靴
靴(くつ)とは、履物の一種で、足を包む形のもの。サンダルのように靴底以外は紐や帯で固定するものもあるが、多くは足を完全に覆うことで固定する。どのくらいを覆えば靴とみなされるかの明確な基準はないが、サンダルなどで覆われる部分が少ないと靴とはみなされないこともある。
日本では中世以降ほとんど靴が使われなかったため、現代では靴といえば西洋靴を意味することが多いが、日本の伝統的な靴もある。ただしその意味では履や沓と書いて区別することもある。
また靴は基本的に靴底を備えており、靴下、足袋のような、1枚布もしくはそれに似た構造のものは靴に含めない。地下足袋も、足袋の範疇に含め靴に含めないことが多い。
文脈によっては、外履き一般を意味することもある。(例文:ここで靴を脱いでください/靴のままお上がりください)
靴はそれ以外の履き物に比べ、覆う面が多いために足を保護する効果が高い。他方、通気性や足の運動性は劣る。特に足指の運動がほとんどできないものが多い。
日本では、布製の靴(特に運動靴)をオランダ語で布地を指す「ズック」(doek)と呼ぶこともある[1]。
目次
材料
皮革が歴史が長く、使用も多い。
他に、人工皮革、ナイロン、布、プラスチック、木、パナマ草等が使われる。
健康上の問題点
長時間歩く場合は予め靴紐を緩めておくと足の血流を阻害しない。
通気性の悪い靴を長時間履いていると水虫になり易い。
外反母趾の原因となり、特にポインテッドトゥのハイヒールで著しい。
靴のサイズ
足は一日の中でも時間と共に大きさが変わる器官である。最も大きくなるのは15時頃で、起床直後と比べて体積が約19%大きくなる。
そのため、ほとんどの短靴や半長靴には靴紐やマジックテープで内径を調整する機能がある。
日本には「靴は夕方に買え」という諺がある。これはむくんだ状態の足に合わせておけば、昼間買った靴が夜には小さくなっていた、という間違いを防ぐ事が出来ることを示している。しかし、逆の見方をすれば日中は靴が大きすぎることになる。他国は靴文化が長いため靴を夕方に購入する習慣はない。
注意
また、靴のサイズについては国ごとに、また男女別で表示方式がかなり異なっている(たとえば日本では25cmの紳士靴に相当するサイズは米国では7、イギリスでは6 1/2、大陸欧州では39)。日本以外にはcmで靴のサイズを表す国はないため、日本国外で靴を買ったり、個人輸入などの形で国外から靴を輸入する場合には、各国のサイズに注意する必要がある。
靴のサイズの単位に日本では昔、文(もん)があり、2.4cmを表す。詳しくは文 (通貨単位)#長さの単位を参照。
靴の種類
利用者の目的、職業、性別、年齢によって様々な種類の靴がある。革靴に種類の項目があるので参照にして頂きたい。
シューズとブーツ
靴はその上下の長さにより、くるぶしに達しない浅い靴であるシューズ (shoes) または短靴と、くるぶしに達するかそれ以上の深い靴であるブーツ (boots) または長靴に分けられる。なおここで「くるぶしに達する」とは必ずしもくるぶしまでの全体を覆っている必要はなく、サンダルのように部分的に露出していてもいい。
ただしアメリカでは、ブーツをシューズに含めることがある。その場合、短靴を特にローシューズ (low shoes) という。
ヒールの高さ
- ハイヒール(7cm以上の踵の高さの靴)
- ミディアムヒール (ハイヒールとローヒールの中間の高さの踵)
- ローヒール(3cm前後の踵の高さの靴)
- カッターシューズ (1~2cm前後の踵の高さの靴)
- ピンヒール (ピンのように細い踵。別名はスティレットヒール)
- スパイクヒール (底の面積が非常に小さい靴)
- キトンヒール
素材
特定用途の靴
その他の種類
靴の歴史
人類が何時頃から靴を履き始めたのかは定かではない。現存する最古の靴はエジプトのピラミッドから発掘された鼻緒の付いたサンダル形態の物。ツタンカーメン王の墓からは黄金で出来たサンダルが出土している。
言葉
助数詞
助数詞は「足」(そく)である。1足は左右の1ペアを意味する。
靴にまつわる言葉
靴を扱った物語
靴にまつわる風習
- アラブ世界では、靴で人(それがその人を表す絵画や写真や銅像などでも同様)を踏みつける・靴を投げつける・靴で叩くことは、その人に対する最大の侮辱・屈辱行為に当たるので注意が必要である(それを裏付けるエピソードとしてはジョージ・W・ブッシュを参照のこと)。
童謡
脚注
関連項目
外部リンク
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