編入学
編入学(へんにゅうがく)とは、その学校に在籍していなかった人が、第1学年の始期を過ぎた途中から入学して、そのまま学ぶことである。
概要
第1学年の始期に入学することは、新入学ともいい、編入学は、通常の入学である新入学以外の入学形態の1種である。また、学校において編入(へんにゅう)とは、入学の際に行うかどうかを問わず、学習者を年齢や心身の発達状況などに応じた相当の学年に組み入れることをいう。編入学では、入学と編入を同時に行う。
編入学するに当たっては、編入学試験を課される場合が多い。また、高等学校以上の学校種に編入学にする場合は、取得単位の認定が必要である。
高校では、不登校などの理由で、高校に在籍していない者がサポート校へ編入学するケースが多い。高等専門学校や短期大学から大学への編入学者も多い。
大学の編入学試験
大学の編入学試験は、短期大学・高等専門学校(高専)や専修学校専門課程(専門学校)の卒業者及び卒業見込み者、4年制大学2年次修了者などを対象とし、主に大学3年次に入学する者を選抜する試験である。編入学年次を2年次とするところもある。文系学部や医学部等においては受験資格を大卒・大卒見込みとする場合もありこれは学士編入と呼ばれる。
編入学試験の試験科目は、語学・専門科目・面接という場合が多いが、理系学部では、さらに理数系科目が追加される場合がある。試験は各大学・学部の独自作成問題による。また、国立大学の理系の特定学部では、主に短期大学、高等専門学校の同一専攻の卒業見込み者を対象に推薦編入学制度を持つ場合も多い。私立大学が系列や提携の短期大学・短期大学部に対して推薦編入学枠を用意している場合もある。
選考実施の時期は 夏季~9月にかけて行われる場合や年度末の2~3月にかけて行われる場合が多い。編入学定員を設けて行う場合の多くは前者であり、後者の場合は欠員補充の意味合いが強い。しかし、12月に実施されるケースもあり、選考時期として特に統一された時期は無く、各大学・学部の自主性に委ねられている。
編入学と類似する概念
編入学と類似する概念としては、ある学校に在籍している人がそのまま別の学校に学籍が移動する転学(てんがく)や、学校内で学籍が移動する転籍(てんせき)、同一学校内で学部・学科が移動する転部(てんぶ)・転科(てんか)などがある。(なお、転学による入学は、転入学(てんにゅうがく)とも呼ばれている。)
一般的に日本では、校種が同一の学校間を移るときには転学の手続きが必要であり、校種が異なる学校間を移るときには退学および編入学の2つの手続きが必要である。なお、例えば、外国の現地学校に通っていた人が帰国して日本の学校に通うときなどは、退学および編入学の手続きが必要である。(ただし、校種が同一の学校間を移るときに、退学および編入学の手続きを行うこともできる。)
既卒者の編入学
一部の学校種では同等学校の既卒者が再び入学できない場合がある。大学の場合は、既卒者でも再び入学できる。大学を卒業した人が入学・編入することは、学士編入学(がくしへんにゅうがく)または学士入学(がくしにゅうがく)という。
その他
- 近年、大学への編入学を推奨する短期大学が増加している。有名私立大学の附属や系属の短期大学(関東では青山学院女子短期大学、上智短期大学、立教女学院短期大学など。関西では関西外国語大学短期大学部、京都女子大学短期大学部、龍谷大学短期大学部など。)には、編入学の推薦入学枠が用意されている場合がある。また、他大学への編入学実績がある短期大学として大阪女学院短期大学、産業技術短期大学、京都経済短期大学、大月短期大学などが著名である。
- 大学によっては編入という言い方をしないところもある。例えば慶應義塾大学通信教育課程のように、短期大学卒業者の場合には特別課程入学と呼ばれたり、他の大学卒業者の場合は、学士入学と呼ばれたりしている。
- 編入学が盛んになっている現在、東京には中央ゼミナール、青山IGC学院、関西にはECC編入学院などの編入受験予備校も存在する。
参考文献
- 中央ゼミナール,『全国主要大学編入学試験案内(2009年度版)』,一ツ橋書店 ISBN 9784565095558
- 滝沢まこと,『全国医学部学士編入学試験の攻略法』,エール出版社 ISBN 9784753927678
- 宍戸ふじ江,『だれも教えてくれなかった大学編入』,東京図書 ISBN 9784489020247
- 学研,『高校転入・編入ガイド 関東版〈2008~2009年〉』,学習研究社 ISBN 9784053027726
関連項目
関連項目
- e-研究者.net 医学部・歯学部編入学情報有り
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