零元
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数学において、零元(れいげん、ぜろげん)とは、
のことである。環や体などにおいては、加法に関する単位元としての零元は、積に関して上に示した 1 の意味での零元の条件を満たすので、二つの意味の零元の概念は多くの場合には区別する必要がないが、場合によっては注意が必要である。その場合、どちらの意味の零元であるかは文脈上明らかとなっているはずである。以下、本項では 1 の意味の零元を基本的に扱う。
S の零元をあらわす記号には数字の 0 を流用して、0S あるいは単に 0 などと記すのが普通である。
関連諸概念[編集]
- 左零・右零
- S の任意の元 x に対し、0lx = 0l を満たす元 0l を左零元、x0r = 0r を満たす元 0r を右零元という。左零かつ右零である元が零元である。
- 零元の添加
- 二項演算 * を持つかってな集合 M が与えられたとき、M に新たな元 0 を付け加えた集合 M0 := M ∪ {0} を考える。このとき、
- 任意の a ∈ M0 に対して a * 0 = 0 * a = 0
- と定めて、M の演算 * を M0 上に延長することにより、元 0 を M0 の * に関する零元とすることができる。この M0 を M の 0-添加という。
- もし、M がもともと * に関する零元を持っていたとしても、それはもはや M0 上の * に関する零元ではない。
例[編集]
- 整数環 Z、実数体 R などにおいて、数 0 は通常の積に関する零元である。
- n × m 型の行列と m × l 型の行列の積において、n × m 型の零行列は左零元、m × l 型の零行列は右零元である。特に同じサイズの正方行列全体のなす環について、零行列は零元である。
関連項目[編集]
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