Mateo Falcone

Mateo Falcone（日本語読み：まてお ふぁるこーね）はフランスの劇作家プロスペル・メリメ作の短編小説。

フランス南部のコルシカ島に住むマテオ・ファルコーネがそのただ一人の跡取り息子に私刑を加え射殺することで、裏切り・買収・狭い離島社会での厳しい秩序を短編のうちに活写するもの。

概略

マテオ・ファルコーネはコルシカ島で村民に一目置かれながら牧畜を営み妻や娘・末の息子Fortunatoとともに静かに暮らす。

娘を先に持ったため息子は未だ幼いが、両親から離れて遊んでいるところお尋ね者のSanpieroが近づいてくる。しばらくの間隠れられるところはないかと求めている。

FortunatoはSanpieroからいくらかの金を受け取り秘密の隠れ家に案内する。しかし追っ手のGambaがFortunatoの元に到着し、Sanpieroの去就について尋問する。

未だ幼いFortunatoはGambaのきらびやかな時計をもらえるならとこれまでの経緯をすべて白状しSanpieroは連行される。

Sanpieroが連行の際に罵った一言からマテオはすべてを悟る。Fortunatoを責め妻や本人の助命嘆願も聞き入れず、ついには自らの手で射殺する。

コルシカ島民の反応はさまざまで、マテオの厳しすぎる処置を賞賛するものもまた多かったと作者は結んでいる。

その他

短いうちに非常に劇的な展開をすることからセザール・キュイによるオペラ作品に取り入れられている。