モノイド

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モノイドは、二項演算の定義された集合の一種である。単系と訳されることもある。

定義

モノイドとは次のような集合 S をいう。
S 上に二項演算 · が定義されていて(すなわち、写像 · :S×S → S が存在して)、 次の二つの条件を満たす。

  1. 結合法則) 任意の a, b, c に対して (a · b ) · c = a · (b · c )
  2. 単位元の存在) ある e が存在して任意の a に対して e · a = a · e = a

ただし、a · b は · (ab) を表す。

二項演算 · が条件の 1. を満たすとき、S半群と呼ばれる。つまり、モノイドとは「半群であって単位元を持つもの」である。
また、二項演算 · が上のほかに、逆元の存在を満たすとき、Sと呼ばれる。

モノイドの例

  1. ( 0 を含む)自然数全体の集合 N は、足し算について 0 を単位元とするモノイドである。
  2. 上の集合 N は、さらにかけ算に対しても 1 を単位元とするモノイドである。
  3. 正の自然数全体の集合 N+ は、かけ算に対して 1 を単位元とするモノイドである。
  4. 集合 S から S 自身への写像全体の集合は、写像の合成を演算と考えることで、恒等写像を単位元とするモノイドになる。
  5. 自然数係数の n 次正方行列全体の集合 Mn(N) は、足し算に関しても(単位元は零行列)かけ算に関しても(単位元は単位行列)モノイドである。
  6. を乗法群としてみたとき、環はモノイドである。
  7. その他、すべての群はモノイドである。
  8. モノイドのなかで、逆元を持つ元のことを単元という。単元全体の集合は群をなす。
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