神戸小1女児誘拐殺害事件
神戸小1女児誘拐殺害事件とは、2014年9月11日に行方不明となった、神戸市名倉小学校1年の生田 美玲(いくた みれい)ちゃんがバラバラ遺体で発見された事件である。犯人は君野康弘(47歳)。
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消息つかめず
神戸市長田区で名倉小1年の生田美玲ちゃん(6)=同区長田天神町1=が行方不明となって9月18日で1週間が過ぎた。
美玲ちゃんは11日午後、約3時間にわたって学校周辺のなじみの場所、半径300~400メートルの範囲を転々としていた。校区外に向かって歩く姿を最後に目撃情報が途絶えた美玲ちゃんの足取りをたどった。
名倉小の校門前。11日午後2時45分ごろ、美玲ちゃんが小走りで下校する姿が防犯カメラに写っていた。今は一斉下校になり、坂を下った交差点には警察官が。立ち番をしていた住民は「美玲ちゃんがいなくなり、遊びに外出する子が減った」と語った。
美玲ちゃんは8月下旬、学校の西約200メートルのアパートに引っ越した。美玲ちゃんは近くにある祖母宅に寄った後、外出したとみられている。
向かった先は、引っ越し前に住んでいたマンション。別の同級生も暮らす。車が絶えず行き交うバス道沿いにある。日傘を差して1人で歩く姿などが周辺の防犯カメラ3台に写っていた。
美玲ちゃんは、管理人から同級生の体調が悪いことを聞き、1人で遊んでいたが、 マンション脇の人通りの少ない坂道を上っていったという。
約1時間後に名倉幼稚園前、その30分後には名倉交番前で児童が目撃した。周囲はまだ明るいが、アップダウンが続く。大人の足で十数分だがどう移動したのか。交番が面する交差点にはパン店がある。店では今月上旬、迷子になっていた美玲ちゃんを店内に招き入れたという。
この後、パン店を過ぎ、祖母宅とは逆の大丸山公園に向かったようだ。昨年までいた保育所でよく散歩に訪れた辺りだが、坂の傾斜はきつく、住宅の塀の高い所も多い。美玲ちゃんは公園そばの坂道を下り、校区外へと歩いていったという。
帰宅する近くの高校生らとすれ違った。小学校が帰宅を促す午後5時半を過ぎていた。
美玲ちゃんの境遇
- 母親は去年だか半年前にデキ再婚
- 継父、母、種違いの乳児と木造1Kボロアパートで4人暮らし
- 小1で門限18時
- 夜に徘徊癖アリ
- 当日も祖母の家から登校、帰宅
- 普段、美玲ちゃんの引率を担当している6年生女児「あの子は誰にでも付いていく癖があった。過去に注意をしたことも歩けど『うん』としか言わなかった」「猫を追いかけて知らない人の家に上がっちゃう」
- その6年生女児の母親「母親が自宅にいなくて鍵がかかっていて家に入れずにびしょ濡れで商店街の店に保護された事があります」
- 前日に夜の7時か8時まで友達の家にいて、友達のお母さんが、みれいちゃんの家まで送りに行ったら誰もいないから、警察に引き渡した。
- 友達のマンション(不明女児も7月まで住んでいた)に行ったが入れてもらえず
- 遊ぶはずの友達のマンションにも行ったらそこの管理人さんがその子は具合悪くなったから遊べないって言ったらしい。そんな事管理人さんに伝言するものかな?そのマンションの子の母親が「管理人が気を遣って断ってくれたのかも」って言ってたね。疎ましく思われてたのかな…なんか可哀想
- 友達のマンションの2階に住む男性「見かけたよ。来たから。家に。(Q.お小遣いが欲しいと?)そんな感じ。20円を渡してあげた」「美玲ちゃんが訪ねてきたのは初めてでした。20円しかないと言ってお金を渡したらすぐ出ていきました」と話している。
- 他に別の人物からも100円ほど貰う先があり、通っていたそこは「家の人が厳しく止めた」と言っているが、実際に止めてたどうかはわからない(一人で行ってもらっていた可能性を示唆)
遺体発見(2014年9月23日)
23日午後4時10分頃、神戸市長田区長田天神町の雑木林で、ポリ袋に入った子供の遺体があるのを、巡回中の兵庫県警の警察官が見つけた。
遺体は切断され、袋は三つ以上あった。9月11日からは、同町に住む市立名倉小1年、生田美玲(みれい)ちゃん(6)が行方不明になっており、県警は死体遺棄容疑で捜査を始め、遺体は美玲さんの可能性があるとみて身元の特定を急ぐ。
遺体は、警察官が異臭に気付き、発見。袋の一つには、子供の頭部が入っており、別の袋からは手が見つかった。遺体は傷みが激しく、性別ははっきりしないという。
遺体が見つかった雑木林は、住宅街の細い路地の階段を上りきった場所にあり、人通りが多い道路からは死角になっている。すぐ南側にマンションがあるが、雑木林との間には大きなコンクリートの斜面があり、マンション側から雑木林に入るのは難しい。
美玲ちゃんが普段暮らしていた、自宅近くの祖母宅は、遺体発見現場の南西約150メートルにある。県警はこの周辺も捜索しており、何者かが捜索をかいくぐって遺棄した可能性が高い。
不明女児と同じ服、ポリ袋から見つかる
神戸市長田区長田天神町の雑木林で23日夕、複数のポリ袋の中から切断された子供の遺体が見つかった事件で、兵庫県警は24日未明、近くの市立名倉小1年、生田美玲(みれい)ちゃん(6)が9月11日に行方不明になった際に身に着けていたのと同じ衣服などもポリ袋から見つかったと発表した。
県警は、遺体が美玲さんの可能性が高いとみて確認を急ぐとともに、殺人・死体遺棄事件として長田署に捜査本部を設置した。
発表では、頭部、両手と胴体、両足がそれぞれ別のポリ袋に入れられていたが、腰の部分がなかった。また、美玲さんのものとみられるピンクと青色のワンピース、サンダル、下着も袋から見つかったという。
ポリ袋は5~10メートルの範囲に散らばるように置かれていた。県警はこれまで、遺体発見現場の周辺にある空き家は調べていたが、ポリ袋が見つかった場所は捜索していなかったことを明らかにした。
自宅すぐそば、無造作に遺棄=兵庫県警捜索も発見できず。車入れず「どうやって」
遺体を入れたポリ袋は美玲さん宅からわずか100メートルの雑木林の草むらに無造作に捨てられていたが、兵庫県警は複数回周囲を捜索しながら、袋を発見できなかった。現場は住宅街に近く、車では行けない場所。大胆な犯行に不安が広がる。
県警はこれまで大量の捜査員で美玲さん宅周辺の茂みや川を連日捜索。ところが、県警は雑木林を捜索エリアに指定し、17日に隣接する空き家を調査するなど何度も周囲を調べながら、袋のあった場所は未確認だった。
23日の捜索で異臭に気付いた捜査員が腰丈の草むらから袋を発見。袋は厳重に包まれてはいたが、狭い範囲に無造作に置かれ、埋めたり隠したりした形跡もなかった。
遺棄現場は地元の人でも分かりにくい場所で、人通りはほとんどない。ただ車が入れる道はない上、住宅街ですぐ裏には高層マンションも建つ。県警は徒歩で複数の袋を気付かれずに捨てるのは困難とみられることから、土地勘がある人物の関与を疑っている。
遺体は裸で、頭、胴体、両足が切断され、衣服や下着とともに数個の袋に入っていた。腰の部分は別の場所にあるとみられ、まだ見つかっていない。猟奇的な犯行に、県警は不審者情報を確認するなどして、容疑者特定に全力を挙げている。
犯人・逮捕
兵庫県警長田署捜査本部は24日、重要参考人として発見現場近くに住む男(47)から事情聴取を始めた。
遺体が入っていたビニール袋の中から、男のものとみられる診察券などが見つかっており、捜査本部は容疑が固まり次第、死体遺棄容疑で逮捕する方針。
捜査本部によると、遺体は刃物のようなもので切断された痕があり、頭部と胴体などが、何重にも包まれた袋に別々に入っていた。腰の部分は見つかっていない。目立った外傷はないといい、24日にも司法解剖して死因を調べる。
また、袋からは美玲さんが行方不明時に身に付けていたものと同じとみられるワンピースやサンダルが見つかった。持っていた可能性があるリュックサックは見つかっていないという。遺体の発見場所は、男の住居から約30メートルの距離。
近所の男を死体遺棄容疑で逮捕
神戸市長田区長田天神町1の雑木林で、ビニール袋に入った市立名倉小1年、生田美玲ちゃん(6)=同区名倉町5=の切断遺体が見つかった事件で、兵庫県警長田署捜査本部は24日、死体遺棄で、発見現場近くに住む職業不詳の君野康弘(47)=同区長田天神町1=を逮捕した。
美玲ちゃんの遺体が入っていたビニール袋の中から、君野名義の診察券やたばこの吸い殻などが見つかった。捜査本部は24日未明に事情聴取を始め、吸い殻に付着した遺留物が同容疑者のDNA型と一致した。