サクラ (おとり)
サクラとは、桜の花がパッと咲いて、さっと散ることから、その場面の盛り上げ役のことをいう。「偽客」と書いて「サクラ」と読ませるのは露天商などが用いた当て字が一般に広まったもの。
由来
もともとは江戸時代に桜の花見は無料で見られることから、芝居小屋でタダ見をさせてもらった後、芝居の見せ場で役者に掛声を掛けたりして盛り上げることや、それを行う人のことをサクラといったという。これが明治時代に入って、露天商や的屋などの売り子とつるんで客の中に入り込み、冷やかしたり率先して商品を買ったり、わざと高値で買ったりするような仕込み客のことを隠語でサクラと呼ぶようになった。
これから転じて、行商、露天に限らずビジネスや科学的な実験、マーケットリサーチなどでも、良い結果をもたらすために事前に相手方に送り込んだ回し者や、好ましい回答、報告をしてもらうために敢えて事前に手配したモニター、被験者もこのように呼ばれることがある。
芸能人裁判、保釈現場でいつもコメント。テレビでおなじみ「謎の女性」がネットで話題
逮捕された芸能人が保釈されたり、裁判が開かれたりする際に、テレビの情報番組では警察署や裁判所の前で待つファンの姿をよく映し出している。
メディアの取材に応じてコメントする人もいるが、その中に「いつも登場する女性」がいるという。いったい誰なのか、まさかテレビ局の「仕込み」か……。正体を巡って謎が広がっている。
ASKA保釈でコメントした女性は押尾学やのりピー裁判でも
「いつもの人だな」
「芸能事務所の人なのかな」
「どんだけこういう場に行ってるんだよ」
このようにインターネット掲示板で話題になっているのは、ある女性だ。
2014年7月5日放送の「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)は、覚醒剤取締法違反(所持、使用)などの罪で起訴された、歌手のASKA(本名・宮崎重明)被告が3日、勾留先の警視庁東京湾岸署から保釈された様子を伝えた。
このとき、ファンと称してひとりの女性が登場し、「更生していい曲を届けてね」とASKA被告に対するメッセージを送っていた。実はこの人物、別の芸能人の類似の報道でもメディアの取材を受け、放送されていたようだ。
2009年に覚醒剤取締法違反、保護責任者遺棄で逮捕、起訴された歌手の押尾学受刑者。判決が出される日に、「情報ライブミヤネ屋」(TBS系)の中継は、裁判所前で「ASKA保釈」のときに聞いた女性にコメントをもらっていた。「ミヤネ屋」では、覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた歌手、酒井法子さんの裁判の後でも、この女性にインタビューしている。
芸能人だけではない。婚活連続殺人事件で逮捕、起訴された木嶋佳苗被告の裁判を、この女性は傍聴。終了後にはマスコミに囲まれながら、死刑判決が出たときの木嶋被告の様子を語っていた。
ネット上では、女性がインタビューに答えるそれぞれの画面を見比べて、「なぜいつも同じ人が答えているんだ」と不思議がる声があがっている。出回っている画像がTBSの番組のものが多いため、テレビ局が「コメント要員」として事前に準備したのではないかと疑う声も出たほどだ。
具体例
行列商法において行列を恣意的に生成する手段としてサクラが動員されたり、Consumer Generated Media(消費者生成メディア)におけるステルスマーケティングの一例として商品比較サイトへのサクラを用いた書き込みが行われている。
- 「タウンミーティング」での県職員ならびに市職員の大量動員
- タウンミーティングに関しては、市民活動家や市民団体の一員など、小泉内閣にとって都合の悪い人物を抽選で落とし、謝礼を払い賛成派だけを参加させた疑いがあることも判明している。(詳細はタウンミーティング 小泉内閣の国民対話を参照)
- 日本マクドナルド
- クォーターパウンダー販売開始時、大阪市心斎橋にある店舗に3,000人近くの行列ができたが、そのほとんどが短期アルバイトによる水増しであったという疑惑がある(クォーターパウンダー#日本におけるクォーターパウンダーを参照)。
- 出会い系サイトの利用客の女性を装ったサクラ
法的評価
サクラを使い、顧客に価値判断を誤らせて商品を販売すると、詐欺罪が成立するというのが確立した判例である。