新ビックリマン
『新ビックリマン』(しんビックリマン)は1989年4月9日から1990年8月26日にABC発テレビ朝日系で全72話放送されたテレビアニメ。
それまで同枠で放送された『ビックリマン』の続編。ひょんな事から一緒に旅をすることになったピア・マルコ達一行が、最終的に真に平和な世界「新河系」を築くまでを描く。
ロッテの『ビックリマン 悪魔VS天使シール』の第20~24弾に相当しており、シールのストーリーの後追いだった前作とは異なり、シールと同時進行となっていた(しかし2年目からは多少オリジナル色が強くなった)。
目次
おもな登場人物
次界
- ピア・マルコ/サン・マルコ→アレキサンマルコ(藤田淑子)
- 前作のメインキャラクターにして伝説の英雄、ラファエロココとシヴァマリアの子(分身)であるのみならず新たな世界を担う次代と呼ばれる種族だが、本人はそれを知らずただのお守りだと思っている。
- 口癖は「ぴぁ」。のんびり屋で、食べ物(特に饅頭)に目がなく、天然ぼけぶりを発揮するが機転が利く一面もある。裏表がなく、純粋無垢な性格で、敵味方問わず好かれる。紫の長い髪と水色の瞳が特徴。
- 怪力の持ち主で大岩を軽々と持ち上げることができる。旅を続けるにつれ、セントジュエルは腰のベルトに吸収されていき、次第にその力をつけていく。[1]
- 「ビックリ村」からの脱出後、次界にまで攻めてきたダークマターの強大な力に敗れるものの、聖ランドで聖神ナディアと異聖メディアに再会し、自らの欠点である「欲望」を見つめなおすため修行する。そして次界が崩壊寸前にされたとき、「本当の使命」に目覚め、次界の太陽サン・マルコとして大きく成長することになるが、そのために親友サイキュロスと争うことになってしまう。[2]
- 最終回では12個のセントジュエルと合わさり、あらゆる世界を救う英雄アレキサンマルコとしてさらにパワーアップし、真に平和な世界「新河系」をつくりあげた。[3]
- プッチー・オリン/オリン姫(久川綾)
- マルコ達一行を聖宝石へ導く謎の少女。青い葉の髪と青い目、白い肌の小さな妖精のような姿をしている。優しい性格だが意志が強く、時に一人で先走ることも。
- 得意技は赤いカスタネットを使って様々な術を使うこと。「プッチー」「ワッピー」としか話せないが、曼聖羅編終了後は普通に会話できるようになった。(それとともに肌の色も多少人間らしくなった)
- 正体は、次界を滅ぼそうと企む曼聖羅の女王異聖メディアの娘「オリン姫」[4]。聖神ナディアらへの個人的な恨みから次界を滅ぼそうとする母を止めようと聖なる魂、プッチーの姿に変身して一人次界へと旅立つ。オリン姫の時は水色の瞳に赤紫の髪をしている。また、曼聖羅編最終回ではナディアにより後継者に指名される。[5]
- ベリー・オズ(塩沢兼人)
- 様々な時を写し取った聖ボックスを無数に収める「時の城」のガード天使。かつてヘッドロココたちと出会った天使一角キング(平野正人)の子孫。
- 生真面目な性格で「美しくない」曲がったことが大嫌い。自らの容姿、ガード天使であること、そして剣の腕に誇りを持っていることから勝手に「指揮官」だと自任しており、仲間を見下したような態度を度々とり、コッキーとケンカになったり、マルコを馬鹿にするなど、やや傲慢な部分もあったが、実際は不器用な努力家なだけである。頭が良くまとめ役や作戦を考えたりする活躍が多いが、かなりの三枚目キャラで、自らも(マルコ達に負けず劣らず)意味不明な行動をとることもたびたび。加えて大変な音痴。髪の色はオレンジで瞳は黒色。
- 必殺技はマヤ・セッ剣。剣の腕や少し変わった性格は、先祖からの遺伝と元師匠の男キホーテ王(田中和実)の影響を大きく受けている。
- 最終回ではパワーアップ。先祖伝来らしいジャイケット姿を披露し、決死の覚悟でバリアに立ち向かうが全く歯が立たなかった。だがサン・マルコの失われた記憶を揺り動かすきっかけになった。
- 19弾シール次代。最終回のジャイケット姿は22弾ヘッドシール時のもの。その後もシールでは散発的に登場した。
- ディオ・コッキー(千葉繁)
- 盗みを生業とする悪魔。物語中二度も「時の城」に忍びこみ聖ボックスを盗むという重要な役を担う。悪魔帝国を築くという夢の為、ひたすら「お宝」を狙う。ずる賢くすばしっこい悪党を気取っているものの本当の悪になりきれない。皮肉屋で、自らの利益にならないことに関しては投げやりな一方で、恋をした女性(プッチー(オリン姫)や「ルビコン・エリア」のパソン姫、ベイギャルズの「ボルカンヌ」)に対しては、命を賭して彼女らを守る行動をとるなどの純情さも持ち合わせていた。
- 祖父の昔話からブラックゼウスに憧れており、旅の途中で一時はマルコ達を裏切ったが、一緒に旅してきた仲間たちのことが忘れられず結局は戻ってきてしまう。物語を通じて様々な仲間と触れ合うにつれ、内面も少しずつ変わっていく。
- 原作シール19弾次代シールではオレンジ色の服だが、アニメでは黒い服をきて赤色の髪と瞳をしている。
- ヤマトウォーリア(堀川亮)
- 次界警備隊隊長(執政官)で、オズの上司。次界を築いたヤマト爆神の子孫。長い黒髪、黒い目の持ち主。額の白いはちまきと桃色の鎧が特徴。[6]
- 当初マルコ達一行を罪人として捕まえるようベイギャルズに命令していたが、次界の危機を知ってからは協力するようになる。心配性で小心でおっちょこちょいだが頭の回転は速い。剣と防御技が得意。
- 先祖のヤマト爆神は、攻撃時「やっちゃきー」という掛け声を出していたが、彼は「どっちゃきー」と叫ぶ。
- 19弾シール次代。
- ヘラクライスト(飛田展男)
- 前作でブラックゼウスに勝利した後、天聖門への道のバリアをこじ開けようとして故障し眠りについていた聖ボット。ヤマトウォーリアによって復活するが、復活したブラックゼウスとの戦いで未修理の弱点を突かれ破壊されてしまった。
- リポ太坊<リポターボ>(龍田直樹)
- 次界のリポーター。アニメタイトルコール前に、これまでのあらすじを紹介したり、各エリアに現れ実況中継を行なうなどの活躍をした。
- のりのん(林原めぐみ)
- 英雄の国、ペリドミリィで英雄になる事を夢見る次代の少年、天使のガールフレンドカーニボンを守れなかったことを苦にして、英雄になることにこだわっているが、わが身かわいさにマルコを裏切ったり、カーニボンに再会したとたんに信念が変わるなどの情けない姿が目立つが、それでもマルコのピンチに自ら駆けつけるなど男気も見せる。
ベイギャルズ
神帝隊の理力により生まれたメイドン天使の生まれ変わり。ベリー・オズとともに「次界警備隊」の任務についている。「次界一の力持ち」集団。上司のヤマトウォーリアを慕っている。ヤマトウォーリアの戦闘時には変身して武器や防具になる。5人連なりのギャル5ビターという卵形のメカに一人ずつ乗っている。
ヤマトウォーリアの勘違いから「次界を乗っ取る為に聖ボックスを盗みだした」という容疑をかけられたマルコ一行を捕らえるために冒険に出発する。マルコ達の疑いが晴れてからは協力しあうようになったものの、「聖宝石(セント・ジュエル)」発見競争をすることもあった。
アニメオリジナルの設定であったが、後に第22弾にてヘッドシール化された。
- ミネルンバ(中島千里)
- 天蓋瀑布に飲み込まれたピーター神子の理力から生まれた。ルーツはメイドン幻使(後述)。
- 星氷剣をもつ。お嬢様的で語尾に「~でございます」をつけて話す。周りへの気配りができる。
- ボルカンヌ(上村典子)
- 天蓋瀑布に飲み込まれた天子男ジャックの理力から生まれた。ルーツはメイドン遊使(後述)。
- ベイギャルズのリーダーで面倒見がいい。強気で男勝りの性格だが可愛らしい一面を見せる事も。後にコッキーと恋に落ちる。
- 先祖と同じように「聖コインつぶて」で相手を威嚇する。
- ベスタニャ(杉本沙織)
- 天蓋瀑布に飲み込まれた牛若天子の理力から生まれた。ルーツはメイドン霊使(後述)。
- 聖笛を武器とする。甘えん坊の性格でおっとりしている。料理はすごくヘタクソ。音楽の国「トパズランド」の住人Pアンノに恋した。語尾は「でちゅピー」。
- セレンス(丸尾知子)
- 天蓋瀑布に飲み込まれた魯神フッドの理力から生まれた。ルーツはメイドン豊使(後述)。
- ベリー・オズの幼なじみで、常に彼の身を案じる。オズの事になると冷静さを失う行動をとってしまう。「リンリンごう鐸」を武器に持つ。語尾は「だわさ」。
- メルクリン(柳沢三千代)
- 天蓋瀑布に飲み込まれた一本釣帝の理力から生まれた。ルーツはメイドン界使(後述)。
- 武器は聖フック。いつも、最初に攻撃を仕掛ける。コッキー同様に聖フックを使ったアクションが多い。語尾は「じゃん」。
メイドン天使
ベイギャルズの先祖。第27話のみ登場した。なお、メイドン界使以外はスカートが短い(メイドン幻使はスカートがスリットになっている)。
- メイドン幻使(中島千里)
- ピーター神子が悪魔との戦いで命を落とした後に生まれたメイドン天使。髪型は水色。クリクリした目と長髪がトレードマーク。後のミネルンバ。
- メイドン遊使(上村典子)
- 天子男ジャックが悪魔との戦いで命を落とした後に生まれたメイドン天使。髪型は橙色。丸い目と天然パーマがトレードマーク。後のボルカンヌ。
- メイドン霊使(杉本沙織)
- 牛若天子が悪魔との戦いで命を落とした後に生まれたメイドン天使。髪型は青色。たれ目とひらひら布がトレードマーク。後のベスタニャ。
- メイドン豊使(丸尾知子)
- 魯神フッドが悪魔との戦いで命を落とした後に生まれたメイドン天使。髪型は緑色。つり目と三つ編み頭がトレードマーク。後のセレンス。
- メイドン界使(柳沢三千代)
- 一本釣帝が悪魔との戦いで命を落とした後に生まれたメイドン天使。髪型は茶色。大きい目と豪快な笑顔がトレードマーク。後のメルクリン。
源層界
太古より存在する神々の世界。
- 超聖神(戸谷公次)
- この世の全てをつくり出した絶対神。しかし、前作の天聖界と天魔界の抗争、次界が滅びるそもそもの原因を作った張本人でもある。スーパーゼウスに似たシルエットのみ登場。
- 聖神ナディア(ナーディ)(山口奈々/金丸日向子)
- 前作で言う「聖神様」。超聖神にかわり、源層界と表層界(曼聖羅とエズフィト以外)を治める。またスーパーゼウスとブラックゼウスの創造主である。若き日の異聖メディアとは無二の親友だった。メディアが追放されたあとも、彼女のことを気にかけており、曼聖羅の誕生に深く関わっていた。
- かつては超聖神に仕えるナーディとして聖火山の守役をしており、時を遡ったマルコ達と係わり合いになる。
十二神界王(カーネルダース)
聖神ナディアから、次界の周辺に存在する12のエリア「ハートタンク」の統治を任されている12人の王。次界を救う聖宝石(誕生石がネタ元)を捜す手助けをしてくれた。ガーネメントでカーネルダースが集合し、大洪水を止めようとするが、辰統一世の心の迷いから失敗する。十二支がネタ元。
- アウグス子’s
- 水晶の国、次界第一のエリア「ダイヤメーション」の王。アニメではシルエットのみ。
- ダリ丑
- 緑の国、次界第二のエリア「エメラジェンス」の王。アニメではシルエットのみ。
- 本来は、緑あふれる国だが、国の宝エメラジュエルが眠りにつき、石になった為に砂漠の国になっていた。
- アン寅ネット
- 真珠状の世界が数多く浮かぶ国、次界第三のエリア「パールディメンション」の王。アニメではシルエットのみ。
- ちなみに、この国の一日は外の世界だと100年になる。ちゃんとしたルートじゃないと一気に年を取る。
- 脱出方法は、二つの太陽が重なる時にできる光の柱から出る。
- 卯帝(龍田直樹)
- コンピュータに完全制御された文明の国、次界第四のエリア「ルビコンエリア」の国王。
- 大臣のハッカニアン(飯塚昭三)に「ルビジュエル」を奪われ、操られた上、存在すら消されそうになるが、マルコ達に助けられる。次代パソン姫(久川綾)の父親。
- 辰統一世(戸谷公次)
- 英雄の国、次界第五のエリア「ペリドミリィ」の王。
- ナディアから与えられた聖ミーヤと、メディアから与えられた魔デストンの赤子二人を育てている為に、ナディアにつくかメディアにつくかで揺れる。ペリジュエルのついた剣を所持している。
- パ巳ロ(徳丸完)
- 格闘技の国、次界第六のエリア「サファイアンシップ」の王。
- サファイアンジュエルを所持している。国を挙げて格闘技大会を行い、自らに挑戦してくる最強の戦士を探していた。
- 午ノフ王(佐藤正治)
- 時間を管理する国、次界第七のエリア「オパザード」の王。
- 国の宝オパジュエルが安置代から無くなると、時間がめちゃくちゃになる。過去の世界ではオズの先祖である一角キング(平野正人)を部下としていた。
- コンスタン未(佐藤正治)
- 音楽に満ちた平和なホルン型の国、次界第八のエリア「トパズランド」の王にして伝説の指揮者。
- 海底深くで眠っていたが、曼聖羅からの洪水で国が滅びかけたときに目覚める。
- 申る伯(龍田直樹)
- 食べ物の国、次界第九のエリア「ラピスード」の王。
- ブラックゼウスとスーパーデビルに敗れ、危機に陥るが、それがマルコにパワーアップのきっかけを与えた。
- ペルセ酉主(田中和実)
- 自然と機械が調和する国、次界第十のエリア「ガーネメント」の王。
- この国の上空に大洪水の通り道「亜空間道」がある。占いでカーネルダースのなかに裏切り者がいると予言した。
- 戌ドリヒ大王(佐藤正治)
- バイオ生物の国、次界第十一のエリア「アメジアンス」の王。
- ブラックゼウスの攻撃と曼聖羅の洪水で国を破壊されてしまう。
- ムガール亥(龍田直樹)
- 水の国、次界第十二のエリア「アクアマーピィ」の王。
- 国を統御していた「アクアジュエル」を奪われた影響で凍ってしまった。
カーネルダーク
異聖メディアを一方的に追放した「超聖神」に逆らい、超聖神と聖神ナディアを倒そうとするが、逆に異次元の世界に閉じ込められた神々。ブラックゼウスに助け出されてからは彼に従っていたが不信感も持っている。最終的に聖神ナディアと異聖メディアの関係改善に思わぬ役割を果たすことになる。
カーネルダースとは対になる動物モチーフで構成されており猫ライ一世、ミ蛙帝(龍田直樹)、狸アヌス、光亀帝、麒麟ザー公、マングス珍、驢馬ンリ一世、狼ュール一世、蟹大帝、蝙蝠ヒ伯、蚤ノフ王(広森信吾)、獅子チヌス一世 の十二人。原作シール20弾ヘッドシール。
創世使
太古の時代、源層紀以前より存在し、超聖神と共に世界を創造したといわれる超古代の神々。死の淵を漂っていたブラックゼウスを救い出し、若返らせ強化アイテム(翼、始祖ジュラの頭、冠、鎧、心臓)を与えて蘇生させた。何の目的で動いているのかは最後まで謎のままであった。
バーミンダロス(佐藤正治)、カーボメロス、エウリピデボン、ミレトシルル、オルドトス(塩屋浩三)、カンブディアスの六人。原作シール21弾ヘッドシール。
曼聖羅
- 異聖メディア(メディ)(中西妙子/冬馬由美)
- 世界を統べる聖神と対をなす異聖神。別次元に曼聖羅という水と蓮の世界を創造した。かつて源層界を追放された悲劇の女王。
- 本来は非常に優しい性格で、配下を大事にするばかりではなく聖魔大戦で肉体を失っていたアリババ神帝をも再生して重用する慈愛と度量を持つ。反面、その性格が災いして思いつめやすい面があり、判断ミスを誘発することもある。
- 追放に絶望し、それが聖神ナディアの差し金だと思いこみ、ナディアと「次界」に尋常ならぬ恨みと恐れを持ち続けている。そのためナディアの造った世界(次界全体)を滅ぼそうと考え、大洪水を起こす。後に娘のオリンらの尽力で真実を知り、和解。曼聖羅編の最後でブラックゼウスと直接対決、何とか退けるものの深手を負い「聖ランド」で静養していた。
- 物語の最終盤に再登場し、マルコやオリンのために力を貸す。
創聖巡使
原作シール12弾、13弾、15弾ヘッドシール。そちらではミロク、ムガルは怪奇(ミステリー)フォームと呼ばれる戦闘形態を持つが、アニメには登場しなかった。
- 聖梵ミロク<セントボン->(銀河万丈)
- 異聖メディアに忠実な侍従。かつて偶然に、悪魔化したアリババ神帝を救ったことがある。
- 聖梵ムガル<セントボン->(上村典子)
- プッチー・オリンの乳母。彼女が次界に行く手助けをしたため、メディアからは距離を置いている。
- 聖梵インダスト<セントボン->(徳丸完)
- 回想シーンにのみ登場。メディアの付き人。
創聖童鬼
- 聖ピカギリ<セントピカギリ>(橋本晃一)
- スゴイネルY染なるバイオリンでの音波と、般若波なるエネルギー波で攻撃する。強いが、熱くなりやすい性格で失敗が多い。真因如を好いている。
- 真因如<しんいんみょう>(勝生真沙子)
- 創聖童鬼の紅一点。人差槍と聖羅盾を振り回し、頭に付いている刃を飛ばして攻撃する。かなり気は強いが、繊細な所もある。
- アッシラ王(田中秀幸)
- 創聖童鬼のリーダー格。風の使い手で何時も冷静沈着。風にまつわる格言を好んで口にする。確実に作戦を成功に導き、メディアの信頼も厚い。
その他
- ゴル胡魔193<ゴルゴマいっきゅうさん>(中尾隆聖)
- 曼聖羅に雇われた殺し屋。度々マルコ達の命を狙うが、意外とドジな性格が災いし失敗を繰り返す。そのためメディアの怒りを買う。
- ワープスライダーP/ペガ・アリババ(丸尾知子)
- プッチーと行動を共にする生体メカ、バイオバイザ。通称「ワッP」。『西遊記』でいうところの白馬の役目に近い。
- その正体は聖魔大戦で倒れたアリババ神帝の転生した姿。ルビコン・エリアで、マルコ・オズ・コッキーに、それぞれの移動バイオバイザ(「ホーサフィン」「オーストルーザー」「キャメロディオ」)を生み出す。
- 次界の破壊には反対しているが、肉体を失った自分を再生してくれた上に、王女の側近に抜擢してくれたメディアへの感謝と忠誠心は非常に厚い。
- 「プッチー」が「オリン姫」に戻ったおり、一時「ワッP」も「ペガ・アリババ」に戻り、傷心の彼女を支えた。また「ビックリ村」では懐かしいコンビで登場し、物語を動かすきっかけを作ることになる。
- 余尾銀<よびぎん>
- 真因如の忠実な部下、ドジだが石化の術で動けなくなったのりのんをそそのかしコンリン奈落の術でマルコを追い詰めるなど頭脳派の一面も、真因如を身を挺して守るなど忠臣ぶりを発揮するが、サファイシップ以降出番がなくなる。
天魔界
- B・Z・H<ブラック・ゼウス・ヘッド>(若本規夫)
- その昔、聖ボットヘラクライストに敗れて死の淵を漂っていた悪魔の超ヘッド。スーパーゼウスとは双子の関係。創聖使たちにより、若返りパワーアップして復活する。ビデオカメラにもなる「始祖ジュラの頭」が胸についており、黒いマントを羽織っている。頭に付いた大きな角、「ドラホーン」からエネルギーを放射。かつての技「虹光波」もさらに強化され健在。
- より強大な力を身につけ、かつて敗れたヘラクライストを倒す。曼聖羅と組み、マルコ一行を散々苦しめた。次界も曼聖羅も倒して自らの帝国(ブラックゼウス帝国)を造ろうと企んでいるため、曼聖羅陣営からも警戒されていた。
- メディアに反旗を翻し、直接対決に出たが、傷つき意識を失う。後にダークマターによって助け出され、次界に攻め入る。
- 物を破壊したり、口癖「力こそパワー」をひたすら叫んだり「筋肉バカ」な面が目立つ。その一方、目的のために手段を選ばず、カーネルダークを偽のビデオで焚きつけ味方に引き込んだり、異聖メディア相手に駆け引きを行うなど、時折有能な策士の一面も見せる。
- ビックリ学園編では体育教師。ジャージ姿でやかんを振り回し、マリア先生を追いかけ回す。こちらは完全な筋肉バカ。通常編ではプッチー・オリンに執着していた。妙に愛嬌のあるキャラクターである。ちなみに「やかん」を振り回す姿は、アーノルド・シュワルツネッガーの日清食品CMを参考にして描かれた。
- 原作シールではメディアの異聖矢に撃たれ創世使と共倒れして行方不明になったという設定だが、ア二メでは曼聖羅編以降もビックリ学園編、ダークマター編を最後まで生き延びた。原作21弾ヘッドシール。
- スーパーデビル(青野武)
- 元天魔界のヘッドにして統率者だったが、前作最終回でワンダーマリアに刺された後、流れ流れて「三流ヘッド」となり、ようやく曼聖羅に拾われるまでに落ちぶれていた。このような惨状ながら、未だに「自ら」を頂点とした欲望だけの悪魔帝国をつくる野望は捨てておらず、策謀を重ねている。そのため「メディア」からも信用されていない。
- 曼聖羅編の最終局面、唐突にブラックゼウスのような強大な力を手に入れ、次界と曼聖羅を潰しにかかる。だがオズに刺されて行方不明となった。その後、ダークマターによって「非幽層(意識を失った状態)」からブラックゼウスと共に助け出され、組んで次界攻撃をする。
- ビックリ学園編では教頭先生。最終回では(ブラックゼウスの力を借りたものの)天魔界のヘッドに返り咲き、眠っていた悪魔たちから歓迎された。
- 上記のとおり、前作と相変わらず「ずる賢くてかなり悪い奴」だが、ひょうきんな性格の故か、どこか憎めないキャラである。
- 原作シール19弾では「ルーツレスデビル」という名前だが、アニメでは前作同様「スーパーデビル」の呼称に統一されている。
エズフィト
かつて隆盛を誇った悪魔文明。現在は砂漠化の一途で崩壊寸前である世界。和風な口調と語尾で話す者が多い。
- サイキュロス(柳沢三千代)→ドラキュロス→内裏ネイロス<だいりネイロス>(龍田直樹)
- ビックリ学園編から登場した新キャラクター。始めはピエロのような容姿だったがパワーアップ後は美青年に成長。大金持ちで本来いじめっ子キャラのはずが、逆にいじめられる羽目になる。マルコの裏表の無い性格に振り回され続けたが後に友情を育む。
- ダークマターの声にそそのかされ、自らが魔肖ネロの因子を受け継ぐ者と知る。覚醒したサイキュロスはドラキュロスにパワーアップ。その後、ダークマターの魔漆黒船の原動力となり、共に次界殲滅を企むが、中途でエズフィトに攫われる。
- そしてクレオクスと結婚し、エズフィトの王、内裏ネイロスとなり次界に宣戦布告。サン・マルコを倒し、ただ一人の太陽になろうと画策し、マルコと仲間を引き離すべく策略を巡らした。そのためピアマルコ(サン・マルコ)はかつて彼と築いた友情に悩むことになった。
- 原作シール22弾次代、23弾&24弾ヘッドシール。
- 魔妃クレオクス→内裏クレオクス妃<まひ-/だいりクレオクスひ>(土井美加)
- エズフィトを治めていた女王。滅び行く祖国を立て直すため、力を秘めた悪魔ドラキュロスを招聘した。やがて内裏ネイロスと結婚した後は仲睦まじく暮らすとともに、全ての世界を新生させる聖コアポイントにてエズフィトだけの世界を作ろうと目論む。
- 原作シール23&24弾ヘッドシール。
- 魔子クレオクフ<ましクレオクフ>(佐藤浩之)
- 魔妃クレオクスの弟。ドラキュロスをエズフィトに連れてきた張本人。内裏ネイロス誕生後は、姉を奪われる疑念を抱き、おまけに敵であるピア・マルコ(サン・マルコ)とも友情を交わしてしまう。愛、友情、祖国の間で苦しんだ。
- 原作シール24弾ヘッドシール。
暗黒世界(源層大魔テーション)
- ダークマター(佐藤正治)
- 世界を「黒天魔界」に変えようと企む闇の神。源層界が出来る以前から存在し、超聖神に匹敵する強大な力を持つと評される。
- 時間と記憶と人の心を操ることが出来る。聖宝石と対をなす影の宝石黒宝石が集まった際、これが飛び散るのを防ぎ、異次元空間「ビックリ村」を作る原動力としていた。そこでサイキュロスを成長させ、パワーアップさせ、悪魔ヘッドとするのが目的。
- 表の世界である次界や、ドラキュロスを奪ったエズフィトに度々攻め入る。ブラックゼウス、スーパーデビルを復活させ手駒とするなど物語後半の黒幕となった。目的は全ての記憶も時間も無い闇の世界を築くこと。光の世界である次界などの成長を危惧している。
- 原作シール22弾ヘッドシール。シールの設定では悪魔エネルギーの集合地「魔性暗黒ゾーン」を生み出し、悪魔の統率者スーパーデビルを生み出した。
ビックリ村(ビックリ学園)
ダークマターが作り出した異次元世界。52話から62話までの舞台。ここに落ちたマルコらとベイギャルズは元の記憶を失ってしまった。スーパーゼウス校長、スーパーデビル教頭、ブラックゼウス先生などが勤めるビックリ学園を舞台に、呑気に日々を過ごす彼らだったが、サイキュロスのパワーアップと共に、その日々に終わりが訪れた。
- (ワンダー)マリア(江森浩子)
- ビックリ学園の先生にしてシスター。普段はおっとりとした優しい性格の美しい女性だが、怒ると凶暴になる。ヘッドロココとは相思相愛である。
- ヘッドロココ(橋本晃一)
- ビックリ村の平和を守る(自称)愛と正義の英雄。周りと少しずれている。ヤマトウォーリアとの偶然の通信により、世界のおかしさに最初に気づく。
- 七人の神帝隊
- 英雄の森に暮らすへッドロココの部下。
- 黎元老守<れいげんろうしゅ>(龍田直樹)
- ビックリ村に暮らす、マルコの保護者的存在。[7]
- トジックバラ(橋本晃一)
- サイキュロスの執事。我侭放題のサイキュロスを暖かく見守り、その行く末を心配している。ドラキュロス化した後、暫くは更に凶暴になった性格に手を焼いていたがその後の消息は不明。
聖ランド
全世界の中心に位置する隠れ里。異聖メディアが静養している。同時に全世界を新生させる聖コアポイントでもあり、最終局面ではここの争奪戦が軸となった。
- 源P7<げんピーセブン>
- 異聖メディアの側に使える7人組。ピア・マルコを成長変身させようとするメディアとナディアの補佐をする。マルコ達のピンチにも駆けつけた。
- 下に挙げた他は聖アポン、聖マルス、聖ジュピタス、聖サタイタン、聖マーキュリーンがいる。七曜がモチーフ。原作シール23弾ヘッド。
- 聖ビーナシス(半谷きみえ)
- 異聖メディアの命でピア・マルコを迎えに行った。活発で明るく真面目な性格。マルコに一目惚れしてしまい陰ひなたなく彼に尽くすものの、最終回で身を引くことになる。顔はお守りヘッド愛然かぐやによく似ている。
- 聖ムーンかぐや(萩森順子、他)
- 月のような顔の源P7。
スタッフ
前作とほとんど同じスタッフである。
- プロデューサー:鍋島進二(ABC)、春日東、亀山泰夫(ASATSU)
- 企画:七條敬三(東映動画)
- シリーズ構成:富田祐弘、柳川茂
- 脚本:富田祐弘、柳川茂、渡辺麻実、まるおけいこ、五月はじめ、杉森美也子
- 音楽:菊池俊輔
- シリーズディレクター:貝沢幸男
- 演出:貝沢幸男、遠藤勇二、角銅博之、矢部秋則、岡佳広、志水淳児
- キャラクターデザイン:青山充
- 作画監督:青山充、高橋英吉、三谷節子、小曽根孝夫、二宮常雄、安藤正浩、小和田良博、内山正幸、河野宏之、三ツ井洋一、原田節子
- 美術デザイン:浦田又治
- 美術:浦田又治、襟立智子、内川文広、千田国広、井出智子、行信三、伊藤岩光、谷口淳一、川崎美千代、吉池隆司、塩崎広光
- 製作担当:横井三郎
- 特殊効果:朝沼清良、山本公、中島正之
- 撮影:鈴木典子、黒田洋一、沖田英一、山上純夫、斉藤佳三、山川進、矢沢昌二、神山茂男、田口久男、梶原裕美子、五十嵐香、星寿子、佐野禎史
- 編集:片桐公一
- 録音:池上信照
- 効果:E&Mプランニングセンター
- 選曲:佐藤恭野
- 記録:原芳子→小川真美子
- プロデューサー補:東伊里弥
- 演助進行:有間二郎、岩井隆央、渡辺健一郎、藤瀬順一、志水淳児、森一敏、岡田将介
- 演出助手:志水淳児、森一敏
- 製作進行:岩井隆央、川本邦博、森一敏
- 美術進行:杉本隆一、中村実
- 仕上進行:成田賢二、清水洋一
- 仕上検査:坂本陽子、安永陽子
- 現像:東映化学
- 制作:ABC、ASATSU、東映動画
- 平均視聴率 14.1%(最高視聴率18.5%)
- 放送時間 毎週日曜8:30~9:00(JST)
作品の評価
以下の内容は著者独自の見解で根拠がないのではないかと言っていた人がいたようです。 |
すでにビックリマンブームが終わりに近づいていたこと、旧ビックリマンの余りに陰鬱な最終回と、新ビックリマンの明るい雰囲気が落差が激しすぎたこと、時代を先取りしすぎた登場人物の個性などが重なり、それまでのビックリマン視聴者の間にアレルギーを起こし、序盤から波乱の環境でスタートした。
しかし、声優の豪華さと演技のうまさ、毎回の脚本(シナリオ)・音楽・演出の絶妙さ、面白さ、作画・美術の綺麗さ等スタッフ側の懸命の努力で打ち切りを免れ、さらに当時の児童を中心に独自に「新ビックリマン・アニメ」ファンを開拓し、結局は「ビックリマン」とほぼ同数(72回)続いた。
旧ビックリマンに比べて、ギャグアニメっぽくなっているが、ユーモアの中に、人間社会への風刺や警告、当時の世相のパロディなどが、沢山散りばめられており、見ごたえ・聴き応えがある。また、オープニングテーマから全編を通して生きる事の不思議や友情の大切さ、そして平和主義を訴えるなど、現代にも通じるテーマを感じさせる。全体の構成(伏線配置・回収の仕方やストーリー展開)と世界観(仏教ベースの宇宙観)が非常に奥深く練られたものになっており、作品としての完成度の高さも特筆に値する
このアニメの最終回は(いささか詰め込み過ぎとの意見もあるが)、「ビックリマンシリーズ」(旧ビックリマン/新ビックリマン両方)最終回という形をとっており、高い評価を与えるファンが多い。一時代を築いた「ビックリマン」ブームににかかわった人々の期待・熱気と、「1980年代」の時代当時の世相パワー、そしてシール制作陣とアニメスタッフ陣が供に「視聴者」のために最高の作品を作りたいという想いが全て結集したからこそであろう。 (アニメスタッフは3年間「ビックリマン」を放送してきた「本当のテーマ」をこの回に描いたと発表している)
主題歌
- OP「セント・ジュエルを探せ!」 歌:ワッPズ
- ED「やっぱビックリマン!!」 歌:ニッチモ、SHINES
途中で、これらの曲と番組挿入歌をあつめた「アニメ 新ビックリマン ヒット曲集」が日本コロムビアから発売された。
放映リスト
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懸賞ビデオ「西暦1999 ファンタジー」
概要
原作シール22弾時期の懸賞ビデオ。マルコら一行がダークマター(「ダークマスター」と呼称)により、1999年の東京に飛ばされ、欲望を吸収し巨大になったブラックゼウスと戦うストーリー。中盤、シールの今までの展開を振り返るコーナーがある。現在DVD最終巻の映像特典として収録されている。
登場人物
マルコら四人とブラックゼウスは本編と同じキャスト。
- マコト(山田栄子)
- 現代の少年。かつて集めていたビックリマンシールと同じ姿のマルコらが現れたことに驚く。
- マリ(久川綾)
- マコトの妹。悪魔化した人間によりブラックゼウスの元に連れて行かれる。
- メイドン遊使(上村典子)
- 六聖球を導き、神帝たちのルーツ(子孫、生まれ変わりといった意味)であるメイドン天使5人が登場。マコトを促し、彼のルーツらしき「FuzzyMR.」を顕現させる。
- ダークマター(飯塚昭三)
- TVアナウンサー(小林通孝)
- タンゴ博士(田中秀幸)
- シール開発者、反後四郎氏をモチーフにしたキャラクター。シールの歴史の解説コーナーに登場。
脚注
- ↑ 加えて、出会った次代たちからも力を授かり少しずつパワーアップ。そして次界最終エリア「アクアマーピィ」でのブラックゼウスとの対決において、パワーアップが完成(次王帝化)する。その後、次界が大洪水に飲み込まれそうになったときや、ダークマターとの対決では、さらに武装化(フルジャイケット化)した。
- ↑ サン・マルコとなってからは突如背の高い美少年となり大人っぽくなったが、饅頭好きで裏表のない性格は変わらず。
- ↑ 原作シール19弾次代。シールでは青い長ズボンを穿くが、アニメでは白い半ズボン。アニメのほうが幼い顔つきで、大きな目をしている。力を発揮する時などはシール同様(ワンダーマリアに似た)鋭く涼しげな目つきになる。その後はヘッドシールとして21弾:ジャイケット、22弾:フルジャイケット、23弾:サンマルコ、24弾:アレキサンマルコと優遇された扱いをされている。
- ↑ この世界では両親の理力から子供が生まれるため、母親であろうとも実母であるという確証は持てない。
- ↑ 原作シール19弾次代。シールでは肌は肌色(アニメでは白)。オリン姫の姿はアニメのみの登場であったが、後年の「超元祖ビックリマン」発売時にスペシャルヘッドシールとして発売された。聖神ナディアの子であるスーパーゼウス・ブラックゼウスは母親違いの弟になる。しかしメディアが長い間放浪の旅をしていたため成長が遅れたのか、彼らより若い姿である。
- ↑ ヤマト爆神は前作にて天蓋瀑布に飲み込まれたが、この世界では両親二人の理力から子供が生まれるので、ストライクエンジェルとの子孫であると考えても設定的には矛盾は無い。
- ↑ アニメ本編に初登場したのはビックリ学園編からだが、設定ではピア・マルコが実際に幼い頃から面倒を見ており、パールディメンション編でのマルコの回想で確認できる。また絵本などによっては赤ん坊の頃のピア・マルコを育てている図も存在する。
関連項目
外部リンク
- 新ビックリマン(東映アニメーション)
- 東映アニメBBプレミアム
朝日放送 日曜朝8時30分枠のアニメ | ||
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