学歴

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学歴(がくれき)とはあるが学んできた経歴の事である。

以下では特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。

用法[編集]

日本において日常生活で「学歴」という語を用いる時はその人の卒業・修了・退学した学校の経歴である学校歴(がっこうれき)の事を表わす事も多い。

その人が学んだ学校のうち、最上位の学校の経歴を最終学歴(さいしゅうがくれき)といい、一般的に「学歴」と言うと「最終学歴」のことを指すことが多い。最終学歴は「大学の卒業」、「高等学校卒業」などのように学校の種類と卒業修了中退退学などの別を用いて表す事が多い。

日本では学歴が中学校卒業の場合を中卒(ちゅうそつ)、高等学校卒業の場合を高卒(こうそつ)、高等専門学校卒業の場合を高専卒(こうせんそつ)、専修学校専門課程卒業の場合を専門卒(せんもんそつ)、短期大学卒業の場合を短大卒(たんだいそつ)、大学学部卒業の場合を大卒(だいそつ)もしくは学卒(がくそつ)、大学院修了の場合を院卒(いんそつ)もしくは院了(いんりょう)と略して呼ぶ。ただし学卒には学校卒業の意味もある。

国語辞典などを参照しても、これらの用語自体には最終学歴という意味があるとはされていないが、日常会話などでは、最終学歴のことという前提で使用されることがある。たとえば、大学を卒業していない人物について「彼は高卒だから、出世できなかった」などと表現される場合がある。またどの様な教育機関を「学歴」の内に含むかについては論者によって微妙な違いが存在し、公式に明確な線引きは行われていない。

近年、誤った使用法として「入学難易度の高い有名大学」の卒業者や在学者のことを、「高学歴」者と呼称する事が多い。 特にバラエティー番組の回答者などに、東大・京大・早慶出身者などがいると、「高学歴回答者」などと紹介される。

オウム幹部の学歴[編集]

学歴社会[編集]

概説[編集]

学歴社会とは学歴によってどの程度の人生(就職結婚など)を送ることができるかの見通しが分かる社会。ダニエル・ヤンミン、チャン・マイミンはこのシステムをパイプラインシステムと呼んだ。

工業製品の大量生産、大量消費と、経済成長を前提とした社会においては学歴社会が有効に機能する。より良い学歴を保持する者がより良い待遇(職業や賃金などで恵まれた環境)を受ける可能性が高い。つまり、高学歴を得る事が社会的成功の確率を格段に高めるため、その後の人生を決定付けるいわばパスポートの役割を果たす。

学生にとっては以下の利点があった。

  • 希望する職に就くためにはどのくらいの学校に行けば良いかがわかりやすい(例えば、大手企業のホワイトカラーになるためには大学、中小企業の製造現場だったら工業高校など)
  • 分不相応な夢をあきらめられる(例えば、医者になりたいと思っても、医科大学に入るだけの学力がなければ無理だからあきらめられる)
  • システムには高校・大学受験という分岐点があるため、頑張って分岐点で上位の学校に行くことにより、階層上昇の機会を与えていた(頑張って親よりも良い学校を出れば、親以上の階層になることができた。親の職業等の環境と子供の学力に相関はあるが、ここで重要なのは階層上昇の「機会がある」ということ)

社会構造変化によるシステムの機能不全[編集]

だが、社会がオールドエコノミーからニューエコノミーに変わると、社会が必要とする労働者の構造が変化し、このパイプライン・システムが機能不全を起こす。

  • 物作り主体のオールドエコノミー → 情報やサービスを売るニューエコノミーへの転換
    • 大量の熟練労働者が必要な構造 → 一部の創造的な仕事をする人(高収入)と、多数の単純労働者(低収入)という構造へ

この構造変化に対し学校は追い付けていない。高い能力を求められる労働力が減る一方で、それに対応して学歴の高い卒業生が減るわけではないから結果として学歴がインフレ状態になる。

学歴がインフレ状態になり、高学歴でも将来が保証されなくなるため、努力をして高学歴となってもその努力が報われず、努力が保障されない社会となる。また、「努力をしても良い結果が出るとは限らない」状態になるが、だからといって努力をしないで良いかというとそういうわけではなく、「努力をしない(低学歴)とさらにダメな状態」となる。

学歴難民」という言葉に表徴されるように、先進国においては学歴のインフレ化が進み、高学歴を獲得しても社会的待遇が以前ほどは保障されなくなっている。特に採用の分野では、プログラミング技術など実用的能力を持つ者を即戦力として評価する企業が増えつつある。

歴史[編集]

近代以前の社会においては、人々の社会的地位や職業はその身分・家柄・財産によって定められ、世襲や血縁、地縁などを加味して人材の選抜・配置が行われた。

産業革命と市民社会が進展したイギリスにおいて、1853年東インド会社によってインド高等文官の任用が会社理事による推薦から公開競争試験に移行し、1870年にはイギリス本国高等文官にも同様の試験が導入され、試験による人材の選抜・登用が官僚のみならず各種専門職などでも行われるようになった。このような人事制度は、人々の能力・業績を公平かつ客観的に図る方法として評価され、身分制社会から社会を解放して社会問題を解決する手段として各国に普及した。

日本でも明治以後こうした試験による選抜が行われてきた。それでも明治初期は、農民層は学問を必要なものと感じておらず、商人層は読み書き算盤さえ出来ればよいとする考え方が支配的であった。農民や商人が学問に目覚めた場合、書物を読み、独学の傍ら同好の士と文通し、師を求めるといった学校によらない学習手段が一般的だった。人類学者の鳥居龍蔵植物学者の牧野富太郎もそういう方法によって研究者を志し、ついには東京帝国大学を研究の場にすることができたが、すでに大学は学歴が幅を利かせる時代となっていて、学歴を持たない彼らは差別的な扱いに苦しむこととなった。

明治30年代に入ると官僚的な組織を持った企業が増加し、高学歴者が必要とされるようになってきた。それでも大半の企業は年少者を教育して手代、番頭へと昇進させる伝統的な人事制度をとっていて、財閥企業ですら安田銀行は14歳前後の年少者を採用して教育する学歴無用の採用を自慢していた。

「学歴社会」の存在が意識されたのは1960年代である。1970年に行われたOECDの教育調査団による報告の中で、日本の教育においては「生物的出生」とともに「社会的出生」が存在し、人々の階級決定が節目ごとの入学決定によって行われているとの指摘を受けたことを機に「学歴社会」に関する論争が高まった。

学歴社会形成の要因[編集]

学歴社会は様々な要因によって形成される。

発展途上国の場合、先進国並みの経済水準や防衛力を獲得するため、その国の中で指導者的役割が担える人材を必要する。この際、目的達成に効率的な社会の仕組みとして意図的・無意図的に学歴社会が形成される。

先進国の場合、特に科学技術力の向上を目的として特定大学に重点的に予算を配分したり(例:日本のCOE計画)、次世代の知的エリート集団の養成機関を拡充・創立する(例:日本の大学院重点化やフランスのグランゼコール)といった政策で学歴社会の傾向を促進する事がある。

日本における要因[編集]

1991年4月の中央教育審議会答申では学歴重視の要因について以下のとおり述べている。

有能な人材を大量に欲していた明治初期において、学校は人材登用機関としての役割を果たしていた。「良い学校を出れば、出自(士農工商)にかかわらず良い将来が約束」され、学校は「自由と希望を与えてくれる場」であり、「社会的地位上昇のための手段」であったといえる。こうして、「学歴主義」が国民に根付いていった。

その後、(特に第二次世界大戦後における)社会制度の変更により、多くの者が進学するようになった(義務教育課程に至ってはほぼ100%)。学歴への期待は衰えることなく残っているが、その意味するところは「自由と希望」から「この学校を出ていれば、このくらいの能力がありますよというレッテル」へと変化していった。

学歴社会の実例[編集]

官僚や法曹といった社会的に大きな影響力を持つエリート職種については構成員の殆どがその国々で高い評価を得ている特定の教育機関の出身者で占められている。

例えば、フランスでは行政府の人員はほとんどがグランゼコールの出身者である。また、アメリカでもスタンフォードアイビーリーグの各大学に代表されるような名門大学の出身者は社会的地位が高い事が多い。

ヨーロッパ[編集]

エリートは上流階級によって再生産される事が多いため、学歴社会というよりも階級社会だという指摘がある。たとえば大学受験では貴族出身の子弟が優遇される場合がある。

イギリスではオックスフォード大学ケンブリッジ大学(いわゆるオックスブリッジ)など中世に創立されたアンシャン・ユニヴァシティーの6校は名門校と見なされ敷居が高い。

フランス共和国では、大学とは別のグラン・ゼコール(グランド・ゼコール)というエリート養成校を卒業した者は、企業に入ってすぐに管理職になるといった事例がある(ただし、グラン・ゼコールは一般的な他国の大学とは異なり、実学重視であり、一種のエリート専門学校である)。

日本[編集]

難関大学を卒業していれば、その学部に関わらず、あらゆる分野のエリートになる可能性が高くなる。 大企業の殆どは総務や人事、法務などの文系の部門は学部不問となっており、理工系学生も応募可能である(逆に言えば、大学での専門教育に期待していないということだろう)。

他にも、教員養成を主とした(ゼロ免課程でない)教育学部から一般企業に入社する者もいる。しかし、医学や看護学などの専門系はその分野に限定される。また各大学の評価には地域により差があり、関東圏で評価されている大学が関西では知名度が低く過小評価されることがある。また大学の評価は入学偏差値以外にもOBの活躍具合、就職での優遇、企業内での昇進率、生徒の進路の多様性、国立大学か私立大学かなど様々な要素を考えて決まるので入試偏差値で大学を選んだり、単に国立大学というだけで大学の優劣を決定する人間が多いのは偏差値ばかりを重視する偏った見方として話題にされる大学に在籍する学生からのネットの書き込みへの批判が相次いでいる。

学歴によって限定される職種があるのは事実でも、それが人生の決定的要因になっているかどうかは一概には断言出来ない。例えば、大卒者と高卒者以下との生涯年収の差が世界的に見ても小さく、賃金面で見ると学歴は必ずしも決定的要因とは言えない。先進国でこうした学歴差による賃金格差が少ないのは日本くらいという見方もある。ただし賃金格差が少ないのは経営層と労働者層の賃金格差が他国に比べて相対的に少ないためである。ただし一流企業や公的機関などには学歴による派閥(いわゆる学閥)もみられ、東京大学慶應義塾大学早稲田大学といった高学歴とされる大学の出身者が新入社員の大部分を占め、昇進なども有利といわれている(実際、官僚を一番輩出しているのは東大、一流企業の社長を一番輩出しているのは慶應である)。また有名大学出身者は安定志向が強く、アカデミックな職業に就く者も多いので、賃金以外の価値観で依然として有力大学出身者が高い地位を独占しているのは事実であり、子供をどうしても高学歴にしたいと小さい頃から塾や予備校に通わせることで学歴はあっても人間として未熟な大人が育つことへの懸念も挙がってきている。

経済のニューエコノミーへの転換や平成不況に伴い、企業が新規採用者にOJTによって職業訓練を行う余力が無くなると企業に代わって都道府県や国(独立行政法人雇用・能力開発機構による雇用保険事業)が在職者訓練として職業訓練を実施する場合がある。

また、従業員供給側の大学に職業訓練の要望が強まった結果、東大・早慶などを卒業しても一流企業に入れない者が一定数出てきている。企業の大部分が大学にアカデミックとしてではなく、就職予備校としての役割を要求する一方、上位の大学はそれに媚びる必要が無くアカデミックとしての立場を崩さないため、学生の中にはその違いに戸惑い対応できない者も存在することが要因といえる。もちろんこれらの大学卒であっても中小企業を志望する者も少なからず存在している。

アメリカ[編集]

アメリカはもっぱら最終学歴が重視される社会である。とくに学歴間の賃金格差が激しく、多くの州で高等学校在学者の多い年齢までが義務教育であるために「大卒」が中産階級の切符であるようなものである。コミュニティ・カレッジ(短大に近い二年制大学)卒業程度では一般的に地位が高いとされる職業には就くことができない。この意味ではアメリカは日本より学歴(すなわち学位)社会だといわれることもある。

一方で、アメリカの大学は認定機関から教育の質が保障されている。そのため卒業した大学の知名度が低くてもアイビーリーグに代表される一流校の大学院課程に進学する者が少なくない。また学士課程のみを置く少人数の名門教養大学であるリベラルアーツ・カレッジも数多く存在し、それらはアイビーリーグのリベラルアーツ・カレッジと互角の価値を持っている。

そして実力主義社会であり、専門性に基づく経歴が重視されるため、新卒で大企業に入るには大学で良い成績を修めるか、独自の研究成果を上げていなければならない(実績があり・即戦力たり得る場合はこの限りではない)。大学院の課程を修了し修士博士の学位を取る者が多い。

具体的には弁護士になるためにはロースクールを修了しなければならず、また企業の幹部は経営学修士号を持つことがほぼ通例である。一部の競争率の高いファーム企業では学位のみならず学校歴を重視し、ハーバードなどのアイビーリーグの大学院修了者が多数を占めていることも多い。また、新卒者の場合は履歴書に専攻・成績表などの学業実績を記載・添付することも一般的である。

また、一旦社会人になってから大学・大学院に戻る者も多く(軍人が除隊後に入学し卒業する例さえある)、学歴を取得した時期自体で直接差別を受けることは少ない。その意味ではアメリカ社会は学歴社会といっても、敗者が復活しやすい側面を有している。このため、日本のように学部偏重型・偏差値志向型・固定型の学歴社会ではない。

大韓民国[編集]

韓国はかつては極端な学歴社会であり、ソウル大学出身というだけで企業に入れば「役員候補」とみなされたが、現在は多少その風潮は緩和された。とはいえ極めて強固な学歴社会であることに変わりはない。また、日本の専門学校と短期大学を合わせた形の専門大学も存在するが、社会的には4年制大学卒が良しとされる。

韓国ではソウルに財閥が集中していることや、国の政策で新設大学をソウル以外の地域にのみ設立することを許可していたためソウルにあるソウル大学高麗大学延世大学西江大学梨花女子大学成均館大学漢陽大学などと、理系に限れば韓国科学技術院 (KAIST) 浦項工科大学校が難関とされ、ソウル大学・高麗大学・延世大学の英語の頭文字を取ったSKYという言葉もある。近年はアメリカの有名大学・大学院に留学することが一般的になっている。

ソウルにある上記の大学の次に全北大学校全南大学校等の地方の有力大学、そして新設の四年制大学と専門大学という序列が見られる。近年では大学編入が盛んになっており、地方の有力大学→ソウルの難関大学、新設の4年制大学または専門大学→地方の有力大学といった具合に学生が移動する現象が見られる。

学歴信仰[編集]

学歴を過度に信頼・重視する立場を学歴信仰と呼ぶ事がある。特に「何を学んだか」ではなく、「どの教育機関の出身者か」という帰属意識ないしそれに付随する付加価値の偏重、資格の実効性に対する過剰な信頼は学歴信仰が認められる国々共通の特徴である。

学歴信仰は、日本韓国中国台湾インドといったアジアの国々や工業化が進みつつあるアフリカ大陸における国々に多く見られるという主張がある。無論、これらの心情は学歴と言うものが存在する全ての社会に存在するが、上記の国々はそれらがより極端な形で現れるというものである。

学歴信仰の対象となる教育機関は各国の教育レベルによって異なる傾向がある。日本や韓国など高等教育の歴史が長く、自国の教育機関を卒業した人が社会的に高い地位に就いている事が多い国々ではそれらの人々の出身校が評価されやすい。殊に韓国ではテレビのワイドショーに出るコメンテーターにまで“大学教授”の肩書きを持つ人物を求められ、これが経歴詐称に繋がる弊害を生んでいる。

一方、タイなどのように、自国の教育機関が十分に発達していない国々では、国外(主に欧米の著名大学)の教育機関を重視する傾向がある。但し、近年ではチュラーロンコーン大学といった著名校がブランド化しつつあり、自国の教育機関を重視する傾向が強まりつつある。

学歴に関する評価[編集]

学歴社会肯定論[編集]

学歴社会肯定論としては次のようなものがある。

学歴社会は機会の平等を与えている点で身分制度より優れている
学歴社会は、学歴は自身の努力と能力で入手できるため、世襲社会など、実力ではなく、身分によって社会的評価が決まる社会より遙かに機会の平等が与えられている。
学歴による社会的評価の決定は全ての人に公平、平等に作用している限り、社会階層や出自といった努力や選択によって変えられない要因によって個人評価が左右される事がなく、各人の自由意志が個人評価に反映される。
学歴は「個人の努力によって取得可能な社会的メリットの証明」であるという点に健全性を認めている。

学歴社会否定論[編集]

学歴社会否定論には次のようなものがある。

機会の平等が保障されていないのではないかとの疑念
学歴社会を健全なものであると言うためには万人にとって就学機会や就学条件が平等であるという前提条件が必要であるが、実社会においては社会的・経済的な条件によって、就業機会等が不平等になる事がある。
そのため、学歴社会の健全性を保障するためには各個人間の初期状態の格差を出来るだけ緩和するような政策・環境(例:充実した奨学金制度、再入学や社会人教育といった就学形態が許されているなど)が必要不可欠となるが、充実した奨学金制度などがあっても、子どもに教育にまつわる投資するお金(家庭教師をつける、塾に行かせる教育費など)の点で差がつくために、健全な学歴社会というのは幻想に過ぎないのではないかと指摘するものである。
学歴によって人格を非難する傾向が生まれる
学歴社会が強くなると、そこに学歴信仰が生まれるようになり、学歴のあるなしによって人の能力や人格を見る傾向がある。学力偏差値が世間的に知名度が高く、官僚を多く輩出したり、大企業に多く入る大学が優秀な大学とされるため、スポーツ等の功績などで評価のある大学も偏差値が低めである事を理由に低く評価する人や企業も出てしまう。
また、大学に行っていない者などについて、ごく一部の極端な事例をことさらに挙げて、犯罪者が多い、世間常識がないという主張がされることがあり、(2ちゃんねる学歴板など)学歴がないことを理由に人格まで否定する傾向が出てくる。
大学で遊び惚けたにもかかわらず、大手企業に就職したりする。また、専門学校や高等学校等でまじめに勉学に取り組んだにもかかわらず、「大卒」の条件で門前払いをうけたりする。
学歴がかならずしも仕事に直結していない
ソニー創業者の盛田昭夫は『学歴無用論』のなかで、学歴によってえられた知識がかならずしも仕事に直結しているわけではなく、学歴を重視することが真の実力重視をさまたげていると主張した。

社会における学歴の評価[編集]

学歴が個人における社会的評価の判断基準として決定的である社会ではその良し悪しによって人間関係のような就業以外の多くの生活領域に影響を及ぼす。

このような理由から、学歴詐称が行われることがあり、近年では著名人や選挙立候補者などによる学歴詐称が話題となっている。学歴詐称行為は昔から存在していた。また、学歴詐称を解雇事由として認める判例(大阪地裁s50.10.31など)も出ている。

学歴の判断[編集]

学歴の高低を「どれほどの期間、どれほど高度な教育施設で学んだか」という基準で判断すると、大学院博士課程(博士後期課程)を修了して博士の学位を有している者(課程博士)、その中でも、複数の博士課程を修了して、博士号を多く有している者が最も高学歴であるといえる。

ただし、高学歴かどうかを判断する基準は、国や個人によって相違がある。例えば、日本の官吏はアメリカなど大学院を重視する国から見ると、修士博士の学位を有する者が少ないという点で低学歴とみなされる事があるが、日本においては、大学入学試験の難易度のみで学歴の高低が決定される傾向があり、大学入学試験の偏差値が上位に来ている大学の出身者が高学歴と認識されている[1]

また、各大学の評価は大学の所在地、OBの社会での活躍、企業の中でのイメージ、知名度などによって若干の変動を受ける。特に西日本と東日本での学歴の評価の違いは顕著である。また、大学院卒者は就職初年度から高収入を得るため、企業は大学院卒者を採用しづらい。さらに大学院に行くことにより専門分野が絞られ就職先の候補は少なくなる。これらのことが大学院卒者の少なさの大きな原因になっているという意見もある。

大学院を修了した人の最終学歴は出身大学ではなく出身大学院であることから、在籍していた大学とは違う大学の大学院に進学し学歴を更新しようとする動きがみられる。これを学歴ロンダリングと称するものもいるが,社会的な評価は定まっていない。

日本では学界など特定の分野を除いて大学院修了を特に重視するという事は少ないため、大学を卒業したかどうか(学士号の有無)が学歴の基準になる事が多い。能力があっても、大卒でないと門前払いされてしまう。ただし、大学への進学者数及び進学率が高くなっているため、単に大学を卒業しているかどうかではなく、「出身大学」によって学歴の高低を判断する事が多い。また、「出身学部・学科」「浪人・留年年数」「入学方法」なども大卒のランク付けに利用される事がある。

高等教育と学歴観[編集]

経済成長と共に教育が大衆化して子供の教育にかける家庭の力が強くなり、また教育基本法により法的には開放された教育が行われている現代では大学や大学院へ進学できる者は多くなった。しかしその反面、学習意欲に欠ける者でも、入学・卒業認定基準の甘い学校を選ぶことで、大学卒業や大学院修了という高学歴を得ることもできてしまう。

学習意欲はあっても社会的な自覚が無かったり、惰性で進学しただけの高学歴者層ができることとなった。大学内での苛めもみられるようになり、入学しても、不登校や中退する生徒も少なくない。これが1990年代から話題になった、高学歴のフリーターニートの発生の一因にもなっているという指摘もある。

また、日本の大学で特に文科系専攻学科は「入学は難しく、卒業は易しい」ところが多く、大学での教育内容や評価の妥当性、ひいては卒業生の能力を保証するという学歴の社会的機能にも疑問が呈されている。大学のレジャーランド化に歯止めがかからないので、学歴と学習歴は一致しない。

偏差値の高い大学の生徒は入学までに高額の教育費をかけている場合も多い。私立の進学高校へ通った上学習塾や予備校にも通える生徒と、それが叶わぬ家庭の生徒では進学先に差が出やすい。また、10代に受験勉強にのみ専念することが大切なことであるとして同じく進学する者とのみ一緒に育った生徒はそうでない生徒に対する理解に欠けていたり受験勉強以外のことを学んでいないという偏った点もあり、問題があるともされている。

昨今は大学進学のできる学力や経済力があっても、大学に進まないで働く、専門学校へ行く者もあるなど多様化が進んでいる。

官庁や大手企業の中には留学制度を設けている所もあり、社会人となってから(特に海外の)大学院の修士号を得させる場合がある。

大学などの高等教育機関では生涯教育の理念に基づく社会人学生の増加や、経営上の要請などから編入学の機会を増加させている。また、大学院重点化の対象となっている大学院では定員総数が学内進学希望者(内部進学者)数より大幅に勝っていることが多い。このことから、結果として大学院は内部進学者よりも外部進学者の数が多い「傾向」がある。また、大学院大学では学部を持たないため、100%の学生が外部進学者となる。

大手有名企業の2012年大学別採用人数[編集]

メーカー[編集]

早稲田大学9 ②慶應大学6 ③東京大学5 ④関西大学4 ⑤京都大学,立命館大学3 ⑦神戸大学2
①早稲田,青学4 ③慶應3 ④東京,首都大学,明治大学,東京理科大学,神奈川大学2
①早稲田,慶應14 ③京都,東北大学,一橋大学7 ⑥東京,同志社大学6 ⑧大阪大学,明治5
①早稲田14 ②日本大学10 ③明治9 ④慶應8 ⑤法政大学7 ⑥立教大学,関西学院5 ⑧東京4
①早稲田9 ②明治,関学5 ④慶應,阪府,関西4 ⑦名古屋3
①早稲田,慶應6 ③東北,青学5 ⑤東京,京都,筑波4 ⑧東工大,関学2
①早稲田12 ②東北10 ③京都7 ④慶應,同志社6 ⑥立命館5 ⑦東京,大阪,一橋4
①京都17 ②東京11 ③東工大,早稲田10 ⑤東北9 ⑥名古屋8 ⑦北海道,神戸,慶應6
①早稲田26 ②東京25 ③京都20 ④東北,慶應13 ⑥東工大11 ⑦日本10 ⑧明治9
①早稲田6 ②立教3 ③東京2 ④京都,東北,北海道,千葉,神戸,岡山,慶應1
①早稲田19 ②東工大18 ③東京,京都12 ⑤東北11 ⑥慶應9 ⑦名古屋8
①京都,東工大,慶應6 ④東京5 ⑤一橋,広島,早稲田4 ⑧東北,筑波3
①京都18 ②東京17 ③東北9 ④東工大,早稲田7 ⑥北海道5 ⑦神戸,上智4
①東京,京都13 ③慶應11 ④早稲田8 ⑤北海道,東工大,千葉7 ⑧東北6
①慶應15 ②早稲田9 ③京都,東工大,同志社,立命館,日本3 ⑧東京,名古屋2
①東京12 ②理科大7 ③京都,東北,慶應,明治5 ⑦早稲田,千葉,関西3
①早稲田10 ②京都8 ③東京7 ④慶應5 ⑤青学,摂南4 ⑦明治,中央,同志社3
①東京16 ②早稲田15 ③東工大11 ④慶應9 ⑤東北,名古屋8 ⑦京都6 ⑧神戸4
①早稲田8 ②慶應,立命館,関西,芝浦4 ⑥名古屋,理科大,同志社3
①早稲田16 ②慶應11 ③東工大8 ④東京7 ⑤理科大6 ⑥北海道,東北4
①東京7 ②慶應6 ③早稲田5 ④東工大4 ⑤京都,一橋,筑波,理科大2
①早稲田8 ②慶應6 ③東京5 ④京都,北海道,筑波,神戸,千葉3
①東京,東工大15 ③京都14 ④早稲田11 ⑤名古屋10 ⑥慶應9 ⑦東北7 ⑧北海道6
①東北22 ②東京21 ③早稲田20 ④岡山16 ⑤慶應15 ⑥京都,北海道9 ⑧東工大8
①京都10 ②東京,東北,北海道,早稲田6 ⑥名古屋,慶應,同志社5 ⑨一橋3
①早稲田12 ②東北,東工大5 ④筑波4 ⑤東京,京都,北海道,名古屋3
①早稲田69 ②慶應65 ③東京28 ④東工大20 ⑤名古屋,北海道18 ⑦立命館16
①東京56 ②早稲田55 ③慶應47 ④上智30 ⑤立命館26 ⑥東北,東工大22 ⑧北海道19
①東京34 ②早稲田33 ③東工大31 ④東北27 ⑤慶應21 ⑥京都13 ⑦北海道12
①早稲田67 ②慶應36 ③立命館35 ④名古屋31 ⑤京都,同志社30 ⑦神戸27 ⑧東京26
①早稲田25 ②慶應18 ③立命館17 ④理科大15 ⑤筑波,明治14 ⑦東工大13
①京都35 ②早稲田23 ③同志社22 ④立命館19 ⑤慶應17 ⑥東北16 ⑦東工大14
①慶應49 ②早稲田31 ③東京23 ④東工大16 ⑤京都,東北,電通大6
①神戸13 ②京都12 ③東京10 ④早稲田,立命館8 ⑥阪府7 ⑦東工大,同志社6
①早稲田27 ②慶應26 ③東京21 ④東工大8 ⑤京都6 ⑥中央,立教,理科大5
①立命館16 ②早稲田13 ③同志社7 ④神戸,広島6 ⑥阪府,慶應5 ⑦大阪,明治,京女4
①東京10 ②早稲田7 ③東工大,慶應6 ⑤東北,千葉5 ⑦京都4
①早稲田7 ②東工大6 ③東京,千葉,慶應,理科大,同志社,立命館3
①慶應27 ②早稲田20 ③東工大18 ④東京16 ⑤東北15 ⑥明治,理科大14
①慶應14 ②早稲田13 ③首都大11 ④東工大9 ⑤理科大7⑥筑波,千葉,電通大6
①慶應17 ②早稲田12 ③東工大9 ④立命館8 ⑤上智,明治,理科大7
①神戸16 ②京都,同志社13 ④早稲田11 ⑤東京7 ⑥阪府,立命館5
①早稲田,京都21 ③東工大17 ④東京16 ⑤名古屋,東北14 ⑦神戸11
①早稲田,慶應15 ③東北12 ④東工大11 ⑤東京8 ⑥京都,名古屋6

自動車メーカー[編集]

東工大34 ②名古屋32 ③慶應30 ④京都25 ⑤東京24 ⑥東北19 ⑦早稲田18 ⑨北海道16
①早稲田19 ②慶應12 ③京都,東工大9 ⑤東京,東北,理科大5 ⑧同志社4
①理科大17 ②東工大,早稲田15 ④慶應14 ⑤立命館12 ⑥東京,明治11
①早稲田15 ②日本12 ③明治,法政,同志社,関学8 ⑦中央,立命館,関西7

建設[編集]

①早稲田15 ②理科大14 ③日本8 ④東工大7 ⑤京都,北海道6 ⑦名古屋5
①早稲田12 ②東京11 ③明治,理科,日本8 ⑥京都7 ⑦北海道6
①早稲田17 ②慶應,明治,同志社12 ⑤立命館11 ⑥中央,法政10
①日本23 ②芝浦12 ③明治,法政11 ⑤早稲田,中央,武蔵,専修8 ⑨慶應,理科大7

銀行[編集]

①東京16 ②慶應11 ③早稲田8 ④一橋5 ⑤東北,学習院,東女4 ⑧京都,大阪3
①慶應18 ②早稲田13 ③明治6 ④京都,東北,神戸5 ⑦北海道,中央,法政,関学4
①慶應12 ②同志社9 ③横国6 ④神戸,早稲田,中央,学習院,明治5
①慶應57 ②早稲田51 ③同志社,関学44 ⑤関西32 ⑥立命館30 ⑦東京25 ⑧大阪21 ⑨神戸,明治20
①慶應124 ②早稲田116 ③同志社53 ④関学52 ⑤立教42 ⑥青学40 ⑦明治39 ⑧東京37 ⑨法政36
①慶應84 ②早稲田65 ③中央57 ④立教,明治43 ⑥同志社34 ⑦青学33 ⑧学習院26 ⑨関学25
①関西61 ②早稲田,同志社38 ④立教34 ⑤明治31 ⑥関学30 ⑦慶應26 ⑧立命館23 ⑨学習院22
①早稲田10 ②慶應5 ③中央,同志社,青学4 ⑥東京,立命館3 ⑧北海道2
①慶應36 ②早稲田25 ③立教19 ④同志社15 ⑤京都13 ⑥東京,関学12
①慶應39 ②早稲田28 ③東京10 ④成蹊6 ⑤一橋,立教,関学5 ⑧京都4

保険[編集]

①早稲田,関学,関西33 ④立命館30 ⑤同志社26 ⑥立教23 ⑦中央,日本18
①慶應35 ②早稲田29 ③東京24 ④一橋17 ⑤同志社16 ⑥明治14 ⑦中央12
①関学23 ②早稲田19 ③同志社14 ④慶應,関西13 ⑥京都12 ⑦東京9
①大妻19 ②中央18 ③立教,法政17 ⑤青学,明治,関学16 ⑧慶應,同志社12
①早稲田52 ②慶應50 ③関西20 ④同志社19 ⑤関学,南山18 ⑦立教15 ⑧東京11
①早稲田30 ②慶應26 ③同志社19 ④関学15 ⑤南山14 ⑥立教,明治13
①早稲田40 ②慶應34 ③青学24 ④明治17 ⑤上智,関学15 ⑦立教14

証券[編集]

①慶應52 ②早稲田42 ③関学35 ④同志社27 ⑤明治20 ⑥青学19
①慶應39 ②早稲田35 ③中央,立命館19 ⑤同志社15 ⑥立教,法政10
①慶應36 ②早稲田26 ③同志社20 ④青学15 ⑤明治14 ⑥立命館,関学12

商社[編集]

①慶應32 ②早稲田27 ③東京18 ④一橋13 ⑤京都9 ⑥上智8 ⑦東外大6
①慶應50 ②東京39 ③早稲田29 ④京都13 ⑤一橋12 ⑥上智10 ⑦北海道4
①慶應34 ②早稲田29 ③東京20 ④京都14 ⑤上智10 ⑥大阪9 ⑦一橋8
①慶應21 ②早稲田16 ③東京13 ④京都12 ⑤神戸8 ⑥一橋6 ⑦大阪5
①早稲田7 ②慶應5 ③関学4 ④大阪,東外大,神戸,青学3 ⑧東京2
①慶應30 ②早稲田21 ③東京13 ④京都,一橋9 ⑥上智8 ⑦大阪5
①早稲田15 ②慶應,中央10 ④東京6 ⑤上智,青学5 ⑦名古屋,筑波,明治4

交通[編集]

①青学28 ②慶應27 ③早稲田20 ④同志社,日本18 ⑥明治,同女13
①日本70 ②早稲田36 ③法政,芝浦35 ⑤東海28 ⑥明治25 ⑦理科大20 ⑧東京17
①立命館37 ②近畿22 ③同志社19 ④関西18 ⑤京都,龍谷17 ⑦関学15
①早稲田18 ②立命館17 ③京都,名古屋,慶應15 ⑥芝浦13 ⑦東京12

通信[編集]

①早稲田37 ②理科大19 ③慶應18 ④東北17 ⑤首都大,上智,立教,中央10
①名古屋,慶應12 ③同志社11 ④京都,立命館,関学10 ⑦広島9
①慶應17 ②早稲田16 ③名古屋,立命館11 ⑤東京10 ⑥京都,明治9
①早稲田71 ②慶應46 ③理科大24 ④上智23 ⑤東京19 ⑥筑波18 ⑦東北14
①早稲田24 ②慶應17 ③京都11 ④上智10 ⑤東京8 ⑥東工大7
①早稲田29 ②慶應16 ③京都14 ④北海道9 ⑤中央8 ⑥名古屋,電通大7
①早稲田28 ②青学23 ③立教21 ④明治20 ⑤法政19 ⑥学習院12

電力・ガス[編集]

①東北32 ②北海道7 ③早稲田,中央4 ⑤慶應,明治,理科大,日本3
①名古屋27 ②東北13 ③京都9 ④早稲田,慶應8 ⑥東京6 ⑦一橋5
①京都34 ②神戸17 ③同志社16 ④阪府11 ⑤早稲田10 ⑥阪市,立命館9
①早稲田22 ②慶應14 ③東京10 ④筑波6 ⑤京都,一橋,東工大,理科大5
①京都,神戸12 ③立命館6 ④東京,大阪5 ⑥早稲田,同志社,関西4

マスコミ[編集]

①早稲田43 ②慶應24 ③東京15 ④法政8 ⑤東北,立教,立命館6 ⑧京都,一橋5
①東京,早稲田5 ③慶應2 ④電通大,中央,法政,東洋,芝浦1
①慶應10 ②早稲田6 ③東京,一橋,筑波2 ⑥京都,東工大,横国1
①早稲田6 ②慶應5 ③京都,立教,青学2 ⑥東京,首都大,上智1
①早稲田8 ②慶應,上智3 ④東京,大阪,神戸,立命館2 ⑧京都,名古屋,東北,一橋1
①慶應43 ②早稲田25 ③東京14 ④京都11 ⑤東工大,関学5 ⑦上智4
①早稲田7 ②明治,立命館4 ④同志社3 ⑤阪市,上智2 ⑦東京,筑波1
①早稲田12 ②慶應8 ③東京7 ④京都3 ⑤大阪,一橋,神戸,立教,明治2
①早稲田9 ②京都,明治5 ④東京,大阪4 ⑥法政3 ⑦筑波,東外大,慶應2

その他[編集]

①慶應10 ②早稲田5 ③東京,一橋4 ⑤京都,筑波,上智,立教2
①早稲田14 ②東工大10 ③明治8 ④慶應,都市大,立命館7 ⑦芝浦6
①早稲田21 ②慶應19 ③東工大10 ④法政9 ⑤立命館7 ⑥東京,京都6
①早稲田23 ②慶應22 ③明治15 ④東京13 ⑤理科大11 ⑥電通大,法政10
①慶應36 ②早稲田31 ③東京19 ④明治,立命館15 ⑥京都14 ⑦青学12
①日本50 ②立命館,関西21 ④法政,専修16 ⑥龍谷15 ⑦同志社,関学14
①関西12 ②早稲田,立教11 ④法政,立命館10 ⑥同志社8 ⑦慶應,学習院7
①慶應43 ②早稲田30 ③理科大21 ④東京18 ⑤東工大15 ⑥首都大,上智9
①早稲田2 ②東京,大阪,名古屋,一橋,筑波,上智,青学,法政,共立1
①慶應32 ②早稲田22 ③京都13 ④東京7 ⑤立教6 ⑥上智,青学,立命館,関学5

学校の卒業に準じて扱われるもの[編集]

中学校卒業程度認定試験(中卒認定試験、中認、中検)
受験者は少ないが、中学校またはその同等学校を卒業したことが無い人が、高等学校またはその同等学校に入学する資格を得るための試験。公的には「中学校を卒業した者と同等以上の学力を有する者」とされる。ただし、受験できるのは義務教育就学免除者に限られていたが、2003年より、不登校などによる非卒業者も受験できるようになった。
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験、高認、旧・大学入学資格検定〔旧・大検〕)
高等学校またはその同等学校を卒業したことが無い人が、大学に入学する資格を得るための試験。公的には「高等学校を卒業した者と同等以上の学力を有する者」とされる。ただし、公務員や一部の民間企業を受ける時の橋渡しにはなるものの、現状では高校卒業=高卒とみなされる風潮が強いのも事実である。
以前は中学校を卒業していなければ受験できなかったが、今は中学校を卒業していなくても受験できるようになった。なお、中学を卒業していない者がこの試験に合格した場合、上記の中学校卒業程度認定試験にも合格したものとみなされる。
なお、上記の認定試験は高卒の学歴自体が得られるわけではないが、認定試験合格後大学に入学、卒業することができる。
難関国家資格の一次試験
旧司法試験の一次試験や、平成17年度までの公認会計士試験不動産鑑定士試験の一次試験は、大学(の学部・その他の学部同等組織)を卒業した者(または大学において62単位以上修得済みの者)であれば免除されるが、そうでない場合は一次試験を受けなければならない。
教員資格認定試験
大学や文部科学大臣が指定する教員養成機関を卒業していなくても、この試験に合格すれば、一部の種類の教員免許状の授与を受けることができる。

脚注[編集]

  1. 裏返せば、社会は大学入試合格時点における学力に焦点を当てており、大学で何を学んだかについては興味がないということである。同じ大学であっても、どこの学部を卒業しているかが関心の対象になる場合もあるが、その多くは大学で何を学んできたかに関心があるわけではなく、同じ大学であっても学部ごとの入試難易度が異なり、難易度の高い学部を出ているかどうかに関心があるケースと思われる。

関連項目[編集]

参考文献[編集]