パウンド・フォー・パウンド

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2010年8月20日 (金) 10:21時点における小内山晶 (トーク | 投稿記録)による版 (外部リンク)

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一般的な定義

パウンド・フォー・パウンド(英:pound for pound)とは、ボクシングの世界で、仮に体重のハンデがなかったとした場合に最強と目されるチャンピオンに与えられる称号、もしくはそのような選手を考える思考法自体のこと。PFP、またはP4Pと略す。

ボクシングは体重別によって階級が設定されており、自分の体重とほぼ同じ対戦相手と試合をし、優劣を競う格闘技である。階級は全部で17階級あり、最軽量級はミニマム級(105ポンド以下)で最重量級はヘビー級(200ポンド以上無制限)となっている。体重が重くなればなるほど、身体的に有利なことからボクシングでは有利とされており、つまりヘビー級チャンピオンが全17階級の中で最強のボクサーということになる。

しかし、もし体重のハンデがなく、全階級のボクサーが同じ条件(体重)で戦ったとしたら誰が一番強いのか?つまり、パウンド・フォー・パウンドとは、身体的ハンデがない状態で全階級を通じてどのボクサーが一番優れているのかを決めるときに用いられる言葉である。

元々この言葉は往年の伝説的名王者シュガー・レイ・ロビンソンの強さを称えるニックネームとして生み出された。人々はロビンソンこそが階級の壁を越えた最も偉大な王者であるという想いをこの言葉に込めたのである。

なお数年前までは、ロイ・ジョーンズ・ジュニアがパウンド・フォー・パウンド最強と言われていたが、ジョーンズが衰えた現在ではフロイド・メイウェザー・ジュニア(現WBCウェルター級チャンピオン)がパウンド・フォー・パウンド最強の呼び声が高い。

より厳密な考え方

ボクシングは階級によって競技の性格そのものが変わるスポーツであると言える。たとえば軽量級選手はおしなべてスピード、手数、スタミナなどに優れており、重量級選手はパワーに優れている。軽量級において有効な戦術が重量級においては効率が悪いこともあればその逆もある。そうした点を無視して単純に体重同一時の強さを比べようとしても結局は論者の好みに左右されることが多い。

そこでより厳密な論法として次のような考え方がある。ある選手のパウンド・フォー・パウンドにおける位置付けを考える際、その選手の「主戦場階級における相対的な優位性」を考え、それを数値化する。このような数値を各階級のトップ選手について弾き出し、それらを比較して全階級を通じたランキングを作成するというものだ。

たとえば絶好調時のロイ・ジョーンズ・ジュニアフロイド・メイウェザー・ジュニアとの間に目で見てわかるスピード差などほとんど存在しない。しかしスーパーフェザー級ウェルター級で活躍するメイウェザーと、ミドル級ヘビー級に渡って活躍してきたジョーンズとでは、同階級の他選手と比べた際の相対的なスピード優位性という点でジョーンズに軍配が上がると言える。これがPFP的な能力評価法である。全盛期のマイク・タイソンのことを誰もがPFPナンバーワンと認めたのは、ヘビー級というパワー重視の階級においてタイソンが持つ圧倒的なスピード優位性と高度なコンビネーション技術によるところが大きい。

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