対称性
対称性(たいしょうせい)、又はシンメトリー(Symmetry)とは、ある変換に関して不変である性質のことを言う。 例えば、鏡に写った像が元の図形と同じであれば、その図形は鏡像対称である。
目次
いろいろな対称性
並進対称性
並進対称性は、並進操作に対して対称であること。及びその性質。
回転対称性
ある図形をある回転角で回転したときに、もとの図形に重なる場合、その図形は回転対称性を持っている。 あらゆる図形は1回転(360°)すると元の図形に重なるが、これは合同変換にすぎないので通常考えない。 1/2回転(180°)回転して元の図形に重なるものは2回対称であるという。 1/3回転(120°)回転して元の図形に重なるものは3回対称であるという。 以下同様。
任意の回転について対称、あるいは微小回転について対称であるものは等方的である。
鏡像対称性
鏡に映った像が元の図形と同じであれば、その図形は鏡像対称である。
結晶
結晶構造は並進対称性、回転対称性および鏡像対称性の組み合わせで表現することができる。それらは点群、空間群にまとめられる。
式の対称性
式の文字を入れ替えても元の式と変わらない式を対称式という。 例えば<math>x^2+xy+y^2</math>は<math>x</math>と<math>y</math>の入れ替えについて不変な対称式である。
美術におけるシンメトリー
美術におけるシンメトリーとは、対象に中心線を引いて、その左右対称な様式美を指す。実際の人間においては完全に左右が対称になる事は無い。従ってシンメトリーにみられる様式美は憧れの想像美であると言える。
右の写真は古代エジプトにおける胸像であるが、シンメトリーによる様式美を保っている事が良く分かる。このような形式は古代エジプトのほかにも、古代ギリシア、古代ローマにも見られる。また古代ギリシア、ローマ文明の復活をかけたルネサンスにおいてもシンメトリーの様式美が復活する。ルネサンスにおいては次第にシンメトリーが捨てられ、解剖学に基づいた活動的な様式へと変化する。これがマニエリスムである。