みずほ銀行行員巨額詐欺事件

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みずほ銀行行員巨額詐欺事件とは、2011年~2013年にかけて、みずほ銀行審査第二部審査役・及川幹雄が行った詐欺事件である。被害総額は50億円とも100億円ともいわれる。

事件概要

2012年9月、みずほ銀行が及川幹雄を懲戒解雇。2013年5月と7月に東京都内の資産家がそれぞれ提訴した。詐欺被害者の担当弁護士は「被害者は約20人、被害総額は約50億円以上。詐欺被害者の一人は20億円以上を騙し取られている。詐欺被害者の残りは、それぞれ1億数千万円ほど」と発表した。

みずほ銀行の及川幹雄が行った巨額詐欺事件は、最大の被害者は20億円以上であり、被害合計金額は50億円を超えいている。みずほ銀行銀行員の詐欺被害者は、1億円以上がそれぞれ騙し取られており、何れも裕福な人が対象であった。

東京都内の開業医が受けた詐欺被害の事例

  • 2011年5月 - ぎょうせい株式買収の投資の話をもちかける。みずほ銀行本店の人物が投資話を行っており特別な顧客にしか紹介していない。みずほ銀行で病院開業の融資を受けたため特別な話がきたと勘違いした。
  • 2011年5月20日 - みずほ銀行本店を訪問して応接室で会話
ぎょうせいの株式を買い戻して欲しいと上場企業から依頼を受けている。銀行が上場企業との関係上、表立って出金することができない。投資家から資金を募り、別段の預金口座にプールしている。ぎょうせいの社長に預金口座から株の買い戻し資金を融資する。みずほ銀行が100%元本保証で月利は3%である。本件は役員の特命と語った。

暴力団関係者らによるみずほ銀行元幹部への恐喝の事例

またこの頃、及川幹雄は山口組系暴力団の後藤組後藤忠政元組長の関係者らからお金をせびられていた。そして、及川幹雄は金融業者佐藤昇に対して「真珠宮ビル事件の跡地の買収資金をみずほ銀行が裏金で用意するから、暴力団関係者らによる恐喝から護ってほしい」と依頼してきた。同時期には、及川幹雄は複数の資産家から金を預かっていたことをマスコミにばらすと脅されており、既に週刊ポストの元記者の高尾昌司(高尾正志)へは5000万円を、大津洋三郎と週刊文春の記者を名乗る中西昭彦へは1億500万円を、それぞれ喝取されていた。

それから、及川幹雄の依頼により、佐藤昇が間に入り、高尾昌司(高尾正志)らからの執拗な恐喝行為を止めると、高尾昌司(高尾正志)は「事務所や自宅が銃撃されることになる」と通告してきた。

その後、佐藤昇は、高尾昌司(高尾正志)に対して、自らの金融会社が持つ債権によって債権者(第三者)破産を申し立て、2012年10月3日に破産手続開始を決定させて、高尾昌司(高尾正志)がジャーナリストと称しての恐喝行為をできないようにした。

及川幹雄の懲戒解雇と裁判

  • 2012年5月頃 - 及川幹雄の連絡が途絶えがちになる
  • 2012年6月頃 - 及川幹雄が痩せこけ挙動不審
  • 2012年7月 - 詐欺被害者の一人が全額解約の申し入れに及川幹雄が分かりましたと回答
  • 2012年8月 - 預け金を持ってこない代わりに社外秘の書類を持ってきた。書類は情報誌からみずほ銀行宛に届いた内容証明で及川幹雄が詐欺を行っている内容。その後審査第二部から移動
  • 2012年9月 - みずほ銀行を懲戒解雇
  • 2013年7月 - みずほ銀行と及川幹雄に訴訟
  • 2013年9月24日 - 及川幹雄に、1億4750万円を支払えという判決

みずほ銀行元幹部を詐欺容疑で告訴(2014年9月)

みずほ銀行の元幹部行員・及川幹雄が、現職中、顧客の男性に「高い配当が得られる金融商品がある。銀行が元本を保証する」などと架空の話を持ちかけ、2億6000万円をだまし取ったとして、詐欺で刑事告訴された。ほかの複数の顧客も、及川幹雄に資金を預けたまま返還されていないとして、損害賠償請求を検討している。

都内の40代の男性は3年前の5月、当時、みずほ銀行本店の審査役だった51歳の及川幹雄から「特別な顧客だけに紹介している金融商品がある」と、本店の応接室で勧誘を受けた。さらに及川幹雄からメールなどで「銀行が元本を保証し、月3%の配当を行う。いつでも解約できる」と説明を受け、男性は合わせて2億6000万円を預けた。

その後、解約を申し出たが、及川幹雄は「銀行でシステム障害が発生した」などと言って応じず、今も1億4000万円余りが返還されておらず、男性は30日、詐欺で警視庁に告訴状を提出し、受理された。

また、ほかにも複数の顧客が、同じ勧誘を受けて及川幹雄に資金を預けたまま返還されていないとして、損害賠償請求を検討している。及川幹雄は、おととし9月に銀行を退職している。みずほ銀行は、「事実を明らかにするため、捜査に全面的に協力します」とコメントしている。

薬師寺保栄氏 元みずほ銀行行員に1.3億円騙し取られていた

みずほ銀行本店行員・及川幹雄に対する告訴状が警視庁に提出され、受理されたのは9月30日である。都内の会社役員から多額の現金を騙し取ったという詐欺の容疑だ。及川幹雄氏は第一勧業銀行出身で、都内の支店長などを経て本店勤務となったが、詐欺騒動をきっかけに2012年9月に退社した。

多数と見られる被害者のなかには、元WBC世界バンタム級チャンピオンの薬師寺保栄氏も含まれていた。投資は1億3000万円に及び、大半が未返済のままだという。10月6日発売の週刊ポスト10月17日号で、同氏はこう語っている。

「及川幹雄氏と初めて会ったのは2010年の夏。知人の会社経営者から紹介されました。身長170センチ弱と小柄な体格。さっぱりと短い髪で、地味なスーツにネクタイを締めた、いかにも銀行員といった風貌でした。ただ、『お勧めしたいファンドがある。月利5%の投資話です』とあまりにうますぎる内容だったため、最初は信用していなかったんです」(薬師寺氏)

後日、名古屋在住の薬師寺氏は及川幹雄氏が本当にみずほ銀行の現役行員なのかを確認するため、同じく投資を検討していた知人と一緒に、東京・内幸町のみずほ銀行本店(当時。現在は大手町に移転)に出向いたという。

「みなさんに顔が知られている私が突然出向くと不審がられると思い、本店までは知人に行ってもらいました。本当に本店で働いているか、呼び出して確認するためです。

すると、本店から社員証を下げた及川幹雄氏が出てきて、知人を本店内に案内した。知人は受付を通り、2階の応接室に通され、投資の説明を受けている途中で、女性の事務員からお茶も出されたそうです。

これで私と知人の疑念は消え、“本当にみずほ銀行が行なっているファンドへの投資話だ”と信じてしまったんです」(同氏)

初公判で語られた「エリート行員の転落人生」

みずほ銀行本店の応接室を舞台に繰り広げられた巨額詐欺事件の初公判が2015年5月27日東京地裁(安藤範樹裁判官)で開かれた。現役行員の立場と同行のブランド力を利用し、約1億500万円をだまし取ったとして、詐欺罪で起訴された元みずほ銀行審査役・及川幹雄被告人(52)は「(間違い)ございません」と起訴内容を認めた。

起訴状によると、及川被告人は2011年5月20日、当時のみずほ銀行本店2階応接室で、40歳代の男性医師に次のようなウソの投資話を持ちかけた。出版社のオーナーが、会社経営に興味を失いました。私はM&Aを成功させました。1600億円でみずほ銀行が買収することになりましたが、そのうち400億円分の株については、名義が架空または故人のため、みずほ銀行の子会社であるキャピタル会社(投資会社)は買い取ることができません。そのため株の名義を投資事業会社に移し、そこからキャピタル会社が買い取ることになりました。キャピタル会社は必ずプレミアムを付けて買い取ってくれます。その投資事業会社に口座を持っているのは、私や税理士弁護士だけです。私に投資してもらえば、投資家には月3パーセントの配当をお渡しできます。

こうした言葉で、単に配当金を受け取れるだけでなく、元金も戻ってくると医師に思い込ませて、同年5月25日六本木にあるクリニックの院長室で5000万円の現金を受け取った。その後、2012年6月30日までの間に、3回にわたって同様の話を持ちかけ、合計4回で計1億500万円を受け取った。検察官によると、さらに追起訴も予定されているという。

検察官の陳述によると、及川被告人は1987年4月に第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行。1994年に結婚し、妻に家計を預けて、月5万円程度の小遣いをもらっていた。しかし、「成り上がりたい」「背伸びする気持ち」で同僚・部下と飲食を繰り返すうち、カードローンで借金をするようになった。カードローンの残高は、2002年12月の時点で約400万円にのぼった。そのほか約3000万円の住宅ローンも抱えた。また及川被告人は2004年7月、知人から1500万円を借り、最終的に複数の知人から合計で億を超える借金ができたという。

及川被告人は2005年10月に、架空の話で500万円をだまし取った。「いま振り返るとこれが転落の第一歩だった」と及川被告人は供述した。及川被告人は2012年7月に資金がショートして返済不能に。同年8月に会社に出勤しなくなり、同年9月に懲戒解雇された。住んでいたマンションも借金の形にとられ、妻とも離婚。現在は住所不定・無職だという。次回公判は、8月3日に開かれる予定。

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