ケルステン・トルボリ

ケルステン・トルボリ（Kerstin Thorborg, 1896年5月19日 - 1970年4月12日）は、スウェーデンのメゾソプラノ歌手。

ダーラナ地方のヴェンジェンの生まれ。1914年から1916年までベクショーでイナ・ヴィックストレームに声楽を学び、1917年から1919年までギリス・ブラット、1919年から1923年までカリン・フォン・ローゼンの薫陶を受けた。1923年にストックホルム王立歌劇場でのジュゼッペ・ヴェルディの《シチリア島の夕べの祈り》の上演にローラ役として参加して初舞台を踏み、1924年にはリヒャルト・ヴァーグナーの《ローエングリン》のオルトルード役、1925年のジュゼッペ・ヴェルディの《アイーダ》のアムリネス役を歌って好評を博した。1928年にはストックホルム王立歌劇場のディレクターであったグスタフ・ベルグマンと結婚している。1930年にニュルンベルク歌劇場との専属契約を足掛かりに、ドイツ、オーストリア各地の歌劇場に出演したが、ナチスの台頭には警戒。1936年にはメトロポリタン歌劇場でのヴァーグナーの《ヴァルキューレ》のフリッカ役でアメリカ・デビューを果たした。ナチスがオーストリアを併合するとアメリカに渡り、メトロポリタン歌劇場を中心に活動するようになった。1950年に引退後はスウェーデンのヘーデモラに定住。

ヘーデモラにて没。