「烏山線」の版間の差分

提供: Yourpedia
移動: 案内検索
(rxy=森谷辰也=LTA:ASPELTA:DCHANCELTA:SASHOという動かせない事実。)
1行目: 1行目:
[[ファイル:アキュム.jpg|400px|thumb|烏山線で運行するアキュム]]
+
<nowiki>[[ファイル:アキュム.jpg|400px|thumb|烏山線で運行するアキュム]]
 
[[ファイル:烏山線 キハ40系.jpg|400px|thumb|キハ40系(リバイバル塗装)]]
 
[[ファイル:烏山線 キハ40系.jpg|400px|thumb|キハ40系(リバイバル塗装)]]
 
'''烏山線'''(からすやません)は、[[栃木県]][[塩谷郡]][[高根沢町]]の[[宝積寺駅]]と栃木県[[那須烏山市]]の[[烏山駅]]を結ぶ[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)の[[鉄道路線]]([[地方交通線]])。
 
'''烏山線'''(からすやません)は、[[栃木県]][[塩谷郡]][[高根沢町]]の[[宝積寺駅]]と栃木県[[那須烏山市]]の[[烏山駅]]を結ぶ[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)の[[鉄道路線]]([[地方交通線]])。

2020年1月8日 (水) 04:30時点における版

[[ファイル:アキュム.jpg|400px|thumb|烏山線で運行するアキュム]] [[ファイル:烏山線 キハ40系.jpg|400px|thumb|キハ40系(リバイバル塗装)]] '''烏山線'''(からすやません)は、[[栃木県]][[塩谷郡]][[高根沢町]]の[[宝積寺駅]]と栃木県[[那須烏山市]]の[[烏山駅]]を結ぶ[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)の[[鉄道路線]]([[地方交通線]])。 沿線に「宝積寺(ほうしゃくじ)」「大金(おおがね)」という縁起の良いとされる名前の駅があり、駅が8駅、車両が8両であることから、[[七福神]]をキャラクターとして、宝積寺駅をのぞく各駅と7両の車両に各尊を割り当てて各駅の看板<!--駅名標ではない-->や車両のイラストマークなどを整備している。残りの車両1両には全尊が描かれている。 [[2009年]]3月14日から、[[旅客営業規則]]の定める「[[大都市近郊区間 (JR)#東京近郊区間|東京近郊区間]]」に指定された<ref>[http://www.jreast.co.jp/press/2008/20081218.pdf Suicaをご利用いただけるエリアが広がります] - 東日本旅客鉄道、2008年12月22日。</ref>。ただし、当線区内の7駅では[[ICカード|IC]][[乗車カード]]「[[Suica]]」の利用対象外となっている<ref>http://www.jreast.co.jp/kippu/1103.html</ref><ref>http://www.jreast.co.jp/suica/area/tokyo/index.html</ref>。[[自動改札機]]設置駅は[[宇都宮線]]との接続駅である宝積寺駅を含めてない。 == 路線データ == * 路線距離:20.4km<ref name="youran">国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』</ref> * [[軌間]]:1067mm<ref name="youran" /> * 駅数:8駅(起終点駅含む) ** 烏山線所属駅に限定した場合、東北本線所属の宝積寺駅<ref>『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』[[ジェイティービー|JTB]] 1998年 ISBN 978-4533029806</ref>が除外され、7駅となる。 * 複線区間:なし(全線[[単線]])<ref name="youran" /> * 電化区間:なし(全線[[非電化]])<ref name="youran" />。ただし烏山駅構内は蓄電池駆動電車の充電用に電化。 * [[閉塞 (鉄道)|閉塞方式]] ** 宝積寺駅 - 大金駅間:自動閉塞式(特殊) ** 大金駅 - 烏山駅間:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) * 保安装置:[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]] * 最高速度:65km/h * [[運転指令所]]:宇都宮[[列車集中制御装置|CTC]]センター 全区間が[[東日本旅客鉄道大宮支社]]の管轄である<ref>[http://www.jreast.co.jp/recruit/pdf/tokyo_areamap.pdf 東京エリアの各支社] - 東日本旅客鉄道</ref>。 == 運行形態 == 2014年3月15日改正ダイヤでは、途中駅発着の区間列車の設定はなく、毎日14往復ある全列車が宝積寺駅 - 烏山駅全区間を運行する。うち毎日9往復(下り列車は16時台発をのぞく[[宇都宮駅]]発朝7時台から19時台発の全列車、上り列車は15時台発をのぞく烏山駅発朝5時台始発から17時台発の全列車)が[[宇都宮線]]([[東北本線]])宇都宮駅を始発・終着とする直通列車となっている<ref name="JTB-jikokuhyo-20140315">『JTB時刻表』2014年3月号 [[JTBパブリッシング]]</ref>。また、同改正から宇都宮駅直通列車2往復と線内運転1往復が蓄電池駆動電車([[JR東日本EV-E301系電車|EV-E301系]]「ACCUM」)で、他は[[気動車]]で運転されている。 大金駅 - 烏山駅間の閉塞の関係で、烏山駅では21時52分に上りの最終列車が出てから23時半過ぎに下りの最終列車が到着するまで1時間40分ほど列車が来ない。 戦後の[[高度経済成長期]]以来、一部列車をのぞいて宇都宮駅を始発・終着として運行されてきたが、[[日本国有鉄道|国鉄]]末期の[[1986年]]、東北本線宇都宮駅 - [[黒磯駅]]間の[[普通列車]]の増発に際し、宇都宮駅 - 宝積寺駅間をこれに統合したうえで、線内折り返しを主とする1日18往復へ増便する一方、宇都宮駅を始発・終着とする烏山線直通列車は下り2本にまで削減された<ref>日本国有鉄道監修『時刻表』 1986年12月号 日本交通公社</ref>。[[1996年]]には、利用客の流動状況に鑑み、宇都宮駅始発・終着列車の本数を朝夕の通勤・通学時間帯を中心に5往復まで戻している<ref name="JTB-jikokuhyo-199603">『JTB時刻表』1996年3月号 [[ジェイティービー|JTB]]</ref>。[[2010年]]([[平成]]22年)[[12月4日]]のダイヤ改正前の時点では、毎日18往復ある全列車が宝積寺駅 - 烏山駅全区間を走り、うち毎日5往復が宇都宮線(東北本線)宇都宮駅を始発・終着とする直通列車で、運転間隔は約1時間間隔、烏山線内では朝の一部をのぞく上下各16本の列車、宇都宮線区間では朝の上りと夕方の下りを除く下り4本、上り2本の列車で[[ワンマン運転]]が実施されていた<ref name="JTB-jikokuhyo-201003">『JTB時刻表』2010年3月号 JTBパブリッシング</ref><ref name="JR-jikokuhyo-201003">『JR時刻表』2010年3月号 交通新聞社</ref><ref name="henseihyo-2010">『JR気動車客車編成表』2010 交通新聞社 ISBN 978-4-330-14710-9</ref>。同ダイヤ改正で毎日1日16往復運転となり、うち毎日10往復が宇都宮駅直通となった<ref name="JTB-jikokuhyo-201012">『JTB時刻表』2010年12月号 [[JTBパブリッシング]]</ref><ref name="JR-jikokuhyo-201012">『JR時刻表』2010年12月号 [[交通新聞社]]</ref>。 国鉄時代には宇都宮駅 - 烏山駅間に[[快速列車]]が運転された時期もあった<ref name="kotsukosha-jikokuhyo-196109">日本国有鉄道監修『時刻表』1961年9月号 日本交通公社</ref><ref name="kotsukosha-jikokuhyo-196409">日本国有鉄道監修『時刻表』1964年9月号 日本交通公社</ref>ほか、早朝上り烏山駅始発の1本は東北本線宇都宮駅以南に乗り入れ、[[小山駅]]で[[両毛線]]始発の快速「[[とちぎ (列車)#宇都宮線優等列車沿革|おおとね]]」に併結して[[上野駅]]まで直通していた<ref name="kotsukosha-jikokuhyo-195611">日本国有鉄道監修『時刻表』1956年11月号 日本交通公社</ref>。また、「おおとね」との併結を[[黒磯駅]]始発の普通列車に譲った後も、[[石橋駅 (栃木県)|石橋駅]]まで乗り入れて直ぐに折り返し烏山駅行きとなる運用が行われていた<ref name="kotsukosha-jikokuhyo-195811">日本国有鉄道監修『時刻表』1958年11月号 日本交通公社</ref><ref name="kotsukosha-jikokuhyo-195907">日本国有鉄道監修『時刻表』1959年7月号 日本交通公社</ref>。 === 過去に設定されていた快速列車 === 昭和30年代後半、宇都宮駅 - 烏山駅間には[[快速列車]]が毎日1往復だけ運行されていた時期があった。すでに当線に[[客車]]列車の設定はなく、全列車が[[宇都宮運転所]]所属の[[気動車]]で運行されるようになってしばらく経ってからのことである。 途中の停車駅は宝積寺駅・[[仁井田駅 (栃木県)|仁井田駅]]・[[大金駅]]で、上りは9時頃に烏山駅を出て宇都宮駅に9時40分頃到着、下りは17時過ぎに宇都宮駅を出て烏山駅に17時40分頃到着、という[[ダイヤグラム|ダイヤ]]であった。当時の当線の運行本数は[[優等列車]]なしの12往復で、全列車が宇都宮駅 - 烏山駅間の運行であった。普通列車(11往復)の所要時間は50分程度で、快速列車(1往復)はそれより10分程度短かった。 朝の上り列車は線内での上下列車の[[列車交換|行き違い]]はなく、下り列車は大金駅での上り列車との待ち合わせがあったものの、上下列車ともに途中駅での[[待避駅#概要|追い越し]]は無かった。この快速列車は5年間程度運行されたが、その後廃止され、以後、当線に[[定期列車|定期]]の速達列車が設定されたことはない<ref name="kotsukosha-jikokuhyo-196109" /><ref name="kotsukosha-jikokuhyo-196409" />。 == 使用車両 == === 現行の使用車両 === ==== 定期列車 ==== [[ファイル:キハ40形1000番台.jpg|300px|thumb|キハ40系1000番台]] ; [[国鉄キハ40系気動車 (2代)#キハ40形1000番台|キハ40形1000番台]]気動車 : 当路線の主力車両。[[宇都宮運転所]]所属のキハ40形1000番台気動車で運行されている<ref name="henseihyo-2010" />。 : 当線に導入されたキハ40形は当初全車両が2000番台(10両、2011 - 2020)で、[[1979年]]6月から使用開始された<ref name="sougou-nenpyou">池田光雅『鉄道総合年表1972-93』中央書院 1993年 p.61</ref>。各車両のイラストマークや[[行先票|サボ]]には七福神が描かれている。2013年時点で[[関東地方]]の非電化JR線(当線、[[八高線]]の[[倉賀野駅]] - [[高麗川駅]]間、[[水郡線]]、[[久留里線]]の4線区)のうち、キハ40形を使用しているのは当線のみである。 : [[2011年]]に開業88周年を迎えたことから、その記念事業として、1003号と1007号の2両を、かつて使用されていた[[国鉄キハ10系気動車|キハ10形]]を模した[[朱色4号]]と[[クリーム4号]]の旧国鉄一般色に変更して運転している<ref name="hobidas" />。ただし、キハ40系<!--派生形式含むので「系」-->は、優先して製造された北海道向け仕様が1977年初頭に落成しているが、翌1978年10月の「車両塗色および表記基準規定」の改正を間近に控えていたことから、全車が[[朱色5号]]1色の、通称「首都圏色」で登場しており、旧来の2色塗りは存在しなかった。 : [[2013年]]に開業90周年を迎えたことから、その記念事業として、1004号と1005号の2両を、キハ40形導入当初塗色の旧国鉄首都圏色に変更して運転している<ref>鉄道ダイヤ情報2013年10月号、通巻第377号(交通新聞社)</ref>。 ; [[JR東日本EV-E301系電車|EV-E301系]]電車 : [[JR東日本E995系電車|E995系]]「NE Train スマート電池くん」を用いて開発が進められた[[蓄電池]]駆動電車システムを採用する電車。愛称は「ACCUM」(アキュム)<ref>[http://www.asahi.com/articles/TKY201311270520.html 愛称は「ACCUM」 JR烏山線の蓄電池電車] - 朝日新聞、2013年11月30日</ref>。[[2014年]][[3月15日]]のダイヤ改正で2両編成1本が運行開始した。最終的には烏山線において運用される全車両をEV-E301系で統一する予定である<ref>{{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121104.pdf 「スマート電池くん」を実用化し、烏山線に導入します。]}} - 東日本旅客鉄道プレスリリース、2012年11月6日</ref>。 ==== 臨時列車 ==== ; [[国鉄キハ40系気動車 (2代)#びゅうコースター風っこ|キハ48系気動車「びゅうコースター風っこ」]] : キハ48形を改造した[[トロッコ車両|トロッコ気動車]]。烏山線では2011年<ref>[http://railf.jp/news/2011/08/29/225600.html 烏山線で“風っこ烏山”号運転] - 『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』[[交友社]] railf.jp鉄道ニュース 2011年8月29日</ref>・2012年の8月<ref>[http://railf.jp/news/2012/08/26/195200.html “風っこ烏山号”運転] - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2012年8月26日</ref>、2013年の9月<ref>[http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2013/09/jr90_3.html 【JR東】〈烏山線90周年風っこ号〉運転] - RMニュース、2013年9月17日</ref>に運転されている。2014年も8月<ref>{{PDFlink|[http://www.jreast.co.jp/press/2014/20140512.pdf 夏の増発列車のお知らせ]}} - 東日本旅客鉄道プレスリリース、2014年5月23日</ref>に運転される。 === 過去の使用車両 === 開業後しばらくの間は[[蒸気機関車]]による[[貨物列車#混合列車|客貨混合列車]]で運行された。[[太平洋戦争]]終結後の[[1951年]](昭和26年)、[[気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式#機械式|歯車式変速器]]のディーゼル気動車が一部便に投入され、その後[[1957年]](昭和32年)に[[気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式#液体式(流体式)|液体式]]の車両に置き換えられた<ref name="tetsudo-pictrial-1972-02">福田行高、山田俊明 共著「ローカル線を探る 烏山線」『[[鉄道ピクトリアル]]』1972年2月号 通巻261号 [[電気車研究会]]</ref>。 戦前は[[ガソリンカー]]、戦中は[[国鉄3170形蒸気機関車|3170形]][[タンク式蒸気機関車]]が使われたと云われている。 ==== 定期列車 ==== * [[国鉄キハ10系気動車|キハ10形・キハ11形]]気動車 - 1957年に宇都宮運転所に10両が配置され、1979年まで使用された。 * [[国鉄キハ20系気動車|キハ20系]]気動車 - キハ40形の配置直前に、[[京都総合運転所|向日町運転所]]と水戸機関区から各1両のキハ20形初期車が転入し、使用された。1両はキハ40形投入後も予備車として残存した。 ==== 臨時列車 ==== * [[国鉄DE10形ディーゼル機関車|DE10形]]ディーゼル機関車 * [[国鉄DD51形ディーゼル機関車|DD51形]]ディーゼル機関車 * [[国鉄12系客車|12系]]客車 - [[1979年]][[7月22日]]の[[ミステリー列車]]「[[銀河鉄道999]]号」では、DE10 100号機に牽引され、9両編成で入線している。 * [[グラシア (鉄道車両)|キロ59系気動車「グラシア」]] * [[漫遊 (鉄道車両)|キロ40系気動車「漫遊」]] == 歴史 == === 前史(常野鉄道と烏山人車鉄道) === 現在の烏山線の路線敷設計画に至る以前の[[1894年]]([[明治]]27年)、[[烏山町]]の島崎善平等は多雨期の[[鬼怒川]]をリスクと考え、これを渡る[[日本鉄道]][[東北本線|奥州線]]の[[長久保駅]]に接続するルートではなく、現在の[[水戸線]][[川島駅]]に至る「常野鉄道」の開設を当時の[[栃木県]]知事[[佐藤暢 (栃木県知事)|佐藤暢]]に願い出た。これは実現せず、その後奥州線が東に移設され[[宝積寺駅]]が開業したため、烏山の小林初太郎と宝積寺の矢口縫太郎が中心となって「烏山人車鉄道会社」を設立し、烏山と宝積寺を結ぶ[[人車軌道|人車鉄道]]開設を求めることとなった。資金も集めて準備も進められたが、この計画も実現しなかった<ref name=" yashu-tetsudo">大町雅美著『郷愁の野州鉄道』随想社</ref>。 === 烏宝軽便鉄道 === [[1911年]](明治44年)[[3月15日]]、烏山町の島崎善平らは「烏山宝積寺間軽便鉄道敷設請願書」を[[鉄道院]]総裁の[[後藤新平]]に提出、同年[[8月21日]]には「軽便鉄道敷設に付き請願」が鉄道院の新総裁となった[[原敬]]に提出されるなど、烏山と宝積寺を結ぶ[[軽便鉄道]]の敷設願いが再三日本国政府に提出された。この「軽便鉄道敷設に付き請願」は単に烏山と宝積寺を結ぶ支線としての計画ではなく常野を横断し[[常磐線]]と[[東北本線]]を結ぶ路線計画であったことから、[[衆議院]]議員の[[江原節]]らが議会で審議し遂に[[1912年]](明治45年)[[2月28日]]、宝積寺駅から烏山に至る軽便鉄道が議会で可決された。地元では'''烏宝軽便鉄道'''の期成同盟会が立ち上げられたが、[[日露戦争]]以来の日本政府の資金不足から国の建設認可が下りず、[[第一次世界大戦]]にともなう景気亢進で国の手でようやく建設されることになり、[[1921年]]([[大正]]10年)[[1月10日]]に工事を落札した坂本佐吉によって宝積寺 - 文狭間で建設工事が着手された。烏山側では依然として工事が始まらなかったため地元住民が再三懇願に上京しようとしていた矢先に[[鉄道省]]技師等が烏山を訪れ、ようやく工事が開始されることとなった。こうした紆余曲折を経て、[[1923年]](大正12年)にようやく開通。地元では新聞、銀行、旅館などが'''烏宝線'''(うほうせん)と表示する時刻表を作り報道したが、鉄道省関係の資料では建設時から「烏山線」とされ、営業開始時の正式路線名も「烏山線」とされて現在に至っている<ref name="yashu-tetsudo" /><ref>『[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/974231/73 大正十一年度 鉄道省年報]』『[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/974232/83 大正十二年度 鉄道省年報]』『[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/974248/349 大正十二年度 鉄道省鉄道統計資料]』『[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/947296/6 大正十三年三月末日現在 日本全国鉄道線路哩程]』(いずれも国立国会図書館近代デジタルライブラリーより)によると建設時より「烏山線」となっているが、地元新聞などでは計画時からの「烏宝線」の名もしばらく使われた。</ref>。開通日は鉄道省[[告示]]により1923年(大正12年)[[4月15日]]とされたが、実際には[[北白川宮成久王]]が薨去したため開通式は[[5月1日]]に変更された。開通式には各界の名士が参列したほか、地元住民も大勢が参加してたいへん賑わい、当日の烏山駅利用者は午後3時までに乗降者2千7百人を超えた<ref name="yashu-tetsudo" />。 === 廃止の回避 === JRの前身である[[日本国有鉄道]]が運営していた[[1968年]](昭和43年)には「[[赤字83線]]」に選定され廃止対象とされた。その後、[[1970年]](昭和45年)の日本国有鉄道諮問委員会報告書で報告された全国鉄路線各線の収支係数が公表され、烏山線の収支係数が近隣他路線との比較で[[日光線]]や[[両毛線]]、水戸線よりは悪く、[[水郡線]]や[[鹿島線]]、[[相模線]]、[[鶴見線]]より良い、また[[吾妻線]]や[[川越線]]、[[東金線]]とほぼ同等であることが判明し、烏山線は存続となり、以後は[[特定地方交通線]]にも選定されず現在に至っている。なお、同じく赤字83線に選定された県内他路線の[[真岡鐵道真岡線|真岡線]]と赤字83線には選定されなかった[[わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線|足尾線]]は、収支係数および損益状況上では相模線と同等か良好かつ鹿島線より遥かに良かったが、沿線に主要都市が無くまた県都と県内地域を結ぶ路線ではなかったことなど、存続するための路線評価が得られず[[第三セクター鉄道]]化されている<ref name="tetsudo-pictrial-1972-02" /><ref>守屋八郎 著「赤字線問題 国有鉄道の場合」『鉄道ピクトリアル』1968年12月号 通巻218号 電気車研究会</ref><ref>福田行高・山田俊明 共著「ローカル線を探る 真岡線」『鉄道ピクトリアル』1971年11月号 通巻257号 電気車研究会</ref><ref>福田行高・山田俊明 共著「ローカル線を探る 足尾線」『鉄道ピクトリアル』1973年6月号 通巻279号 電気車研究会</ref><ref>「1971(昭和46)年度 国鉄線区別収支係数」『鉄道ピクトリアル』1972年11月号 通巻271号 電気車研究会</ref>。 === 年表 === * [[1923年]](大正12年)[[4月15日]]<ref name="yashu-tetsudo" /><ref>『[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/974232/83 大正十二年度 鉄道省年報]』では4月1日となっているが、『[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/974248/349 大正十二年度 鉄道省鉄道統計資料]』の「本年度中線路増減表」、後年の運輸省鉄道局監修『平成九年度 鉄道要覧』(電気車研究会)、国土交通省鉄道局監修『平成十八年度 鉄道要覧』(同)では4月15日となっている。なお、[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2955331/2 鉄道省告示 (1923年4月13日官報掲載)]では4月15日開通とされ、開通式は5月1日に行われた。</ref>:宝積寺駅 - 烏山駅間 (20.4km) が開業。これにともない、熟田(にいた)駅・大金駅・烏山駅が開業<ref name="chizucho">今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 3号 関東1』[[新潮社]] 2008年 p.27</ref><ref name="yashu-tetsudo" />。 * [[1925年]](大正14年)[[4月1日]]:熟田駅が仁井田駅に改称<ref name="chizucho" /><ref name="yashu-tetsudo" />。 * [[1934年]](昭和9年)[[8月15日]]:気動車運行開始(宝積寺-烏山間)<ref>[http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1114638/97 『鉄道省年報. 昭和9年度』](国立国会図書館近代デジタルライブラリー)</ref>。下野花岡駅・鴻野山駅・小塙駅が開業<ref name="chizucho" />。 * この頃、宇都宮直通列車の運転が定着(同年12月1日改定の時刻表では上り10本中、7本が宇都宮行きとなった)<ref name="yashu-tetsudo" />。 * [[1941年]](昭和16年)[[8月10日]]:下野花岡駅・鴻野山駅・小塙駅に停車する列車が、朝夕の通勤時間帯のみとなる<ref name="yashu-tetsudo" />。 * [[1954年]](昭和29年)[[6月1日]]:滝駅が開業<ref name="chizucho" />。 * [[1979年]](昭和54年) ** 6月1日:全線の貨物営業が廃止<ref name="sougou-nenpyou" />。 ** [[7月1日]]:宝積寺 - 仁井田間 (5.9km) の貨物営業を開始<ref name="sougou-nenpyou" />。 ** [[7月22日]]・[[7月23日|23日]]:ミステリー列車として「銀河鉄道999号」が上野駅 - 烏山駅間で運行<ref name="sougou-nenpyou" />。 * [[1984年]](昭和59年)[[3月14日]]:宝積寺 - 仁井田間の貨物営業が廃止。 * [[1987年]](昭和62年)4月1日:[[国鉄分割民営化]]にともない、東日本旅客鉄道に承継。 * [[1990年]](平成2年) ** [[12月1日]]:下野花岡駅の読みを「しも'''ず'''けはなおか」から「しも'''つ'''けはなおか」に変更<ref name="chizucho" />。 ** [[3月10日]]:全線でワンマン運転を開始<ref name="henseihyo-2010" />。 * [[1995年]](平成7年)12月1日:乗り入れ先の[[宇都宮線]]([[東北本線]])宇都宮駅 - 宝積寺駅間でもワンマン運転を開始<ref name="henseihyo-2010" />。 * [[2003年]](平成15年):開業80周年記念としてキハ40形1両(キハ40 1004)の塗装を原色の[[朱色5号]](首都圏色)に変更して運行(4月から11月まで)<ref>『鉄道ファン』2003年7月号 p.218「JR東日本大宮支社 烏山線開業80周年イベント」旧国鉄色(朱色)気動車の運転</ref>。 * [[2006年]](平成18年)7月22日・23日:臨時快速列車「烏山山あげ祭り号」が、上野 - 烏山間を各日1往復運転される(翌年の同月28日・29日も運行)。 * [[2010年]](平成22年)[[12月24日]]:開業88周年記念としてキハ40形2両を[[クリーム4号]]と[[朱色4号]]によるツートンカラー(国鉄時代の「一般色」)に変更して運行(2両目は2011年4月から)<ref name="hobidas">[http://rail.hobidas.com/news/info/article/124913.html 烏山線に国鉄色塗装をイメージした車輌が登場] - 鉄道ホビダス [[ネコ・パブリッシング]] RMニュース 2010年11月12日 2010年12月20日</ref>。 * [[2011年]](平成23年)3月11日:[[東北地方太平洋沖地震]]([[東日本大震災]])により、16日始発まで全線で運転を中止<ref>今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録』新潮社、2011年、p.7</ref><ref>[http://www.mlit.go.jp/common/000139083.pdf#page=56 東日本大震災 災害情報(第112報) 平成24年8月6日(月)10:00作成] - 国土交通省</ref>。 * [[2012年]](平成24年)5月26日:大金駅 - 烏山駅間のスタフ閉塞式が同日最終列車後に廃止され、特殊自動閉塞に移行。合わせて全線で[[自動列車停止装置#ATS-P形(デジタル伝送パターン形)|ATS-P]]運用開始。<ref>『鉄道と電気技術』2013年7月号 p.30「烏山線自動閉そく化・ATS-P化工事の概要」</ref> * [[2013年]](平成25年)8月1日:大金駅の運転取り扱い終了に伴い同駅を無人化、また烏山駅を業務委託駅に変更。 * [[2014年]](平成26年)3月15日:蓄電池駆動電車EV-E301系「ACCUM」が運行開始<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/otona/railwaynews/03/tochigi/20140316-OYT8T00220.htm 蓄電池電車 快走スタート] - 読売新聞、2014年3月16日</ref>。 == 駅一覧 == * 全列車普通列車(全駅に停車) * 線路(全線単線) … ◇・∨:[[列車交換]]可、|:列車交換不可 * 全駅[[栃木県]]内に所在 * 烏山線内の電化設備は駅構内のみで蓄電池駆動電車の充電用。 {| class="wikitable" rules="all" |- !rowspan="2" style="border-bottom:3px solid #008000; width:1em; line-height:1.1em;"|電化状況 !rowspan="2" style="width:6em; border-bottom:3px solid #008000;"|駅名 !rowspan="2" style="width:5em; border-bottom:3px solid #008000;"|対応する<br />七福神 !rowspan="2" style="width:2.5em; border-bottom:3px solid #008000;"|駅間営業キロ !colspan="2" style="line-height:1.1em;"|累計<br />営業キロ !rowspan="2" style="border-bottom:3px solid #008000;"|接続路線 !rowspan="2" style="width:1em; border-bottom:3px solid #008000;"|線路 !rowspan="2" style="border-bottom:3px solid #008000;"|所在地 |- !style="width:3.5em; line-height:1.1em; border-bottom:3px solid #008000; font-size:85%;"|{{Nowrap|宝積寺}}<br />から !style="width:3.5em; line-height:1.1em; border-bottom:3px solid #008000; font-size:85%;"|{{Nowrap|宇都宮}}<br />から |- !style="width:1em; background:#9cf; line-height:1;"|電化 |[[宝積寺駅]] |style="text-align:center;"| - |style="text-align:center;"| - |style="text-align:right;"|0.0 |style="text-align:right;"|11.7 |[[東日本旅客鉄道]]:[[東北本線]]([[宇都宮線]]:一部宇都宮まで直通) |∨ |rowspan="3"|[[塩谷郡]]<br />[[高根沢町]] |- !rowspan="6" style="width:1em; line-height:3em; background:#fff;"|非電化 |[[下野花岡駅]] |[[寿老人]] |style="text-align:right;"|3.9 |style="text-align:right;"|3.9 |style="text-align:right;"|15.6 |  || |- |[[仁井田駅 (栃木県)|仁井田駅]] |[[布袋尊]] |style="text-align:right;"|2.0 |style="text-align:right;"|5.9 |style="text-align:right;"|17.6 |  || |- |[[鴻野山駅]] |[[福禄寿]] |style="text-align:right;"|2.4 |style="text-align:right;"|8.3 |style="text-align:right;"|20.0 |  || |rowspan="5" style="white-space:nowrap;"|[[那須烏山市]] |- |[[大金駅]] |[[大黒天]] |style="text-align:right;"|4.4 |style="text-align:right;"|12.7 |style="text-align:right;"|24.4 |  |◇ |- |[[小塙駅]] |[[えびす|恵比寿]] |style="text-align:right;"|2.6 |style="text-align:right;"|15.3 |style="text-align:right;"|27.0 |  || |- |[[滝駅 (栃木県)|滝駅]] |[[弁才天]] |style="text-align:right;"|2.2 |style="text-align:right;"|17.5 |style="text-align:right;"|29.2 |  || |- !style="width:1em; background:#9cf; line-height:1;"|電化 |[[烏山駅]] |[[毘沙門天]] |style="text-align:right;"|2.9 |style="text-align:right;"|20.4 |style="text-align:right;"|32.1 |  || |} == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[日本の鉄道路線一覧]] {{DEFAULTSORT:からすやま}} [[Category:烏山線|*]] [[Category:関東地方の鉄道路線]] [[Category:東日本旅客鉄道の鉄道路線]] [[Category:日本国有鉄道の鉄道路線]] [[Category:栃木県の交通]]