女子高生ブーム

女子高生ブーム（じょしこうせいぶーむ）とは、女子高生がルーズソックスに代表される独自のファッションを生み出したり援助交際を行うことによって社会的に注目された一連のムーブメントのこと。

「女子高生のミニスカ化」と「ルーズソックスの発明」

90年代初頭、女子高生の間で制服のスカートの丈を短くするのが流行した。この“女子高生のミニスカ化”は全国的なブームとなり、女子高生の間で定着していった。

すると、女子高生の制服姿の下半身部分に空きができ、その部分を埋めるという目的で、仙台市の女子高生がルーズソックスを発明した。ルーズソックスも全国的に流行した。

こうして93年には女子高生の間で、“ミニスカートにルーズソックス”という新たなスタイルが完全に定着した。女子高生ブームの始まりである。

「援助交際の開始」と「ブルセラ・ブーム」

90年代前半、女子高生の間でポケベルが流行し、“放課後の男遊び”の待ち合わせツールとして欠かせない存在となった。

この頃、世間ではテレクラが流行しており、小遣い欲しさと遊び感覚で、女子高生もテレクラを頻繁に利用するようになった。もちろん、テレクラは男性は有料でも女性は無料である。

こうして、女子高生の間でテレクラを中心に援助交際が浸透していった。

これに追い討ちをかけたのが、携帯電話の普及とNTTのiモードの登場である。女子高生は携帯電話を活用し、ますます援交をするようになっていった。

この間、女子高生の間でブルセラがブームとなり、女子高生が放課後、ブルセラでパンツを売って小遣いを稼ぐという姿が見られた。当時、ブルセラは合法行為であったため、小遣い欲しさの女子高生の間で大流行した。

ブルセラ通いをした女子高生の中には、AVに出演して性行為を披露した少女も多かった。

このような女子高生達の活躍によって、80年代にマスコミや世の男達からもてはやされた女子大生は、次第に駆逐されていった。こうして一世を風靡した女子大生ブームは完全に消滅し、女子大生のブランドや価値は急激に低下してしまった。世の男達は、女子大生より女子高生を求めるようになったのである。

「援交ブームの到来」

女子高生の間で援助交際がピークを迎えたのが1996年である。この年は、援助交際が流行語大賞に選ばれた年でもあった。援助交際は女子高生を中心に、女子大生、OL、主婦の間でも流行した。

80年代の女子大生ブームがマスコミ中心で誕生したのに対して、90年代の女子高生ブームは女子高生が主体的にブームを起こしたという点が、注目に値する。その反面、どちらのブームも性風俗産業と表裏一体の関係にあった（80年代はノーパン喫茶とAV、90年代はAVとテレクラとブルセラ）。

「女子高生ブームの影響」

女子高生ブームは女子大生やOL、主婦にまで大きな影響を及ぼした。

東京では“女子高生の母親世代”に当たる中年の主婦達が、マンションの一室を事務所として、“女子高生のコスプレサークル”を設立した。主婦達は夕暮れの住宅街を、“セーラー服＆超ミニ＆ルーズソックス”という姿で練り歩いた。そうすることによって、主婦達は“性的な快感”を感じていたのである。

その結果、主婦達は彼女達の存在を知る周辺住民から、“変態呼ばわり”をされた。さらに、夕暮れの住宅街を“女子高生ファッション”で練り歩いていた44歳の主婦が、路上で襲われて髪の毛をハサミで切られるという襲撃事件が起こった。ちなみに、この主婦は警察の取調べで年齢を聞かれ、「私は16才です」と答えたという。

この事件が示すとおり、女子高生は女子大生やOLを圧倒しただけでなく、女子高生の母親世代をも圧倒したのだった。