廃棄物
廃棄物(はいきぶつ、Waste)とは、不要になり廃棄の対象となった物および既に廃棄された無価物を指す。また、近年、リサイクル可能な有価物に関しては、取引価格が上昇しており、日本においては、中国等への輸出が急増し、国内リサイクル産業へ打撃を与えている。
目次
定義
日本の法律
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第2条によれば、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された放射性廃棄物を除く。[1])をいう」とされており、産業廃棄物と一般廃棄物に大きく2分類される。
ここで「廃棄物」については、「占有者が自ら、利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になった物」との解釈が厚生省(当時)環境衛生局環境整備課長通知[2]により示されており、有価物は廃棄物ではないと判断される。 循環型社会形成推進基本法においては、有価・無価を問わず「廃棄物等」とする。
廃棄物の処理方法
- 焼却処分
- 埋め立て処分
- その他
廃棄物回収の有料化
「廃棄物処理コストに比べて排出者の負担金額が安く排出量に応じた料金負担がなされていないため、排出者に廃棄物削減のインセンティブが無い」という環境経済学の発想から、日本各地でごみ有料化が行われている。
廃棄物処分場
現行の処分場は不足しているが、NIMBY(Not in my backyard)問題と呼ばれるように新規立地が難しく、より適正な維持管理・合意形成などの課題を抱えている。
各国の状況
日本
廃棄物の割合
日本の廃棄物の9割近くは産業から出ている。
廃棄物を埋め立てる最終処分場の確保が厳しいことや[4]、不法投棄、食料の廃棄の多さが問題とされることが多い。食品廃棄物は、事業から平成17年度で1136万トン、家庭の生ゴミは平成16年度で1010万トン出ている[5]。
アメリカ
フリーガンと呼ばれる、廃棄物を再利用して生活する運動がある。
脚注
- ↑ 放射性廃棄物は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律などによって規定されるため、廃棄物処理法の対象外となっている。
- ↑ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について(昭和46年10月25日環整45号)
- ↑ 3.0 3.1 産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成17年度実績)について(平成20年1月24日発表) (環境庁)
- ↑ 4.0 4.1 4.2 一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成17年度実績)について(平成19年4月16日発表) (環境庁)
- ↑ 食品リサイクルの現状 (環境庁)
関連項目
- 環境問題
- 水質汚染
- ごみ問題
- 漂着ごみ
- 再使用 (リユース)
- リデュース
- リサイクル
- カスケードリサイクル
- 廃棄物固形燃料(廃棄物発電)
- 最終処分場
- ディスポーザー
- マニフェスト
- ライフサイクルアセスメント
- 循環型社会
- 拡大生産者責任
- PRTR制度
法令・資格
- 日本
- 循環型社会形成推進基本法
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
- 容器包装リサイクル法
- 自動車リサイクル法
- 家電リサイクル法
- 食品リサイクル法
- グリーン購入法
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)
- 廃棄物等
- 建築物環境衛生管理技術者(特定建築物における廃棄物の排出、環境衛生等に関する監督を行う者)
参考文献
- 大澤正明 『図表で読み解く現代のごみ問題』 日本環境衛生センター、2006年。