メアリー・ヘンリエッタ・ステュアート
（アンソニー・ヴァン・ダイク、1641年）
メアリー・ヘンリエッタ・ステュアート （Mary Henrietta Stuart, The Princess Royal, 1631年11月4日 - 1660年12月24日）は、オラニエ公ヴィレム2世（オランダ総督）の妻。
イングランド・スコットランド王チャールズ1世と王妃ヘンリエッタ・マリアの長女として、ロンドンのセント・ジェームズ宮殿で生まれた。1642年、イギリス王室最初の「プリンセス・ロイヤル」の称号をチャールズ1世から授けられた。この称号は、フランス王女だったヘンリエッタ・マリアが、故国で王の長女に授けられる「マダム・ロワイヤル」（Madame Royale）と同じものを、メアリーに授けて欲しいと願ったことから、王が創設した。
1647年、夫ヴィレム2世がオランダ総督に就任した。しかしそのわずか3年後の1650年11月、ヴィレム2世は天然痘を発症しアムステルダムで隔離された。夫が亡くなってわずか1週間後、メアリーは長男ヴィレム3世（のちのイングランド・スコットランド王ウィリアム3世）を出産した。彼女は義母アマリア、ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルム（ヴィレム2世の妹婿）とともに、幼児ヴィレムの後見者となった。
メアリーは、彼女を頼って亡命してきたステュアート家の王族を厚遇したため、オランダで人気がなかった。そのうち、国民はチャールズ2世と王弟ヨーク公（のちのジェームズ2世）をメアリーが支援するのを怒るようになり、縁者を受け入れるのを禁じられた。1654年から3年間、メアリーはオランダ国外で過ごさなくてはならなかった。1657年にメアリーはオランダ摂政となったが、隣国の支配を狙うフランス王ルイ14世がたびたび介入するため、困難な統治を強いられた。
イングランドで王政復古がかなうと、オランダでのメアリーとオラニエ公ヴィレム3世の立場は、劇的に好転した。1660年9月、メアリーは故国へ帰国。彼女は夫と同じく天然痘に倒れ、ホワイトホール宮殿で死去。ウェストミンスター寺院に葬られた。de:Maria Henrietta Stuartes:María Enriqueta Estuardo nl:Maria Henriëtte Stuart pl:Maria Stuart (księżna Oranii) sv:Maria, prinsessa av Oranien
