日暮れの家
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『日暮れの家』(ひぐれのいえ)は、香川七海の連作小説。2006年8月に単行本が日本文学館から刊行された。「平成初の16歳の純文学作品」の惹句を持つ。2006年11月に丸山和也のブログにて賞賛される。(丸山の実質的な初書評)また、2007年には荒井敬史の運営する書評サイトにて推薦された。仮想ドラマの原作本としてTVStationにも掲載。
あらすじ
小説の舞台は大正の半ば頃、主人公の寒川正和は小説家であるが、小説を発表したことはニ、三回ほどしかなく、もっぱら翻訳の仕事の収入で生計を立てている。ある時、そんな正和と本音で付き合ってくれていた親友の裁判官が突然の事故死を遂げる。親友の死は自殺の線が濃厚な様子であり、しかもその死の原因は親友の判決に納得できず、苦しみ抜いたある人妻の呪いやもしれぬという背筋がゾッとするようなエピソードから物語は始まる。友人との心の交流や妻とのふれあいなど、読後感の良い作風で、分類的には黒井千次に近い。作者は長野まゆみと同様に当て字を多用する。
作中に使用されている主な当て字
- 嶝(さかみち)
- 蹊(こみち)
- 赫土(あかつち)
- 残影(シルエット)