アルバイト
アルバイト(独語からの外来語: Arbeit)とは、非正規雇用(正規雇用にしている会社もある)の一種で、期間の定めのある契約に基づき雇用される従業員を指す俗称。日常会話などではバイトとも略される。
アルバイトを含めた非正規雇用を取り巻く諸問題についてはフリーターも参照されたい。
語源
アルバイトという言葉は、ドイツ語で「労働」を意味する名詞のArbeitに由来する。明治時代に学生の間で使われていた隠語が、一般に広まったものである。英語ではパート・タイム・ジョブ (part-time job) やサイド・ジョブ (side job) 等という。ドイツ語で Arbeit といえば労働全般を指し、あえて日本語でいうアルバイトに近い言葉をさがせば英語からの外来語でジョブ(Job)となる。日本発祥の概念であり、日本国外にもフルタイムの雇用とパートタイムの雇用、期限の定めのある雇用と期限の定めのない雇用といった区別はあるが、それらを「アルバイト」と呼ぶことはほぼ無い。ただし韓国では、日本と同様の意味で아르바이트(「アルバイトゥ」、略称は알바「アルバ」)を用いる。
概要
「アルバイト」と「正社員」の区別は慣習的なものであり、企業がそのように呼び分けているだけである(「パート」と「アルバイト」の区分についても同様)。法的にはどちらも労働者であり、単に労働時間や契約期間が異なるに過ぎない。アルバイトでも、年次有給休暇を始めとする労働者としての権利の行使、会社が正社員に提供する福利厚生などの対象になる。
- アルバイト全体に占める比率は、24歳以下が51%(うち学生は29%)、50歳以上は17.2%。
- 勤務時間は、年間の就業日数が増えるほど、勤務時間も増える傾向にあるが、正社員よりは少ない。例:アルバイト警官・交番相談員
- 年間就業日数が200日未満では、勤務時間週30時間未満が76%(正社員は11%)、年間就業日数が250日以上では、勤務時間週43時間以上が48%(正社員は76%)。
外食・小売で「パート・バイト争奪戦」景気回復で不足、営業休止のチェーン店も(2014年4月)
外食・小売業界で人手不足が深刻化し、各社が対策を急ピッチで進めている。奪い合いになっているパート・アルバイトに対し時給を上げる一方、正社員登用や組織変更などで引き留め、確保に懸命だ。外食・小売業界は長引くデフレ環境の下、安価な労働力を活用して業容を拡大してきたが、景気回復に伴い、成長モデルの転換を迫られつつある。
「少子高齢化で人材が枯渇する。優秀な人材がパートやアルバイトで働く時代は終わった」
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は11日の決算会見で、傘下の衣料品チェーン、ユニクロのパート・アルバイト約1万6000人を特定地域で働く正社員に登用する狙いを、こう説明した。その上で「登用後は賞与や有給休暇なども認められ、年収は約2割増える」と待遇改善を強調した。
一方、居酒屋チェーン大手のワタミは一部地域の店舗で、従来は認めていなかったアルバイト従業員の自動車通勤を認めるほか、駐車料金などの補助も検討する。公共交通機関に縛られずに働きやすくすることで、人材の引き留めや新規採用につなげる狙いだ。
こうした背景には、生産年齢人口の減少といった中長期的な予測に加え、景気回復をきっかけに始まったパートやアルバイトの奪い合いがある。
直近の2月の完全失業率は3.6%と「完全雇用に極めて近い」(日銀の黒田東彦総裁)水準にまで回復。リクルートジョブズによると、3大都市圏(首都圏、東海圏、関西圏)の3月のアルバイト・パートの募集時平均時給は、人手不足を反映して0.6%増の948円と、9カ月連続のプラスが続く。
採用難は3大都市圏だけに限らず、若年人口が減少する地方部でも目立つ。リンガーハットは、山形県内の新店舗でアルバイト応募がゼロのまま3月下旬の開店を迎えた。同社の川内辰雄執行役員は「正社員を派遣してしのいでいる」と苦しい胸の内を明かす。
ゼンショーホールディングスは牛丼チェーン「すき家」について、全国7つの店舗運営会社を置く「地域分社化」を決めた。すき家では調理の手間がかかる鍋メニューを2月発売。不満を募らせたバイト従業員らが退職するなど、約250店が時間帯休業や深夜・早朝の営業休止に追い込まれる事態になった。ゼンショーの広報担当者は分社化によって「現場の声をくみ取れる風通しの良い組織にしたい」と話す。