広告代理店

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広告代理店(こうこくだいりてん)とは、広告を扱う会社の総称である。

概説[編集]

業態[編集]

メディアの広告枠を広告主(クライアント、顧客)に売り、手数料(コミッション)を得るというのが基本的企業形態である。従来は純粋にそれだけを行っていたが、時代とともにその役割は広がっており、その枠に載せる広告を制作指示するのも広告代理店の業務となっている。制作部門を持つ広告代理店の場合は、制作部門が広告制作会社と共に行う。また顧客企業の商品開発、顧客企業や取り扱う製品のイメージの構築(CIなど)、イベントのプロデュースあるいは運営を行っている。

世間ではプランニングと認知されているが、広告業界では原音に近いプラニングplanning)と呼称することが一般的である。

世界の主な広告代理店グループ[編集]

日本における広告代理店[編集]

広告代理店の種類[編集]

広告代理店はいくつかのタイプに分けることができる。

総合広告代理店
あらゆるメディアに全方位で対処していく。大手の総合広告代理店は傘下に製作会社や分野を特化した広告代理店を子会社として持っていて、それらを連結してグループを形成している。主な該当企業は電通博報堂アサツー ディ・ケイ大広読売広告社朝日広告社など。
専門広告代理店
大きくはないが、特定の分野に秀でている特長を持っている。主な該当企業はオプトサイバーエージェントセプテーニなど。
ハウス・エージェンシー
広告会社を除く親会社の宣伝活動の補佐のために存在する事業子会社。鉄道会社の多くがハウスエージェンシーを持っていて、こういったハウスエージェンシーは親会社が保有する広告媒体の管理を行っている場合が多い。総合広告代理店として知られる東急エージェンシーも元は東急のハウスエージェンシーであった。主な該当企業はジェイアール東日本企画ジェイアール東海エージェンシーJR西日本コミュニケーションズ、、デルフィスフロンテッジ京王エージェンシー小田急エージェンシーなど。

外資系広告代理店・クライアントの場合[編集]

クライアントが国内系企業の場合、1ブランドに対しては1つの総合広告代理店が川上から川下まで担当するのがほとんどだが、クライアントが外資系の場合、ブランディング、広告制作、メディアプランニング(バイイング)、イベントなどが各専門の広告代理店に分化され複数の代理店がチームを組んでブランドの広告を考えることもある。

また日本で活動する外資系企業は、世界的規模で活動する日本の広告代理店が皆無であることから、担当する広告代理店もグローバルで契約した外資系広告代理店が多く、外資対外資の場合では契約形態はコミッション制ではなく、フィー制度のとなるのがほとんどである。

外資系広告代理店は役割に応じて、以下のように区別される。

  • ブランドエージェンシー(ブランディング)
  • クリエイティブエージェンシー(広告クリエイティブ)
  • メディアエージェンシー(メディアプランニング、バイイング)
  • BTLエージェンシー(イベント、WEB、SPなど)

(なお、ブランドエージェンシーがクリエイティブエージェンシーを兼務する場合がほとんどである)

主な外資系広告代理店で、日本国内に拠点がある会社に、以下の会社がある(世界の売上高順2009年-2010年)

  • Havas Surenes(アヴァス)
    • Euro RSCG(ユーロアールエスシージー)
  • Allliance Data Systems(アライアンス データ)
    • Epsilon International (エプシロンインターナショナル)
  • FCB(エフシービー)
  • ファロン
  • BBH(ビービーエイチ)
  • Wieden+Kennedy Tokyo(ワイデンアンドケネディトウキョウ)

などがある。

批判[編集]

一業種一社制の無視[編集]

日本と海外の広告代理店を比較してよく批判されるのは、海外のほとんどの先進国で見られる「一業種一社制」の原則が日本には見られないことである[1]「一業種一社制」とは1つの広告代理店が同時に2つ以上の競合(同業種他社)会社の広告を担当しないという、社会的モラルも含んだ制度であり、これは「同広告代理店が競合他社の製品の購買も促進する」という矛盾の防止が目的である。

例えば日本の自動車会社の広告を見ると、電通はホンダトヨタ自動車・傘下のダイハツ工業を始めとする大半の競合自動車メーカー、博報堂も日産自動車マツダなど、というように競合する他社同士の広告を同時に担当することで、顧客企業が開発を進める新製品の機密情報の保守や、競合メーカーの商品購買も誘導しているなどの観点からしばしば問題に上がる。

その結果、同業他社のいかんを問わず、様々な業種の大企業を一手に顧客に収める電通や博報堂、ADKなどの主要な広告代理店が強大な媒体力を保持してしまい[2]、自由競争が損なわれているため、広告代理店の売上げ順位どころか売上げの比率もほとんど変化しないこと。媒体露出量に依存し、「一業種一社制」の元で競争が激しい海外市場に目が向かなくなることが、日本の広告代理店の国際競争力が低い原因の一つに挙げられる。例えば電通は、単体で世界最大の広告代理店にもかかわらず、世界的な認知度はほとんどない。

業務体質[編集]

また、一部の広告代理店は、過労自殺した社員の親族が「社員の安全配慮義務を怠った」「残業手当が支払われていない」などで会社を相手に損害賠償を請求し裁判を起こしたことに象徴される、過酷な勤務状況でよく知られている[3][4]。現在は大手代理店は過大残業を見直し、アウトソーシングによって大幅に減らしていこうと努力しているが、これにより制作プロダクションは一層の激務を要求されることになり、本質的な問題の解決には至っていない[5]

テレビ番組・映画制作[編集]

広告代理店はテレビドラマアニメ、映画の制作においてもスポンサーとして強大な影響力を持つ。特にキー局(テレビ局)の制作費に頼らず出資者を募る製作委員会方式が主流になり、放送枠の買い取り方式が中心となっている現在のアニメ産業では重要な地位を占めている。しかし、一部では製作費の一部を広告代理店が確保し、番組や映画の制作費が十分に確保できないとの批判もある[6]。広告代理店が「手数料」などの名目で中間搾取をしている、と呼ばれる一つの例である。

比較広告[編集]

極めて少数の反対意見でも、広告掲載中止などの大がかりな事態になる場合があるため、比較広告も日本ではこういった理由から、あまり制作されない[7]

主な広告代理店[編集]

代理店売上高ランキング[編集]

(2012年国内売上高順、広告経済研究所「広告と経済」2013年4月21日発行より)

  • 1位 - 電通(電通グループ)
  • 2位 - 博報堂(博報堂DYホールディングス)
  • 3位 - アサツー ディ・ケイ(WPPグループ)
  • 4位 - 大広(博報堂DYホールディングス)
  • 5位 - ジェイアール東日本企画JR東日本グループ)
  • 6位 - 東急エージェンシー(東急グループ
  • 7位 - 読売広告社(博報堂DYホールディングス)
  • 8位 - 朝日広告社(朝日新聞グループ)
  • 9位 - 電通東日本(電通グループ)
  • 10位 - フロンテッジ(電通グループ)

脚注[編集]

  1. 広告業界一業種一社制の不採用問題
  2. TBWAやG1単体で日本進出をしなかったのもそのため
  3. 八木光恵 (1993) 八木光恵 [ さよならも言わないで ] 双葉文庫 双葉社 1993 4575710407
  4. ホイチョイプロダクションズ (2007) ホイチョイプロダクションズ [ 気まぐれコンセプトクロニクル : Big comic spirits presents ] 小学館 2007 9784093590020
  5. Q.残業は多いのか。休日は休めるのか。
  6. 経済産業省文化情報関連産業課 『アニメーション産業の現状経済産業省、2003年6月。「4.テレビアニメーション番組ビジネス(例)」を参照のこと。
  7. 嫌われたくない病

関連項目[編集]

外部リンク[編集]