熊本地震

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熊本地震(くまもとじしん)は、2016年(平成28年)4月16日に、日本九州地方で発生した、M7.3(最大震度7)の巨大地震。前日の4月14日にも、最大震度7を観測する前震(M6.5)が発生している。


概要[編集]

2016年4月14日に、熊本県でM6.5(震度7)の地震が起きて以降、九州地方では、熊本県やを中心に地震活動が極めて活発となり、4月16日にもM7.3の地震が発生し、震度7を観測している[1]

一連の地震で、震度7の超猛烈な揺れが複数回観測されたのは、国内の観測史上初である[2]

直下型地震(一連の地震)で、体に感じる地震の回数(前震・本震・余震全て)が、過去最も多いのもこの地震である。(それまでは2004年の新潟県中越地震が最も多かった)

4月16日と29日には、大分県でも震度5の余震が発生[3]。余震の活動域がかなり広かったものとみられる。

震度5弱以上を観測した、前震・本震・余震は次の通り[4]


熊本地震における地震の記録

2016年4月14日

21時26分・震度7・熊本県熊本地方・M6.5・最大前震

22時7分・震度6弱・熊本県熊本地方・M5.8・前震

22時38分・震度5弱・熊本県熊本地方・M5.0・前震

23時43分・震度5弱・熊本県熊本地方・M5.1・前震


2016年4月15日

0時3分・震度6強・熊本県熊本地方・M6.4・前震

0時6分・震度5強・熊本県熊本地方・M5.1・前震

1時53分・震度5弱・熊本県熊本地方・M4.8・前震


2016年4月16日

1時25分・震度7・熊本県熊本地方・M7.3・本震

1時44分・震度5弱・熊本県熊本地方・M5.4・余震

1時45分・震度6弱・熊本県熊本地方・M5.9・最大余震

3時3分・震度5強・熊本県阿蘇地方・M5.9・最大余震

3時9分・震度5弱・熊本県熊本地方・M4.2・余震

3時55分・震度6強・熊本県阿蘇地方・M5.8・余震

7時11分・震度5弱・大分県中部・M5.4・余震

7時23分・震度5弱・熊本県熊本地方・M4.8・余震

9時48分・震度6弱・熊本県熊本地方・M5.4・余震

9時50分・震度5弱・熊本県熊本地方・M4.5・余震

16時2分・震度5弱・熊本県熊本地方・M5.4・余震


2016年4月18日

20時41分・震度5強・熊本県阿蘇地方・M5.8・余震


2016年4月19日

17時52分・震度5強・熊本県熊本地方・M5.5・余震

20時47分・震度5弱・熊本県熊本地方・M5.0・余震


2016年4月29日

15時9分・震度5強・大分県中部・M4.5・余震(この余震についての詳細は こちら を参照)


2016年6月12日

22時8分・震度5弱・熊本県熊本地方・M4.3・余震


2016年8月31日

19時46分・震度5弱・熊本県熊本地方・M5.2・余震


2017年7月2日

0時58分・震度5弱・熊本県阿蘇地方・M4.5・余震


なお、2019年1月にも、熊本県北西部でM5.0の地震があり、同県和水町で震度6弱の揺れを観測した[5]が(余震でも和水町で震度5弱[6])、2016年に相次いだ地震の活動域から離れているので、関連はないとみられる。

前震[編集]

前震における熊本県の震度分布(紫→震度7・紅→震度6弱・橙→震度5強・黄→震度5弱・緑→震度4・黄緑→震度3)
前震の震度分布

2016年4月14日、午後9時26分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするMj6.5(Mw6.2)の地震が発生。熊本県益城町で震度7(計測震度6.6)の超猛烈な搖れを記録[7]

地殻内で起きた、北北西−南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型地震であり、日奈久断層帯という活断層の活動により発生した[8]

震度7の揺れが観測されたのは、2011年(平成23年)3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震東日本大震災)以来、5年ぶりであり、観測史上4回目(速報値としては2回目)である[9]

また、熊本県内で震度6以上(若しくは震度6弱以上)の揺れが記録されたのは、この地震が初めてである[10]

震度6弱以上の地域は以下の通り[11]

震度7

熊本県(益城町)

震度6弱

熊本県(西原村・玉名市・熊本市・宇城市)

本震[編集]

本震における震度分布(紫→震度7・茶→震度6強・紅→震度6弱・橙→震度5強・黄→震度5弱・緑→震度4)
本震の震度分布

2016年4月16日、午前1時25分、熊本県熊本地方を震源とするMj7.3(Mw7.0)の巨大地震が発生。熊本県益城町と西原村で、観測史上6回目となる、震度7の超猛烈な揺れが観測された[12]

益城町では、14日の前震の際も、震度7を記録している。同じ市町村で震度7を立て続けに観測するのは初めてであり、複数(2ヶ所以上)の市町村(益城町と西原村)で震度7を記録するのも、観測史上初の事例であった。

また、地震の規模(Mj7.3)は、1995年に神戸市などに壊滅的な被害を出した兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)にほぼ等しい。但し、モーメントマグニチュードは、兵庫県南部地震の時(Mw6.9)よりもやや大きかった。

気象庁はこの地震で、地震直後の午前1時27分に、有明海と八代海の沿岸に、津波注意報(予想は1 m)を発表したが、内陸地震だったため津波は観測されなかった[13]

この地震は、南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型地震(地殻内での地震)であり、14日の地震とは違い、布田川断層帯という活断層の活動が原因であった[14]

熊本ではこの地震により、長周期地震動を観測し、その階級は最も高い階級4[15]

震度6弱以上を観測した地域は以下の通り[16]

震度7

熊本県(益城町・西原村)

震度6強

熊本県(大津町・宇土市・熊本市・嘉島町・宇城市・宇土市・熊本市・合志市)

震度6弱

熊本県(美里町・山都町・御船町・天草市・阿蘇市・八代市・天草市・菊陽町・氷川町・和水町・玉名市)

大分県(由布市・別府市)

熊本県益城町では、日本国内の観測史上最大の計測震度である、計測震度6.7を記録した。

被害[編集]

一連の地震による被害は以下の通り。

死者

267人

負傷者

2804人

被害総額

4兆円以上

その他

各地で住宅や建物の倒壊、土砂災害などが相次いだほか、熊本の名所、熊本城にも被害が出た。