自己決定権
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自己決定権(じこけっていけん、autonomy、right of self-determination)は、自分の生き方や生活についてを自由に決定する権利。権利の保障を行う憲法や、権利のそもそもを考える法哲学的にしばしば議論の的となる。医療に関しては、患者の最も重要なものの一つとして自己決定権が考えられており、このことに関しての問題が多々ある。
法学上の論点
自己決定権は権利か
自己決定権を憲法から導き出そうとすれば、それは日本国憲法で言えば第13条の幸福追求権から導き出せるものであり、文言からすれば「公共の福祉に反しない」限りにおいて尊重される。しかしながら、ある特定の行為を自己決定権として裁判で明言することは、そのことについて権利としての先例を作ることになり、司法の側には困難が伴う。現時点で、自己決定権を正面から認める最高裁判所判例は存在しないとされる。
- 参考・日本国憲法第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
自己決定権をめぐる裁判
自己決定権に関わる行為
- 情報の収集、Wiki閲覧、インターネット・アクセス、「知る」こと
- 友人、交流、コミュニケーション、通信
- 居住地の決定および移転、旅行
- 進路選択、教育
- 職業選択 (「職業選択の自由」)
- 結婚 する / しない の決定。結婚相手の選択
- 子供を持つ / 持たない の決定。
- 退職 する / しない の決定。退職や引退の時期の決定
- 自分が受けるサービスを提供する業者、会社の決定
- 自分が受ける通常医療や代替医療の種類の選択
- 医師や施術者などの個別的選択
- 具体的な治療方法、施術、健康サービスの選択
- 医療情報へのアクセス、治療結果の統計データの閲覧
- 自分が関わる地方自治体など、行政組織の選択
- 個別的な行政サービスを受ける / 受けないの選択
- 保険料の 支払い / 不払い
- 国籍の選択
- 言論
- 表現
- 服装の選択、髪型の選択
- 信仰
- 思想
- 財産の所有、処分、寄贈、寄付の選択
- 喫煙をする選択。間接喫煙をしない選択。
- 飲酒する / しない の選択
- ポルノ鑑賞
- 売春(性の自己決定権)
- 堕胎の選択。あるいは堕胎されずにこの世に生まれてくる選択。
- 健康状態
- 尊厳死、安楽死-自己決定権が死の選択にまで及ぶのかどうか議論されている。
- 死に場所の選定、死に方の選定
- 死ぬ時に一緒にいる人の選択
- 遺言
- 皇族の自己決定権の問題(天皇制廃止論を参照されたい)
医療上の問題
- インフォームド・コンセント - 情報を与えられた上での同意
- ホスピス - 死への心の準備などの精神的ケア
- 尊厳死 - 本人の意思でいたずらな延命治療を中止する
- 安楽死 - 患者が苦痛から逃れることを目的に、意図的に命を縮める