アーリーン・オジェー

アーリーン・オジェー（Arleen Auger, 1939年9月13日 - 1993年6月10日）は、アメリカのソプラノ歌手。

カリフォルニア州サウスゲートの出身。幼少期からピアノとヴァイオリンに親しみ、地元の聖歌隊で歌うこともあったが、当初は音楽の道に進むつもりはなかったという。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に進学して教育の学位を取得し、1963年に卒業後は４年ほど小学校教師としてシカゴ、デンバーとロサンゼルスを転々としていた。シカゴでの教師生活中に声楽教師のラルフ・エローレと知り合って声楽を学ぶようになり、1967年にヴィクター・フックス声楽コンクールで優勝している。このコンクールの景品の一つとしてウィーン・フォルクスオーパーのオーディションへの挑戦があり、そのオーディションを聴きに来ていたヨーゼフ・クリップスに抜擢され、降板したルチア・ポップの代役としてウィーン国立歌劇場の《魔笛》の夜の女王役を歌い、成功を収めた。以来、1974年までウィーン国立歌劇場の専属歌手として活動し、その後はヨーロッパ各地の歌劇場に出演して名声を高めた。また後進の指導にも熱心に取り組み、1987年までフランクフルト音楽大学で教鞭を執った。1984年にニューヨークのアリス・タリー・ホールでリサイタルを開いてアメリカ・デビューを果たしてからは、アメリカでも活動するようになった。

オランダのアムステルダム近郊ルースデンにて死去。