新型コロナウイルス感染症

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新型コロナウイルス感染症(しんがたころなういるすかんせんしょう)は新型コロナウイルスによって起こされる感染症の症状である。「COVID‑19」ともいう。

概要[編集]

新型コロナウイルス感染症は新型コロナウイルス(ウィルスの正式名は「SARS-CoV-2」)により引き起こされる感染症(症状)の正式名称(WHOが決定したもの)である。 病原体はベータコロナウイルス属のコロナウイルスである。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は人間や動物に感染するウイルスであり、ヒトに感染することが知られている7番目のコロナウイルスである。 急性呼吸器症候群により重症化することがある。

おもな症状[編集]

典型的な症状は発熱、全身の倦怠感等の感冒様の症状であるが、肺炎頭痛下痢結膜炎嗅覚障害味覚障害等を伴うことがある。2020年6月以降に診断された人では、次の特徴がある。

  • ①重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、
  • ②死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)

とされる[1]。 重症化するころは、過剰な炎症反応が主病態となる。

届出義務[編集]

感染が疑われる患者の要件に当てはまる場合で、新型コロナウイルス感染症と診断した場合には、法第122条第1項の規定による届出を行うことが医師の義務となる。

風邪、インフルエンザとの比較[編集]

風邪とインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の比較[編集]

風邪と初期症状が似ているため区別しにくいことがある。かぜ(普通感冒)とインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の違いを以下に整理比較する。 かぜ、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の違い[2]は以下の通り。

比較 新型コロナウイルス感染症 かぜ(普通感冒) インフルエンザ
感染経路 飛沫感染 飛沫感染 接触または飛沫感染
感染力 かなり強い あまり強くない 強い
症状の現れ方 急激に重症化することがある ゆるやか 急激に進行する
発熱 よくある 時々・微熱多し よくある(38℃以上)
下痢 時々 なし ときどき
体調変化 頭痛/倦怠感/食欲不振/味覚・嗅覚障害 くしゃみ/鼻みず/せき/のど痛 関節痛/筋肉痛/頭痛/悪寒
味覚・嗅覚障害 よくある ときどき まれ
消化器症状 現れやすい まれ 時々ある
治療方法 酸素投与.ECMO/投薬 対症療法中心 抗インフルエンザ薬
治癒期間 長いと半年 多くは1週間程度 多くは1週間程度
潜伏期間 3日から7日 5~6日 1~3日間

治療薬[編集]

アメリカの製薬大手メルクが開発した「モルヌピラビル」は新型コロナウイルスの重症化を防ぐ最初の飲み薬で、2021年12月24日に国内で使用承認された。 現在承認されている治療薬は以下の通り[3]

一般名 販売名 製造販売元 効果
レムデシビル ベクルリー ギリアド 抗ウイルス薬
デキサメタゾン デカドロン 日医工 抗炎症薬
バリシチニブ オルミエント イーライリリー 抗炎症薬
カシリビマブ ロナブリーブ 中外製薬 中和抗体
ソトロビマブ ゼビュディ グラクソ・スミスクライン 中和抗体
モヌルビマブル ラゲブリオ グラクソ・スミスクライン 抗ウイルス薬
トシリズマブ アクテムラ 中外製薬 抗IL-6R抗体

感染経路[編集]

咳や会話によって生じる「しぶき」を吸うことによる飛沫感染が多い。換気の悪い室内環境では、咳・くしゃみ等がなくても感染(空気感染)する。感染力は発症直後に最も強く、発症後8日から弱まる傾向がある。

症状の定義[編集]

症状 臨床 酸素飽和度 インフルエンザ
軽症 呼吸器症状なし SpO2>= 96% 多くは自然軽快するが,急速に病状 が進行することあり
中等症Ⅰ 呼吸困難,肺炎所見 93% < SpO2 <96% 入院し慎重観察
中等症Ⅱ 酸素投与必要 SpO2<=93% 呼吸不全の原因を推定する
重 症 人工呼吸非必要    L 型:肺はやわらかく,換気量が増加、H 型:肺水腫で,ECMO の導入を検討

重症化リスク因子[編集]

  • 65 歳以上の高齢者
  • 悪性腫瘍
  • 慢性閉塞性肺疾患 (COPD)
  • 慢性腎臓病
  • 慢性腎臓病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 肥満 (BMI 30 以上 )
  • 喫煙
  • 固形臓器移植後の免疫不全
  • 妊娠後期

==注==