レスリング最強論

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レスリング最強論(れすりんぐさいきょうろん)とは、レスリングが最強の格闘技であるという主張。

レスリング最強論の根拠[編集]

異種格闘技戦の色合いが強かった初期UFCでは、グレイシー柔術撤退後、ダン・スバーンマーク・コールマンマーク・ケアードン・フライらのアマレスラーが活躍し、総合格闘技界におけるレスリング黄金期を作り上げた。

レスラーはポジショニング技術が発達しており、他競技の選手と戦った場合、ほとんど上のポジションをとることができる。そこから頭突きやパウンドを打ち込み、地味だが効果的な攻撃で相手の戦意を奪ったり、判定で勝利を収めたりした。

UFC5ケン・シャムロックは、下からの関節技絞め技スイープを警戒して極力動きを少なくし、ガード・ポジションからコツコツと頭突きを打ち込む戦術でホイス・グレイシーと引き分けている。下からの積極的な攻めで手数ではホイスが上だったが、頭突きのダメージではシャムロックのほうが上だった。

マーク・ケアーは霊長類ヒト科最強の男と呼ばれ、当時多くの格闘技関係者が「ヒクソンよりも強い」と評した。

しかし、ルール上頭突きが禁止されたり、膠着ブレイク制が普及し、地味だが効果的なパウンド攻撃(いわゆる塩漬け戦術)が膠着としてブレイクされるようになった。そのため、何度もスタンドで再開しているうちに、ストライカーに打撃でKOされることも多くなった。また、他競技の選手がタックルの切り方を覚えたり、タックルを切って四点膝(タックルしてきた相手の上にかぶって、頭部に膝を打ち込む)を打ち込むなど、タックルの対策も普及したため、アマレスラーがテイクダウンを奪うのが難しくなった。

しかし、最近のUFCヘビー級王者であるランディ・クートゥアブロック・レスナーもレスリングを土台とした選手であり、「ボクシング+レスリング」の組み合わせはもっともシンプルな格闘技スタイルであるといわれ、現在でもレスリングのグラップリング技術は総合の基本ベースとして重視されている。

ノールール・レスリング最強論[編集]

総合格闘技におけるレスリング全盛期が終わったのは、あくまで頭突き禁止や膠着ブレイク制などのルール変更のためであり、もっともノールールに近い初期UFCでレスリングが高い実績を示したのは事実であり、ノールールならやはりレスリングが最強ではないかという意見もある。

グレイシー柔術も初期UFCでは高い実績を示したが、格闘家の佐山聡は、「柔術家などが下になって戦う場合があるが、あれは実戦的ではない。実戦では下になったら絶対にダメ。目を潰されるから」と述べている。下にならないことを至上命令にしているレスリングは、他競技よりも上のポジションをとることが得意であり、そこから目潰ししたり、最小限の動きで頭突きやパウンド、肘を打ち込めば、一流の柔術家でも下から脱出することは困難だという意見がある。

しかし、もちろん膠着ブレイク制がなく、目潰し有りの試合は興行的にもモラル的にも実施するのが難しく、実際の試合で実験、確認できないため、ノールール・レスリング最強論も伝説の域を出ない。

アマレスラーの総合格闘技での主な実績[編集]

総合格闘技に挑戦したレスリング・オリンピックメダリスト[編集]

関連項目[編集]