パリ同時多発テロ事件

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{{先編集権主張|Fly gon}} '''パリ同時多発テロ事件'''(パリどうじたはつテロじけん)は、[[2015年]][[11月13日]]([[日本標準時|日本時間]][[11月14日|14日]])に[[フランス]]の[[パリ]]市街と郊外の[[サン=ドニ]]地区の商業施設において、[[ISIL]](イスラム国ないしIS)の戦闘員と見られる複数の[[イスラーム過激派|ジハーディスト]]のグループによる銃撃および爆発が同時多発的に発生し、死者130名、負傷者300名以上を生んだ[[テロリズム|テロ事件]]である。 ==概要== 事件発生時、[[サン=ドニ]]にあるスタジアム[[スタッド・ド・フランス]]では、男子[[サッカー]]の[[サッカーフランス代表|フランス]]対[[サッカードイツ代表|ドイツ]]戦が行われており、フランスの[[フランソワ・オランド|オランド]][[共和国大統領 (フランス)|大統領]]と[[ドイツ]]の[[フランク=ヴァルター・シュタインマイアー|シュタインマイアー]][[外務省 (ドイツ)|外務大臣]]も観戦していた。現地時間([[中央ヨーロッパ時間|CET]])21時([[日本標準時|日本時間]][[11月14日|14日]]5時)ごろ、同スタジアムの入り口付近や近隣の[[ファーストフード|ファストフード店]]で[[爆弾]]とみられる爆発音が3回響き、実行犯とみられる人物が[[自爆テロ]]により4人死亡、1人が巻き込まれて死亡した。 その後、21時30分ごろより[[10区 (パリ)|パリ10区]]と[[11区 (パリ)|11区]]の料理店や[[バー (酒場)|バー]]など4か所の[[飲食店]]で発砲し、多くの死者が出た。[[犯人]]らは[[イーグルス・オブ・デス・メタル]]のコンサートが行われていた[[バタクラン (劇場)|バタクラン劇場]]を襲撃し、劇場で観客に向けて銃を乱射した後、観客を人質として立てこもった。14日未明に[[フランス国家警察]]の[[フランス国家警察特別介入部隊|特殊部隊]]が突入し、犯行グループ3人のうち1人を射殺、2人が自爆により死亡したが、観客89人が死亡、多数の負傷者が出た。 ==実行犯== 検察当局は、実行犯が3チームに分かれて襲撃を行ったことを明らかにした。 検察当局が[[正犯|首謀者]]と考えているのは[[ISIL]]内組織「預言者の剣」リーダーの[[モロッコ]]系[[ベルギー人]]・[[アブデルハミド・アバウド]]で、[[シリア]]から指示を出しているとされたが、バタクラン劇場への襲撃を行ったのは3名で、うち自爆した1人はパリ南郊に住む[[アルジェリア]]系[[フランス人]]男性とされる。犯罪歴がありイスラム過激派への関与が疑われて監視対象になっていた。同劇場で死亡した銃撃犯も[[ドランシー]]出身のアルジェリア系フランス人の男性で[[国際手配]]中だった。また死亡した3名はベルギー人であることが判明した。スタッド・ド・フランス付近で自爆した3名の男性のうち、1名は[[ベルギー]]在住のフランス人、1名は[[イドリブ]]出身のシリア人であるとされ、シリア人男性は、もう1名のスタッド・ド・フランス付近での自爆者とともに、[[難民]]として[[ギリシャ]]レロス島経由で入国したものと見られている。[[レストラン]]を襲撃したのち、カフェで自爆した2名の男性のうち、1名はベルギーで[[バー (酒場)|バー]]を経営するフランス人で、この男性の弟で、バーのマネージャーを務めるフランス人も、攻撃に使用された[[フォルクスワーゲン・ポロ]]を借りた容疑で[[指名手配]]された。 14日、攻撃に使用されたフォルクスワーゲン・ポロはベルギーとの国境で停止し、乗車していた3名が[[逮捕]]された。さらに3名がベルギー国内で逮捕された。 2016年3月18日、事件の準備で中心的な役割を果たしていた疑いがあるモロッコ系フランス人の男がベルギーの[[ブリュッセル]]で逮捕された。 ===車両=== 15日にパリの東[[モントルイユ (セーヌ=サン=ドニ県)|モントルイユ]]で発見された[[自動車]]「[[セアト]]」からは、複数の[[AK-47]][[自動小銃]]が発見された。バタクラン劇場近くで発見された「フォルクスワーゲン・ポロ」は、ベルギーでレンタルされたものであった。襲撃に使われた車両1台をレンタルした人物も事件に関わったとして、[[フランスの警察|フランス当局]]から指名手配されている。 ==事件の経過== 時刻は現地時間。()内は日本時間(分は一致)。 *2015年11月13日 **21時(14日5時)20分 - パリ郊外のスタッド・ド・フランスで爆発。市民1名、自爆テロ犯1名が死亡。 **21時(14日5時)25分 - パリ市10区にある[[カンボジア]]料理店「ル・プティ・カンボージュ」とバー「ル・カリオン・バー」の付近で、武装グループが発砲、15名が死亡し、10名が重傷。最初にカリオンの外から客に向かって発砲後、歩いてカンボジア料理店へ向かい11人を射殺した(カンボージュは市内で本店を長く経営する移民一家が4年前に開店した支店で、カリオンとともに同地区の人気店)<ref name=eater>[http://www.eater.com/2015/11/16/9742194/restaurant-paris-attacks-la-belle-equipe-le-petit-cambodge#4881595 ] Eater 2015年11月16日</ref>。 **21時(14日5時)30分 - スタッド・ド・フランスで2度目の爆発。テロ犯が死亡。 **21時(14日5時)32分 - 19区の[[ピザ]]店「ラ・カーザ・ノストラ」付近で、武装グループが発砲。5名が死亡、8名が重傷。最初に「カフェ・ボン・ビエール」の外で発砲し、ビザ店との間で5名を射殺した(2店とも近隣の人気店)<ref name=eater/>。 **21時(14日5時)36分 - 11区シャロンヌ通りの[[喫茶店]]「ラ・ベル・エキップ」付近で、武装グループが発砲。19名が死亡、9名が重傷。隣の「スシ・マキ」でも被害が出た(同店は[[香港]]出身の中華系[[アメリカ人]]経営の[[日本料理]]店<ref>[http://lead.fiu.edu/engagement/lectureseries/leadership/abe-ng/index.html Abe Ng] Florida International University 2015年1月28日</ref>)<ref name=eater/>。 **21時(14日5時)40分頃 - 11区ボルテール通りのレストラン「ル・コントワール・ボルテール」付近で自爆テロ。1名が重傷。同店テラス席に座り自爆し、客9人が負傷した<ref name=eater/>。 **21時(14日5時)40分 - バタクラン劇場へ武装グループが発砲し押し入り、立てこもり。 **21時(14日5時)53分 - スタッド・ド・フランス付近で3度目の爆発が起こり、テロ犯1名が死亡した。 **22時(14日6時)15分 - [[パリ警視庁]][[フランス国家警察捜査介入部隊|捜査介入部隊(BRI-BAC)]]の先遣隊がバタクラン劇場に到着 *11月14日 **0時(8時)20分 - BRI-BACおよび[[フランス国家警察特別介入部隊|特別介入部隊(RAID)]]がバタクラン劇場に突入しテロ犯3名が死亡。うち2名は自爆。少なくとも89人が死亡し負傷者が多数出る。 *11月18日 **4時(12時)30分頃 - サン=ドニで、容疑者の関係先を[[捜索|家宅捜索]]中に、[[警察官]]と数人の男の間で、90分間にわたり銃撃戦が発生。警察官2人が負傷した。 ==事件の主な影響== テロ事件とそれに伴う[[捜査]]、軍事的対応を除く。 *サッカーの親善試合の行われた13日朝、ドイツ代表の宿泊する[[ホテル]]に匿名で爆破予告の[[電話]]が入り、代表はホテルからの退去を余儀なくされた。スタジアム外で爆発が起こった後も試合は最後まで続けられ、2-0でフランスが勝利。試合後は安全が確認されるまで30分以上サポーターがスタジアム内に留まり続けた。ドイツ代表はフランス戦の試合中に発生した今回の事件により安全面を考慮して宿舎へ戻ることを取り止め、試合会場のスタッド・ド・フランスで夜を明かした後15日までパリ市内に滞在する予定を切り上げ翌14日に帰国の途に就いた。 *[[政府 (フランス第五共和政)|フランス政府当局]]の指示などもあり、週末となる11月14日及び15日にパリ市およびその周辺で開催が予定されていた各種[[スポーツ]]大会などが中止される措置が執られた。 *[[ボルドー]]で開催されていたフィギュアスケートの[[2015年エリック・ボンパール杯|エリック・ボンパール杯]]は、14日に実施される予定であった男女シングル・ペア・アイスダンスの各種目のフリー演技が中止された。 *11月17日夜、[[ロサンゼルス国際空港|ロサンゼルス]]から[[パリ=シャルル・ド・ゴール空港|パリ]]に向かっていた[[エールフランス]]65便、および[[ダラス・フォートワース国際空港|ダラス]]からパリに向かっていたエールフランス55便が、爆弾が搭載されているとの情報があり、65便は[[ソルトレイクシティ国際空港|ソルトレイクシティ]]に、55便は[[ハリファックス・ロバート・L・スタンフィールド国際空港|ハリファックス]]に緊急着陸した<ref>[http://jp.reuters.com/article/2015/11/18/air-france-diverted-idJPKCN0T70DW20151118 米国発パリ行き仏機2便が爆破警告で緊急着陸、乗客らは無事] ロイター 2015年11月18日</ref>。 *[[ヨーロッパ|欧州]]などで[[イスラム教]]の聖典・[[コーラン]]が燃やされ、イスラム教[[スンニ派]]の最高権威機関・[[アル=アズハル大学|アズハル]]の指導者・ダイブは、イスラム教への偏見拡大を阻止するため、欧州など世界各地に16の代表団を派遣すると表明した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H4W_R21C15A1FF8000/ イスラム教へ偏見拡大阻止へ代表団 スンニ派、世界各地に][[日本経済新聞]]2015年11月21日22時50分配信</ref>。 *[[日本の警察]]では8都道府県警の[[特殊急襲部隊]](SAT)に[[自動小銃]]が配備されているが、当事件を受けて大都市を抱える警察本部の銃器対策部隊にも配備されることが決まった<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/national/20151218-OYT1T50121.html?from=yrank_ycont 銃撃戦を想定、大都市の部隊に自動小銃…警察庁]YOMIURI ONLINE2015年12月18日19時39分配信(2015年12月20日閲覧)</ref>。 ==事件後の情勢== 11月30日からパリに於いて[[気候変動枠組条約#締約国会議|国連の地球温暖化対策に関する会議]](COP21)が開かれることになっており、会議には日本、アメリカなど各国の首脳が出席する予定であることから[[治安]]対策としてフランス政府当局は入国管理を厳重にする方針を明らかにするなど、フランス国内でのテロ活動に対する監視態勢を強化していたという。 この事件により、フランス政府は全国に[[非常事態宣言]]を出し、テロリストの侵入を抑制するために[[国境]]封鎖を決めたほか[[市民]]に不要不急の外出を控えるように呼びかけた。 フランスのオランド大統領は14日、テレビを通じて演説し、「今回のテロは、IS(イスラミック・ステート、イスラム国)の軍事部門が実行した」と述べた。同日、ISは「ISフランス州」の名義で犯行声明を出した。それによると、実行犯8人がISから送り込まれていた。 フランスの地元[[マスメディア|メディア]]は、「戦後最悪のテロ」や「パリ中心部の戦争」と報じている。 ===フランス政府による国家緊急体制の構築=== オランド大統領は13日夜には事件現場の一つバタクラン劇場を視察し、「前例のないテロだ」と犯行を非難した。そして緊急閣議を開催、翌朝の国家安全保障会議に臨んだ。その後に非常事態宣言を布告した<ref>[http://jp.reuters.com/article/2015/11/14/france-shooting-idJPKCN0T22NW20151114 パリ同時攻撃で死者120人以上、仏大統領が非常事態宣言]ロイター 2015年11月14日</ref>。同日、国民議会は緊急の会合を開いた。議会で[[マニュエル・ヴァルス]][[フランスの首相|首相]]は「フランスはテロリストと[[イスラーム過激派|イスラム過激派]]との戦争に突入した」と演説した。一方でヴァルス首相は「フランスは[[イスラーム]]と[[ムスリム]]とは戦争をしない」とも発言した。議会では冒頭に[[黙祷]]が捧げられたが、その後誰ともなしにフランス国歌『[[ラ・マルセイエーズ]]』が歌われだし大合唱となった。議会で[[国歌]]が歌われたのは[[第一次世界大戦]]終結以来である<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASH1G2JDGH1GUHBI00M.html 仏首相「テロとの戦争に入った」 1.5万人警戒態勢]朝日新聞2015年1月14日11時22分</ref>。オランド大統領は14日には同日から3日間を国民服喪の日とすることを発表した。またオランド大統領は[[トルコ]]の[[アンタルヤ]]で開催予定の[[G20]]の出席を取りやめた。17日には[[ヴェルサイユ宮殿]]で[[元老院 (フランス)|元老院]]と[[国民議会 (フランス)|国民議会]]の両院合同会議を開催した。オランド大統領は演説で、「フランスは戦争をしている」と述べ、テロと戦うことを宣言、すでに行われている軍事行動について説明したうえで非常事態宣言の期間延長のための法改正を訴えた。またテロ対策として憲法の改正も視野に入れていることを発表した<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/world/20151117-OYT1T50206.html 「フランスは戦争をしている」…オランド氏演説]読売新聞 2015年11月18日9時22分</ref><ref>[http://mainichi.jp/select/news/20151117k0000m030103000c.html フランス:大統領が臨時議会演説 非常事態宣言の延長訴え]毎日新聞 2015年11月16日 21時44分</ref>。 ===軍事的対応=== [[フランス軍]]は[[ロシア航空宇宙軍|ロシア軍]]や[[アメリカ軍]]と連携し、[[シリア]]の[[ラッカ]]にあるISの司令室、訓練所、弾薬庫などを空爆し、ISのメンバー数人が死亡した<ref>[http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151116/frn1511161900011-n1.htm 米仏軍、報復空爆開始 NATO対「イスラム国」全面戦争へ パリ同時テロ (1/3ページ)]ZAKZAK2015年11月16日配信</ref><ref>[http://www.cnn.co.jp/world/35073590.html フランス、シリアで連日の報復空爆 ISISの死者は少数][[CNN]]2015年11月17日9時42分配信</ref><ref>[http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2015/11/159695.php フランス軍、「イスラム国」拠点を空爆 同時攻撃受け最大規模に][[ニューズウィーク]]2015年11月16日11時22分配信</ref>。 ===捜索中の銃撃戦=== 2015年11月18日4時半(日本時間12時半)、警察がサン=ドニにある事件の主犯格(指示役)と見なされているアブデルハミド・アバウドのアパートを捜索していた際、数人の男女が立てこもって警察官に発砲して銃撃戦となり、1名が自爆、アバウドは警察官に射殺され、アバウドの従妹も死亡、計3人の被疑者が死亡し、警察官5人が負傷した。警察は作戦開始から約6時間後に制圧完了し、8人の被疑者を拘束した<ref>[http://www.afpbb.com/articles/-/3067142 パリ郊外で銃撃戦、1人死亡 連続襲撃の主犯格が立てこもりか][[フランス通信社|AFP通信]]2015年11月18日16時4分配信</ref><ref>[http://www.sankei.com/world/news/151118/wor1511180033-n1.html パリ郊外で銃撃戦 警察官数人負傷 主犯格を捜査中?][[産経新聞|産経ニュース]]2015年11月18日13時42分</ref><ref>[http://www.sankei.com/world/news/151118/wor1511180050-n1.html パリ郊外で銃撃戦 テロ関係先制圧、2人死亡7人拘束 主犯格も潜伏か(1/3)]産経ニュース2015年11月18日20時34分配信</ref>。 ==犠牲者== {|class="wikitable floatright" style="font-size: small; line-height: 1.2em;" !国籍||死亡||負傷 |- |フランス||不明||不明 |- |ベルギー||3||0 |- |チリ||3||0 |- |アルジェリア||2||0 |- |メキシコ||2||1 |- |ルーマニア||2||0 |- |チュニジア||2||0 |- |ポーランド||1||0 |- |スペイン||1||0 |- |スウェーデン||1||1 |- |イギリス||1||0 |- |アメリカ||1||0 |- |イタリア||1||0 |- |オーストラリア||0||1 |- |アイルランド||0||1 |- |中国||0||1 |- |未特定||111||348 |- |'''合計'''||'''130'''||'''352''' |} 重国籍の被害者がいる場合など、国籍ごとの人数を足し合わせても合計と一致しないことがある。 この事件の死亡者数は少なくとも130人、負傷者数は352人になっている。フランスのヴァルス首相は日本時間11月15日、犠牲者のうち「103人の身元を特定できた」と発表した<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111500213 103人の身元確認=仏首相] - [[時事通信]] 2015年11月15日22時49分</ref>。 ==各国及び国際機関などの対応== ===各国首脳=== *[[日本]]: [[安倍晋三]][[内閣総理大臣|首相]]はオランド大統領に哀悼と連帯の意を伝えるとともに、[[在フランス日本国大使館|パリの日本大使館]]に[[鈴木庸一 (外交官)|鈴木庸一]]大使を本部長とする現地対策本部を設置した。 *[[アメリカ合衆国|アメリカ]]: [[バラク・オバマ]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]は、オランド大統領に電話で弔意を伝えると共に、国際的な連携を確認した。また、国内のテロ対策を強化した。 *[[中華人民共和国|中国]]: [[李克強]][[国務院総理|首相]]はパリで一連のテロ攻撃事件が発生したことについて、フランスのバルス首相に見舞いの電報を打ち、死傷者と遺族に心からの哀悼の意と見舞いの気持ちを表し、またテロ行為に強い憤りを表し強く非難した。 *[[オーストラリア]]: [[マルコム・ターンブル]][[オーストラリアの首相|首相]]は、全人類への攻撃であると声明を発表した。 *[[ロシア連邦|ロシア]]: [[ウラジーミル・プーチン]][[ロシア連邦大統領|大統領]]はフランスに対し、全面的なテロ捜査への協力を表明、ISILに対する[[ロシア連邦航空宇宙軍によるシリア空爆|空爆]]を強化した。 ===国際機関=== *[[国際連合]]: [[潘基文]][[国際連合事務総長|事務総長]]は、「卑劣なテロ攻撃である」と犯行を非難する声明を発した。 *[[欧州連合]]: 「我々は必要とされるすべての手段と断固とした決意をもって、協力してこの脅威に立ち向かう。」と表明した。11月17日、EU国防相理事会は全会一致で[[欧州連合基本条約]]の相互防衛条項を初めて発動した。 *[[北大西洋条約機構]]: [[イェンス・ストルテンベルグ|ストルテンベルグ]][[北大西洋条約機構事務総長|事務総長]]は「結束してテロと戦う。テロでは[[民主主義]]は倒せない」と述べた<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111400264 ] 時事通信 2015年11月14日</ref>。 * [[G20|G20首脳会合]]: 同年11月15日、16日に[[トルコ]]の[[アンタルヤ]]で首脳会合が予定通り開催された。フランスのオランド大統領は国内事態収拾のため欠席した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM14H4Y_U5A111C1MM0000/ オランド仏大統領、G20欠席] 日本経済新聞 2015年11月14日</ref>。会議において、「テロとの戦いに関するG20声明」が採択された<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page4_001552.html テロとの戦いに関するG20声明] 外務省 2015年11月17日</ref>。 ==その他== ここでは、その他の[[民間団体]][[権利能力なき社団|任意団体]]などの反応を記述する。 *[[Twitter]]では、#prayforparisのハッシュタグが登場した<ref>[https://twitter.com/hashtag/prayforparis ハッシュタグ#prayforparis]</ref>。 *[[Facebook]]では、プロフィール写真にフランス国旗の青白赤のトリコロールに重ねることで「パリ市民の[[平和]]と安全を願うプロフィール写真を設定しよう」という機能が導入されたが、これに対しては「フランスだけ特別扱いなのはなぜか」という批判が起きた<ref>[http://www.asahi.com/articles/DA3S12076878.html (ニュースQ3)哀悼か仏政府支持か? FBのトリコロールに賛否]朝日新聞2015年11月20日5時0分</ref>。 *[[Google]]は、トップページに喪章を表わす黒いリボンを添えた。 *[[YouTube]]は、ロゴをトリコロールにした。 *[[Amazon.com|Amazon]]は、各国語版のトップページをフランス国旗と「Solidarité(団結)」のメッセージを掲げたデザインに変更した。 *[[アップル インコーポレイテッド|アップルコンピュータ]]では、トップページにブラックリボンを掲載。のちトリコロールに塗った自社のロゴに変更している。 *[[慶應義塾大学経済学部]]の[[金子勝 (経済学者)|金子勝]]教授はフランス軍の報復爆撃について「問題を作ったアメリカと一緒にシリアに報復爆撃」「暴力の応酬は国境なき世界戦争を拡大するだけ」などとコメントした<ref>[https://twitter.com/masaru_kaneko/status/666345742013894656 2015年11月17日5時2分投稿]金子勝公式[[Twitter]]アカウント</ref>。 *[[自由と民主主義のための学生緊急行動|SEALDs]]は[[テロ]]を受けて[[新宿]]でデモを開催し、メンバーらは[[東京新聞]]の取材に対し、フランス軍の報復空爆について「暴力に暴力で返すという考えは危険な考え」「武器を持たされるのはいや。もっと別のやり方があるんじゃないか」などとコメント。また、「当時(2014年夏)はテロなんて起きる雰囲気じゃなかった」「今ここでテロが起こる可能性は上がることはあっても、下がることはないだろう」と述べ、さらに、ISが生まれた背景について「そこまで追い込んだのも欧米」などとコメントした。 ===日本の報道対応=== 事件発生時刻は、[[日本時間]]においては11月14日午前5時頃であった。 ====テレビ==== *各局共に[[報道特別番組|特別編成]]を組む事は無かったが、朝のニュースの第一報として伝えられた他、[[日本放送協会|NHK]]では[[NHK総合テレビジョン|総合テレビ]]で各番組の合間にその時点の最新情報を伝え、[[NHKBS1]]の[[ワールドニュースアワー|ワールドニュース]]では通常放送されていない[[France 24]]で放送中の速報の一部を取り上げた。<br /> *[[民間放送|民放]]も[[ウェークアップ!ぷらす]]([[讀賣テレビ放送|読売テレビ]])の当日放送内容の一部を変更し、本事件の速報を断続的に伝えた。ウェークアップ!ぷらす以外の各報道・情報番組も本事件を伝える内容が多かった。 ====新聞==== *[[全国紙]]では[[号外]]を発行した[[新聞]]社もあり、このうち[[読売新聞]]は14日午前中に街中にて配布した。 ====インターネット==== *[[ニコニコ生放送]]では[[ロイター|ロイター通信]]や[[フランス通信社|AFP通信]]が配信する映像を生中継した。 ===ライトアップ=== テロ事件以降、世界各地で哀悼の意を込め夜間に[[フランスの国旗|フランス国旗]]色にライトアップされた。 ==出典== {{Reflist|3}} ==関連項目== *[[国内治安総局]](フランス国内のテロ対策機関) *2015年8月フランスにおけるイスラムテロ事件 **[[タリス銃乱射事件]] *2015年1月フランスにおけるイスラムテロ事件 **[[シャルリー・エブド襲撃事件]] **[[ユダヤ食品店人質事件]] *2015年~2016年フランス国外におけるイスラムテロ事件 **[[ISILによる日本人拘束事件]] **[[2016年ブリュッセル爆発]] **[[2016年イスタンブール空港攻撃]] **[[ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件]] ==外部リンク== {{commonscat|November 2015 Paris attacks}} *[http://www.dailymotion.com/video/x3dqzx9_images-de-la-fusillade-au-bataclan_news バタクラン劇場での撮影映像] [[ル・モンド]] 2015年11月14日 *[http://www.ambafrance-jp.org/article9423 パリ同時テロ] - 在日フランス大使館 2015年11月13日 *[http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/anzen/ フランス安全情報] - 在フランス日本大使館 {{デフォルトソート:はりとうしたはつてろしけん}} [[Category:2015年のフランス]] [[Category:フランスにおける大量虐殺]] [[Category:パリの歴史|とうしたはつてろしけん]] [[Category:サン=ドニ]] [[Category:2015年11月]] [[Category:反仏感情]] [[Category:ISILによるテロ事件]] [[en:November 2015 Paris attacks]]