白瑠璃碗
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白瑠璃碗(はくるりのわん,Glass Bowl)は奈良県奈良市の正倉院に伝わるカットガラスの碗である。出陳回数が多く、人気の宝物である。
概要[編集]
透明でごく薄い褐色味のついたカットグラスの碗である。土に埋もれたことがないので、ガラスが鮮明である。
構成[編集]
外形に円形切子を連続して刻んだカットグラスである。凹レンズ状に刻まれた切子に対面する切子模様が写り込む視覚効果が美しい。上下互い違いに凹レンが配列され、ハチの巣のように見える。底部中央に大き目の切子を配する。円形切子の数は全部で80ある。イラン高原北西部のギラン州より類例が多く出土する。ササン朝ペルシャで5世紀から6世紀に作られたと考えられる。シルクロードを経由して日本に渡来した。
類例[編集]
組成[編集]
ササン朝ペルシアで作られたガラスをササンガラスという。古代オリエントで作られたガラスの化学組成に近くマグネシウム、カリウムを多く含み、ササンガラスはソーダ石灰ガラスである。
展示歴[編集]
- 1940年 - 皇紀2600年記念正倉院御物特別展
- 1946年 - 第1回
- 1959年 – 正倉院宝物展(東京国立博物館)
- 1964年 - 第17回
- 1975年 - 第28回
- 1981年 - 特別展『正倉院宝物』(東京国立博物館)
- 1990年 - 第42回
- 1995年 - 第47回
- 2008年 - 第60回
- 2019年 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(東京国立博物館)