2007年の気象・天体
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目次
概要
天候
日本
前年からこの年にかけての冬は、1949年と並ぶ記録的な大暖冬となった。晩冬から春にかけては乾季の流れ込みが強くなったため、遅い雪や急速に発達する低気圧による暴風や豪雨に次々と見舞われた。梅雨入りが平年より遅くなったことで、ラニーニャ現象の影響で梅雨が短くなり夏は少雨・猛暑となる可能性が高いとされていたが、結局、冷夏となり、地球温暖化の進行は妨げられた。本格的な酷暑・少雨・猛暑は2023年以降に発生するとされる。
世界
年初から2月にかけてエルニーニョ現象が起こった。この影響があると見られる、南米やアフリカ東部の豪雨、東南アジアの低温、北米やヨーロッパの嵐が相次いだ。南アジアではモンスーンの豪雨や暴風雨が相次ぎ、インドだけで7月8日までの死者が合計660人に達した。オーストラリアでは東部を中心に記録的干ばつが続いており、6月に入ってからは一転して暴風雨や雷雨にたびたび襲われるなどしたものの、依然降水量は少ないままとなっている。また、5月ごろからラニーニャ現象が発生した。
地震・火山
千島列島やソロモン諸島など、海溝型の大地震が続発した。また、イギリス(ケント地震)やノルウェー、アメリカ東部などの地震が少ない地域でM4~5程度の地震が相次ぎ、各地で話題となった。東南アジアではM6~7クラスの地震が相次いで発生し、多くの被害が発生した。また、レユニオン島のピトン・ドゥ・ラ・フルネーズでは過去最大規模の噴火が起こったほか、インドネシアや南米などで複数の火山が噴火した。
出来事
1月
2月
3月
4月
- 4月1日 - タジキスタン東部で雪崩、10人が死亡。
- 4月2日 - ソロモン諸島近海でM8.2の地震、津波が発生し、死者・行方不明者100人、数千人が家を失った。
- 4月6日- 2006年8月から噴火を続けているレユニオン島のピトン・ドゥ・ラ・フルネーズの噴火活動に伴い、一時避難命令。魚の大量死も発生。今回の噴火は観測史上最大級となった。
- 4月15日
- 4月17日 - アメリカ北東部からカナダ南東部にかけての地域で春の嵐(Nor'easter)による被害、吹雪や洪水、竜巻により17人が死亡。
- 4月18日 - コロンビア西部のウィラ山が噴火、土砂崩れにより家屋や道路に被害、8,000人以上が避難。
- 4月21日
- 4月19日 - カナダ・ニューファンドランド島沖で、嵐により漁船100隻以上が海氷の中で動けなくなった。
- 4月27日 - バングラデシュの首都ダッカで暴風雨、6人が死亡、50人が負傷。
5月
- 竜巻の被害を受けたグリーンズバーグ、上空から撮影
- 上旬
- 5月2日・7日 - チャドで竜巻による被害が相次ぎ、計23人が死亡、約100人が負傷、50件以上の家屋に被害。
- 5月4日
- アメリカ合衆国中西部から南部にかけて相次いで竜巻が発生、カンザス州グリーンズバーグでは9人が死亡。
- インド南部の東海岸で暴風雨と落雷、15人が死亡。
- 5月6日 - アフガニスタン北部のサマンガン地方で洪水、3,000以上の家屋が全壊。
- 5月8日 - ミャンマー南部で過去40年で最も強い豪雨、5人が死亡。
- 5月11日 - インド北部とパキスタン北東部が雹や落雷を伴った集中豪雨に見舞われ、暴風雨や落雷、洪水、火災、停電による被害が広範囲に及んだ。死者はインドで31人、パキスタンで8人に達した。
- 5月15日 - イスラエル東部で鉄砲水、死海沿いの渓谷でロッククライミングをしていた4人が死亡。
- 5月12日~16日 - アフガニスタン北東部で洪水、24人が死亡、800以上の家が全壊。
- 5月17日
- チベットで豪雨、雪崩や土砂崩れの影響で2万2千人が住む集落が孤立。
- インドアーンドラ・プラデーシュ州で熱波、5人が死亡。
- 下旬 - モスクワで4日間連続で30℃を超える熱波、16人が死亡。
- 5月21日 - ミャンマー沿岸部で嵐による被害、900以上の家が壊れ、8人が死亡。
- 5月22日
- コンゴ民主共和国で嵐による被害、Uele川で船に乗っていた17人が死亡。
- 中華人民共和国南西部で洪水、鉄砲水や土砂崩れにより6人が死亡、3人が行方不明に。
- 5月24日 - カメルーンアダマワ州で雷雨、落雷により子供5人が死亡。
- 5月25日 - 中華人民共和国重慶市や四川省で大雨、鉄砲水や洪水の被害、10万人以上が避難、21人が死亡。
- 5月29日 - ヨーロッパから西アジア西部を低気圧が通過、洪水、鉄砲水、落雷、土砂崩れ、遭難などにより合わせて23人が死亡。
- 5月30日
- アメリカ合衆国テキサス州中央部で洪水、6人が死亡。
- バングラデシュで暴風雨、5人が死亡。
- 5月31日~6月1日 - バングラデシュで熱波、29人が死亡。
6月
- イラン南部に接近するサイクロン・ゴヌ
- 上旬~中旬 - インド北部・パキスタンで熱波、各地で50℃を超える気温を観測するなどし、合わせて230人以上が死亡。
- 6月3日 - 雲南省でM6.4の地震、3人が死亡、200人以上が負傷。
- 6月5日 - インド中央部西海岸で大雨、7人が死亡。
- 6月6日 - イラン南部にサイクロン・ゴヌが上陸し、周辺の各地で強風・高潮・大雨による被害。イランで23人が死亡、オマーンで49人が死亡、27人が行方不明に。
- 6月8日~9日 - オーストラリア東部で暴風雨、洪水や鉄砲水、船の座礁などが相次ぎ、6人が死亡、2人が行方不明に。
- 6月11日 - バングラデシュ南東部で豪雨、地滑りや落雷などで130人以上が死亡・行方不明に。
- 6月14日
- インド東部のジャールカンド州で雷雨、21人が死亡。
- 中国華南で低気圧性の暴風雨と長雨が続き、6日からの累計で死者は76人に達した。影響を受けた市民は300万人に上った。
- 6月18日 - インド東部のウェストベンガル州やビハール州で雷雨、16人が死亡。
- 6月19日 - アメリカ合衆国テキサス州で鉄砲水、4人が死亡。
- 下旬 - ヨーロッパ南東部で1週間近く高温が継続、ブルガリアで40℃、ギリシャで46℃など、各地で史上最高気温を観測。ルーマニアでは、首都ブカレストを中心に29人、イタリアで6人、ギリシャ、ルーマニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、トルコの各地で4人など、あわせて50人以上が死亡。イタリア南部・ギリシャ・トルコでは森林火災による被害も。
- 6月20日 - イエメンで熱波、10人が死亡。
- 6月21日~23日 - インド南部の東海岸で豪雨、洪水や鉄砲水により41人が死亡、約5万人が避難。
- 6月24日 - パキスタン南部のカラチで豪雨、強風や洪水により230人以上が死亡。
- 6月25日 - イギリス北部や中部で洪水、3人が死亡。
- 6月26日
- パキスタン南部にサイクロンYemyinが上陸、洪水などにより21人が死亡、25万人が家を失った。
- 中国浙江省で雷雨が発生、雷により5人が死亡し、1人が負傷。
- 6月27日 - インド東部で大雨、91人が死亡。
7月
- 沖縄本島付近を通過する台風4号
- 上旬 - 中国南部から中南部にかけて大雨、一時100万人以上が避難し、合計130人以上が死亡・行方不明に。
- 7月2日 - パキスタンバローチスターン州で洪水、6つの村を鉄砲水が襲うなどして、30人が死亡、1万人以上が避難。
- 7月3日
- 中国湖北省で大雨、洪水や土砂崩れにより24人が死亡。
- ロサンゼルス郊外で、過去12ヶ月間の雨量が過去最低の3.2インチ(81.3mm)を記録するなど、カリフォルニア州の広い範囲で少雨が継続していることがわかった。自治体では森林火災予防のため、外での火の使用を制限するよう呼びかけるなどした。
- 7月5日
- 中国安徽省で竜巻が発生、14人が死亡、146人が負傷、100件以上の家が被害を受けた。風速は100km/hに達した。
- ベトナムで、農作業をしていた5人が雷により死亡。この周辺の地域では、数日前にも雷による死者が出ていた。
- 7月6日 - ニュージーランド北島の南西部で複数の竜巻が発生、強風や雷雨により数百件の家が損壊。
- 7月9日 - ペルー・ボリビア西部・アルゼンチンなどで寒波、ペルーでは55人が死亡。
- 7月10日 - インドネシア・ハルマヘラ島のガムコノラ山が噴火、8,000人が避難。
- 7月11日
- フィリピンの金鉱山で集中豪雨により地滑りが発生、5人が死亡。
- 長期の洪水の影響で、6月下旬以降、中国湖南省では大量のネズミが移動、農作物に大きな被害が出ていることが分かった。移動したネズミは推定20億匹。
- 7月12日
- スーダンで大雨、洪水などにより30人が死亡、2500人以上が家を失った。
- 中華人民共和国で、華南を中心に発生した今夏の大雨による死者が累計で360人、農地被害400万ヘクタール、住居被害20万軒に達したことがわかった。
- 7月13日~14日 - 台風4号が鹿児島県大隅半島に上陸。沖縄から関東地方を暴風域に巻き込みながら通過。沖縄と九州南部では暴風による被害、西日本~東日本太平洋側の地域を中心に大雨、増水した川に流されるなどして3人が死亡、2人が行方不明に。
- 7月14日~15日 - 中国東部で豪雨、洪水により30人が死亡、60万人が家を失った。
- 7月15日 - インドアッサム州東部で洪水、約120の村から4万人以上が避難。
- 7月16日 - M6.8の新潟県中越沖地震が発生、新潟県・長野県で震度6強を観測、死者10人、負傷者約1300人、全壊建物約950棟などの被害が出た。柏崎刈羽原子力発電所では被害は出なかったものの、複数のトラブルが発生した。
- 7月17日 - ハワイで少雨、ホノルルでは今年のこれまでの雨量が2.2インチ(55.9mm)を記録するなどし、山火事が多発している。
- 7月19日~7月25日 - ヨーロッパ南東部で再び熱波。
- ルーマニアでは42℃を記録するなどし、30人が死亡、自然火災が多発、レールの変形による事故を防止するため列車は速度制限を課すなどした。
- ブルガリアのサンダンスキーで44.6℃、セルビアのチュプリカでも44.6℃、イタリアのバーリで45.6℃、ギリシャやトルコでは46℃を記録。
- 熱中症や暑さに起因する病気で病院に運ばれる人が急増し、ルーマニアでは1万9千人にのぼった。ハンガリーでは推定ながら死者約500人、確認されているものではオーストリアで5人、イタリアで4人、マケドニアとギリシャで2人が死亡した。
- ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、イタリアを中心に山火事が拡大。
- 7月20日 - 中華人民共和国全土で、雷による死者が今年初めからの累計で282人に達した。このうち100人近くが今月死亡している。
- 7月17日~7月23日 - 中国華南や華中、新彊ウイグル自治区で豪雨、150人以上が死亡、4千軒以上が全壊、100万人以上が避難した
- 7月20日~25日 - イギリスで大雨、中南部を中心に洪水が発生し、14万世帯以上が浸水、各地で停電や断水も発生。
- 7月21日~23日 - バングラデシュ北部で大雨、15人以上が死亡、約50万人が洪水の中で孤立。
- 7月23日 - インドネシアスラウェシ島で集中豪雨、1万6千人が避難、地すべりなどにより7人が死亡、数名が行方不明。
- 7月24日 - アラブ首長国連邦で熱波、ドバイで史上2番目に高い45℃、アルアインやアブダビでは46℃を記録。
- 7月28日、7月30日 - インド東部、ネパール、バングラデシュで大雨、100人以上が死亡。
- 7月30日 - 日本の東海地方や関東地方で豪雨、静岡県島田市で1時間降水量110mmを記録。
8月
参照
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・2007年の気象・天体を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |