述べ、「[[野党]]になったから参拝したのか？」との質問には「野党であるということを斟酌してというよりも、戦争で亡くなられた英霊をお祀りする場は必要だと思う」と答えた。靖国神社に代わる国立追悼施設の建設については、総裁選時に「他の施設を造るのは賛成できない」と述べており、この時も記者団に対し、「[[戦争]]に従軍した方々は『戦死したら靖国神社に祀られる』という思いを持って亡くなった方が大勢いるので、その重みはある」と述べ、慎重な構えを見せた<ref>[http://www.nhk.or.jp/news/k10013211231000.html 自民 谷垣総裁が靖国神社参拝] NHKニュース 2009年10月19日{{リンク切れ|date=2009年12月}}</ref>。

[[11月26日]]、[[民主党 (日本 1998-)|民主党]]や[[公明党]]などが成立を目指す[[日本における外国人参政権|永住外国人への地方選挙権付与]]について「反対だ」と明言した。また、「党全体を賛成の方向でまとめていくつもりは全くない」とも語り、自民党としても外国人参政権に賛成をしないという意向を示した。

天皇特例会見問題では、民主党政権を批判。民主党幹事長（当時）の[[小沢一郎]]による“国事行為発言”についても批判し、「天皇の政治利用」とする認識を示した。また、天皇の訪韓にも慎重な姿勢を示した。

==== 2010年 ====
[[2010年]][[1月1日]]、[[自由民主党総裁]]として[[自由民主党 (日本)#本部|自民党本部]]から全国の[[党員]]・[[党友]]組織[[自由国民会議]]会員に向けて新年のメッセージを送った<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=apGl8uA9HFs 【メッセージ】谷垣禎一総裁新春メッセージ 2010.01.01] 自由民主党 2010年1月1日</ref>。

[[1月4日]]、[[伊勢神宮]]に参拝。[[記者]]たちに「特に政治とカネの問題を見ると、必ず[[内閣総辞職]]、あるいは[[衆議院解散|解散]]によって[[国民]]に信を問うところまで求めていかなければならない」と述べ、偽装献金問題などを追求し首相の[[鳩山由紀夫]]が辞任することを強く求めていく考えを強調した。また、[[衆参同日選挙]]の可能性について「1つの選択肢として視野に置く必要がある」と述べた。[[民主党幹事長]]の小沢一郎については、小沢が先日の[[天皇特例会見]]を[[内閣 (日本)|内閣]]の助言と承認に基づく「[[国事行為]]」だとして正当化したことに触れ「小沢幹事長のごときにいたっては、あたかも内閣が判断をすれば[[天皇陛下]]に何でもお願いできるかのような表現すら取っている。まったく[[日本国憲法]]の構造をはき違えたものだ」と批判した。

[[1月7日]]の新年初の自民党総裁定例[[記者会見]]にて、産経新聞の記者から「鳩山首相が[[Twitter]]を始められましたが、総裁はやられるのか？」との質問に対し「つぶやくようなことはしない。ごまめの歯ぎしりでもあるまいし」と否定し、[[フリーランス]]の記者から「鳩山首相が[[ブログ]]を始めましたが、総裁としてブログを書くつもりはあるか？」との質問に対しては「具体的に考えていない」と答えた<ref name="20100107_kishakaiken_twitter">[http://www.jimin.jp/jimin/kaiken/2201/220107.html 谷垣禎一総裁 定例記者会見] 自由民主党 2010年1月7日</ref><ref>{{YouTube|BmD-EXzLWcw|谷垣禎一総裁定例記者会見（2010.1.7）}}LDP Channelより</ref>。

[[1月19日]]、[[BSフジ]]の番組「[[BSフジLIVE プライムニュース]]」にて、[[日本における外国人参政権|永住外国人への地方選挙権付与法案]]について「[[米軍]][[普天間基地移設問題]]を地方の首長選（[[2010年]][[1月24日]]の[[名護市]]長選）に委ねようとする動きを見ていると、地方参政権を付与するのがいいのかどうか」と述べ、[[外国人参政権]]に反対する意向を改めて表明。賛否では[[党議拘束]]をかけるべきだとの考えを示した。また同市長選と同日の党大会には自身の選挙区に含まれる[[網野町]]（[[平成の大合併]]で[[京丹後市]]）出身の[[野村克也]]を来賓として招聘した。

[[2月11日]]（[[建国記念の日]]）、[[神社本庁]]や[[日本会議]]などでつくる「日本の建国を祝う会」主催の「建国記念の日奉祝中央式典」であいさつし、「現在、わが国は非常に厳しい[[経済]]情勢のもとにありますが」「むしろ、危機は飛躍するための好機であるととらえ、今こそ人づくり国づくりに力を尽くす時であると考えます」と述べた。また、「国の発展には、[[伝統]][[文化]]の継承と心豊かな人材の育成が必要不可欠」として、[[道徳教育]]の必要性などを訴えた。

[[2月25日]]、[[鳩山由紀夫内閣]]がまとめた[[天皇の公的行為]]に関する見解について、[[国会]]内で記者団に「象徴天皇のデリケートさに全く何の配慮もない、政治的英知を欠いた見解だ。その都度その都度便宜的に判断すればいいという答えだが、[[憲法]]のイロハも心得ない噴飯物の解釈だ」と批判した。

[[4月16日]]、[[大韓民国|韓国]]の[[与党]]である[[ハンナラ党]]の鄭夢準代表から、日本における永住外国人への地方選挙権付与に協力するよう求められたが、「憲法上の問題もあり自民党は反対の立場だ」と述べた。

[[4月22日]]、自民党本部にて行われた定例記者会見で、鳩山由紀夫の元[[秘書]]が[[東京地方裁判所]]にて[[有罪判決]]が出たことに関して「[[弁護士]]は総理を守る、依頼者を守るのが仕事で、総理の責任は[[説明責任]]をきちっと果たす」と述べ、弁護士の国会への[[参考人]]招致を求めていく方針を示し、「鳩山首相は、秘書の疑惑は議員の責任と、過去に誠にあっぱれな発言された経緯があります<ref>[[加藤紘一]]の秘書が[[2003年]]（平成15年）に[[逮捕]]された際、鳩山は[[街頭演説]]にて「秘書の疑惑は議員の責任」と発言した経緯がある為。</ref>。ご自身の責任も明らかにすべきであると、申し上げたいと思います」と追及する構えを見せた。

[[参議院議員]]の[[舛添要一]]より離党届が提出された問題では、「[[比例代表]]から選出されており、議員辞職をするのが筋」と離党届を受理しない旨を示唆した。その結果、舛添は27日の党紀委員会会合で除名処分となった。{{main|新党改革#舛添要一の合流と党名変更|舛添要一#参議院議員}}{{see also|除名#国会議員経験者の除名処分}}また、フリーランスの記者から「この程、[[Twitter]]<ref name="20100107_kishakaiken_twitter"/> を始められた心境の変化について」を尋ねられた際には「若い方々から多くの方の生の声を聞く、非常に良い手法であると。必ずしも、公式の、四角四面の街頭演説や[[集会]]では得られない声が返ってくるということもある」と周りから勧められた事を述べた<ref>[http://www.jimin.jp/jimin/kaiken/2204/220422.html 谷垣禎一総裁 定例記者会見 2010/4/22]. 自由民主党.(2010年4月22日) 2010年5月16日閲覧。</ref><ref>{{YouTube|DjKDt7NEeVc|谷垣禎一総裁定例記者会見（2010.4.22）}}LDP Channelより</ref>。

[[4月28日]]、[[宮崎県]]で[[家畜]][[伝染病]]である[[口蹄疫]]が拡がっていることを受けて、宮崎県で口蹄疫の視察をした。2日後、口蹄疫対策本部（本部長・谷垣禎一総裁）を設置し、政府に対し万全の対策を講じるよう申し入れ。野党の自民党が対策本部を設置する異例の事態となった<ref>{{YouTube|UOSIYeXZIuA|口蹄疫対策本部記者会見（2010.4.30）}}LDPchannelより</ref>。

7月の[[第22回参議院議員通常選挙]]を控え、「与党を過半数割れに追い込めなかった場合は総裁を引責辞任する」と表明し、背水の陣を敷いて選挙戦に臨んだ。公明党との協力戦略が奏功し、自民党は51議席を獲得して改選第1党となり、[[民国連立政権|連立与党]]は過半数を割り込んだため、谷垣は総裁続投を表明した。

==== 2011年 ====
[[2011年]][[8月30日]]の[[菅内閣_(第2次改造)|菅内閣]][[総辞職]]に伴う[[内閣総理大臣指名選挙]]で、衆議院において自民党議員の他に[[無所属]]の[[鳩山邦夫]]からも票を得た。参議院では1回目は[[民主党代表]]の[[野田佳彦]]に次ぐ2位の票を獲得し、野田との[[決選投票]]では、[[たちあがれ日本]]、[[公明党]]、無所属の[[大江康弘]]、[[長谷川大紋]]からも支持を受けた<ref>{{PDFlink|[http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/177-0830-v002.pdf 内閣総理大臣の指名 決選投票] [[参議院]]
 2011年9月4日閲覧。}}</ref>。

==== 2012年 ====
2012年[[1月8日]]から[[1月12日|12日]]にかけ、総裁就任後最初の外遊として、[[ベトナム]]と[[インドネシア]]を訪問した。[[中華人民共和国|中国]]の存在感が増す中、[[ASEAN]]の重要国である両国との間で、[[安全保障]]や経済面での連携についての協議が行われた<ref>[http://www.jimin.jp/activity/news/115270.html 谷垣総裁がベトナム・インドネシアを歴訪　東アジア安全保障などで意見交換]</ref>。なお、[[法務大臣]]に就任した[[第2次安倍内閣]]では、[[法務省]]の所管は国内事項が中心であるものの、[[施設等機関]]である[[法務総合研究所]]の一部局である国際協力部は、[[アジア]]圏でのルール形成に[[日本]]が積極的に関与していくという見地から、[[ベトナム]]、[[インドネシア]]を含めた[[アセアン]]諸国等に対し、法律の整備や法律家人材育成といった[[法整備支援]]を行っている。

同年9月の[[2012年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]に再選を目指して立候補を予定していた。しかし、[[石原伸晃]]幹事長が立候補を表明したため「執行部を含めて党内を掌握できなかった責任を取る」として、[[9月10日]]に再選出馬を断念<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120910/stt12091011350004-n1.htm 谷垣氏が不出馬表明] 産経新聞 2012年9月10日閲覧</ref>。これにより、[[河野洋平]]以来2人目の[[内閣総理大臣]]に就任しなかった自由民主党総裁、また任期中通して野党であった唯一の総裁となった（河野は任期中に[[自社さ連立政権]]発足に伴い与党に復帰した。次代の[[安倍晋三]]も就任直後は野党総裁であったものの2012年[[12月26日]]に内閣総理大臣に就任、また第21代総裁時代も首相を務めた）。[[小泉純一郎]]以来久しぶりに途中で辞任せずに任期を全うした数少ない総裁の一人である。

総裁退任後も[[宏池会]]へは戻らず、総裁選で再選出馬を支持していた議員らを中心に[[谷垣派|有隣会]]を旗揚げし、同会顧問に就任した。

=== 法務大臣 ===
[[2012年]]12月、[[第46回衆議院議員総選挙]]で11回目の当選。選挙後に発足した[[第2次安倍内閣]]で[[法務大臣]]に任命された。法相就任後、[[2013年]]は[[2月21日]]・[[4月26日]]・[[9月12日]]・[[12月12日]]の4度8人の[[死刑囚]]の[[死刑]]を執行した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131228/trl13122819100004-n1.htm
 確定死刑囚5年ぶり減少　年末時点130人] MSN産経ニュース（産経新聞）(2013年12月28日) 2014年5月18日閲覧。</ref>。

[[2013年]][[9月4日]]に[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]が婚外子を[[差別]]する[[民法　(日本)|民法]]の規定が、[[日本国憲法]]に対して違憲であるとの[[違憲判決]]を下した<ref>「婚外子相続差別は違憲　最高裁大法廷」日本経済新聞　2013年9月4日</ref>ことを受けて、[[兵庫県]][[明石市]]が[[10月1日]]、[[出生届]]の記載事項である
「嫡出子」「[[嫡出]]でない子」の記載を削除した届出用紙を独自に作成したことや、[[婚姻]]歴のないひとり親家庭に対する寡婦（夫）[[控除]]のみなし適用を実施することを明らかにしたことに対し、「法令で定められたところに背く扱いを行おうとすることは極めて遺憾」と述べた<ref>時事通信 10月4日記事</ref>。

2013年[[10月8日]]、[[宇都宮市]]で開いた自身のグループ研修会で講演し、消費税率を10%に引き上げることについて「10%に引き上げる時に最大の問題は[[原発]]を動かせるかどうかだ。できるかどうかで日本の[[景気]]動向は大きく変わる」と述べた<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0802P_Y3A001C1PP8000/ 谷垣法相「消費税10%には原発再稼働が必要」]日本経済新聞 2013年10月8日</ref>。

[[2014年]][[6月26日]]、年が変わってから初めてとなる[[死刑囚]]1人に対して[[死刑]]の執行をし<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASG6V34R7G6VUTIL007.html １人の死刑執行　今年初、自民政権復帰後9人目] asahi.com（朝日新聞）(2014年6月26日) 2014年6月27日閲覧。</ref>、同年[[8月29日]]には2度目となる死刑囚2名の死刑執行を行った<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H0A_Z20C14A8CC0000/ 2人の死刑執行　青森の武富士放火殺人など] 日本経済新聞 (2014年8月29日) 2014年9月3日閲覧。</ref>。[[法務大臣]]就任中に合計6度11人の[[死刑囚]]の[[死刑]]を執行した。

=== 自由民主党幹事長 ===
2014年[[9月3日]]、第47代[[自由民主党幹事長]]に就任。[[自民党総裁]]経験者の[[幹事長]]就任は初めて<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140903-OYT1T50111.html?from=ycont_top_txt 「女性閣僚、最多５人内定…安倍改造内閣発足へ」]『読売新聞』2014/09/03　2014/09/05閲覧</ref>。そして同日午前中の記者会見では、年末の[[消費税]]10%引き上げに関して、法律上は8%から10%に引き上げるためのレールが敷かれており、基本的には法律に則って進める考えを示す一方で、同時に[[景気]]情勢をよく見ていかなければならないと述べた。また[[安倍晋三]][[首相]]からは「諸般の事情もよく目配りして進めてほしい」と指示があったことも明かした<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE03H0B_T00C14A9000000/ 「谷垣幹事長、消費税上げ『レールは敷いてある』」]『日本経済新聞』(2014/09/03) 閲覧日:2014/09/05</ref>。

== 政策・主張 ==
* 表現規制推進団体の[[日本ユニセフ協会]]を支援するユニセフ議員連盟の会長を務めた<ref>[http://www.unicef.or.jp/special/0705/cyberporn16.html]</ref>。
* 選択的[[夫婦別姓]]制度導入に慎重<ref>産経新聞　社説　2009年10月1日</ref>。
* [[死刑]]制度については、「著しく凶悪な重大犯罪に対しては死刑を科することもやむを得ない」と述べ、制度存続に賛成している<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20140628k0000m040077000c.html 谷垣法相:死刑執行「やむを得ない」] 毎日新聞 (2014年6月27日) 2014年7月4日閲覧。</ref>。

=== 日本長期信用銀行の売却 ===
[[金融再生委員会|金融再生委員長]]在任中、[[日本長期信用銀行]]破綻後に[[公的資金]]を投入し[[オランダ]]籍の[[投資事業組合|投資組合]]ニューLTCBパートナーズに10億円で売却するのを主導。ニューLTCBパートナーズが日本長期信用銀行名称変更後の[[新生銀行]]となり、新生銀行[[上場]]後[[株式]]を売却し約1兆円の売却益を得たが日本側から[[課税]]できないことについて、[[財務大臣]]在任中に[[日本共産党]][[衆議院議員]]の[[塩川鉄也]]から質問を受けた際、「[[条約]]関係のもとで日本では課税権がないということを承知しておりました」と述べ、旧日本長期信用銀行の売却時点ですでに将来[[収益]]に課税できないことを知りながら放置してきたことを認めた<ref>[http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001815920040216010.htm 衆議院予算委員会 会議録] 2004年2月16日</ref>。これについて日本共産党は[[外国資本|外資]]に[[利益]]を与え納税者に「不利益」を与えたと批判した<ref>[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-02-17/01_01.html 公的資金8兆円　国民負担4兆円] しんぶん赤旗、2004年2月17日</ref><ref>[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-02-20/04_01.html 外資丸もうけのカラクリ] しんぶん赤旗、2004年2月20日</ref>。

=== 特定秘密保護法 ===
[[国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案|秘密保全法制]]には反対の立場であり、自民党議員12人と連名で「[[報道機関]]のみの規定をなぜ置くのか、報道機関以外はすべて処罰されるとするのか疑問である。かかる規定は、国民すべてに適用されるべき」という意見書を出したことがある<ref>[[中央公論]]1987年4月号「われら自民党議員『スパイ防止法案』に反対する」</ref>が、[[特定秘密保護法]]には賛成。会見において、後述の1980年代のスパイ防止法では反対の立場をとっていたにもかかわらず、今回賛成の立場であることの理由を記者から質問された際、「秘密保護法制を考える際は、民主主義社会においては情報公開の仕組みが合わせてなければならない。当時は情報公開制度は無きに等しかった。その時より状況が変わってきている。また、構成要件の条件も、情報公開制度が全く無い時と、ある時とでは縛りのかけ方が違う。」と述べた。

== 不祥事 ==
;佐世保小6女児同級生殺害事件について
[[2004年]][[6月4日]]、[[内閣府特命担当大臣（防災担当）|内閣府特命担当大臣（防災）]]の[[井上喜一]]が[[佐世保小6女児同級生殺害事件]]について「元気な女性が多くなってきたということですかな」などと発言したため、問題の本質から外れているとして批判を浴びた。この発言を受けて、谷垣は[[6月5日]]に[[岡山市]]で行った講演で、「弁護するわけではないが、私の若い頃は、放火は女性の[[犯罪]]。もちろん男もあるが、どちらかというと女の犯罪。[[カッターナイフ]]で切るのは原則的に大人の男の犯罪」などと発言し、軽率な発言として批判された。

;公職選挙法違反疑惑 
[[日本共産党]]の機関紙[[しんぶん赤旗]]に、2009年の第45回衆議院議員総選挙において、2人に1万1000円を提供したと報じられた<ref>しんぶん赤旗　2009年9月16日</ref>。

== 人物 ==
* 身長176cm、体重80kg、血液型O型。座右の銘は「信を問う」{{要出典|date=2014年6月}}。
* [[麻布中学校・高等学校|麻布中学校]]時代は[[剣道]]部、[[麻布中学校・高等学校|麻布高等学校]]時代は[[山岳]]部に所属。いずれにおいても部活の先輩であった[[橋本龍太郎]]に指導を受けた。その縁で、橋本龍太郎が会長を務めていた日本山岳ガイド協会の会長を橋本から引き継いだ。東京大学入学後も[[東京大学運動会スキー山岳部|スキー山岳部]]に入部し、活動にのめり込んで[[留年]]したり 、[[旧司法試験|司法試験]]で何度も不合格になる等、苦労人的なエピソードも持っている。他の趣味は[[落語]]鑑賞、[[サイクリング]]。サイクリングには[[ロードバイク]]や[[マウンテンバイク]]を愛用し、何度も[[ロードレース (自転車競技)|ロードレース]]に参加し好タイムで完走している。ただ、[[2009年]]にはサイクリング中に転倒し、ケガをした<ref name="sankei20091124">[http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091124/stt0911241052001-n1.htm 自転車事故の自民・谷垣総裁が活動再開] 産経新聞  (2009年11月24日) 2009年12月1日閲覧。{{リンク切れ|date=2011年3月}}</ref>。政界でも指折りの[[自転車]]愛好者で、自転車活用推進議員連盟と[[日本サイクリング協会]]の会長を務め、協会公式サイトの「会長の新年ご挨拶」ページにはヘルメットにレーサージャージ姿の自身の[[写真]]を載せたり<ref>[http://www.j-cycling.org/news/120101.html 2012年を迎えて　谷垣禎一会長挨拶] 日本サイクリング協会公式サイト</ref>、総裁就任後は[[選挙]]応援や地方遊説にも自転車を活用している<ref name="sankei20091115">[http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091115/stt0911151824003-n1.htm 谷垣総裁が自転車事故] 産経新聞 (2009年11月15日) 2009年12月1日閲覧。{{リンク切れ|date=2011年3月}}</ref>。自転車関連でのメディア露出も多く、例えばムック本『イエローバイシクル [http://tanigaki-s.net/private/index.php][http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=3662837&x=B]』では、111.28kmの距離（いわゆる「ロングライド」の距離である）を同誌編集長と共に自転車で走りながら語り合う前代未聞の[[インタビュー]]を受けたり、単行本『自転車会議』では共著者に名を連ねたりしている。
* [[東京大学]][[法学部]]には、1年間の浪人生活を経て進学している。同期には[[弁護士]]で、[[衆議院議員]]や[[内閣官房長官]]を務めた[[仙谷由人]]がおり（ただし仙谷は現役で合格している）、当時の縁から現在でも冗談を交わすこともある仲だという<ref name="mizuuchi-seiron">[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111030/stt11103018000001-n2.htm 「谷垣氏『亡妻愛した店で誓う来年解散』」（2/7ページ）] MSN産経ニュース（[[産経新聞]]）のプレミアム特集コーナー「水内茂幸の夜の政論」第5回の記事より。</ref>。また、2011年6月に死別した佳子夫人とは、法学部在籍中に通っていた司法試験合格を目指す[[予備校]]で出会って以来の仲<ref name="mizuuchi-seiron"/>。
* 学生時代から[[弁護士]]志望で政界入りの意欲は持っておらず、父・専一からも「こういう仕事は世襲じゃないんだから、お前は継ぐな」と言われていたが、[[1983年]][[6月27日]]に父が急逝。当時[[株主総会]]の集中日で弁護士として多忙を極めていた所を後援会から「[[ホテル]]で缶詰め」にされ、「[[警察]]の取り調べのように」出馬を要請された。7月3日に出馬を承諾、8月7日に[[補欠選挙]]で当選する慌ただしさだった<ref>『[[週刊文春]]』2003年9月11日号・[[阿川佐和子]]との対談より。</ref>。なお、日本の歴史上で「弁護士経験者たる内閣総理大臣」は初代[[日本社会党委員長]][[片山哲]]と初代自由民主党総裁[[鳩山一郎]]のみ、「弁護士経験者たる自由民主党総裁」は鳩山一郎と谷垣のみである{{要出典|date=2014年6月}}。
* 愛読書は[[四書五経]]など[[中国]]の古典や[[宋 (王朝)|宋]]代の詩人・[[蘇軾]]の漢詩などで、しばしば中国の[[故事]]を引用する。また読書を巡るインタビューでは、[[竹越与三郎]]の『二千五百年史』、[[田口卯吉]]の『[[日本開化小史]]』、[[北畠親房]]『[[神皇正統記]]』、[[新井白石]]『[[読史余論]]』といった史論への嗜好を語っている<ref>[[早野透]]『政治家の本棚』[[朝日新聞社]]290頁</ref>。
* [[キリスト教]]系の政財官界人の親睦会「インターナショナル・VIP・クラブ」の講師を務め、「[[国会議員]]が集まって聖書を読みながら祈る会」を発足させたメンバー議員の1人。
* [[ワイン]]愛好家で名誉[[ソムリエ]]の称号を持つ{{要出典|date=2014年6月}}。ただし、かつての宏池会の同僚議員であった[[森田一]]によればワインは蘊蓄派というよりガブ呑み派の酒豪だという{{要出典|date=2014年6月}}。
* [[読売巨人軍|巨人軍]]の熱烈なファンであり、[[東京ドーム]]で野球観戦する際には[[プロ野球選手]]のプレーに批評を加えるほど<ref>[http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05970.HTML 森田一氏が語る「谷垣禎一論」] 森田実の言わねばならぬ 2010年1月11日付</ref>。
* [[1996年]]に『[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]』が企画した「現役政治部記者が選ぶ21世紀のリーダー」では3位に選出され（1位は[[鳩山由紀夫]]）、そこでは「[[政策]]通でありながら[[議院運営委員会|議運]]・[[国会対策委員会|国対]]で汗をかける政治家」として評価されている。また[[読売新聞]]が[[2001年]]にキャリア官僚100人を対象に実施したアンケート（2001年1月に紙面掲載）によれば、「2010年に活躍が予想される政治家」で1位（2位[[石原伸晃]]、3位[[額賀福志郎]]）、「21世紀中に首相になって欲しい政治家」では石原と共に1位に選ばれている<ref>『読売新聞』 2001年1月6日</ref>。
* [[2000年]]の[[加藤の乱]]に際しては、[[加藤紘一]]・[[山崎拓]]に同調。しかし[[清和政策研究会|森派]]や[[平成研究会|橋本派]]の切り崩しにより造反の動きは鈍り、加藤、山崎の2人だけで不信任案への賛成票を投じに行こうとする加藤にすがりついて「'''加藤先生、大将なんだから！ 一人で突撃なんてダメですよ！ 加藤先生が突撃するときは俺たちだってついて行くんだから！大将は自重しなきゃダメですよ！'''」と涙ながらに慰留するシーンが話題になった。{{main|加藤の乱#「大将なんだから」}}
* 尊敬する歴史上の[[政治家]]は[[聖徳太子]]。影響を受けた政治家は[[宮澤喜一]]<ref>『朝日新聞』 2010年8月28日15面</ref>。

=== 買春疑惑と裁判勝訴 ===
[[週刊文春]]（2005年12月8日号）で[[1988年]]に[[中華人民共和国]]を訪問中に女性を[[買春]]し、[[中華人民共和国の警察|中国公安当局]]に尋問されたと報じられた<ref>「【[[花田紀凱]]の週刊誌ウォッチング】『週刊文春』（12月8日号）の「谷垣禎一財務大臣　中国人女性『買春』疑惑」[[産経新聞]] 2005年[[12月3日]]</ref><ref>「最大野党トップまでもが中国に負い目!?　谷垣・自民党総裁が嵌った「ハニー・トラップ」 鹿島圭介」[[新潮45]] 2009/11月号</ref>。これを受けて谷垣は名誉を棄損されたとして、謝罪広告の掲載と2200万円の[[損害賠償]]を求めて週刊文春の発行元である[[文藝春秋]]側を[[提訴]]<ref>[http://www.47news.jp/CN/200512/CN2005121201001159.html 谷垣財務相が文春を提訴 名誉棄損と損害賠償求め].[[47NEWS]].[[共同通信社]] (2005年12月12日) 2010年3月24日閲覧。</ref>。1審（[[東京地方裁判所|東京地裁]]）は[[名誉棄損]]の成立を認めて文藝春秋側に330万円の支払いを命じ<ref>文藝春秋に330万円賠償命令　谷垣前財務相への名誉棄損で [[フジサンケイ ビジネスアイ]] 2007年7月10日</ref>、2審（[[東京高等裁判所|東京高裁]]）では1審[[判決]]を支持した上で賠償額を220万円に減額<ref>[http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008052901000646.html 2審は文春の賠償減額 名誉棄損で谷垣氏勝訴].47NEWS.共同通信社 (2006年11月11日) 2010年3月24日閲覧。
</ref>。その後[[最高裁判所 (日本)|最高裁]]は文藝春秋側の[[上告]]を棄却し、2審判決が確定した<ref>[http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111101000912.html 谷垣元国交相の勝訴確定 中国買春報道].47NEWS.共同通信社 (2008年11月11日) 2010年3月24日閲覧。</ref>。

== 年譜 ==
* [[1963年]] [[麻布中学校・高等学校|麻布高等学校]]卒業。
* [[1972年]] 東京大学法学部卒業。以後断続的に父・専一の秘書を務める。
* [[1979年]] [[旧司法試験|司法試験]]合格。
* [[1982年]] [[司法修習]]34期（同期に[[山口那津男]]、[[伊東秀子]]、[[千葉景子]]、[[松野信夫]]）修了し弁護士登録。
* [[1983年]] [[野中広務#中央政界へ進出|旧京都2区補選]]において[[衆議院議員]]に初当選。
* [[1986年]] [[衆議院]][[議事進行係]]に就任。
* [[1988年]] 郵政政務次官に就任。
* [[1990年]] 防衛政務次官に就任。
* [[1991年]] 衆院逓信委員長に就任。
* [[1995年]] 衆院議運委員長に就任。
* [[1996年]] 自由民主党総務局長に就任。
* [[1997年]][[9月11日]] 科学技術庁長官に就任（翌年[[7月30日]]まで）。
* [[1998年]] 大蔵政務次官に就任。
* [[2000年]][[2月25日]] 金融再生委員会委員長に就任（同年[[7月4日]]まで）。
* 2000年[[11月21日]] 「[[加藤の乱]]」に際し、派閥の会長であった[[加藤紘一]]に同調。
* [[2002年]][[9月30日]] 国家公安委員会委員長に就任（～2003年[[9月22日]]）。
* 2002年[[11月8日]] 産業再生機構（仮称）担当大臣兼務（前同。2003年[[4月10日]]、呼称から「（仮称）」が外れる）。
* [[2003年]][[7月1日]] 食品安全担当大臣兼務（前同）。
* 2003年[[9月22日]] 財務大臣に就任（[[第1次小泉第2次改造内閣]]）。
* 2003年[[11月19日]] 財務大臣に再任（[[第2次小泉内閣]]、[[第2次小泉改造内閣]]）。
* [[2005年]][[9月21日]] 財務大臣に再任（[[第3次小泉内閣]]、[[第3次小泉改造内閣]]）。
* 2005年[[9月26日]] [[宏池会 (谷垣派)|宏池会]]会長に就任。
* [[2006年]]9月 [[2006年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]に出馬、3位。
* 2006年10月 [[自由民主党総務会|自民党総務]]に就任。
* [[2007年]]9月 [[自由民主党政務調査会|自由民主党政務調査会長]]に就任。
* [[2008年]][[5月13日]] 旧[[谷垣派]]と旧[[古賀派]]の合流に伴い、[[宏池会]]の代表世話人に就任。
* 2008年[[8月2日]] [[国土交通大臣]]に就任。（[[福田康夫内閣改造内閣]]）
* [[2009年]][[9月28日]] [[2009年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]で当選し[[自由民主党総裁]]に就任。
* [[2012年]][[9月10日]] [[2012年自由民主党総裁選挙|自由民主党総裁選挙]]への不出馬を表明。
* 2012年[[12月26日]] 法務大臣に就任（[[第2次安倍内閣]]）。
* [[2014年]][[9月3日]] [[自由民主党幹事長]]に就任。

== 家族・親族 ==
=== 谷垣家 ===
;（[[京都府]][[福知山市]]、[[東京都]]）
* 祖父・'''松次郎'''
:[[兵庫県]]黒井村(現:[[丹波市]])の出身で、生家は[[小間物]]屋<ref name="Bungeip382">『[[文藝春秋]]』（2011年、12月号）382頁</ref>。父が早世して実家が没落<ref name="Bungeip382"/>。小学校を終えると、酒造見習いの[[丁稚]]となった<ref name="Bungeip382"/>。数えの19歳で京都府福知山に移り住み、[[呉服]]や[[素麺]]の[[行商]]から身を起こして、焼酎、味醂、清酒の製造を手掛け、1926年（大正15年）4月に数えの52歳で亡くなった<ref name="Bungeip382"/>。趣味や遊びは一切せず、商売に心血を注ぎ、学問を独学で続けた<ref name="Bungeip382"/>。[[みりん|味醂]]や[[酒]]の[[醸造]]に成功できたのも独学で醸造学を学んだからだった<ref name="Bungeip382"/>。
* 父・'''[[谷垣専一|専一]]'''（農林[[官僚]]、[[政治家]]）'''
:松次郎の五男が専一である<ref name="Bungeip382"/>。福知山中学から第三高等学校を経て、[[東京帝国大学]]法学部法律学科へ進む<ref name="Bungeip383">『文藝春秋』（2011年、12月号）383頁</ref>。1936年（昭和11年）、農林省に入省<ref name="Bungeip383"/>。[[満州国]]に[[出向]]し、そこで[[影佐禎昭]]の娘、安紀と[[見合い]]し、1944年（昭和19年）に結婚<ref name="Bungeip383"/>。翌、1945年（昭和20年）3月7日、長男誕生<ref name="Bungeip383"/>。奇しくも、[[影佐禎昭]]と同じ誕生日だった<ref name="Bungeip383"/>。専一は岳父の名から一字を取り「禎一」と名付けた<ref name="Bungeip383"/>。1958年（昭和33年）に農林省を辞職<ref name="Bungeip385">『文藝春秋』（2011年、12月号）385頁</ref>。、[[農林中央金庫]]の監事になっていたが、福知山出身の[[芦田均]]元首相が死去したので、後任に地元の人が専一を衆院選に担ぎ出した<ref name="Bungeip385"/>。大平内閣で文部大臣になった<ref name="Bungeip385"/>。
* 母・'''安紀'''（[[影佐禎昭]][[大日本帝国陸軍|陸軍]][[中将]]の娘）
* 弟・'''信行'''（谷垣禎一秘書）

* 妻・'''佳子'''
:2011年[[6月13日]]入院先の病院で死去。66歳<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110613-OYT1T00331.htm 谷垣自民党総裁の妻、佳子さん死去] YOMIURI ONLINE 2011年6月13日</ref>。
* 二女あり

=== 親戚 ===
* 従兄・'''[[八木靖浩]]'''（[[川崎製鉄]]社長）

== 所属団体・議員連盟 ==
* [[自民党ネットサポーターズクラブ]]（最高顧問）
* [[新憲法制定議員同盟]]（顧問）
* [[地下式原子力発電所政策推進議員連盟]]（顧問）
* [[天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟]]（常任幹事）
* [[日韓議員連盟]]（常任幹事）
* [[日本会議国会議員懇談会]]（相談役）
* [[財団法人]]自由民主会館（理事長）
* [[日本サイクリング協会]]（会長）
* 自転車活用推進議員連盟（会長）
* 社団法人日本[[蕎麦]]協会（会長）
* [[みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会]]
* [[神道政治連盟国会議員懇談会]]
* [[たばこと健康を考える議員連盟]]

== TV出演 ==
* [[西部邁ゼミナール〜戦後タブーをけっとばせ〜|西部邁ゼミナール]]（[[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]）
::{| class="wikitable"
!|タイトル
!|放送日
|-
|[http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20120630 自民党よ、なぜ奪権しないのか【1】]
|2012年6月30日
|-
|[http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20120707 自民党よ、なぜ奪権しないのか【2】　この国どう守るか]
|2012年7月7日
|}

* [[空から日本を見てみよう]]　[[国道246号線]]編　（[[テレビ東京]]）

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|3}}

== 関連項目 ==
* [[自由民主党総裁]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Sadakazu Tanigaki}}
* [http://www.tanigaki-s.net/ 谷垣禎一公式サイト]（公式サイト）
* {{Twitter|tanigaki_s|谷垣禎一}}
* [https://www.kyoto-jimin.jp/ 自由民主党京都府支部連合会]
* [http://www.mof.go.jp/kaiken/my686.htm 谷垣財務大臣閣議後記者会見の概要]

{{デフォルトソート:たにかき さたかす}}
[[Category:日本の閣僚経験者]]
[[Category:自由民主党総裁]]
[[Category:京都府選出の衆議院議員]]
[[Category:自由民主党の衆議院議員]]
[[Category:日本の反共主義者]]
[[Category:日本の弁護士]]
[[Category:日本の財政家]]
[[Category:日本遺族会の人物]]
[[Category:日本会議の人物]]
[[Category:神道政治連盟の人物]]
[[Category:東京大学出身の人物]]
[[Category:京都府出身の人物]]
[[Category:1945年生]]
[[Category:存命人物]]