印籠(いんろう)は薬を入れて腰に提げる小さな容器。
3段、4段、5段重ねに仕切った扁平な小型容器に設え、両側に穿った穴に紐を通して連結させるのが通形である。蓋の両肩から伸びた紐の先端には腰に下げるための根付を着し、その間に取り付けた緒締で各段の開閉を調節する。重ね容器としているのは、異種の薬品を一具の中に納めるための配慮である。