安田銀行玉島支店強盗殺人事件
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安田銀行玉島支店強盗殺人事件(やすだぎんこうたましましてんごうとうさつじんじけん)とは、1933年(昭和8年)6月18日に安田銀行玉島支店で発生した現職の警察官による強盗殺人事件である。しかも官給の制服を着用したうえでの凶行であったため、当局に衝撃を与えた。
事件の概要
1933年6月18日の午前1時ごろ、岡山県浅口郡玉島町(現在の倉敷市玉島中央町)にあった安田銀行玉島支店長の自宅へ岡山県赤磐郡葛城村(現在の岡山市北区)の金川警察署葛城村巡査駐在所の巡査(当時28歳)が制服姿で訪問した。巡査はその年の1月まで玉島警察署に勤務しており支店長とは面識があった。巡査が言うには銀行の通用門が開いており異常が無いか確認したいというものであった。そのため支店長と巡査は支店長宅の隣にある銀行へ行ったが、いつまでたっても戻ってこないため家族が不審に思い行員を呼び、午前4時半ごろに金庫室を開けさせると、そこには支店長の絞殺死体があり、現金3万円と有価証券が奪われていた。犯人は巡査であるのが確実であったため、高飛び寸前に勤務先の派出所で逮捕された。
犯行の動機は相思相愛の仲になった芸妓から巡査が身請けするための2000円と彼女の借金返済が必要となり、そのための金銭欲しさのために凶行に及んだものであった。そのため当局に衝撃が走り、内務大臣は全国の警察官に対し厳重注意の戒告を発し、岡山県知事(当時は官選であり内務省官僚)と岡山県警察部長に異例の訓告が下された。
備考
事件があった安田銀行玉島支店は1920年(大正9年)に第二十二国立銀行として建設された近代洋風建築であり、現在は玉島信用金庫西支店が入居している。