秘密曼荼羅十住心論

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解説

著者は「佐伯真魚」。号して「空海」。「弘法大師」ともいわれる。

空海の主著である「秘密曼荼羅十住心論」は、830年に著されたもので、九世紀の平安時代に成立である。

ウィキペディアの「十住心論」を始めとして、なぜか「秘蔵宝輪」の解説ばかりが日本に広まっており、まともな「秘密曼荼羅十住心論」の解説は日本のインターネットには書いてあるサイトは見当たらない。

本文

「六道」のことばが前文にある。

第一。

大日世尊と秘密主が話している。

正法千年、像法一千五百年、末法一万年なりと。(注、空海は同年の「秘蔵宝輪」で「正法五百年、像法千年、末法一万年」と書き、日本の末法思想は「秘蔵宝輪」の年月にもとづき起こる。)

八大地獄。一に等活、二に黒縄、三に衆号、四に号叫、五に大叫、六に炎熱、七に極熱、八に無間地獄。

五趣。餓鬼趣、畜生趣、龍趣、阿修羅趣、人間趣。

第二。

儒教についてのまちがった解説。

転輪聖王について。

第三。

断見と空見。

色界頂とは、最勝にして楽慧である。

欲界、色界、無色界。

第四。

ここからが仏道の初門である。

四聖諦とは、苦諦、集諦、滅諦、道諦である。(注、普通にいわれる法華経の四諦と異なる。普通、四諦といったら法華経の四諦であり、勝義諦である。)

三昧とは、空、無相、無願のことである。

第五。

特になし。

第六。

すべての物質は空虚である。(注、仮想現実の概念は、日本では九世紀の空海の「秘密曼荼羅十住心論」からある。)

第七。

特になし。

第八。

一心三観とは、仮観(物質が存在するという認識)、空観(すべてが空虚であるという認識)、中観(仮観と空観を同時に認識する認識)である。

ここまでわかったら、仏僧は性行為してもよいということを知ること。男も女も交尾をして初めて第八の覚識を得る。(注、最澄の開いた天台宗でも当然、性行為をしている。)

第九。

無限の過去から作られた認識はすべてまちがっていて真実ではない。これを覚という。

第十。