マリア様がみてる

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マリア様がみてる
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ジャンル
小説:
著者 今野緒雪
イラスト ひびき玲音
出版社 集英社
掲載誌 Cobalt
レーベル コバルト文庫
発売日
発表期間 1998年4月24日 -
巻数 33巻(2008年4月時点)
話数
その他
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文学
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文学賞
作家
詩人小説家
その他作家

マリア様がみてる』(マリアさまがみてる)は、今野緒雪による少女小説ライトノベル)。また、続刊を含むシリーズの名称。イラストひびき玲音。略称はマリみて

概要

本シリーズは、東京都武蔵野の丘の上にあるという私立「リリアン女学園」高等部を主な舞台とした青春学園小説。同高等部の特徴である「スール」制度と、生徒会である「山百合会」(やまゆりかい)を軸に物語が展開される。

1997年(平成9年)に初の短編『マリア様がみてる』(文庫収録時、『銀杏の中の桜』に改題、再構成)がCobaltに掲載され、1998年(平成10年)に文庫第1巻である『マリア様がみてる』がコバルト文庫に書き下ろされた[1]。以降、主要登場人物を中心とした「本編」とも言うべき物語はコバルト文庫に書き下ろし、「外伝」的な物語はCobaltに不定期掲載の後まとめて文庫化、という形で作品発表が続いている。シリーズの継続や各種のメディア展開により、コバルト文庫が本来ターゲットとする読者層である女性ばかりか、男性にも支持層が広がり、読者の8割以上は男性であると言われている。

文庫既刊一覧

カッコ内の日付は発売日。各巻およびCobalt掲載各話の詳細については既刊・各話詳細の節を参照。

  1. 『マリア様がみてる』(1998/04/24, ISBN 4-08-614459-X)
  2. 『マリア様がみてる 黄薔薇革命』(1999/02/03, ISBN 4-08-614554-5)
  3. 『マリア様がみてる いばらの森』(1999/04/27, ISBN 4-08-614591-X)
  4. 『マリア様がみてる ロサ・カニーナ』(1999/12/01, ISBN 4-08-614661-4)
  5. 『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)』(2000/03/03, ISBN 4-08-614695-9)
  6. 『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)』(2000/04/25, ISBN 4-08-614715-7)
  7. 『マリア様がみてる いとしき歳月(としつき)(前編)』(2001/02/02, ISBN 4-08-614817-X)
  8. 『マリア様がみてる いとしき歳月(としつき)(後編)』(2001/04/03, ISBN 4-08-614841-2)
  9. 『マリア様がみてる チェリーブロッサム』(2001/07/27, ISBN 4-08-614895-1)
  10. 『マリア様がみてる レイニーブルー』(2002/03/29, ISBN 4-08-600078-4)
  11. 『マリア様がみてる パラソルをさして』(2002/07/01, ISBN 4-08-600136-5)
  12. 『マリア様がみてる 子羊たちの休暇』(2002/12/25, ISBN 4-08-600210-8)
  13. 『マリア様がみてる 真夏の一ページ』(2003/03/28, ISBN 4-08-600243-4)
  14. 『マリア様がみてる 涼風さつさつ』(2003/07/01, ISBN 4-08-600284-1)
  15. 『マリア様がみてる レディ、GO!』(2003/10/31, ISBN 4-08-600337-6)
  16. 『マリア様がみてる バラエティギフト』(2003/12/25, ISBN 4-08-600360-0)
  17. 『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』(2004/03/31, ISBN 4-08-600399-6)
  18. 『マリア様がみてる プレミアムブック』(2004/07/27, ISBN 4-08-600455-0)
  19. 『マリア様がみてる 特別でないただの一日』(2004/10/01, ISBN 4-08-600484-4)
  20. 『マリア様がみてる イン ライブラリー』(2004/12/25, ISBN 4-08-600527-1)
  21. 『マリア様がみてる 妹(スール)オーディション』(2005/04/01, ISBN 4-08-600568-9)
  22. 『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』(2005/07/01, ISBN 4-08-600609-X)
  23. 『マリア様がみてる 未来の白地図』(2005/12/22, ISBN 4-08-600704-5)
  24. 『マリア様がみてる くもりガラスの向こう側』(2006/03/31, ISBN 4-08-600743-6)
  25. 『マリア様がみてる 仮面のアクトレス』(2006/06/30, ISBN 4-08-600784-3)
  26. 『マリア様がみてる イラストコレクション』(2006/07/28, ISBN 4-08-600797-5)
  27. 『マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵』(2006/10/03, ISBN 4-08-600823-8)
  28. 『マリア様がみてる クリスクロス』(2006/12/22, ISBN 4-08-600859-9)
  29. 『マリア様がみてる あなたを探しに』(2007/03/30, ISBN 978-4-08-600895-2)
  30. 『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』(2007/06/28, ISBN 978-4-08-601034-4)
  31. 『マリア様がみてる 薔薇の花かんむり』(2007/10/02, ISBN 978-4-08-601075-7)
  32. 『マリア様がみてる キラキラまわる』(2007/12/26, ISBN 978-4-08-601110-5)
  33. 『マリア様がみてる マーガレットにリボン』(2008/04/01, ISBN 978-4-08-601144-0)
スピンオフ作品
  1. 『お釈迦様もみてる 紅か白か』(2008/08/01, ISBN 978-4-08-601192-1)

メディア展開

詳細はメディアミックスの節を参照

2003年(平成15年)に漫画化、 2004年(平成16年)にテレビアニメ化され、2006年(平成18年)にはアニメの声優によるインターネットラジオが配信され、OVA化もされた。

ストーリー

ある朝、リリアン女学園の高等部に通う平均的な1年生・福沢祐巳(ふくざわ ゆみ)は、憧れの先輩である「紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)」こと、2年生の小笠原祥子(おがさわら さちこ)に呼び止められ、制服の身だしなみを正される。このことをきっかけに、高等部生徒会「山百合会」の本部である「薔薇の館」を訪れる事になる祐巳。本作は、彼女を中心に乙女達の学園生活を描いた作品である。

登場人物

詳細は マリア様がみてるの登場人物 を参照

注意以降に核心部分が記述されています。

山百合会幹部:小説第1巻終了時

紅薔薇(ロサ・キネンシス) 白薔薇(ロサ・ギガンティア) 黄薔薇(ロサ・フェティダ)
ロサ・キネンシス
(紅薔薇さま)
水野 蓉子
(みずの ようこ、3年)
ロサ・ギガンティア
(白薔薇さま)
佐藤 聖
(さとう せい、3年)
ロサ・フェティダ
(黄薔薇さま)
鳥居 江利子
(とりい えりこ、3年)
ロサ・キネンシス・
アン・ブゥトン
(紅薔薇のつぼみ)
小笠原 祥子
(おがさわら さちこ、2年)
ロサ・ギガンティア・
アン・ブゥトン
(白薔薇のつぼみ)
藤堂 志摩子
(とうどう しまこ、1年)
ロサ・フェティダ・
アン・ブゥトン
(黄薔薇のつぼみ)
支倉 令
(はせくら れい、2年)
ロサ・キネンシス・
アン・ブゥトン
プティ・スール
(紅薔薇のつぼみの妹)
福沢 祐巳
(ふくざわ ゆみ、1年)
ロサ・ギガンティア・
アン・ブゥトン
プティ・スール
(白薔薇のつぼみの妹)
ロサ・フェティダ・
アン・ブゥトン
プティ・スール
(黄薔薇のつぼみの妹)
島津 由乃
(しまづ よしの、1年)


山百合会幹部:小説第21巻終了時(作中での1年が経過した時点)

紅薔薇(ロサ・キネンシス) 白薔薇(ロサ・ギガンティア) 黄薔薇(ロサ・フェティダ)
ロサ・キネンシス
(紅薔薇さま)
小笠原 祥子
(おがさわら さちこ、3年)
ロサ・ギガンティア
(白薔薇さま)
藤堂 志摩子
(とうどう しまこ、2年)
ロサ・フェティダ
(黄薔薇さま)
支倉 令
(はせくら れい、3年)
ロサ・キネンシス・
アン・ブゥトン
(紅薔薇のつぼみ)
福沢 祐巳
(ふくざわ ゆみ、2年)
ロサ・ギガンティア・
アン・ブゥトン
(白薔薇のつぼみ)
二条 乃梨子
(にじょう のりこ、1年)
ロサ・フェティダ・
アン・ブゥトン
(黄薔薇のつぼみ)
島津 由乃
(しまづ よしの、2年)


山百合会幹部:小説第33巻(最新巻)終了時

紅薔薇(ロサ・キネンシス) 白薔薇(ロサ・ギガンティア) 黄薔薇(ロサ・フェティダ)
ロサ・キネンシス
(紅薔薇さま)
小笠原 祥子
(おがさわら さちこ、3年)
ロサ・ギガンティア
(白薔薇さま)
藤堂 志摩子
(とうどう しまこ、2年)
ロサ・フェティダ
(黄薔薇さま)
支倉 令
(はせくら れい、3年)
ロサ・キネンシス・
アン・ブゥトン
(紅薔薇のつぼみ)
福沢 祐巳
(ふくざわ ゆみ、2年)
ロサ・ギガンティア・
アン・ブゥトン
(白薔薇のつぼみ)
二条 乃梨子
(にじょう のりこ、1年)
ロサ・フェティダ・
アン・ブゥトン
(黄薔薇のつぼみ)
島津 由乃
(しまづ よしの、2年)
ロサ・キネンシス・
アン・ブゥトン
プティ・スール
(紅薔薇のつぼみの妹)
松平 瞳子
(まつだいら とうこ、1年)
ロサ・ギガンティア・
アン・ブゥトン
プティ・スール
(白薔薇のつぼみの妹)
ロサ・フェティダ・
アン・ブゥトン
プティ・スール
(黄薔薇のつぼみの妹)

以上で作品の核心的な内容についての記述は終わりです。

舞台

私立リリアン女学園

幼稚舎から高等部、女子大学大学院を含めた一貫教育を行うカトリック系のミッションスクール明治34年(1901年)に華族の令嬢を対象として創立された。現在も名家の令嬢を多数受け入れており、俗に言う「お嬢様学校」である。武蔵野の丘の上にあるという広大な敷地には、先述の各部校舎に加え、図書館、武道館、各種食堂、生徒寮、シスター用の寄宿舎など数多くの施設が存在している。幼稚舎から大学まではほとんどエスカレーター式に進学できるが、その分外部入学に対するハードルは高い。「リリアン」という校名は、聖母マリアの象徴である百合に関係する名称のように見えるが、フランス語でも英語でもない[2]

リリアン女学園高等部
本作品の主要な舞台である。制服はワンピースのセーラー服。各学年は李組(2年のみ桜組)・藤組・菊組・桃組・松組・椿組の6学級で編成される。スール制度に代表される、長い伝統に培われた独自の学園文化が築かれている。
リリアン女子大学
リリアン女学園の一施設で、高等部から比較的すぐ近くに校舎が存在する。外部からの入学生も多く、「ごきげんよう」のあいさつや学生同士の呼称といった高等部までの習慣は浸透していない。高等部からは二学期末までに願書を提出すればさほど問題なく進学できるが、学部選択は成績上位者から任意に選べるシステムなので、本人の希望進路によっては必ずしも広き門であるとは言い難い。

花寺学院

リリアン女学園と同じ丘の上に建つとされている架空の学院。リリアン女学園とは対照的に、男子校にして仏教系の学校である。リリアン女学園とは姉妹校のような関係で、体育祭、学園祭、卒業式といった各学校行事はリリアンと同日にならないように調整している。作中には「(うちの一族は)男は花寺、女はリリアン」という台詞もあり、福沢姉弟のように兄弟姉妹でリリアン女学園と花寺学院とに通っている例も多い。

花寺学院高校
生徒が日常から源氏(体育部員)と平氏(文化部員)に分かれて競い合う習慣がある。制服は鼠色の学生服。高校生徒会と山百合会は友好関係を保っており、文化祭などで協力をすることが慣例となっている。

独特の用語

スール

リリアン女学園高等部特有の慣習で、学園生活を規律正しく円滑に過ごすために、指導者役になる上級生が下級生と「姉妹」になる約束をする事、またその約束をした人物。上級生、下級生いずれも1対1で行うものであり、複数の「姉」、「妹」を持つことは出来ない。その為、「スール関係にある」=「特別に親しい」とみなされる。通常、上級生が下級生にロザリオを授ける事でスール関係が成立する。授けるロザリオは、自身がかつて「姉」から授かった物でも、新たに用意した物でもよい。なお「スール(sœur) 」とはフランス語で「姉妹」のこと。この用語については作中、キリスト教の学校ゆえに「シスター」だと「修道女」と混同してしまう為フランス語が用いられている、と説明されている。

リリアン女学園においてこのような慣習が生まれたのは、幼稚舎から中等部にかけて厳しい規則があるのに対し、高等部からは規則が比較的緩やかになることから、自分たちの行動は自主的に規律正しくするべきであるとの考えによる。この慣習が「スール」=「姉妹」と呼ばれるのは姉が妹を想う様に厳しくも優しく導くのが理想とされているためである。あくまで生徒の自主的な活動なので、姉も妹も持たない生徒も珍しくないが、生徒会役員など要職にある者の場合は「妹を持つ」=「後継者を確保する」という意味合いも持つので、妹を持つことが半ば不文律になっている。

女学生同士で「姉妹」関係を作るということは、大正・昭和初期の「女学校」では流行としてわりと行われていたことであり、「S」(シスターの略)とも呼ばれた。こうした文化は、少女小説の元祖的存在である吉屋信子の作品にも描写されている。また、宝塚歌劇団の「宝塚音楽学校」では、本科生が予科生の指導をするというのが、長年の慣わしになっており、女系社会である中国湖南省には、気の合う若い女性同士複数人が擬似姉妹の契りを結ぶ『結交姉妹』という文化がある。[1]

姉(お姉さま、グラン・スール)
スール関係にある上級生と下級生の内上級生の事を指す。制度上は単に「姉」なのだが、作中では記述形式が一人称であるため、ほとんどの場合「お姉さま」と表現されている。「グラン・スール(grande sœur)」とは、フランス語で姉を意味する。スール関係にある上級生に呼びかける時は「お姉さま」と呼ぶのが慣習である。逆に、姉にあたる上級生が妹にあたる下級生に呼び掛ける時は、名前を呼び捨てにする。スール関係にない特定の上級生を「お姉さま」と呼ぶのは大変な非礼になる。ただし、複数の上級生を「お姉さま方」と呼ぶ事に問題はない(「先輩方」と同義である)。
妹(プティ・スール)
スール関係にある上級生と下級生の内下級生の事を指す。「プティ・スール(petite sœur)」とは、フランス語で妹を意味する。
おばあちゃん
妹から見て姉の姉に当たる人物のこと。ただしこの用語を使うのはこの定義に該当する本人のみで、周りからそのように呼びかけたりはしない。例:「おばあちゃんとしては気楽にかまえさせていただくわ」
姉から見て妹の妹に当たる人物のこと。

山百合会

リリアン女学園高等部生徒会の名称。当然ながら、会員は高等部の全生徒である。選挙で選ばれる役員は紅、白、黄の3人の薔薇さまだけだが、3人だけでは手が足りないため、手伝いとして妹である薔薇のつぼみ、さらには薔薇のつぼみの妹が常時働いている。それでも人手不足のときは、メンバーがクラスメイトや友人などに手伝いを頼むこともある。

テレビアニメ第1期の製作委員会の名称にもなっているほか、OVAの製作委員会の名称は「山百合会2」となっている。

薔薇の館
山百合会本部として使われている建物の通称。高等部の中庭にあり、木造2階建て(アニメ版では薔薇を模したステンドグラスが飾られている)。1階には受付にもなるホールと物置として使われている1室があり、2階には実際の執務に使われる大部屋1室だけがある。電気・水道設備はあるが老朽化が激しく、階段の軋みや冬場の水道凍結などの問題もある。電気ポットでお湯を沸かしてのお茶会シーンが度々登場するが、お茶やお茶菓子は生徒会予算ではなく有志からの持込で賄っている。校舎から離れた独特のたたずまいと、常駐している薔薇さまたちの高貴なイメージから、縁のない生徒たちにはいささか敷居の高いところであるらしく、最初の訪問では祐巳も随分緊張していた(1巻)。その後は各種イベントに使われたこともあって、一般生徒との垣根は多少は低くなっている模様。
薔薇さま
山百合会役員(生徒会長)であり、リリアン女学園高等部を代表する、3人の生徒のこと。生徒会長・副会長・書記・会計といった役職・役割を、同等に分担して受け持つとされている。薔薇さまは、3学期に行われる生徒会役員選挙で選出される。
3人の薔薇さまは、各々、紅白黄の3色で呼び分けられる。また、薔薇さまは、「ロサ」に始まる別名(称号)を持つ。これは、それぞれ赤・白・黄色の花を咲かせる代表的な種のバラ学名で、この名で呼びかける際には「さま」を付けない。
紅薔薇さまロサ・キネンシス
白薔薇さまロサ・ギガンティア
黄薔薇さまロサ・フェティダ
薔薇のつぼみ
薔薇さまの「妹」にあたる下級生を指す称号。次期薔薇さま候補として、「姉」にあたる薔薇さまの名に、つぼみの意味のフランス語「アン・ブゥトン (en bouton) 」をつけて呼ばれる。
紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)
白薔薇のつぼみ(ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン)
黄薔薇のつぼみ(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン)
薔薇のつぼみの妹
薔薇のつぼみの「妹」にあたる下級生。「姉」にあたる薔薇のつぼみの名に、妹の意味の「プティ・スール」をつけて呼ばれる。
紅薔薇のつぼみの妹(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン プティ・スール)
白薔薇のつぼみの妹(ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン プティ・スール)
黄薔薇のつぼみの妹(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン プティ・スール)
この単語の並び方はフランス語を完全に逸脱している様に見える(下項参照)。
山百合会幹部
山百合会の中心人物たちのこと。「薔薇の館の住人」とも呼ばれる。概ね、全ての「薔薇さま」、「薔薇のつぼみ」および「薔薇のつぼみの妹」をまとめて指す際に使われているが、時折「薔薇さま」だけを指している場面もある。
生徒会役員選挙
次年度の生徒会役員、すなわち「薔薇さま」を選出する選挙。毎年1月の最終土曜日に1・2年生(卒業間近の3年生は除外)による投票が行われる。投票日の3日前には、立候補者たちによる立会演説会が実施される。通常、次期薔薇さまには、現任の薔薇さまと共に生徒会活動を経験した「薔薇のつぼみ」(薔薇さまの妹)が繰り上がる。このため、他に立候補者がいなければ、つぼみ3人への信任投票となる。

その他

ごきげんよう
リリアン女学園内での標準的な挨拶の言葉。時間帯問わず、出会いの時も別れの時も用いられるので、祐巳曰く「合理的な挨拶」。
敬称(さま、さん、ちゃん)
リリアン女学園では苗字ではなく名前(ファーストネーム)で呼び合うのが習慣で、一般的には、上級生には「さま」、同級生または下級生には「さん」、親しい間柄の下級生には「ちゃん」をつけて呼びかける。例として、祐巳からの呼び方は「蓉子さま」(上級生)、「由乃さん」(同級生)、「乃梨子ちゃん」(下級生)。
マリア様
リリアン女学園では聖母マリアが信仰されている。その加護を信じる生徒は多く、登下校時には敷地内のマリア像に手を合わせる(校則で決まっている訳では無いので、実施しない生徒もいる)。
また問題を抱えている時やイベント(ヴァレンタインなど)時など敷地内のマリア像に祈る姿がよく見られる。
マリア様のお庭
リリアン女学園の別名。
『リリアンかわら版』
リリアン女学園高等部新聞部が発行する学園新聞の名称。基本的には週刊だが、イベント時などには号外も発行する。聊かゴシップ紙的な面を持ち、学園内の有名人である薔薇さま姉妹などはターゲットにされやすい。そのため山百合会幹部と新聞部とは緊張感のある関係であるが、協力し合う事も珍しくない。高等部の象徴であるスールや薔薇ファミリーを題材にする事が多く、高等部独特の世界に憧れる中等部生徒にも人気の読み物。

現実との相違点

『マリア様がみてる』シリーズは架空のカトリック系女子校を舞台として書かれており、現実との相違点がいくつかある。

  • プティ・スール、グラン・スールは、フランス語としては間違いである。スールは女性形であるので「プティト」、「グランド」と発音する方が近い。「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン」等も間違いである。
  • 同様に「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン・プティ・スール」の単語の並びもフランス語から逸脱している。ただし原作の表記を子細に見てみると、例えば「紅薔薇のつぼみ」に「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン」、「妹」に「プティ・スール」とそれぞれルビが振られており、一続きの単語ではないようにも見える。つまり全体としては「ロサ・キネンシス・アン・ブゥトンプティ・スール」のように読まれるべきなのかも知れない。この点について現在まで作者の言及はなく、アニメでも上記の形で追認されている。
  • ロザリオは本来祈りのための道具であるが、そのような場面が登場しない。キリスト教徒、ことにカトリック信徒はロザリオを首にかけることは一般的でない。また、作中のような目的でロザリオの授受は行わない。
  • 作中でたびたび言及される「マリアさまのこころ」という歌は相当年配の卒業生にもリリアン在校時のものとして親しまれているが、同題で歌詞も同じ典礼聖歌407番はそれほど古い歌ではない。作詞作曲の佐久間彪神父は1928年生まれなので、時代が合っていない。

注意以降に核心部分が記述されています。

既刊・各話詳細

1. マリア様がみてる
  • ある朝、マリア像の前で、福沢祐巳は自分そして全校生徒が憧れる先輩“紅薔薇のつぼみ”こと小笠原祥子に声を掛けられ、曲がったタイを直してもらう。その後、お礼を告げに薔薇の館を訪れた祐巳は、祥子にいきなり姉妹(スール)の申し込みをされ、これをきっかけに山百合会のメンバーや山百合会が主催する学園祭の劇、花寺学院の生徒会長、憧れである祥子に関わっていくようになり、穏やかだった日常から波乱の日々を過ごす羽目になっていく…。
2. マリア様がみてる 黄薔薇革命
  • 従姉妹で幼馴染みにして黄薔薇姉妹の令と由乃。この2人の姿は“ベストスール”とまで称された理想の姉妹だったが、ある日、些細なすれ違いから突然、由乃がロザリオを令に突き返し姉妹関係を解消したことが、学園中にも波紋を広げる。そんな中、祐巳は由乃に呼ばれ、破局の真相と手術の決意を知る。一方の令は、祐巳から由乃の決意を伝え聞き、困惑しながらも剣道大会に出場するのであった…。
3. マリア様がみてる いばらの森
  • 表題作「いばらの森」と、聖が二年生のときのエピソード「白き花びら」を収録。
いばらの森
2人の女子高生を主人公にした須加星による小説『いばらの森』。リリアン女学園ではこの小説を巡って、"須加星は佐藤聖ではないか"との噂が流れていた。しかし、聖は自分は作者では無いと断言する。それでは"須加星は誰なのか?"という真相を求め、祐巳達をつれて出版社に向かう由乃。そこで作者の須加星こと春日せい子に遭遇して…。そんな中、祐巳は学園長の名前を思い出してあることに気付く。
白き花びら
2年生になった聖は、お御堂で出逢った1年生の栞と親しくなっていく。薔薇の舘からも離れていく聖を蓉子は心配し、栞が将来シスターになることを教えて諭そうとしたものの、一方の聖は学校から栞との関係を言及されるまでに発展する。 クリスマス・イブの日、聖と栞は駆け落ちを計画したが、待ち合わせに栞の姿はなく、代わりに聖の姉と蓉子が現れる…。
4. マリア様がみてる ロサ・カニーナ
  • 例年にない生徒会役員選挙で大騒ぎとなる表題作「ロサ・カニーナ」、祐巳が祥子の家で過ごすお正月「長き夜の」を収録。
  • “リリアンの歌姫”蟹名静が初登場。
  • 初夢文化のひとつ“なかきよ”は、「長き夜の」で広く知られるようになった。
ロサ・カニーナ
生徒会役員選挙にロサ・カニーナこと蟹名静が出馬する。静が役員になれば、つぼみの内1人は役員になれない。志摩子は役員になれないとすれば自分、姉が卒業すれば未練はないと立候補を避ける。そこへ静は志摩子を妹にする事を提案しが、志摩子は自分の姉は佐藤聖ただ一人と提案を断わり立候補を表明。その頃、静は聖にイタリアに渡る事を伝える…。
長き夜の
元旦、祐巳は聖から合宿に誘われる。聖に引っ張り回された初詣のあと、祐巳が連れて行かれたのは祥子の家だった。そこには弟の祐麒と、祐麒と柏木もいた。賑やかに一日を過ごし、夜寝る前にに祐巳たちは"なかきよ"を教わって良い初夢を見られるように願った。
5. マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)
  • バレンタインデーに実施される“宝探し”イベントの話「びっくりチョコレート」、令からプレゼントに困惑する江利子と由乃の話「黄薔薇交錯」。バレンタインデーをめぐる2つエピソードを収録。
びっくりチョコレート
祐巳はバレンタインデーに祥子へ手作りチョコを贈る事にする。一方、学園では新聞部がバレンタインデーイベント「宝(カード)探し」の企画を山百合会に持ち込む。最初は不本意だった山百合会の面々だったが、薔薇様に口添えにより企画は受け入れられることに…。バレンタイン当日、志摩子と令のカードは発見されたが、祥子のカードは見つからず。イベント終了後、祐巳は祥子にチョコを渡そうしたて起きたハプニングを祥子に問われた祐巳は咄嗟に…。
黄薔薇交錯
放課後、令は由乃と江利子にケーキを贈るが、由乃は年々大きくなる令のチョコに恐怖する一方、逆に江利子はプレゼントの大きさに困惑していた。2人とも渡す相手を間違えたのではと夜中まで悩むが、何も気付いてない令は満足しながら眠りにつく…。
6. マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)
  • バレンタインデーをめぐるエピソードの続巻。祥子と祐巳、志摩子と静、令と田沼ちさとの3つのエピソードが同時進行で展開する「ファースト デート トライアングル」、祥子を慕う同級生・鵜沢美冬のエピソード「紅いカード」、バレンタインの蓉子の心境を追った話「紅薔薇さま、人生最良の日」を収録。
ファースト デート トライアングル
祥子と祐巳、志摩子と静、令と田沼ちさとはそれぞれ半日デートに出掛けるが、取材に来た三奈子と蔦子、令を気にする由乃などと交錯する。祐巳は初体験の多い祥子をフォローしながら町を歩き回る。静と志摩子は薔薇の館で食事をし、聖について語り合う。ちさとは由乃の存在に気付きながら、令とのデートを楽しむ。しかし、志摩子のもとに聖が現れ、由乃の家にはちさとが会いに来て…。
紅いカード
鵜沢美冬は幼稚舎時に世話になった祥子を慕い続けていた。高等部からリリアンに戻った美冬の事を祥子は覚えておらず、親しくなるきっかけが作れない。バレンタインの朝、祥子の姿を見た美冬は紅いカードを手に入れるが…。イベント終了間際、温室を訪れた祐巳と遭遇し、そこで美冬はある決心をする。
紅薔薇さま、人生最良の日
バレンタイン当日、大学受験が重なった蓉子は大変な一日を過ごした。そんな中、イベント真っ最中のリリアンに戻った蓉子の瞳に薔薇の館に抱いていた夢が映る…。
7. マリア様がみてる いとしき歳月(としつき)(前編)
  • 江利子のスキャンダルに学園中が大騒ぎになる「黄薔薇まっしぐら」、行事の準備に頑張りすぎた祐巳の「いと忙し日々」、江利子と“熊男”山辺の出会い「一寸一服」を収録。
黄薔薇まっしぐら
江利子が色々な男とデートしている噂が流れ、蔦子から現場写真を渡された祐巳は驚く。そんな中、リリアンかわら版が噂を元とした小説を発表したことで大騒ぎに。江利子は生活指導室に呼ばれ、写真の男たちは江利子の家族と花寺学院の教師山辺であることが判明するが、その場で江利子は山辺にあることを申し出る。
いと忙し日々
3年生を送る会の為に大忙しだったつぼみ達は、薔薇さまとのお別れ会のことを忘れていた。祐巳は聖から1年生が隠し芸を行うのが恒例だと聞く。当日3年生を送る会は無事終わり、薔薇さまを送る会で1年生による隠し芸が始まると、祥子に問われ聖は悪戯を白状する。一方、祥子の笑顔を見た蓉子は、安心して卒業できると感じていた。
一寸一服
江利子は動物園で熊のような男にあった。動物を夢中で見てる男と話し、恐竜の話を聞かされた。動物だけでなく、自分まで恐竜に見立てて話をしてくれたその男に興味を抱く江利子は…。
8. マリア様がみてる いとしき歳月(としつき)(後編)
  • 卒業を控えた蓉子・聖・江利子がそれぞれで一年生に想いを託す「Will」、卒業式の薔薇さまの想いが交錯する「いつしか年も」、聖と志摩子の出逢いを描いた「片手だけつないで」を収録。
Will
蓉子は祐巳をからかいながら、自分が卒業した後の祥子の事を託す。江利子は由乃を呼び出し、様々な勝負で楽しむ。3年生の教室に1人佇む聖に会った祐巳は、からかわながらも餞別を贈ると、聖は祐巳と出会えたことに感謝した。ところが翌日、志摩子から聖の進学先を聞いた祐巳は、聖にからかわれたと抗議して…。
いつしか年も
卒業式当日にも他人の世話を焼く蓉子。緊張感無く睡魔に襲われる聖。山辺が来るのを心待ちにしている江利子。卒業式でありながら薔薇さま達はいつもと変わらない。昔を回想しているうちに、聖歌が始まった。卒業式も終わり薔薇の館の面々で集まった。マリア像の前で蔦子に写真を撮ってもらい、三人の薔薇さまはさよならも言わずに別れた。
片手だけつないで
聖は志摩子に惹かれるも、栞との事を思い出し動けない。蓉子の計らいにより志摩子は手伝いとして薔薇の館に度々呼ばれる様になる。聖は卒業した姉の言葉を守ることで満足していた。しかし、秋になって志摩子の立場を考えた祥子が自分の妹にしたいと言い出したことで、聖は祥子と言い争い、突然、志摩子を教室から連れ出して…。
9. マリア様がみてる チェリーブロッサム
  • 志摩子と乃梨子が出会う「銀杏の中の桜」(雑誌Cobalt 1997年2月号掲載「マリア様がみてる」を再構成)、秘密を抱える志摩子に祥子たちが一芝居をうつ「BGN(バックグラウンドノイズ)」を収録。この2話は、同じエピソードを別の視点で描いている。
  • この巻より、祐巳たちは二年生に進級。二条乃梨子、松平瞳子初登場。
銀杏の中の桜
ふっとした出会いから親しくなった乃梨子に志摩子は自らの苦悩を打ち明け、一方の乃梨子は守秘を約束する。それから2人は桜の下で会うようになり、ある日、乃梨子は志摩子に数珠を借りるが、紛失してしまう。忙しい志摩子に紛失を伝えられないまま、新入生歓迎会を迎え、乃梨子が志摩子からオメダイを受け取ろうとしたところに瞳子が待ったをかけて…。
BGN(バックグラウンドノイズ)
「銀杏の中の桜」と同じ話が別の視点で書かれた「銀杏の中の桜」の裏話。志摩子の悩みは既に、祥子や令に知られていた。しかし、志摩子自身から悩みを言わせて楽にさせる為、祥子達は新入生歓迎会当日に瞳子と乃梨子を利用して、志摩子悩みを打ち明けさせようと計画する。
10. マリア様がみてる レイニーブルー
  • 梅雨の時期。紅薔薇、白薔薇、黄薔薇それぞれの姉妹に危機が訪れる。乃梨子のことで悩む志摩子を描いた「ロザリオの滴」、由乃の剣道部入部で令が由乃と距離を置くようになる「黄薔薇注意報」、祥子と瞳子に疑心暗鬼する祐巳を描いた表題作「レイニーブルー」を収録。3つのエピソードが同時進行する構成で、同じ場面が別の視点で交錯する。
ロザリオの滴
歓迎会から半月、志摩子と乃梨子は姉妹になるわけでも、薔薇の館へ乃梨子が来るわけでもなかった。進展がないことに見かねた祥子達は乃梨子を薔薇の館へ呼び、仕事を手伝わせる。しかし、些細な事で言い争う祥子と乃梨子に、志摩子は耐えきれず薔薇の館を飛び出す。一方の乃梨子は祥子の意図を理解し、桜の下で泣く志摩子の元に向かう。
黄色薔薇注意報
由乃の剣道部入部に令が猛反対して喧嘩になり、由乃は入部を強行する。一方の令は由乃との関係を見直そうと言い出すし話し合うが、その中で令はある事を自覚する…。
レイニーブルー
祥子は理由も言わずに祐巳とのデートを延期し続ける。一方の祐巳は瞳子が祥子と親しげなのを見て嫉妬しつつも我慢する。日曜日に祥子が瞳子達とドライブに行っていた事を知り、悪い方へと考えが進む祐巳は、薔薇の館さえも避け始めた。帰り際、祥子と話そうとした時に瞳子が現れたことで、祐巳はその場から逃げだしてしまう…。
11. マリア様がみてる パラソルをさして
  • すれ違いの末、雨の中、祥子に置き去りにされた祐巳は深く傷つき、そこへ瞳子の追い討ちをかける。その頃、祥子は、原因不明の長期欠席を続けていた。
  • この巻で加東景が初登場。
祥子に置き去りにされた祐巳を、聖と加東景がフォローするも、瞳子が祐巳を挑発する。そんな中、祐巳は池上弓子に出逢い話をする。翌週、祥子の長期欠席を知った祐巳は久しぶりに薔薇の館に赴き、瞳子から祥子の様子を聞き出そうとするが瞳子は逃げ出す。そこへ、古い友人のもとへ向かう弓子と遭遇した。週末、蓉子が学校に現れ、祥子の元に祐巳を連れて行く。話を聞いた祐巳はあることを詮索しながらも祥子との対面へ向かう…。
12. マリア様がみてる 子羊たちの休暇
  • 夏休み、祐巳は、祥子に招かれて小笠原家の別荘で楽しいときを過ごす。しかし、そこには憧れの存在・祥子のそばにいる祐巳を快く思わない別荘地のお嬢さまたちが、罠を張って待ち構えていた。
夏休み直前のある日、祐巳は「遊園地デート」の件を祥子に切り出すが断られてしまうも、代わりに、祥子は小笠原家の別荘に祐巳を誘う。別荘に着いた二人は楽しく穏やかな時間を過ごす。しかし、お金持ちの令嬢仲間である綾小路菊代、京極貴恵子、西園寺ゆかりの三人が、二人の別荘滞在を聞きつけ、邪魔をしようと次々嫌がらせを画策する。ある日、二人は西園寺家のパーティーに招待される。危険を感じながらも、覚悟を決めた祥子と祐巳はパーティーへと向かう。
13. マリア様がみてる 真夏の一ページ
  • 夏休みに起きた3つのエピソード、祥子の男嫌いを克服するための大作戦が発動する「略してOK作戦(仮)」、乃梨子のボーイフレンド・タクヤ君の情報をキャッチした真美がデート現場に張り込む「おじいさんと一緒」、令の日記に由乃がツッコミを入れる短編「黄薔薇☆絵日記」を収録。
略してOK大作戦(仮)
リリアン女学園と隣の男子校である花寺学院は、生徒会幹部がお互いに相手方の学園祭の手伝いをするというのが伝統となっている。しかし、今年の紅薔薇様である祥子は極度の男性恐怖症。このままでは花寺の手伝いに支障があると感じていた祐巳は花寺に通う弟の祐麒に、花寺生徒会と山百合会メンバーとの会合を打診される。これをきっかけに祐巳は祥子以外の山百合会メンバーと相談して作戦を練る。作戦名「OK大作戦(仮)」の立案からその結末までを描く。
おじいさんと一緒
新聞部に籍を置く三奈子と真美の姉妹は、「リリアンかわら版」に載せる記事のため、夏休み中も山百合会の情報収集に余念がない。そんなある日、二人は乃梨子が志村タクヤなる大学生とデートの予定という未確認情報を入手した。三奈子にこのスクープをものにするように命じられた真美は、カメラ持参でデートの待ち合わせ現場を見渡せる喫茶店にて張り込みを始めた。そこで偶然相席となった老紳士と真美の会話を軸に、志村タクヤの正体が判明するまでを描く。
黄薔薇☆絵日記
令と由乃の黄薔薇姉妹が過ごした夏休みの一部を、令の日記を由乃が読んで回想する。令の妄想と由乃の突っ込みを交えた数ページの短編。
14. マリア様がみてる 涼風さつさつ
  • 物語前半部は、可南子の祐巳に対する挙動を中心に花寺学園祭の前日までを、物語後半は、花寺学園祭で祐巳が遭遇した災難とその結末をそれぞれ描いている。
  • この巻で細川可南子が初登場し、祐巳の妹候補と目されるキャラクターが出揃った。
  • OVA『マリア様がみてる3rdシーズン』のエンディングテーマ「Chercher 〜シャルシェ〜」の歌詞はこの話における祥子と祐巳のあるエピソードが元になっている。
学園祭シーズンを迎え、例年どおり男子校・花寺学院の学園祭を手伝うことになった山百合会の面々と、いつからか祐巳を慕い手伝いに来るようになった一年生の細川可南子。次第にエスカレートする彼女の行動に祐巳は不気味さを覚えるのだった…。
花寺学園祭当日、山百合会が手伝いとして参加したイベントは、祥子のがんばりもあり、特にトラブルもなく後半にさしかかっていた。そんな中、祐巳は祥子のためにイベントを中座し、ひとりで花寺の生徒会室に向かったが、ある同好会の愚挙に巻き込まれてしまう。
15. マリア様がみてる レディ、GO!
気まずい仲を修復するため、祐巳は可南子に賭けを持ちかける。しかし、その真意がわからない瞳子は、直接、祐巳に問いただすのだった。前黄薔薇さまの江利子も暗躍する波乱含みの体育祭
16. マリア様がみてる バラエティギフト
4つの短編を表題作「バラエティギフト」で繋ぐ構成をしている。江利子から薔薇の館に贈られたお菓子のバラエティギフトに、不審の念を隠さない由乃は…。短編は「降誕祭の奇跡」(雑誌Cobalt 2003年12月号初出)、内藤笙子が初登場する「ショコラとポートレート」(同2003年2月号初出)、「羊が一匹さく越えて」(同2003年4月号初出)、江利子の物思い「毒入りリンゴ」(書き下ろし)を収録。
17. マリア様がみてる チャオ ソレッラ!
祐巳たち二年生の修学旅行はイタリアローマフィレンツェなどを訪問する中で、留学中の静に再会する表題作「チャオ ソレッラ!」のほか、初の祥子視点の短編「紅薔薇のつぼみの不在」を収録。作中では『「チャオ ソレッラ(Ciao sorella)」とは、イタリア語で「ごきげんよう、お姉さま」の意』と説明されているが(P145)、「Ciao」は同輩・格下に用いられる挨拶であるため、実際は不適当である。
18. マリア様がみてる プレミアムブック
テレビアニメ版『マリア様がみてる』(TV第1期)の全13話のダイジェスト及び次回予告、設定資料、声優陣へのインタビューなどを収録。また、ひびき玲音のマンガ版『マリア様がみてる』の「祭りの前」(雑誌Cobalt 2003年10月号初出)、蓉子と祥子の出会いを描いた短編小説「Answer」(書き下ろし)も収録している。
19. マリア様がみてる 特別でないただの一日
山百合会主催の学園祭舞台劇の演目が発表され、祐巳は主役を演じる羽目に…。一方、先輩と対立した瞳子は、演劇部を飛び出してしまう。また、この巻で、可南子の秘密が明らかになる。髪型の特徴をとらえた瞳子のあだ名“ドリル”が初めて原作で使われた(P171)。
20. マリア様がみてる イン ライブラリー
図書館”をキーワードにまとめた短編集で、5つの短編を表題作「イン ライブラリー」で繋ぐ構成である。静が登場する「静かなる夜のまぼろし」(雑誌Cobalt 2004年12月号初出)、初の瞳子視点の短編「ジョアナ」(書き下ろし)、「チョコレートコート」(雑誌Cobalt 2004年2月号初出)、「桜組伝説」(同2004年4月号初出)、「図書館の本」(同2004年8月号初出)を収録。
21. マリア様がみてる 妹(スール)オーディション
江利子と約束した妹選びの期限が迫り、由乃は焦りのあまり、妹(スール)のオーディションを提案。祥子は祐巳を参加させようとし、さらに翌日、その話はなぜか新聞部に伝わって…。そんな中、可南子に呼び出された祐巳は、あることを告げられる。有馬菜々が初登場するほか、本編にからむ形では初めて内藤笙子が登場した。
22. マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ
気になる中等部三年生・菜々と一緒に令のお見合い現場を捜しまわる羽目になる由乃の話「黄薔薇パニック」、学校の帰り道、志摩子が怪しげな男に声を掛けられる「白薔薇の物思い」、祐巳と祥子が長い間の懸案だった遊園地デートに出かける「紅薔薇のため息」を収録。
23. マリア様がみてる 未来の白地図
瞳子の家出をきっかけに祐巳と瞳子の関係が動き出す表題作「未来の白地図」、卒業後の進路について、令が祥子にある決意を語る「薔薇のダイアローグ」を収録。
24. マリア様がみてる くもりガラスの向こう側
瞳子に拒絶された祐巳を励まそうと、祥子は小笠原邸で山百合会の新年会を催す。盛り上がる新年会。しかし、楽しい中でも、祐巳は瞳子のいない寂しさを実感するのだった。
25. マリア様がみてる 仮面のアクトレス
由乃の見守る中、令と菜々が剣道で対決する「黄薔薇真剣勝負」、生徒会役員選挙に瞳子が立候補する表題作「仮面のアクトレス」、妹たちがいないところでの祥子と令の内緒話「素顔のひととき」を収録。
26. マリア様がみてる イラストコレクション
文庫カバーや雑誌Cobaltの表紙、カレンダー、ドラマCD、DVDなどに使用されたひびき玲音のイラストを収録。また、マンガ版『マリア様がみてる』の「クリスマス・プレゼント」(雑誌Cobalt 2003年12月号初出)、「卒業までに…」(同 2004年2月号初出)、「ひとりの日曜日」(同 2004年4月号初出)、「年の初めの」(同 2004年12月号初出)、「祐巳のヴァレンタイン・イブ」(同 2003年2月号初出)や、令と由乃のロザリオの授受を描いた短編小説「ハレの日」(書き下ろし)も収録している。
27. マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵
一巻を通じて祐巳視点の無いストーリーは、本巻が初めてである(ただし、「プレミアムブック」「イラストコレクション」を除く)。生徒会役員選挙の直後から、祐巳と瞳子を取り巻く人たちの想いを描写する「キーホルダー」、ついに瞳子の秘密が明かされる「ハートの鍵穴」を収録。「ハートの鍵穴」は、短編「ジョアナ」以外では描かれることのなかった瞳子視点の中編エピソードである。
28. マリア様がみてる クリスクロス
バレンタインイベント“宝探し”をめぐる2つのエピソード、様々な思惑が交錯するイベントの様子を描いた表題作「クリスクロス」、次期薔薇さまの手腕が垣間見える「地図散歩」を収録。祐巳に激しい言葉を投げつけた瞳子の動向を描くほか、初の田沼ちさと視点の描写がある。“クリスクロス(crisscross)”には、×印(を付ける)、食い違いという意味がある。
29. マリア様がみてる あなたを探しに
衝撃の結末を迎えたバレンタインイベント“宝探し”。副賞である“次期薔薇さまとの半日デート”も、平穏には済まないのであった…。瞳子自身の口から語られる秘密を前に祐巳の覚悟が明らかになり、祐巳の妹問題は新たな局面に突入する。
30. マリア様がみてる フレーム オブ マインド
写真”をキーワードにまとめた短編集で、9つの短編を表題作「フレーム オブ マインド」で繋ぐ構成である。「四月のデジャブ」(雑誌Cobalt 2007年4月号初出)、「三つ葉のクローバー」(同2006年2月号初出)、「枯れ木に芽吹き」(同2006年12月号初出)、「黄色い糸」(同2006年4月号初出)、「不器用姫」(同2005年4月号初出)、祐巳と可南子の出会いを描いた「光のつぼみ」(書き下ろし)、「温室の妖精」(雑誌Cobalt 2005年8月号初出)、「ドッペルかいだん」(同2006年8月号初出)、笙子が写真部の先輩にあることを命じられる「A Roll of Film」(書き下ろし)を収録。
31. マリア様がみてる 薔薇の花かんむり
卒業シーズンを迎え“三年生を送る会”の準備で慌しいリリアン女学園。祐巳は、祥子の行動について奇妙な噂を耳にする。「薔薇の花かんむり」とは、ロザリオを意味する。
32. マリア様がみてる キラキラまわる
祥子の呼びかけで、遊園地に行くことになった山百合会+α(アルファ)の面々。しかし、当日、集まったメンバーの雰囲気は何故か“お通夜”のようで、楽しいはずの遊園地に暗雲が立ち込めるのであった。
33. マリア様がみてる マーガレットにリボン
“過去”と“未来”を描いた8つの短編を、表題作「マーガレットとリボン」(“現在”)で繋ぐ短編集の第4弾。「デビュー」、「ライバルがいいの」、「フィレンツェ煎餅を買いに」、「「さん」付け問題」、「僕の兄妹」、「ユミちゃん絵日記・未来編1」、「ユミちゃん絵日記・未来編2」、「青い傘の思い出」を収録(全て書き下ろし)。
ちなみに、集英社発行誌に『マーガレット』と『りぼん』はあるが、サブタイトル決定後しばらくはそのことには気付いていなかった。今野曰く、「集英社に媚びたものではないけど、変更理由にならないし、どっちも集英社だし、ま、いいか」とのこと。

Cobalt掲載の短編

マリア様がみてる(1997年2月号)
『マリア様がみてる』シリーズの第一作。改題、再構成ののち小説単行本『マリア様がみてる チェリーブロッサム』に「銀杏の中の桜」として収録された。掲載当時のイラストは、あおい由麻。前号(1996年12月号)の次号予告では「マリア様がみてる」と予告されていた。
マリア様がみてる ショコラとポートレート(2003年2月号)
中等部三年生の内藤笙子は、高等部の制服を着て、山百合会主催のバレンタイン“宝探し”イベントに潜入する。『マリア様がみてる バラエティギフト』に収録。
マリア様がみてる 羊が一匹さく越えて(2003年4月号)
リリアン女学園高等部に外部から入学した二条乃梨子。入学案内の「当日までに準備するもの」リストにある“白ポンチョ”という謎の文字に首をひねるのだった。『マリア様がみてる バラエティギフト』に収録。
マリア様がみてる 降誕祭の奇跡(2003年12月号)
ねえ、奇跡って信じる?生徒が語る“奇跡”の話に、教師・鹿取真紀は、十数年前の級友の“奇跡”の話を思い出していた。『マリア様がみてる バラエティギフト』に収録。
マリア様がみてる チョコレートコート(2004年2月号)
通学の朝の電車でいつも一緒になる、気になるあの子。高等部二年生に進級した白川寧子は、彼女を見つけて妹にするが、人違いに気づく。やがて、本物が現れて…。この話に関連すると思われるエピソードが『マリア様がみてる レイニーブルー』で語られている。『マリア様がみてる イン ライブラリー』に収録。
マリア様がみてる 桜組伝説(2004年4月号)
リリアン女学園高等部の第二学年だけにしか存在しない“桜組”。その理由は謎に包まれ、様々な伝説が生まれていた。『マリア様がみてる イン ライブラリー』に収録。
マリア様がみてる 図書館の本(2004年8月号)
ある日、高等部一年生の祝部(ほうりべ)みきは、温室で憧れの三年生“さーこ”さまを見つける。眠っている彼女の姿はまるで妖精のようで、みきは、しばし見とれてしまうのだった…。“さーこ”というキーワードは、『マリア様がみてる くもりガラスの向こう側』にも登場している。『マリア様がみてる イン ライブラリー』に収録。
マリア様がみてる 静かなる夜のまぼろし(2004年12月号)
クリスマス・イブ。ひとり暗闇の中で マッチの灯す炎を見つめながら、蟹名静は心の深みに陥っていく。『マリア様がみてる イン ライブラリー』に収録。
マリア様がみてる 不器用姫(2005年4月号)
高等部二年生の寛美は、幼馴染で一学年下のミケを昔から可愛がり、気の弱い彼女をいじめから守ってきた。リリアン女学園で再会した寛美は、かつてのようにミケの世話を焼きはじめるのだが…。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる 温室の妖精(2005年8月号)
古い温室には妖精が棲んでいる。クラスメイトのその言葉にとらわれて、高等部一年生の皐月は、古い温室に通うようになるのだが…。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる 三つ葉のクローバー(2006年2月号)
高等部一年生の立浪繭は、他人のお姉さまにちょっかいを出して姉妹関係を破局させる噂の要注意人物。しかし、気になる上級生なら誰にでも接近する彼女の行動には、理由があった。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる 黄色い糸(2006年4月号)
高等部二年生“黄薔薇のつぼみ”鳥居江利子の興味を引く「男の子みたいな女の子」。彼女を観察すればするほど新たな謎が飛び出してきて、江利子の関心はますます高まるのだった。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる ドッペルかいだん(2006年8月号)
漫画研究部の夏休み校内合宿。部員である高等部一年生の水奏(みなと)は、不思議な体験をする。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる 枯れ木に芽吹き(2006年12月号)
リリアン女学園高等部を卒業後、超難関大学に進学した内藤克美。妹・笙子の部屋で偶然見つけたある写真が、彼女の心に波紋を広げていく。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる 四月のデジャブ(2007年4月号)
入学直後の事故により一年間の休学を余儀なくされた鈴本いちごは、再び高等部一年生として復帰する。しかし、たびたび遭遇する不思議なデジャブ(既視感)に、困惑を深めるのだった。『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』に収録。
マリア様がみてる 私の巣(2007年8月号)
標題「私の巣」は「マイネスト」と読む。原因不明の発作に悩まされる高等部一年生・朝倉百(もも)の前に現れた二年生の筒井環。彼女に振りまわされて、百の悩みはさらに増えることに…。単行本未収録。
マリア様がみてる ワンペア(前編)(2008年2月号)
久我コハクと久我メノウ。高等部二年生の二人は、見分けがつかないほどそっくりな双子美少女。謎の失踪を遂げた従兄の後任教師として、リリアン女学園に赴任した清水多子(なこ)は、二人のことが気になってしかたがないが、他の教師からは関わるなと忠告されていた。単行本未収録。

以上で作品の核心的な内容についての記述は終わりです。

メディアミックス

漫画

集英社の漫画雑誌「マーガレット」系に掲載された長沢智によるものと、「Cobalt」に掲載されたひびき玲音の手によるものがある。

長沢智版

長沢智の手により漫画化されたもので、集英社「マーガレット」誌上にて、2003年10月(21号)より連載されていた。後に別冊の「ザ・マーガレット」に連載が移行。単行本全8巻で完結。

ほぼ原作に忠実だが、4巻は〜ロサ・カニーナ〜より〜長き夜の〜が先に収録されている。〜長き夜の〜には二人羽織で百人一首をするオリジナルエピソードが入る。祥子(前髪が開いている)、志摩子(髪がきつく巻いている)、静などの髪型が原作挿絵と異なる。

マリア様がみてる 1(2004/02/25, ISBN 4-08-847713-8)
原作第1巻『マリア様がみてる』をコミック化。雑誌『マーガレット』2003年No.21〜2004年No.3・4合併号初出。
マリア様がみてる 2(2004/07/23, ISBN 4-08-847761-8)
原作『マリア様がみてる 黄薔薇革命』のほか、4コマ漫画「祐巳はくせっ毛です」「志摩子さんみたく髪を巻いてみよう!」を収録。雑誌『マーガレット』2004年No.5〜11初出。
マリア様がみてる 3(2005/01/25, ISBN 4-08-847817-7)
原作『マリア様がみてる いばらの森』より「いばらの森」「白き花びら」を収録。ほかに4コマ漫画「昭和か○すすき」、小品「愛し愛されちゃってるの」を収めている。雑誌『マーガレット』2004年No.14〜18、No.20〜21初出。
マリア様がみてる 4(2005/06/24, ISBN 4-08-847862-2)
原作『マリア様がみてる ロサ・カニーナ』より「長き夜の」「ロサ・カニーナ」をコミック化。雑誌『マーガレット』2004年No.24〜2005年No.3、No.4〜8、No.10初出。
マリア様がみてる 5(2006/01/25, ISBN 4-08-846022-7)
原作『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)』より「びっくりチョコレート」を収録。雑誌『マーガレット』2005年No.12、No.16、No.18、No.20、No.22初出。
マリア様がみてる 6(2006/08/25, ISBN 4-08-846084-7)
原作『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)』より「ファースト・デート・トライアングル」「紅いカード」をコミック化。雑誌『ザ・マーガレット』2006年5月〜8月号初出。
マリア様がみてる 7(2007/02/23, ISBN 978-4-08-846140-3)
原作『マリア様がみてる いとしき歳月(前編)』より「黄薔薇まっしぐら」「いと忙し日日」、『マリア様がみてる いとしき歳月(後編)』より「片手だけつないで」を収録。
マリア様がみてる 8(2008/01/25, ISBN 978-4-08-846253-0)
原作『マリア様がみてる いとしき歳月(後編)』より「Will」「いつしか年も」を収録。雑誌『ザ・マーガレット』2007年8月〜12月号初出。長沢智版は、本巻で完結。

ひびき玲音版

Cobaltに不定期で掲載。原作小説から一部のシーンを切り出してコミック化する場合が多い。

マリア様がみてる 祐巳のヴァレンタイン・イブ(2003年2月号)
原作の小説には無いエピソード。祥子のためにチョコレート作りに挑戦する祐巳だが、なかなか満足のいくものを作ることができない…。『マリア様がみてる イラストコレクション』に収録。
マリア様がみてる 祭りの前(2003年10月号)
原作第1巻『マリア様がみてる』の一部をコミック化。山百合会主催で上演する学園祭舞台劇「シンデレラ」の準備で、祥子とともに衣装合わせする祐巳だが…。『マリア様がみてる プレミアムブック』に収録。
マリア様がみてる クリスマス・プレゼント(2003年12月号)
原作『マリア様がみてる いばらの森』より、紅薔薇姉妹のプレゼント交換のシーンをコミック化。『マリア様がみてる イラストコレクション』に収録。
マリア様がみてる 卒業までに…(2004年2月号)
原作『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)』収録の「ファースト デート トライアングル」より、卒業を控える聖と志摩子をコミック化。『マリア様がみてる イラストコレクション』に収録。
マリア様がみてる ひとりの日曜日(2004年4月号)
原作『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)』収録の「ファースト デート トライアングル」より、令と田沼ちさとのデートを尾行する由乃をコミック化。『マリア様がみてる イラストコレクション』に収録。
マリア様がみてる 年の始めの(2004年12月号)
原作『マリア様がみてる ロサ・カニーナ』収録の「長き夜の」より、祐巳と聖の初詣をコミック化。『マリア様がみてる イラストコレクション』に収録。

アニメ・CD

2004年に『マリア様がみてる』としてテレビ東京系列で放映されたのを始めとして2期のテレビアニメとその続編となるOVAが作成されている。またアニメと同じ声優によるドラマCD・イメージCDが発売されている。

詳細は マリア様がみてる (アニメ) を参照

Webラジオ

詳細は Webラジオ マリア様がみてる を参照

脚注

  1. 単に『マリア様がみてる』と言った場合、それがシリーズ名と文庫第1巻の何れを指すのか分かりにくい。そのため、「ファンの間で、文庫第1巻は『無印』と呼ばれている。」と作者が文庫あとがきで述べている。
  2. リリアン(英Lilian/仏Liliane)は女性の名前として用いられる名詞であり、百合のような女性(花言葉から威厳・純潔・無垢な女性)という願いで名付けられる。また、白百合がマリアの花とされることもあり、純潔な女性を指す代名詞としても使われる。

関連項目

外部リンク

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