総括
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総括(そうかつ)とは、本来は全体を取り纏める事だが、特に戦後史においては日本の新左翼党派である連合赤軍の山岳ベース事件での同志に対するリンチ殺害を「総括」と呼ぶ。ただし、連合赤軍自身はこれを「共産主義化」と呼んでいた。
概要[編集]
左翼団体において、取り組んでいた闘争が一段落したときに、これまでの活動を締めくくるために行う活動報告のことを「総括」と言っていた。闘争の成果や反省点について明らかにし、これからの活動につなげていく。工業界でいうところのPDCAサイクルの「C(点検・評価)」に相当する。
ところが連合赤軍では、「真の革命戦士となるために反省を促す」と称して行なわれたリンチ殺人を意味することになった。
連合赤軍は、共に武闘派路線であった赤軍派と京浜安保共闘が「連合」してできた組織であるが、その思想や体質には様々な相違点があった。
彼らの主観では、「総括」とは「革命戦士に成長させるための試練」というつもりであったが、この「総括」を受けて生還し、革命戦士として成長した者は居らず、結局は凄惨な連続殺人へと突き進んで行った。
なお、事件中には「総括しろ!」等の言葉が用いられてはいたが、連合赤軍の元メンバーら自身は一連のリンチ殺人やその元となった理論を「共産主義化」と呼んでおり、「総括」という言葉自体は事件後も左翼団体における通常の意味で用いている。
オウム真理教との類似点[編集]
殺人を正当化する連合赤軍の総括は、23年後に発覚するオウム真理教の「ポア」との類似性がしばしば指摘される。
パトリシア・スタインホフと伊東良徳の共著『連合赤軍とオウム真理教 ―日本社会を語る』や田原総一朗著の『連合赤軍とオウム ―わが内なるアルカイダ』など、この問題を扱った書籍がこれまでに発刊されている。